1……小野照崎神社の稲荷神社(2003年1月5日)

所在 東京都台東区下谷2-13-14

 小野照崎神社は東京、鶯谷にあります。最寄り駅は日比谷線「入谷」(徒歩3分)、もしくはJR山手線・京浜東北線「鶯谷」(徒歩7分)です。わたしの自宅の裏にあって、境内を通り抜けて買物に出かけたりすることもあるくらい身近な神社です。
 身近なお稲荷さんといえば、多分ここが一番近いでしょう。初詣客が少し減ってきた正月5日に見学に行ってきました。



提灯の並んだ鳥居の左側に見える小さな鳥居、それが稲荷神社の鳥居です。



稲荷神社を正面から見たところです。手前の大木に寄り添うようにみえる石は「御百度標」です。神様にお願い事をするときの御百度を踏む、その目安となる石のようです。石はありますが、御百度を踏んでいる人を見たことはありません。(夜中にやっているのでしょうか。それとも、実際にやる人はまずいないということでしょうか。)鳥居の向こうに小さく見えますが、ここの御狐様は立派な石の台座に据えられています。



左の御狐様のアップです。ずいぶん色っぽい雰囲気の御狐様です。足元には波をイメージするかのような細工が施されています。何かをくわえているように見えますが、そうではなくて、開いた口が破損したために補修をしたあとがそのように見えているだけです。玉も巻物も持っていません。



右の御狐様のアップ。振り返っております。見返り狐です。躍動感あふれる造りですが、こんなに思いっきり振り返ったりしてていいのでしょうか。御稲荷様を守るというような職務などがあると思うのですが、それはおろそかになったりしないのでしょうか。こちらも手ぶらで、子どもの姿は見当たりません。



稲荷神社です。固く扉が閉ざされていて、正月ですが、特にお供えなどは見当たりません。ちなみに稲荷神社の祭礼は3月午日だそうです。その日はなにか特別な行事が行われるのかもしれません。(近所に4年間住んでますが、全然知らなかった。)御祭神は宇迦之魂命で、小野照崎神社ができる前からこの地の地主神として祀られてきたそうです。また、昭和29年に織物組合の庭にあった織姫神社をここに移して合祀してあります。こちらの御祭神は栲幡千々姫命です。



小野照崎神社の境内には富士山があります。富士山といっても富士塚のことです。普段は門が閉ざされていますが、6月30日、7月1日の二日間は開放されて富士登山ができます。門の前には2匹のお猿さんが座っております。なぜ猿なんでしょう。



もう一つおまけに境内には御嶽神社(国常立命、国狭槌命、豊斟命)、三峰神社(伊邪奈岐命、伊邪奈美命)、琴平神社(素盞雄命)の三つが合祀された神社があります。こちらにも狛犬ではなく狐のような動物がいます。こちらの狐らしきものはそれほど色っぽいポーズではなく、比較的普通に座っております。

ここで小野照崎神社について簡単に説明しておきましょう。

東京下町八社参りの一つで、学問・芸能の神様として信仰を集めているところです。
御祭神は小野篁命。平安初期、参議岑守(みねもり)の子として延暦21年(802年)に生をうけ、儒学者、歌人として知られておりました。下野国の任に着き、わが国の学校のはじめである足利学校を創立し、遣唐副使の重任に任ぜられたほか、「令義解」を撰し、「経国集」「和漢朗詠集」「扶桑集」「本朝文粋」などの文集を残しました。百人一首「わだの原 八十嶋かけて 漕ぎ出ぬと 人には告げよ 海士のつり船」の詠み人として知られ、学問の神として広く尊崇されています。子孫には小野道風や小野小町がいます。
もう一つの御祭神は菅原道真命。承知12年(845年)誕生。幼い頃より学才は群を抜き、多くの優れた漢詩や和歌を残しています。空海、道風とともに「三聖」と尊称されました。弓術、囲碁、弾琴などの諸芸にも通じ、多くの人々から篤い信仰を受けています。