************************************************************************* 阪神大震災 須磨区大黒小学校24時間救護所での経験  平成7年2月10ー12日 (2/5) *************************************************************************  小学校に到着、震災から3週間あまり経ったといえ、いまだ、焦げ臭い空気の 中に神戸はありました。5000人以上の死者を出した地震は私の目の前にあり ました。  あまり大きな小学校ではなく3階立ての木造モルタルの校舎に、教室が約20 (?)あり、小さな講堂がついています。約1800人いらっしゃるという事で したが、疎開する人が多く、人数は減ってきているようでした。外壁はしっかり していますが、階段がぎしぎしときしみ、よくこの校舎があの地震にもったもの だと思いました。いつもは子供たちの歓声であふれている学校が、グランドいっ ぱいの自動車、自衛隊のテントや、庭におかれた真黒にすすけた大きな鍋、シー トをかけられた援助物資の山などが、戦場を知らない私にも非常時という言葉が うかんでくるような深刻さを感じさせました。  神戸概略地図(震災による死者数)  ←至姫路 垂  須 長 兵 中 灘 東  芦 西 尼 至大阪→       水  磨 田 庫 央 区 灘  屋 ノ 崎       区  区 区 区 区   区  市 宮   死者 2 339 723 410 213 819 1258 403 981 27 -------------------- ---------------/ -------------------------- 大阪湾  神戸市須磨区は神戸でも姫路よりの地区で、被害の大きかった長田区のとなり です。しかしそれでも339名の死者を出しました。復興が徐々に進み始めてお り、あちこちで作業が進んでいます。  学校の家庭科室に設けられた24時間無料救護所は、薬品や器材はかなりある のですが、患者さんを寝せるベッドは机の上にふとんを置いただけのもので、診 察室のしきりはものほし竿にシーツを引っかけてガムテープでとめただけのもの です。実は医師と看護婦もそのベッドで当直時は休む事になっていました。薬品 類で気付いたのは、市販薬(OTC)のものが多いということです。簡単なカル テに記入したあとは、”改源”や”パブロン””小児用バファリン”といった風 邪薬、咳止などを投与しています。神戸市の救援物資だからと思っていましたが、 メーカーや寄付によるものもさることながら、実際的な医家向けの製品を投与す ると、無料救護所に患者がかたよる、復興して行く地元医師会に対する配慮でも あるようです。もちろんかかりつけの先生が診療できないような患者さんに対し ては、血圧や糖尿病の薬などを投与しています。注射薬などもあるのですが、よ り高度な治療が必要な患者は、診療を再開している病院に入院をすすめるように してくださいと、注意がありました。 数人の患者を診察した後、周囲を歩いてみました。 -*- Dr.KUMA ~{^_^}~ Medical library -*-