ダイオキシン類の総合的削減対策について
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ダイオキシン類は極めて毒性の高いといわれている2,3,7,8-PCDDをはじめとする様々な異性体と、ジベンゾフラン、コプラナーPCBを含む一連の有機塩素系化合物である。
日本の場合20〜30年前は有機塩素系農薬から由来したダイオキシン類で暴露されていたが、最近ではその影響も少なくなり、昨今では都市ごみの焼却施設からの暴露が圧倒的に多い。ちなみに1998年のデータでは日本全体のダイオキシン類の発生量は年間3kgに対して都市ごみの焼却施設からは1.3kg発生している。
ここではダイオキシン類の低減策を焦点に当てて述べる。
ダイオキシン類は酸素、水素、塩素からなる化合物であるため、これらの存在下では理論的に発生するのだが、特に下記の条件で発生しやすい。
・摂氏500〜700度くらいの温度域の燃焼
・有機塩素系化合物の存在
・燃焼温度の変動
・銅などの触媒の存在
・酸素濃度の変動による不完全燃焼
・高温の燃焼ガスの冷却
以上の条件が燃焼時に起これば比較的容易に生成する。
これらは都市ごみの焼却炉内の状況に他ならない。
厚生省の「ごみ処理に係るダイオキシン類発生防止等ガイドライン」では、上記の状況が炉内で起こらないようにするための指針や大型炉にすることなどがうたわれている。
しかし、自治体がこのガイドラインに沿うことは、現存の焼却施設の改造が伴う場合が多く、すぐに対応ができない場合が多い。
場合によっては数年間の工事が必要となり、その間のダイオキシン類の発生の危険がある。また炉の改造は非常に高額なものになるために、決済が遅れ危険な状況が長引くこともある。また、改造後でも投入するごみ質が一定しない場合、運転管理が難しくなり、人為的なミスで、ダイオキシン類を発生させてしまうリスクがある。
一方投入側のごみ質をコントロールする方法として、塩化ビニール類を、分別回収し焼却炉に入れない方法がある。
この方法が効果的かどうかを検証するために以下の数値を設定する。
・ごみ1t当たりの排ガス量 8,000Nm3
・ごみ1Nm3当たりのダイオキシン発生量 80ng
・ごみ1t当たりのダイオキシン発生量 640,000ng
・ごみ1t当たりの塩素含有量(有機塩素として)5,000g
・有機塩素1g当たりのダイオキシン類発生量1g
このような条件下では最大でダイオキシン類が5,000g発生することになる。これを640,000ngにまで低減させるためには有機塩素系化合物を1,000,000以下にする必要があり現実的ではない。
以上を踏まえて総合的なダイオキシン類低減策を述べる。
まず、手始めにできることはごみの減量化、ごみ質の安定化である。
ごみを減量させることは、焼却炉の負荷を低減し燃焼温度、酸素濃度を安定化することができる。ごみの減量により焼却施設のピット内でのクレーンによる攪拌が容易になり、ごみ質の安定化にもつながる。
また、ごみ質の安定化は厨芥類の含水率を低減させることである。これにより燃焼温度を高め、一定させることができる。金属やその他の燃焼不適物を分別したり、焼却直前に取り除くことにより、触媒作用を減らし、不完全燃焼を減らすことができる。
場合によっては厨芥類を可燃ごみに入れないこともごみ質の安定化には必要になる。
以上の方法は住民の協力で容易に行うことができる。
このように排出側からのごみ質の安定化を計り、ダイオキシンの低減効果を鑑みながら、最終的に焼却施設の改造に結びつけられれば、経済的にダイオキシン類を低減させることができ、ひいてはその他の有害物質の発生も抑えることができる。