使用済み自動車リサイクルの行方
2000,10,30
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●これまでの主な経緯及び今後
1997年5月に通産省・産業構造審議会によって、「使用済み自動車リサイクルイニシアティブ」が策定され、これに基づいて1998年1月(社)日本自動車工業会、(社)日本自動車部品工業会、(社)日本鉄リサイクル工業会がリサイクルイニシアティブ「自主行動計画」を策定した。
主な内容的には2002年度までに
新型車のリサイクル可能率を90%以上にしたり
鉛使用率を下げたり
使用済み自動車のリサイクル率を95%以上にしたり
最終処分量を減らしたりするものである。
またマニフェスト制度なども検討され、
近い将来は使用済み自動車リサイクル法なる法律を制定する予定である。
●今までにも、
1997年4月に通産省は「特定フロン回収促進プログラム」を策定。
再生資源利用促進法で第一種指定製品に指定。
1996年4月廃棄物処理法においてシュレッダーダストを重金属の含有率が多いとの見解から(豊島の事件)、従来の安定型処分場(素掘りの処分場)から管理型処分場(シート+水処理)と強化。
また再生資源利用促進法の改正後は発生抑制、再使用、再利用が強化される予定である。
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このような状況の中で現在進行なのが、通産省 産業構造審議会 廃棄物・リサイクル部会 自動車リサイクル小委員会である。
今回は13回目ということで、業者の意見陳述という段階である。
通産省を事務局とする委員会に意見を出す団体は、自動車解体業者とシュレッダーダスト処理業者ということで、リサイクル・処理処分を行う重要な位置を占める団体で注目すべき会議である。
委員会を構成する各団体の中にも思惑が見え隠れする。
以下は私の勝手な考え方である。
●通産省(事務局)
→とにかくリサイクルイニシアティブも出してしまい、審議会もここまで来たのだからうまくまとめて早いところ法律にしてしまおう。
●(社)日本自動車工業会、(社)日本自動車連盟、(社)日本自動車販売協会連合会等(委員)
→リサイクルイニシアティブ「自主行動計画」を出してしまった以上、達成しなければならないが、法律が作られるとなると問題は大きい。とにかくこの場では余り駄々をこねてもしょうがないから、解体業者、シュレッダー処理業者を悪者にしてしまおう。
●(社)日本鉄リサイクル工業会(委員)
→(社)日本自動車工業会、(社)日本自動車部品工業会と「自主行動計画」を立てることができた。寄らば大樹の陰である。我々も静観するつもりだが、取りあえず解体業者、シュレッダー処理業者を悪者にしてしまおう。
●学識経験者(委員)
→とにかく意見を言わなくては。
特に座長を務めている早稲田大学の永田先生はこの各種リサイクルの審議会のほとんどの座長を務めていて、いささかお疲れのようである。
●シュレッダーダスト処理業者(意見陳述者)
→自動車のリサイクル問題が盛り上がるほど、売り手市場になり儲かるしくみである。多いにリサイクルを推進してほしい。解体業者ががたがた言わないように理論武装をしておこう。
●自動車解体業者(意見陳述者)
→本調査の主要な内容である。
私見を入れないで最後の項に意見を取りまとめる。
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このような重層構造になっていて一筋縄では解決しない問題がある。
肝心な処理業者が蚊帳の外(解体業者が自動車関連業者からはずれている)にいて、情報網が寸断されているのである。
上層部でイニシアティブや自主行動計画などを作っていて、肝心な彼らの意見は取り残されたままなのである。
それも第13回という切羽詰ってほとんどが決定されてからの、意見陳述である。
(彼らは肌で感じた意見を述べている。学識経験者のように杓子定規な言葉で言い表せないことも数多く述べている。)
これらはまともに法に反映されない可能性がある。
審議会の場所が通産省の会議室であったことも、解体業界の意見が現実離れしているような印象を与えてしまう。
もし、解体現場での会議であればもうちょっと真実味のある会議ができたと思う。
このままでは平行線で絵に描いたもちのような案が出てくるだけであろう。
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●自動車解体業者からの意見
キレイ事では済まされない事態である。
歴代の通産省自動車課長からはきちんとした回答をもらっていない。
無償で引き取って処理を行っているところと、有償で引き取って処理するところがあるが基本的に処理内容は同じ、しかし法的には前者は許可が不要で後者は許可が必要である。
適正処理の定義がハッキリしていないが、キチンと処理していないもの(非合法に処理されたもの)はリサイクルとして区分しないでもらいたい。
鉄価格の低迷とシュレッダーダストの高騰というジレンマ。
自動車解体業者とシュレッダーダスト処理業者との競合及び自動車解体業者同士の競争激化
解体業者には零細企業が多いがコストパーフォーマンスの点でそのメリットは大きい。
特にシュレッダーマシンで大量処理を規制してもらいたい。
シュレッダーダストの処分場を確保してもらいたい。
マニフェストを全国的に実施してほしい。(自主的に現在一部行っている)
車のリサイクル率を表す指標は重量ではなくて容量である。(シュレッダーダストは容量が大きいことが問題)
解体業者は零細な企業が多く、経営基盤が不安定、劣悪な作業環境、社会的に差別されている等問題が多い。
●また委員会からの質疑応答から出た意見である。
解体業は70年の歴史があるが今回の委員会(特に自動車関連業者)の枠から外れている。
規制が強化されますます設備に費用がかかるようになるが、金をかけたからといって適正処理できるわけではない。例えば油をこぼさないような処理をしていれば油水分離などの処理は必要ないのではないか?
鉄の引取価格が安い→カルテルを結んでいるのではないか。
その昔は「古物商」の免許で解体業を行っていた。現在は廃棄物処理業も必要となる。その分地方での許可取得に忙しくなり、国への働きかけが薄くなってしまった。
また、廃棄物処理の業の許可は移転した場合には新たに取りなおす必要性がある。(企業の統廃合等の)流動性がなくなる。
解体業者同士のチェックを自主的に行っている。
廃棄車両の利用チケット制度を導入している。料金は廃車を出す側と解体業者で折半。
「環境」と言われても分からない業者が多い。
●以下はシュレッダー処理業者からの陳述である。
精錬業を営んでいる。設備の改造により4〜5倍の処理能力が出るようになった。もちろん以前よりも排ガス処理設備は充実しているため、ダイオキシン等排出量は少なくなっている。しかし廃棄物処理法では10%以上の能力増強の場合は許可の取り直しが必要となる。この当たりを改正して設備増強を積極的に促してほしい。
シュレッダーの処分業(管理型処分場)を営んでいる。安定型処分場から管理型処分場へ移行しているが、それに伴って価格が高騰(2〜3倍)している。また、シュレッダーダストは比重が軽く処分場に負担をかける。また何が含まれているか分からないため、排水基準を満たすかどうか不明な場合もある。シュレッダーダストの仕分けをしてもらいたい。法改正後もまだ安定型に処分されている。