&&&&&&&&&&&&&&&            痛風、高尿酸血症          &&&&&&&&&&&&&&& ●痛風について 中世ヨーロッパの戯画に太った中年男性が足を包帯でまいて暴飲暴食をしてい る場面がありますが、痛風は昔から飽食、過飲の結果だと考えられてきました。 数百年たった今日、痛風はいまだに過去の病気ではありません。最近は発症が低 年齢化しており、外食などで肉食の多い独身サラリーマンが痛風になりやすいと いう調査結果もあります。また攻撃的、活動的な性格をもつ人は痛風にかかりや すいともいわれています。 ●高尿酸血症と成人病 肥満と高血圧、糖尿病、高脂血症がひとりの患者さんに表れる事があります。 これをSyndromeXと呼び、動脈硬化を進行させていく「魔の四重奏」ともいわれ ます。最近の研究から、このSyndromeXと高尿酸血症がインスリンというホルモ ンを通じて密接な関係があるらしい事が分ってきました。したがって高尿酸血症 を治療する事は成人病予防の意味からも重要なわけです。 ●痛風とは 肉などの動物性蛋白質を摂取すると、肉の中に含まれるプリン体という成分が 体内で分解され、尿酸となり尿に排泄されます。尿酸が非常にたくさん作られる と、血液中にたくさんあふれてきて、足や膝の関節に蓄積し関節炎を起こし、こ れを痛風とよびます。典型的な場合は足の親指のつけねが真っ赤に腫れて、非常 に痛いのです。痛風がこわいのはそれだけでなく関節炎を起こさないでも、高尿 酸血症が続くと、腎臓や血管にも蓄積して『腎不全』や『動脈硬化』をおこすた めです。これ以外にも尿酸が尿中にたくさん排泄されるために、痛風患者や高尿 酸血症の人では、尿酸が結晶となって『尿酸結石』となることがよくあります。 肉 −> プリン体 −> 尿酸 −>排泄(尿) 注)おかしのプリンとは関係在りませんが、おかしのプリンは卵でできているた めに、やはり大量の動物性蛋白を含んでおり、痛風の人には勧められません。 ●生涯にわたって治療が必要 血清尿酸値(正常値4.0−6.5)が8を越すと痛風が起こる可能性が高く、 これにより動脈硬化や腎不全をおこす可能性があるため、薬による治療が必要で す。どうして尿酸が増えるのか、いまだに詳しくわかっていません。しかしどう も尿酸が高くなる体質があり、薬をやめるとすぐに尿酸があがってくる患者さん が多い事も事実です。また動脈硬化は一生の問題ですから、痛風や高尿酸血症の 治療も一生の問題といえるわけです。 ●食事の注意 痛風、高尿酸血症にとって食事は大きな治療の柱です。 1、総カロリーの制限 肥満は痛風をおこします。 2、肉などの動物性蛋白を避ける。特に肉のエキスや動物の内臓など 3、合併症があるときは 糖尿病  カロリー制限 高脂血症 コレステロール制限 高血圧  塩分制限 悪い食べ物 牛肉、豚肉、卵、レバー、モツ、ホルモン、たらこ           青みの魚、貝類、シャコ、ワカサギなど 良い食べ物 野菜 ●日常生活の注意 1、肥満を解消する 2、アルコールはひかえる。(特にビール)尿酸の産生をうながし、 排泄をさまたげます。 3、水分を十分にとる。結石を予防する。 4、軽い運動を 激しい運動は尿酸の増加をうながします。 5、精神的ストレスを発散させる。