UPDATED: October 29, 1999 By Makoto
 
ゥ 1999 vivid studios
http://www.vivid.com/practices/ventures/
510. Third Street, Suite 200, Box 7, San Francisco, CA, 94107 - 1814, USA
 
オンラインベンチャー企業
 
 
ナッサン・シェドルフ、トム・ハーン、アニータ・コロナ・フォックス、vivid studios
木村誠(Makoto Kimura)訳(1999)

オンラインベンチャーの創発
オンラインベンチャーの定義
成功のための要件
 注意深く参入する市場について学べ
 オンライン市場の需要を満足するために企業を構築せよ
 顧客経験に専念せよ
 現実的な財務繰りと期待成長を利用せよ
 創業者精神を持ち続けよ
オンラインベンチャーのコンポーネント
 マーケティング/コミュニケーション
 コマ−スとトランザクションシステム
 コミュニティ
 顧客サービスセンター
 出版システム
 イベント/オンラインエンタティ−メント
 イントラネット
 エクストラネット
終わりに
 
 
オンラインベンチャーの創発
 
 ここ数年間に創業される新しい企業の最も顕著な形態はオンラインベンチャーだ。インターネットの成長から勢いづけられたオンラインベンチャーは、主にオンラインメディアであるワールドワイドウェブを通じて事業を行う企業である。最初にウェブ上で見られたサイトの大多数は、マーケティングまたは製品情報の目的のために利用されていた(マーケティング/コミュニケーションサイト)。しかし、このメディアは今やもっと広範囲に、戦略的なビジネスアプリケーションである、電子商取引、顧客サービス/サポート、そしてインベントリー管理に利用されている。
 さまざまな産業がこの空間に参入するとき、各産業はこのメディアを利用した成功する事業を開発するための挑戦、機会、アプリケーションそして手順に関してそれぞれ異なる視点を持ち込むことになる。オンラインメディアでは、各企業が異なる機能を果たし、反応時間、サービスの質、コミュニケーションの深さの改善が必要となる。これは自己信頼度、需要度、集中度がより高い顧客に対応するためである。また、技術それ自身で顧客の経験を限定させ、伝統的な企業が専門知識または理解したことを破棄するようになるかも知れないアプローチと解決策に向かうことになる。
 ウェブによって可能となるオペレーティング効率性、その使いやすさと地球規模の到達性は、創業当初の企業が即座に市場に影響を与え、基盤を確立した伝統的オフライン企業に深刻な競争脅威を与えることになる。この現象の古典例がA,mazon.comだ。そのオンライン書籍小売業としての創業はこの業界に革命を引き起こし、Barnes & NobleBorderといった既存の大手オフライン企業が警戒をするようになり、彼ら自身の事業戦略を再評価することに至った。
 しかし、オンラインベンチャーは、創業企業のみに限らない。既存の伝統的(オフライン)事業経費削減、サービス改善、そして新規市場への事業拡大のための方策を求めることから、複数の機能をオンラインで組み合わせたり、オンラインチャネルを提供するための新規事業部を発足することになる。これらの企業の幾つかは、事業をオンライン上のみで行うために”煉瓦とモルタル”の店鋪を閉鎖する意思決定を行う(例:Egghead Software)。一方、他の企業は、オフラインオペレーションを補足するためのオンライン事業を開発する(例:Gap)。
 より多くの事業機能と企業がインターネットで結びつけられることによって、既存事業における変化は重大なものとなる。例えば、オンライン店鋪を開店する場合のことを考えてみよう。成功要件は既存の事業機能(カタログ作成、情報更新、取引処理、クレジットカード処理、たな卸しと配送調整、調達処理等)だけに依存するのではなく、その経験自体に全く新しい言葉を必要とする。店鋪の中を歩きまわり、製品を購入する行為は、ウェブサイトをサーフィンし、購入に至ることと全く異なる。マーチャンダイジング自体が再発明されなければならない。これに加えて、顧客サービスは今、(既存メディアと同様に)新しいメディアを通じて潜在買手に応対しなくてはならない。そして、これらの顧客は企業のインターネットの利用と親近性に基づいて企業に異なる期待を抱くことになる。最終的には、企業のさまざまな部分がより密接に機能するようになり、顧客により良いサービスを提供するために別の方法で再構成される必要があるかもしれない。
 
オンラインベンチャーの定義
 
 ここで簡単に定義しよう。オンラインベンチャーとは、オンライン上の事業を主に行う企業である。それはオンライン上で見かけるかもしれないが、未だに伝統的なオフラインチャネルを通じて事業を行う企業とは異なる。オンラインベンチャーをこれまでの企業と異なるものにしているのは、ウェブサイト上の特質や機能ではなく、サイトで生まれる事業ニーズと成功のための要件である。仮にあらゆる企業が(少なくとも宣伝効果やマーケティング、そしてコミュニケーションニーズに応えるという点で)ウェブサイトから利益を得ることができる一方で、オンラインベンチャーでは、それ自身の成功または失敗が自らのウェブサイトの成功と失敗に直接に結びついている。
 さらに、オンラインベンチャーは効果的なウェブサイトの開発以上のものが必要となる。つまり、(創業する場合として)企業全体の構築、あるいはオンライン市場と顧客指向のオペレーティングニーズを満たすために既存事業プロセスを革新する必要がある。オンラインの次元に加えて、数多くの伝統的事業の標準的コンポーネントが必要になる可能性がある(事業計画、マーケティング戦略、調達/配送戦略など)。
オンラインベンチャーの(高段階な)ニーズと機能は、以下が含まれる。
 
・事業戦略(収益モデル、マーケティング、コンテンツ、調達/配送、顧客サービスなど)
・市場分析
・技術戦略
・ユーザ経験(デザイン)戦略
・ブランド&企業イメージ創造または進化
・組織開発
・人財ニーズ
オンラインベンチャーは、事業関係構築のための幾つかのコンポーネントを利用することができる。これには、以下が含まれる。
 
・マーケティング/コミュニケーション
・コマースとトランザクションシステム
・コミュニティ
・顧客サービスセンター
・出版システム
・イベントとオンラインエンタティ−メント
・イントラネット
・エキストラネット
 
オンラインベンチャーは、これらのコンポーネントの内の幾つかを単に"電子化"する以上の存在である。成功するオンラインベンチャーは、これらのコンポーネントの組み合せを利用し、オンラインメディアを通じて顧客ニーズの満足に集中したスタンドアロンなビジネスである。これらのコンポーネントは結果として、最先端のソリューション、機能性、インタラクションそして財務資源を必要とする。これらのコンポーネント全てを以下に詳細に述べていこう。
 
 
成功のための要件
 
 多くのインターネット・コマ−ス創業時はオンラインベンチャーである。この時の多くの場合、単なるサイトの構築を超えた、顧客ニーズに関する考えまでには及ばない。効果的に成功するためには、オンラインベンチャーは事業の構築とそのオペレーション実行が必要である。多くの場合、オンライン事業の利害関係者はウェブサイトの開発に深く集中し、その事業自体の開発に専念する必要性を見逃してしまう。幾つかの事業は、サービス開始をする時まで実行することができず、結果として出荷、請求、調達などの事業機能の扱い方に不適切な準備をしたことに気づくことになる。
以下から、成功するオンラインベンチャーの開発のための主な戦略について述べていく。
 
 
 常に製品とサービスについてよく知ることは大切である。しかし、さらに現在のトレンドを追跡し、特に迅速に変化するオンライン業界における未来の傾向を予測することはさらに重要である。オンライン競合者はオフライン競合者とは大きく異なるかも知れない。なぜならインターネットは、離れた場所の数多くの人々、企業、そして国々を結びつけるのである。例えば競合者は単に隣接した企業ではなく、自社の中核事業に関連するようになるかも知れない。マーケティングと自社のポジショニングには、過去に類似のない脅威に対するリアルタイムな変更への準備が必要となるが、違うメディアには決して存在しない機会を明確にする能力を得られる。
 同様に、どのようにオンライン顧客が(もしいるのなら)オフライン顧客と異なるのかを理解することは重要である。オンラインメディアは顧客、特に購買行為を追跡し、理解し、応じる未曾有の機会を提供する。オンライン事業は、顧客の技巧レベル、さまざまな興味、ある特定の時間におけるニーズ、そしてゴールに対して最良のサービスを提供するために顧客自身の時間、場所、経験に留意して対応しなくなはならない。、
 最後に、他事業者との提携そしてパートナーシップを計画し、構築すべきである。これらは顧客を自社サイトに引きつけ、自社の宣伝文句そして優位性を効果的にし、顧客の望む経験とコンテンツを提供、さらに商品、サービス、資本の信頼できるフローを設立するものである。他のいかなるメディア以上に、オンライン事業は、急速に発展し、競争性が激しい市場における競合者として居残るためには他の企業とのリレーションシップを持つことが必要である。これらの実行を通じることにより、自社の戦略を策定し、効果的なオペレーション計画を構築することができる。
 
 
 オンラインメディアにおけるオペレーションは、オフラインの世界とは大きく異なっている。マーチャンダイジング、受注処理、在庫購買処理、顧客サービスは全てこのメディア内で顧客需要を満たすようにカストマイズ化されなくてはならない。既存企業では、オンラインベンチャーがもたらす既存組織内の構造、精神的態度、あるいは経験不足といった反対要素を明確化する必要がある。さらにベンチャー事業の展開中に生じるであろう障害を注意深く見つける必要がある。新しい企業では、開始当時から合理化された組織を構築しなければならない。企業ではインターネットサイトについてのみ考え、開発を行う。このとき、あるサービスを実現するために必要となるオペレーション構造について十分な考察をせずに、サービスの開発のために多量の時間と費用を投入してしまうことが非常に多い。このことは、その企業が新規設立、または事業改革されたのであろうと、よく認識されることのない、事業失敗の主要な理由の内の一つである。事業を行うときの伝統的な方法は、オンライン事業で成功する方法であるとは限らない。同様にして、多くの新企業が商品、サービスにのみに専念して事業を開始し、完全に稼動するまでバックオフィス作業(プロセス、システム、ツール、リレーションシップ、権限づけ等)を軽視する傾向がある。これらのニーズをはっきりと認識できるようになった時には、その事業はすでに失敗しているか、組織的外傷の経験をする羽目に至っている。
 
 
 オンラインベンチャーは標準的な企業以上に、顧客が自社ウェブサイト(または他のオンラインソリューション)で経験することが成功する顧客リレーションシップの鍵であることを認識しなければならない。オンラインメディアは、物理的または対面相互作用以外のあらゆるメディアと並行することになしに、強いリレーションシップを開発できる多くの機会を提供するものである。このメディアを通じて企業は、顧客別に異なる対応をする方法、個別化サービスを行うことができる。顧客ロイヤリティを得ることは困難であり、顧客が企業との関係から得た経験を通じてのみ獲得される。同様にして、企業ブランドは同じ経験を通じて形成される。オンラインベンチャーにとって、価値あるオンライン経験をもたらす効果的なウェブサイトの欠除(例えば、検索が混乱を招く、コンテンツが不適切である、プロセス経過が複雑すぎる、インタラクションが形式的過ぎるなど)は事業失敗への近道といえる。プロセス部分は、例外的経験(例えば、情報アーキテクチャ、検索、特にインタラクションのデザイン)が必要なあらゆる局面に対応するソリューションを開発するためのものである。
あまりに多くの企業が単にサイトがどの様に見えるか(視覚的外観または技術的仕掛け)ということだけに注意を払っている。そして、組織としてどのように価値を交換するか、インタラクションからどのような経験を生み出すかということに注意を払っていない。
 
 
 オンラインベンチャーは一晩で収益を生み出せる訳ではなく、それを期待することは間違いである。初めに収益よりも重要なものは表現の確立、市場シェアの獲得、トラフィック/顧客リレーションシップの成長である。これには、多大な投資とマーケティングの実施、サイト開発、顧客サービス、そして多くの場合に宣伝を必要とする。一般的に、3年間は利益対投資比率(ROI)は期待できない。事実、今日、最も高収益なオンラインベンチャーであるAmazon.comはやっと収益を上げることができ、市場資本は190億ドルである。当然ながら、オンラインベンチャー(あるいはどんな種類の企業であろうと)漠然と損失をもたらすオペレーションを続行することはできない。しかし、収益を期待するための現実的なアプローチは、オペレーション計画と投資見通しの両方が必要である。
 
 
 明確に理解されておらず、モデルも数少ないメディアには、直感と洞察が何処かの誰かから生じる可能性がある。そしてオンラインベンチャーには自己投出、エネルギー、リスク選択と資源の最大活用を行なえる環境を創造し、発展させることが必要である。オンラインベンチャーの文化には成功が最も重要であり、"整備された労働条件"よりも重要な位置を占めている。企業はその人々から成り立っており、企業の文化は、内部のプロセス、ツール、命令体系よりも、事業における制約、問題、機会、変化にどの様に対応するかを決定づける。
 
 
 数多くの企業が自社サイトの構築に協力することができる。だが、実際に自社事業に協力できる企業は非常に少ない。メディアの利用の仕方を良く理解し、経験あるパートナーと協働することは、オンラインベンチャーにとって戦略的要件である。そして、オンラインベンチャーは早期開発時にこれを行わなければならない。あらゆるオンラインベンチャーにとって理想的なリレーションシップとは、技術理解と経験の共有を反映したパートナーシップを構築することである。これは各パートナーが他方の洞察、経験そして知識を信頼し、共有された強みを強調できるような顧客の経験をと共に構築していくことである。
 オンラインベンチャーとして、企業のウェブサイトは世界に接続される。それによって、ブランドが定義され、顧客リレーションシップが設立され、利益が生み出される。これは逆に、ウェブサイト開発における手抜きは事業機会を失い、貧困な意思表示交換に至り、低い程度のサービス、欲求不満の顧客という対価を払うことになる。そして、サイト公開後にこれらの問題を修復するためにすぐにサイトの再開発を行う費用が発生することになる。結局の所、未経験者を利用した数ドルの節約、またはデザイン工房での工数利率削減、さらには事業に直結した方法論や技術を提供できない工房は、利用する企業の競争性に損害を与え、市場に対して何の優位性をもたらさない。
 この問題は、お金の問題だけではなく、時間と複雑性の問題である。もし、自社でウェブサイトの構築のみを支援するパートナーを雇った場合、事業開発支援の必要性を無視することになる。このメディアの効果は、企業活動のあらゆる局面に広範囲に達するために、企業の成長に良い影響を与えるためにウェブサイト(または他のオンラインソリューション)に十分な注意を払い、問題点を解決し、準備をしておかなければならない。
 
 
オンラインベンチャーのコンポーネント
 
 まず最初に、少なくとも8つの異なるインターネットソリューションの種類を明確にしよう。このときの半分以上が顧客指向であり、一方では社内リレーションシップ(従業員など)と外部リレーションシップ(投資家、ディストリビューター、パートナーなど)に着目している。様々な事業は、成長し成功するオンラインによる(特に単純化したソリューションとして)。そして、これらのソリューションを開発し、利用できる。新規企業あるいは既存企業がオンラインベンチャーとして事業を意思決定したとき、これらのソリューションの内、幾つか(少なくとも2つを)構築する必要がある。このコンポーネントは以下が含まれる。
 
マーケティング/コミュニケーション
コマ−スとトランザクションシステム
コミュニティ
顧客サービスセンター
出版システム
イベント/オンラインエンタティ−メント
イントラネット
エクストラネット
 
 
 現在インターネットに最も多く出現するサイトとは、企業の基本マーケティング/コミュニケーションのニーズに応えるものである。ウェブサイトが伝統的なマーケティング/コミュニケーション経験(企業の目的、人事、経験、歴史、または事業にもとづく情報を提供)を行う場合、あるいは、適切なブランド構築経験(顧客のブランド表現の拡張、ブランド認識の創造、またはライフスタイルニーズの提案)を提供するものであっても、最終的に顧客に向けて話しかけるものである。しかしながら、これらが十分に満足の行くものであったとしても普通は単にインターネット"表現"にしか過ぎない。
 マーケティング/コミュニケーションサイトの例は、照会先情報と住所が記述された数ページのウェブから、プレスリリースと投資情報、ブランドを拡張したライフスタイルマガジンまで企業に対するあらゆる情報が記述された大規模サイトまで広範囲に渡る。これらはほとんど顧客に向けて一方的に製作され、企業雑誌、顧客向けニュースレター、または広告宣伝チラシのような放送/出版モデルに基づくものである。マーケティング/コミュニケーションサイトに含まれる機能の種類は以下に示される。
 
企業情報(方向性、役員、組織構成)
マーケティング資料(プレスリリースも含まれる)
PR
ブランド広告
限定した書式でのダイレクトマーケティング
投資分析関連情報
 
 
 コマースとオンライントランザクションシステムの他の形態は、急速にソリューションカテゴリーを拡張している。市場資本の投下とベンチャー基金の増加を受けて、数千の企業はオンライン店頭をすでに用意しつつある。不幸なことに、作られたほとんどの店頭では、店の別機能と顧客ニーズを忘れてしまっている。特に、個人または企業が品物をオンラインで販売することを可能とするシステムを購入したり、構築することは容易である。単純なカタログ作成と販売プログラムは、その場で即座購入が可能であり、店鋪サービスはYahoo !のようなディレクトリサイトを通じて提供される。しかし、店鋪を構築し、維持することは、単に販売そのものを行う以上のことである。マーチャンダイジングは通常、これらのトランザクションシステムのコンポーネントではなく、顧客とのリレーションシップを暫定的に構築するものでもない。
 オンラインコマースサイトでは、伝統的な"レンガとモルタル"の店鋪となおも競合しようと試みるようなショッピング体験を構築することはまず無理である。代わりにそこでは、物理的な店鋪ではできない機能を提供するころができるメディアを最大限に利用しょうとする。例えば、迅速のインベントリー通知、再注文の記憶、特別サービス申し出、即時発注などである。しかし、これらは多くの場合、店鋪側の利便性であり、顧客のための利便性ではない。今日のオンライン店鋪は、何を欲しいのかを既に知っている顧客のために要領良く稼動することができる。また、ほとんど大多数のオンライン店鋪は、"ショッピング"(製品、価格、利便性の比較、あるいは他の要因、または簡単な説明、確認、詳細情報)を行う顧客の大多数のために伝統的な店鋪ができたような顧客ニーズに十分に応えることができていない。
 コマースソリューションには、以下の機能が含まれる。
 
調達システム
受注と追跡システム
顧客情報管理システム
トランザクション(ショッピングカート)システム
クレジットカード承認と発注システム
セキュアートランザクション
データウェアハウス
カタログ処理システム
 
 より成功するシステムとするためにオンラインコマースソリューションは多くの場合、ここで一覧表示したような他の種類のオンラインソリューションと共に利用される。単純なコマースシステムは、利用可能なツールから容易に構築できるが、より複雑そして機能豊富で成功するマーチャンダイジングサイトは、作成するのはより困難となる。これは、主に真似をするようなモデルがほとんど存在しないこと、そして真のマーチャンダイジングを可能とし、さらに豊かな顧客リレーションシップを開発するための洗練されたツールが不足していることによる。
 
 
 コミュニティのカテゴリーには、人々が集まり、出合い、お互いを明確にできるサイトが含まれる。多くの企業は、顧客の注意を喚起し、参加を促すことを通じてブランドを構築し、市場シェアを競うための方法として、コミュニティを開発することにしのぎを削っている。参加とはコミュニティの背後にある駆動力の一つであり、コミュニティの成功と顧客を巻き込むための重要な要因の一つである。多くの企業では特にコミュニティを育成しようとするが、オンライン訪問者が実際にコミュニティに参加する機会を得たとしてもコミュニティが構築されるまでは至らない。多くのアプローチにおいて、コミュニティは人々をサイトに誘き寄せるための"騙し""引っかけ"であり、単なる目的がバナー広告空間を売るために利用されている。多くのコミュニティサイトでは、永続的なコミュニティ構築に失敗している。なぜなら、商品を売ることに専念し、コミュニケーションを可能とし、議論を育て、訪問者間でのインタラクションを拡大することに着目しないからである。最も重要なことは、コミュニティ運営側がオンライン訪問者を活動的な参加者と見なさずに、単なる買い手としてか見ていないことである。
 コミュニティは、豊かなインタラクションが行われる深遠で複雑な空間である。コミュニティは偶然によって発展し、設計によってさらに発展する。オンラインコミュニティは、他のオンライン経験(マーケティング/コミュニケーションサイト、コマースサイト、イントラネットなど)とは大きく異なっている。これは、コミュニティのメンバーがコミュニティを立ち上げ、インタラクションと情報を制御し、コミュニティのコンテンツ創造さえも可能とする能力を持つことによる。コミュニティは、オンラインベンチャーのコンポーネントとなることができ、コマースシステムまたはオンラインエンタティーメントと組み合わせることが可能である。成功するコミュニティにするためには、コミュニティに参加するための理由づけが必要である。単純なコミュニティが成り立っても、この時には実際に参加するためのニーズや願望が創られることはない。オンラインコミュニティの成功には、技術的な理解よりも、人同士のコミュニケーションとインタラクションのより深い理解が鍵となる。
 コミュニティの特徴と機能には以下が含まれる。
 
節制または節制のないコミュニケーションシステム
リアルタイムまたは時間差のあるコミュニケーションシステム
投票システム
コミュニティ構築者とモデレータ
 
 オンラインコミュニティは、様々な意味で最も構築と維持が難しい種類のオンラインソリューションである。コミュニティは一般にぜい弱であり、注意深くつり合いが取られて、あらゆる箇所での人と人とのインタラクションに依存するダイナミックな経験である。コミュニティを構築するためのオンラインツールの多くは不十分なものであり、十分な注意が払われておらず、コミュニティにおけるリレーションシップを構築し、それを消化する文化専門家やコンテンツによる経験の作成が行われない。
 
 
 オンライン顧客サービスセンターは、オフラインの場合と大きな違いはない。事実、企業が既存の電話によるコールセンターを実施していたら、オンライン顧客サービスセンターはより容易に構築することができる。ふつうには、同じ人員と手順を単に伝統的なサービスセンターの進化形として利用することができる。このオンライン革命は、しかしながら、より機能的であり、企業代表(代理人)が繊細で多彩な方法で顧客にサービスを提供できる。
 オンラインサービスセンターは、企業と顧客間の特定な関係に着目し、伝統的サービスセンターのような顧客とのより良い関係を提供することを目指すものである。対象的に、オンライン顧客サービスセンターはリアルタイムサービスを提供し、顧客に"自らの試行"を可能とし、オンライン情報とツールの支援による問題解決をはかるものである。多くの顧客は問題を自力で解決することを好み、特に一日24時間、一週間7日間のいつでも、それができるような能力と情報を与えてくれたことに感謝するものである。企業にとって顧客サービスの経費を削減できるのが明らかであるとしても(回線オペレータの数を減らせたとしても)、企業は顧客サポートの質を向上し、その形態を増やす機会を持つことができる。顧客には最も快適な方法または最も便利な方法でより深い情報を見つけだすことを可能とする。これはあらゆる企業において、製品またはサービスを販売、持続させる場合でも、オンラインでもオフラインでも望まれることである。このサービスには幾つかの例が含まれる:製品の再発注、用具の不具合の解決、製品利用の学習、連絡情報の更新、または購買履歴の確認。
 最終的に、拡張したオンライン顧客サービスセンターは、様々な形態のダイレクトマーケティングを通じて提供される機能をほとんど網羅してサービスを行うようになるかもしれない。顧客へのマーケティングと顧客ニーズへのサービスの間のかい離は、一層少なくなってきている。そして、顧客リレーションシップの両局面をブレンドすることによってさらに強力なリレーションシップを創造できるでのである。
 オンラインサービスセンターの特徴と機能には以下が含まれる。
 
顧客リレーションシップ保守
ダイレクトマーケティング
データウェアハウス
オンライン技術サポート
抑制または抑制されないコミュニケーションシステム
リアルタイムまたは時間差コミュニケーションシステム
解答データベース/ライブラリ
 
 顧客サービスシステムは多くの場合に複雑なソリューションであり、顧客によいサービスを提供するためには、企業の幾つかの部門間で調整を必要とする。多数の企業は、顧客が望むような深さを持つ顧客サービスを提供には経験不足であり、オンラインメディアで可能なソリューションをまだ提供できていない。
 
 
 出版カテゴリーは、様々な読者への情報またはデータの大量通達に着目している。これらは、放送、異なるコンテンツ(サーチエンジンまたはディレクトリーサイト)、またはさらに範囲を限定した、限定コンテンツ(Lexis-Nexis"オンライン法律とビジネスライブラリ、または単なるマーケティング情報から移行した小商品情報サイト)が含まれる。さらに、幾つかの出版システムは、単に出版社が収集した情報ではなく、読者がコンテンツへの貢献を行うことを可能とする。ここでは、出版システムをより多数の読者の参加を可能とするコミュニティを合併させることから始めるものとする。出版システムは一般的に、先進的な検索形式を必要とする。さらにコンテンツ管理とコンテンツ作成ソリューションが必要になるかもしれない。
 これらの利用のための事前構築されたシステムは数少ないが、幾つかの製品はコンテンツや読者の特別なニーズに適応させることができる。読者がコンテンツを幾つかの方法で検索することを可能とするシステムは、異なるベースを持つ利用者や問題にサービスを提供するだけではなく、利用者に特別なニーズに基づく答えを得る多方面の方法を可能とする。これらは情報を発見するための唯一の方法を提供するシステムよりもより成功するシステムといえる。
 出版される情報の質は、費用、規模、または出版サイトの複雑性によって左右される。
 典型的な出版システムの特徴と機能には以下が含まれる。
 
自動または半自動出版システム
ワークフロー開発
リモート出版エンジン
クロスメディア出版統合化
コンテンツ管理システム
データ可視化
 
 
 イントラネットと他のオンラインソリューションの主な違いの幾つかは、対象者をより制御可能であり、アクセスはインターネットサイトを利用してより制限された接続となることである。イントラネットは習慣的に一日中、社内で内部ネットワークとして独自に利用される。イントラネットはインターネットサイトと同種の技術を利用するが、従業員の仕事がより効率的に行われ、内部メッセージと調節事項が通達されることを支援することのみに操作される。この面では、イントラネットは共有された情報へのアクセスの単純化、利用可能性のスピードアップと適時性をはかることによって、(長期的には)十分に満足できる企業の再組織化を実現するかもしれない。
基本的に、あらゆる企業の内部機能は合理化することができる、これはインターネットをベースとした技術と企業文化への統合化、そして企業のワークフローによるソリューションの構築から行われる。このカテゴリーは、特定の再発したニーズや特定部門を対象としたモジュール構造のソリューションに対して最も期待できるものである。このとき、市場に幾つか存在する事前構築されたイントラネットソリューションが利用可能であり、これらは容易にインストールでき、カストマイズ化、そして企業の多くのニーズに合わせた利用ができる。
 多くの企業は、イントラネットの開発を企業組織と構造の拡張として行っている。これは確かに意味づけは明確だが、企業内の同じく継承した問題を複製する場合が多い。特に内部コミュニケーションと部門間におけるサービス調整などがイントラネットにおいても再発する羽目になる。このように、仕事の性質そのものを変えなければ、イントラネットがもたらす利便性を利用する機会を最大限に利用することはできない。
 イントラネットには、以下のような特徴が含まれる。
 
従業員情報/出版
従業員フィードバックと投票
従業員学習
従業員トレーニング、ヘルプデスク機能、新従業員オリエンテーション
企業方針と収益
人事機能
従業員経費追跡システム
内部メッセージ通知とコミュニケーション
従業員、施設、パートナーディレクトリ
企業ニュースレターと広報
カレンダー出版と同期
出張管理システム
知識管理(把握と共有)
帳票システム
セキュリティ
企業理念ガイドライン副サイト
ネットワーク利用と状態表示
測定とレポート出力
自動内部コミュニケーションシステム
 
 
 このカテゴリーは、特定時間における特定イベント(ライブイベントの同時放送など)を提供、そして/または、オンライン聴衆に特定の場所を提供するのために必要な機能項目を対象とする。これらのイベントは、リアルタイム(ライブ)な同時放送、または繰り返しアクセスされるアーカイブドオンラインとなる。イベントは限定されたオンラインまたは大規模のオフラインイベントのコンポーネントとして行われることがある。これらは、ゲーム、ショウ、またはオンラインエンタティーメントのニュースなどの現在進行形のエンタティーメント特性が含まれる。
 これらのソリューションは、情報を迅速かつ正確に更新することを可能とする非常に反応性の高いコンテンツ管理の必要性を持つ格段に優れたソリューションとなる。これらには、サイトにおける爆発的に超多岐な活動、あるいはサイトから高帯域データフローの継続的な利用を扱うことができるネットワークを必要とするかもしれない。
 オンラインイベントとエンタティーメントには、広範囲の多岐に渡るアプリケーションがある。このカテゴリーでは、数多くの実験が行われているが成功例はほとんどない。
 オンラインイベントとエンタティーメントで幾つか可能な特徴は以下である。
 
ゲーム開発
コミュニケーションシステム
イベント同時放送
オンサイト活動
メディア放送(オーディオ、ビデオなど)
高度ネットワークデザインと開発
メディア製作
イベントプランニング
イベントベースドプロモーション
 
 
 エキストラネットはイントラネットと非常に似たソリューションであり、企業の顧客を含まないニーズのための機能と情報を提供する。エキストラネットはイントラネットより、さらにパートナー、提携先、製造者、仕入先といった外部リレーションシップの効果性を上げる働きをする。エキストラネットは定義として、多重性、守秘性、そして様々な対象者による遠隔地からのアクセスを必要とする。
 エキストラネットは企業に卓越性をもたらすものである。これは、社内の支援調整システムをオンラインアクセス可能にする方法を企業に提供するだけでなく、同じシステムを他のパートナーの同じシステムと同期を取り、さらにプロセスとして、事業者間におけるコミュニケーションの新標準を設立することができる。
 この調整はあらゆる技術的問題よりもはるかに困難である。
 エキストラネットの特徴と機能には以下が含まれる。
 
パートナーサポート
製造者サポート
仕入先サポート
帳票システム
請求と調達システム
高度ネットワークデザインと開発
出荷と配送整備
プロジェクトレポート処理と状態更新
スケジューリングとカレンダー調整
ヘルプと技術サポート
検索可能データ(製品仕様など)
 
おわりに
 
 これらの全てのソリューションは、この産業の成長と成熟につれて発展する幾つかの例を示したに過ぎない。これらはすべて企業の成功のために重要な事業経験の構築と拡張という視点で同様に着目したものである。これらのソリューションがオンラインベンチャーの開発に利用されるか、あるいは既存の事業の拡張として利用される、いずれの場合にしても、このメディアの進化的な性質を実証し、来たるべき機会の幅広さとその深遠さを表現するものとなるだろう。これらのソリューションはビジネスオンラインを成功させていくために必要な複雑性と寛容さの証拠であるのだ。
 

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