祭囃子の練習は、古来、相対で口伝にて伝承してきたようです。
また、習いたい人は、人づてに頼み、教えてくれる人(師匠)を探し、
そこに行き、楽器、曲目により、師匠を変えて習いに行き、特定の
師匠に固定することが無かったらしい。
現在の練習方法を、神田囃子保存会の例に説明します。
神田囃子保存会では、初期教育に二種類の方法を取っている、
1っは、集合教育方式10人から40人、2っ目は、相対で1対1か1対2ぐらいの
人数で教えている。集合教育では、時間をかけて(週1回で六ヶ月)
教育し、相対では、二ヶ月ぐらいで一通りを教える。
一通り出来るようになったら、上級者の練習に混ぜて、
自分の力で工夫しながら上達して行く方法を取っている。
その工夫とは、上級者の技を盗むという古来からの方法が取られるが、
それは、上級者が、効果的に教育する方法を知らない、または、
自分のやってきた上達方法を、伝達する表現方法を見出せないため
なのでしょう。
初期教育の順序
初期教育は、締太鼓を中心に素囃子の全曲を演奏できるようにする。
- 撥の持ち方。
- 太鼓の前に座る位置の取り方。
- 撥の振り方。
- 唱歌の唄い方。
- 唱歌を覚える。
- 唱歌に合わせて太鼓(たたき台)を叩く。
- 「打込み」より始める。
- 「屋台」 リズム・テンポを習得する。笛のリズム・メロディに合わせることを始める。
- 「昇殿」 ゆっくりなテンポを覚える。
- 「鎌倉」 更にゆっくりにテンポ。
- 「四丁目」 テンポの変化に注意する。
- 「玉」 一人で演奏する自信を付ける。
- 「上がり」を覚えて、素囃子の全曲を演奏できるようにする。
- 「屋台」に「中の切」を加える。
- 全体の練習。
- 正式の舞台(神社のイベント)に立たせる。
締太鼓が完成したら、大胴(大きい太鼓)を覚える。簡単に唱歌を教えられ、
5人の中の一人として、(アンサンブルとして)演奏する。先輩が付いて
指導する場合もある。特に、大胴は、特定の部分以外、自由度が高いので
出来る所から演奏に参加する。特定の部分とは、屋台のスケ天天ンドドの
部分と、鎌倉、ドド天天の部分。
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大胴が出来るようになったら、摺り鉦(四助)を覚える。
手は、単純な物を覚え、自分自身で、先輩の手を盗み、完成度を上げていく。
例えば、早間の曲は、チットントンチキの繰り返し。大間の物(昇殿、鎌倉)
は、トトトンチチチッの繰り返し。この二種類だけで全曲の演奏が可能。
但し、出だし、飛び込み部分を確実に出来るようになるのが大変。
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最後に笛を覚える。但し、全員、音を出すことが出来ないので出来る人のみになる。
まず笛の持ち方、指穴の押え方、唇の形、息の出し方などを教える。
確実に穴を押さえるのが難しい。
唱歌を覚える。唱歌を確実に覚えないと、間が狂った囃子になってしまう。
元々は、師匠と対面して、師匠の指の動きを只真似た。今は、紙に記録した
指附を使う事が多い。それには、2種類あり、作成した人の方法による。
一つは、7っの穴を丸で表し、開いた穴を○、閉じた穴を●とし、叩く、場合、
一瞬開く場合で、工夫した表現をしてある。また、2っ目は、数字を使う、
指の位置に数字を当てはめて、表現する、が特殊な指の組み合わせや、叩く動作
、一瞬開く動作の表現が難しい。どの場合も、メロディーが主で、
リズムに関しては、表現しずらい。リズムの部分を唱歌で補う事が多い。
また、リズムに関しては、西洋音楽の表記法(オタマジャクシ)を使う人もいる。
一応、全曲(素囃子)を覚えたら、5人のアンサンブルしてみる。そこで、
リズムの修正を行なう。
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