&&&&&&&&&&&&& ●エイズとはなにか? &&&&&&&&&&&&&    エイズ(AIDS)とは後天性免疫不全症侯群の略語です。ウイルスで    起こる病気ですが、性的交渉を介して伝染し、身体の免疫力を極端に低下    させてしまいます。しかしながら伝染力が弱く、十分に注意さえすれば    予防できます。よく理解して無用な恐怖や偏見をなくしましょう。 1、歴史 1981年6月 ロスとシスコで5人のカリニ肺炎が報告された。      8月 ロス、ニューヨーク、カリフォルニアでカポジ肉腫   82年   CDCがAIDSを確認   83年   パスツール研究所のモンタニエ博士がHIVウイルスを確認   85年3月 日本で第1号のエイズ患者を確認、米国在住で1時帰国者         ロックハドソン死亡         マジックジョンソン引退 2,原因  エイズウイルス人のリンパ球のCD4陽性細胞に感染する,球状のレトロウイルス CD4陽性リンパ球に侵入して,細胞のDNAを自らのRNAで書換えて,自己を複 製した後に,リンパ球を破壊する。 3,実態 ◆日本のエイズ患者の状況(1993年12月末現在累積報告数)             男 性    女 性     合 計 ――――――――――――――――――――――――――――――−−  異性間性的接触  70(15) 17( 7)  87(22)  同性間性的接触  84(23)  −( −)  84(23)  静注薬物乱用    2( 1)  −( −)   2( 1)  母子感染      4( 1)  1( −)   5( 1)  凝固因子製剤  416( ―)  2( ―) 418( ―)  その他・不明   79(25) 10( 5)  89(34) ――――――――――――――――――――――――――――――−−  合計      655(69) 30(12) 685(81) ――――――――――――――――――――――――――――――−− ◆日本のHIV感染者の状況(1993年12月末現在累積報告数)            男 性      女 性      合 計 ――――――――――――――――――――――――――――――−−− 異性間性的接触 209(51) 362(291) 571(342) 同性間性的接触 199(39)   −(  −) 199( 39) 静注薬物乱用    9( 7)   −(  −)   9(  7) 母子感染      1( −)   3(  1)   4(  1) 凝固因子製剤 1754      17     1771 その他・不明  105(54) 255(230) 360(284) ――――――――――――――――――――――――――――――−−− 合   計 2277(151) 637(522) 2914(673) ――――――――――――――――――――――――――――――−−− ※推定感染者数は約8000人といわれている。 世界では感染者1300万人 4,感染経路   1)性的接触  性器,肛門などから体液(精液、膣分泌液など)を通じて   2)血液汚染  血液病患者の血液製剤使用           針刺し事故による感染率 0.2-0.5% +-----------------------------------------------------+     ただし | 咳,くしゃみ,おしゃべり,握手,お風呂,トイレ |         | プール,食器,食べ物,飲み物,つり皮,てすり,お金 |         | 職場,学校,病院,床屋,美容院 | +-----------------------------------------------------+                       では心配いりません。 ●HIVが大量に存在するのは  感染者の1、血液 2、精液    1CCあたり1億個   3、膣分泌液            10万個     唾液には1ー5個/CC、バケツ3杯が必要、母乳にもあるが感染力なし     1ー3でも100杯に希釈すれば感染力がない ●危険行為    感染率        エイズ全体の割合  輸血    90%以上          3ー 5  母子感染  30%            5ー10  性行為   0.1ー1.0%      70ー80  注射    0.5ー1.0   5ー10  医療事故  0.5%以下         0.01%    ※1回の性行為で0.1-1.0%だが、他の性行為感染症(STD)があれば100%     にもなることがある。ちなみに淋病では一回で50%,梅毒では15ー30%感染 5,発病 感染者は最終的には発病すると考えられている。現在感染者の半数 が患者にはなっていないが、長くても15年程度の観察であり、感染者も CD4陽性リンパ球が減少している。 潜伏期は一概に言えない。2ヵ月から15年の範囲     ウイルス感染から8週間のちに抗体検査で陽性となる。 5,症状 1、38度以上の発熱 2、咽頭の痛み 3、関節痛 4、筋肉痛 5、リンパ節のはれ 6、特徴のない発疹 7、合併症 カポジ肉腫、カリニ肺炎、カンジダ食道炎、サイトメガロ感染症           結核、子宮頚がん 風邪ににた症状,発熱,体重減少,身体にぐりぐり(リンパ節)ができる。 異常に疲れやすい。下痢が続くなど 6,治療 AZT(アジドチミジン) DDI(ジデオキイノシン) 生存期間を延すが,効く例は少ないし,治癒するわけではない。 7,発病すると3年で4人中3人が死亡する。平均生存期間12.5ヵ月                      最長8年(サンフランシスコ) 8,WHO エイズ対策原則の要旨   どうしてひろがるかをよく知り,いたずらにエイズ患者を恐れず,社会全体で   予防していくべき病気である。 9,予防   全ての感染症と同様に,手洗を励行する事が原則  1)血液を介する感染の予防    (1)血液に汚染された身体,衣服などはなるべく早く,石鹸,または洗剤を       用いて,流水で充分に洗浄する。    (2)剃刀,歯ブラシ,クシ,タオルなど血液の着きやすい日用品は各人専用と       する。  2)性的接触による感染の防止    (1)不特定の相手との性的接触は避ける。    (2)危険率が高いグループ       AIDS患者,男性同性愛者,麻薬などの薬物濫用者       AIDS多発国の住民  3)陽性者からの2次感染の防止  4)消毒方法     処理方法            条件   次亜塩素酸ナトリウム    0.5%  10〜30分   フォルムアルデヒド       5%  10〜30分   エタノール          70%  10〜30分   グルタールアルデヒド      2%  10〜30分   煮沸                     20分   オートクレーブ      121℃      20分      ※イソプロピルアルコール,紫外線は無効  ★安全なセックスのための5ケ条 1、信頼できる相手が見つかるまでノーセックス 2、はじめてのセックス、コンドームのない時は心の愛撫で思いやり 3、エイズ時代、セックスするなら抗体検査をカップルで 4、救命具として携帯するコンドーム 5、コンドームを使う時は爪は短く、最初から最後まで  ※注意 エイズ検査目的で献血をするのは絶対に止めましょう。      抗体ができるまでは約8週間かかるため、その前に検査をうけても      抗体がでない場合がります。安全な輸血のためにも、献血時に相談      してください。 ●国や県の対応  1)HIV検査  保健所 匿名約2500円でスクリーニング検査           陽性者は確認検査           医療期間ではその疑いで保険を使って検査が出来るが           匿名ではない。匿名では実費で約8000円  2)相談窓口 各地域の保健所、役場の保健課などに相談窓口があります。      大分県保健環境部健康対策課 0975−36−1111 内線2533      日田保健所         0973−23−3133 ★お願い  もしかして、エイズはペストやコレラが中世の人達に、上下水道や食べ物、衣服な どの清潔に関する公衆衛生知識を普及したように、人間に性行動に関する反省をうな がしているのではないでしょうか。  本当の愛情を確認するための表現としての性行動をもういちど家族みんなで考えて みましょう。それはきっとあなたと家族のために新しい何かをもたらしてくれる事と 思います。道徳論や建前論からはなにも生まれません。確実な知識と性に対する冷静 な態度が重要だといえるでしょう。  エイズで亡くなった人達の死を無駄にしないでください。 -*- Dr.KUMA ~{^_^}~ Medical library -*-