******************************************************** XFree86 Version 3.1 (X11R6) の簡単なカスタマイズ手順 ******************************************************** めご田 : KGD00147@niftyserve.or.jp 本手順書は、ThinkPad230Cs で SVGAサーバーを使用したい方の為に、又 ThinkPad230Cs 以外でも標準の X11R6 を簡単にカスタマイズしたい方達の 参考になれば...という意味あいの文書です。 まずはじめに、ThinkPad230Cs で標準の256色SVGAサーバーを使用すると 立ち上がったときは一見何事もないように見えますが。 TrackPoint-II を動かした途端に LCD がマバタキをしはじめて、右側に行く に従ってマウスカーソルが2つに分かれて最後は完全に双子化し、さらに下に 動かして行くと最後のところでは暗黒の帯が待ちうけています。 ThinkPad230Csの場合シーラスロジックの clgd6235 というグラフィック チップが使用されています。( # X -probeonly [Enter] による ) 「fj.os.386bsd に流れていた nukuduma@osk.kubotaさんのパッチ」 によれば、クロックが合っていないので Xconfig の ModeDB をいじっても 改善不可能というのが定説です。 そこで、 1)ビデオチップ(clgd6235)に対応したSVGAドライバ・ソースに 「nukuduma@osk.kubotaさんのパッチ」をあてる。 2)XFree86バイナリ配布のリンク・キットにより最小限のコンパイルで Xサーバーのカスタマイズを行う。 ※ ついでにTP230Csで使用しないビデオチップは削っておき ハードディスク容量も稼ぐ。 という作業を行い美しいSVGAサーバーを稼働させることが出来ました。 本手順書は、この「nukuduma@osk.kubotaさんのパッチ」を基に具体的に ThinkPad230Cs 専用のSVGAサーバーを私が作成した手順をしめす事で ThinkPad230Cs 以外でも標準の X11R6 を簡単にカスタマイズしたい方達の 参考になれば...という意味あいの文書ですので当然無保証です。 ご自身の責任においてご使用下さい。 なお「nukuduma@osk.kubotaさんのパッチ」は 大木さん(KHB21307)から メールで頂いたものです。 ========================================================================== ************************************************* ThinkPad230Cs での X11R6 SVGAサーバー稼働方法 ************************************************* めご田 : KGD00147@niftyserve.or.jp 版 <前提条件> 1.XFree86バイナリ配布で普通にXF86_SVGAサーバーをインストール済み。 2.不完全でも、とりあえずX11R6が起動できる XF86Config がある。 3.ハードディスクにあまり余裕がない。(それでも10MByte程度は必要かも) ※ハードディスクに余裕がある場合にはもっと良い方法があるかも知れません。 <使用機器構成 & 環境> マシン:ThinkPad230Cs(FBW) メモリ:20MByte SWAP容量:8MByte kernel version : Customized 1.1.82 for EasyHard(TM)0.94p2 define. gcc version 2.5.8 <手順> 1.ThinkPad230Cs 専用 Xサーバー(XF86_SVGA)のカスタマイズ。 1)ビデオチップ(clgd6235)に対応したSVGAドライバ・ソースに 「nukuduma@osk.kubotaさんのパッチ」をあてる。 /usr/X11R6/lib/Server/drivers/vga256/cirrus/cir_driver.c の 1824行目の < new->std.MiscOutReg |= 0x0C; を、 --- > new->std.MiscOutReg &= 0xF3; に修正する。 2)XFree86バイナリ配布のリンク・キットにより最小限のコンパイルで Xサーバーのカスタマイズを行う。 (1) /usr/X11R6/lib/Server/site.def の設定(修正)。 ついでにTP230Csで使用しないビデオチップは削っておき ハードディスク容量も稼ぐ事にし、ビデオドライバの記述は、 cirrus と generic のみとしました。 −−−−−−−−−−−−−−−−−− /usr/X11R6/lib/Server/site.def −−−− 38行目あたりにある SVGAサーバーの設定を次のように変更。 /* #define XF86SvgaDrivers et4000 et3000 pvga1 gvga ati tvga8900 cirrus \ ncr77c22 compaq oak mx al2101 cl6420 \ video7 generic */ #define XF86SvgaDrivers cirrus generic 52行目あたり以降の設定は、SVGAサーバーのみを YES とし、 /* The SVGA colour server */ #define XF86SVGAServer YES それ以下の、VGA16サーバー以降を全て NO に変更。 /* The 16-colour VGA server */ #define XF86VGA16Server NO ・ ・ ・ −−−−−−−−−−−−−−−−−− /usr/X11R6/lib/Server/site.def −−−− (2) 標準のSVGAサーバーのビデオチップの状態も一応確認しておく。 # X -probeonly >& X-svga [Enter] −−−−−−−−−−−−−−−−−− X-svga is Standard SVGA Display −−− XFree86 Version 3.1 / X Window System (protocol Version 11, revision 0, vendor release 6000) Operating System: Linux Configured drivers: SVGA: server for 8-bit colour SVGA (Patchlevel 0): et4000, et4000w32, et4000w32i, et4000w32p, et3000, pvga1, wd90c00, wd90c10, wd90c30, wd90c31, wd90c33, gvga, vgawonder, tvga8800cs, tvga8900b, tvga8900c, tvga8900cl, tvga9000, clgd5420, clgd5422, clgd5424, clgd5426, clgd5428, clgd5429, clgd5430, clgd5434, clgd6205, clgd6215, clgd6225, clgd6235, ncr77c22, ncr77c22e, cpq_avga, oti067, oti077, mx, al2101, cl6420, video7, generic (using VT number 4) XF86Config: /usr/X11R6/lib/X11/XF86Config ・ ・ ・ −−−−−−−−−−−−−−−−−− X-svga is Standard SVGA Display −−− (3) 以上で、殆どの準備が整いましたのでここで、XF86_SVGA* をバックアップ しておく。 ※しなくても再インストールすれば済むので、ハードディスクが10MByte 以下の人はかまわず(4)に進みましょう。 # cd /usr/X11R6/bin [Enter] # cp -p XF86_SVGA XF86_SVGA.org [Enter] (4) さて、いよいよ Linux教 のおまじないの時間です。祈りましょう... さあみなさんご一緒に 祈りなさい... # cd /usr/X11R6/lib/Server [Enter] # mkmf [Enter] # make [Enter] # make install [Enter] あと、HDD容量が心配な場合はすぐに # make clean [Enter] をしておいた方が良いでしょう。 2.できたてXサーバーの動作確認。 以上で、TP230Cs専用にカスタマイズされた Xサーバーがリンクされるはず なのでまずは、容量を確認。 # ls -l /usr/X11R6/bin/XF86_SVGA* [Enter] -rwsr-xr-x 1 root root 1299460 Mar 18 15:43 XF86_SVGA -rwsr-xr-x 1 root root 2105438 Nov 9 17:22 XF86_SVGA.org もくろみ通り、少ない容量の XF86_SVGA ができあがっていれば成功です。 今回は、ごらんの通り 805978Byte HDD容量を稼ぐ事ができました。 さて、次にプローブを通してみます。 # X -probeonly >& X-cirrus [Enter] −−−−−−−−−−−−−−−− X-cirrus is Customized SVGA Display −−− XFree86 Version 3.1 / X Window System (protocol Version 11, revision 0, vendor release 6000) Operating System: Linux Configured drivers: SVGA: server for 8-bit colour SVGA (Patchlevel 0): clgd5420, clgd5422, clgd5424, clgd5426, clgd5428, clgd5429, clgd5430, clgd5434, clgd6205, clgd6215, clgd6225, clgd6235, generic (using VT number 7) XF86Config: /usr/X11R6/lib/X11/XF86Config ・ ・ ・ −−−−−−−−−−−−−−−− X-cirrus is Customized SVGA Display −−− ビデオドライバーの内容は、cirrus と generic のみに変わっています。 どうやら成功した様です。これで、 ・TP230Cs専用にカスタマイズした cirrus ドライバを組み込み ・使用しないビデオドライバを削りHDD容量を増やす ところまでは、OKとなった「ハズ」です。 いよいよ、XFree86 Version 3.1 を、起動してみます。 # startx [Enter] とりあえず前と同じ様に立ち上がりました。 問題は、ここから先 TrackPoint-II を動かしてどうなるかです。 ※ 今までは、動かした途端に LCD がマバタキをしはじめて、右側に行く に従ってマウスカーソルが2つに分かれて最後は完全に双子化し、 さらに、下に動かして行くと最後のところでは暗黒の帯が待ちうけて いたのでした... ・・・が、 なんと! TrackPoint-II を動かしても全くマバタキはしません。 さらに、下方に動かすと ... 邪悪な暗黒の帯は待ち受けていました 大木さん の言われたとおり 800x600のままではダメなようです。 んで、さっそく800x570にして隅々迄 TrackPoint-II を動かして みると... ...美しい...非常に...いい...!! わーい! \(^o^)/ あの、長い付けマツゲをマスカラで固めたおねーちゃんのマバタキ は消え、そこには青い瞳(steel blue)のエリスがあらわれたのです。 も一回 わーい! ばんざ〜い!! \(^o^)/\(^o^)/\(^o^)/ ========================================================================== 以上、ThinkPad230Cs で SVGAサーバーを使用したい方の為に、 又、ThinkPad230Cs 以外でも標準の X11R6 を簡単にカスタマイズしたい方の 参考になれば幸いです... なお、ThinkPad230Cs用SVGAサーバーは「XConfigデータ集」に協力しようと 言うことがきっかけとなって始まったことなので、 # 再配布条件、及び、免責事項 も基本的にXConfigデータ集と同様の扱いとさせていただきます。(以下の通り) # 著作権は、Xconfigデータ集の作成に協力して下さった方々が所有するものとします 。 # 非営利目的の再配布については、特に制限しません。 # BBS、インターネット等での転載等についても特に制限しません。 # また、市販・書籍の付録等のCD-ROMへの収録についても、linuxのパッケージ # または、XFree86と同時収録であれば、特に制限しません。 # なお、このデータ集は、XFree86の設定を行なう上での参考資料として作成した # ものです。 # 動作実績に基づくデータ集ですが、このデータ集を参照した為に何等かの損害が # 発生しても、私、及び、データ提供者は一切責任を持ちません。 # 自己責任の範疇において活用してください。 from めご田 KGD00147@niftyserve.or.jp