&&&&&&&&&&&&&&&          セアカゴケグモの生態系        &&&&&&&&&&&&&&& 大分県医師会よりの通達の一部ですが、紹介します。いま話題のセアカゴケグモ についての知識です。 --------------------------------------------------------------------------- セアカゴケグモの生態系 1、分布  オーストラリア全域に広く分布し、アラビア、ミャンマー、台湾等、熱帯から 亜熱帯にかけて分布する。 2、特徴  メスの体長は約1cm、全身はほとんど黒色で、球形の腹部の背面中央に赤色 の帯が目立つ、オスは体長4ー5mmで、腹部が細く、黒色または濃い褐色 3、生態  野外の物置小屋や玄関の隅や、庭石の間やくぼみなどのほか、便所や水差しの じょうろの中にいた報告もある。糸は強く、小さな枯葉などのゴミをつけている 個体が多い。  攻撃性はないので、素手で捕まえないかぎり、咬まれる事はない。驚かされると 落ちて足を縮めて死んだふり(擬死)をする。 4、毒性  セアカゴケグモによる被害は、アメリカ南部からメキシコにかけてや、オースト ラリアなどで報告例が多く、死亡率は3%ー5%、そして12%という報告例が ある。オーストラリアのタスマニアでは、このクモはいるが死亡例はない。この クモの多い地域では、治療薬の血清を常備している所も多い。 5、症状  咬傷部位は明瞭で、はじめはチクリと針でさしたような感覚があるだけである。 やがて傷のまわりが腫れ、さまざまな程度の痛みや苦痛がともなう。 患部の回りが硬直する。リンパ系に毒がまわるので、痛みがひろがり特に下肢に激しい 痛みを生ずる。  患者は青ざめ、衰弱し、多量の汗をかき、吐き気や嘔吐のようなショックの症状 を示す。時には下肢の麻痺が起こる。年齢や体力により数日で回復する場合と 死亡する場合がある。 6、救急処置  余分の毒を温水または石鹸水で洗い落とす。衣服をゆるめ、患者をできるだけ安楽 にさせる。多量の汗が出たら、飲み物をとらせる。これは毒が腎臓から排出される から、尿をうすめて腎臓の負担を少なくさせるためである。 できるだけ早く病院へ運んで治療をうけるようにする。 7、治療  症状が激しい時には、抗毒素血清を静脈注射する。 8、駆除  クモをみつけた場合には、直接手を触れないで、家庭用の殺虫剤などで駆除する。 野外でクモの巣があれば、棒切れ等ではらってクモが住みつかないように注意すれば このクモの被害はほとんど避けられる。 -*- Dr.KUMA ~{^_^}~ Medical library -*-