デジタル著作権管理システム(DRMS)における技術方式・市場方式・制度方式の研究


木村誠,”デジタル著作権管理システム(DRMS)における制度的アプローチの研究 PCにおける私的録音補償金制度”,日本社会情報学会誌,第14巻2号,pp.47-61,2002年9月

デジタル著作物における価格モデルと契約関係モデル
(2002年第6回進化経済学会全国大会論集)
デジタル著作権管理システム(DRMS)における市場方式の研究 -契約関係三類型と著作権等管理事業法-
(2002年第8回社会情報システム学シンポジウム学術講演論文集)
デジタル著作物におけるビジネスモデルの研究 -価格モデル分類と法的規制-
(2001年度経営情報学会誌Vol.10,No.3,December,「ビジネスモデル特集号」)
デジタル著作権管理アーキテクチャ −知的自由、プライバシー保護、自主規制−
(2001年度経営情報学会秋季全国研究発表大会予稿)
デジタル著作権管理(DRM)における信託システムの研究:制度方式によるデジタル権利マネジメント
(2001年度日本社会情報学会第16回全国大会研究発表論文集)
デジタル権利マネジメント(DRM)技術とeビジネスの研究−情報価値とビジネスモデル
(2001年度日本経営学会第75回大会自由論代報告集予稿)
デジタル著作権監視システム - 新世紀パノプティコンの原型
(2001年度経営情報学会春季全国研究発表大会予稿)
情報技術様式と著作権管理システムの共進化
(進化経済学論集2001年3月)
顧客間ピアツーピア通信メソッドプロバイダーによる情報交換・共有
(2000年度経営情報学会秋季全国研究発表大会予稿)

・情報技術の選択と社会制度(技術軌道の境界問題)


■注目すべき著作権法&サイバー法学者たち
・Lawrence Lessig (Stanford Law School)
・JULIE E. COHEN (Georgetown University)
・Michael E. Levine (Harvard Law School)

・Michael Froomkin(University of Miami School of Law)

・Encyclopedia of Law and Economics online (all 172 chapters are freely downloadable)

■Peer2Peer Network Applications

・Napster
・Gnutella, GnutellaNet 
・Freenet
・関連リンク
 

情報技術の選択と社会制度(技術軌道の境界問題)

今までのeコマースと経営情報システムはURLありきの世界であり、固定されたURLにアクセスを集中させて対応することを前提としている。
(例)Amazon.com、ebay.com、mp3.com等)。
情報財の特性を活かしたeコマースと経営情報システムによって実現されるビジネスモデルのデザインには、要素技術の新奇性だけでなく、社会制度との擦り合わせの作業、合法的な事業活動や収益手段を紡ぎ出すことがより重要となる。
技術的には可能なことが全て合法的かつ社会に受容されるとは限らない。経済的要因(利益機会、市場規模、コスト削減)や制度的要因(産業構造、企業間利害関係、現行法律)によって技術は選択される。
 
 

Napster 

ノースイースタン大学学生であった当時19歳のSean Fanningによって開発された。後に彼はフルタイムでNapsterの開発を行うために大学を退学した。
Napsterの正式な初開放は1999年8月であるが、8ヶ月後に1千万ユーザに達したとJill Mangoは言明している(今の所、独立機関によって正確には把握されていない)。この数字の比較として、AOL(America OnLine)が 1千万ユーザに達するまでに6年間かかっている。Napsterは現在、オープンソースソフトウェアではない。
Napsterは、MP3またはWPA(Windows Player Audio)ファイルのみを共有することができる。Napster サーバに接続したユーザ同士が音楽ファイルを交換できる。今の所、 Napsterサーバから他のNapsterサーバにアクセスすることはできない。特別なサーバでは、平均約5,000ユーザがいつでも500,000 〜600,000音楽ファイルをユーザのPC間で共有することができた。
平均的なNapsterユーザは約100もの音楽ファイルを所有し、他の人と共有できる。ユーザ当たりの100ファイルをNapster ユーザ数である1千万倍すると、Napsterシステムとして、10億ファイルが存在すると推測される。
Nielsen/Netratingsの記録によると、自宅からNapsterサイトにアクセスした固有ユーザ数は100万人以上であり、2000年4月の第1週から第2週の間に利用者数が19%増加した。
RIAA(Recording Industry Association of America)は、音楽の物理的媒体(カセット、CD)が全世界で毎年500億ドルの売上げを得ていると推定している。米国大手レコード会社はRIAAを通じて1999年12月に、Napsterを著作権侵害と数億ドルの機会損失を基に起訴した。
ラップアーチストのDr.DreやヘビーメタルバンドのMetallica(2000年4月14日)もNapsterを起訴した。2000年7月26日に米国連邦裁判所は、Napsterのファイル交換サービスの停止を命じた。
 
Napster
Metallica's Napster Forum
RIAA(Recording Idustry Association of America)
Napigator
Napster通信プロトコル仕様解説
 

Gnutella, GnutellaNet 

Gnutellaはインターネット上にユーザ間ネットワーク(GnutellaNet)を作成し、ユーザからユーザに検索該当ファイルが見つかるまで、検索要求が転送される。ユーザがGnutellaNetに検索照会を発行すれば、4時間以内に十万以上のコンピュータから応答が得られる。
Gnutellaを後見する企業は存在しない。また、集中サーバも存在しないため、根絶したり規制するのは極めて困難である。
Nullsoftに勤務するJustin FrankelとTom Pepperの二人がGnutellaを開発し、 2000年3月14日に公開したが、数時間内に経営者によって、ソフトウェアをウェブ上から消去するように命じられた。
しかしながら、すでに約1万人がこのソフトウェアをダウンロードしており、明確な経済的支援のないまま、ソフトウェアは存在し、別の開発者たちによって開発が続行され、複製されている。GnutellaはNapsterと異なり、MP3、WMA以外のファイルにも利用できる。
GnutellaはGNU GPL規定にもとづくオープンソースソフトウェアである。つまり、誰でもそのソースコードにアクセスし、変更することができるし、変更・追加した部分についても公開しなければならない。現在、ウェブ上では20種類以上の異なるGnutellaバージョンの名前(例:Gnut,Gnubile,Gnotella)が存在する。これらも開発が続行されている。
GnutellaソフトウェアエンジニアであるGene Kanは現在、約数十万人のユーザとファイルがGnutellaシステムで利用できるとの推測を言明している。
いつ誰がGnutellaを利用しているか、その規模を推測することは、アクセスを記録できる集中サーバが存在しないために困難である。
ソフトウェアとしてのGnutellaはリアルタイム分散型の次世代検索エンジンの基盤としての利用も期待されている。Real-time p2p infosharingを提唱する(元 infrasearch.com)のgonesilent.com等が適用を試みている。
 
Gnotella version 0.70ヘルプファイル、よく聞かれる質問(FAQ) 和訳版
Zeropaid.com 
gnutellanews.com
Gnutella.wego.com
Distributed Search Services(by Clip2)
gnotella
Toadnode
infrasearch.com
Gnutella通信プロトコル仕様(Ver.0.4)解説
Free Riding on Gnutella(Xerox Palo Alto Research Center)
 

Freenet 

初期設計はスコットランドのエジンバラ大学人工知能&計算機科学専攻の学生イアン・クラーク(Ian Clarke )の最終学年プロジェクトから作成された。この設計の潜在能力が認められ、フリーネットが現実のものとなることを望みながら、インターネット上での稼動性を確認することで、このプロジェクトは1999年6月に終了した。
そして、この成果物であるソフトウェアをオ−プンソ−スソフトウェアとして、誰でもダウンロードできるようになった。
・情報(コンテンツファイル)の匿名性と恒久的保存のゴールを満足する
・小型サイトが帯域問題を考慮せずに大規模ファイルを転送できる。
・人気のあるコンテンツは残り、人気のないコンテンツは消えていく。永久的サービスとは根本的に異なる。価値のあるファイルが行方不明となることを防ぐ。
・FreeNetクライアントが要求を満たしたとき、データ全体を要求者に送信する(Gnutellaでもオプションとして指定可能であるが必ずではない)。
・データは望む人にだけ閉じて、渡される傾向がある。あるクライアント間にある傾向を持ったデータが自律的に集まっていく。
 
さらにIan Clarke(2000年8月現在23歳)は主要技術責任者として、5人の創立パートナーによるデジタル音楽配信会社Uprizer創立に参加している。 Rob Kramerを中心にFred Goldringと Ken Herz(音楽産業専門弁護士)が参加し、音楽著作権法に違反しない、革新的ソリューションに基づくビジネスを行う予定である。 Los Angeles に本拠地を置き、2000年12月までに事業開始の予定。すでに幾人かの著名なミュージシャンがUprizer利用について興味を示している(本人談)。現在の所はオープンソースソフトウェアであるフリーネットがどのように利用されるのかは不明。Clarkeによれば、 Stephen King(小説家)のように新作小説「Plant」をダウンロードする際にボランタリーに1ドルの購読料を求めるような、著作権侵害を侵さないでデジタル音楽配信を行い、個人ではなく、全体として支払いがなされ、著作権保持者にとって十分に利益が確保できるような仕組みづくりを行う予定である。
 
Freenet
Ian Clarke's Homepage
Andy Oram,“Gnutella and Freenet Represent True Technological Innovation”, May 12,2000, O’Reilly Network
 

関連リンク

Initialized: July 31, 2000 By Makoto Kimura
Updated :August 1, 2000(書式の整理)
Updated :August 3, 2000(ToadnodeのURL追加)
Updated :August 25, 2000(Napster、Gnutella通信プロトコル仕様のURL追加)
Updated:September 17, 2000(FreeNetの解説文章を追加)
Updated:March 31, 2001(進化経済学論集掲載論文を追加)  
Updated:May 13, 2001(経営情報学会予稿集掲載論文を追加)
Updated:July 20, 2001(日本経営学会予稿集掲載論文を追加)
Updated:July 20, 2001(サイバー法学者、制度経済学等のリンクを追加)
Updated:August 4, 2001(日本社会情報学会全国大会研究発表論文を追加)
Updated:August 5, 2001(2001年度経営情報学会秋季全国研究発表大会予稿を追加)
Updated:December 7, 2001(2001年度経営情報学会誌Vol.10,No.3掲載論文要旨を追加)  Updated:December 24, 2001(2002年第8回社会情報シンポジウム発表用原稿を追加) Updated:January 1, 2002(2002年第6回進化経済学会全国大会発表用原稿を追加)  

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