コンテンツビジネスの理論化の試み

2011年9月25日更新
◎原稿・書籍

木村誠、「第5章 アニメビジネスの基本モデル」、高橋光輝・津堅信之編『アニメ学』、全326ページ、pp.115-150 、NTT出版、2011年4月.

要旨:アニメビジネスの全体像を把握し、理解しやすくするための幾つかの枠組み(フレームワーク)をビジネスモデル(長期的に利益を上げるための仕組み)として提示することである。具体的には、プラットフォームモデル、ウインドウイングモデル、グッドウィルモデル、エコシステムモデルを取り上げて解説する。
キーワード:アニメビジネス、プラットフォームモデル、ウインドウイングモデル、グッドウィルモデル、エコシステムモデル

木村誠、「コンテンツビジネスのアーキテクチャー:Windowing, Goodwill, 慣性系」、『ハイライフ研究』、Vol.10、pp.29-31、財団法人ハイライフ研究所、2008年1月31日.

要旨:コンテンツビジネスの事例として、ポケモンビジネス創成期(1996年〜1998年)をとりあげ、原作であるゲームソフト(赤・緑・青)と各種の派生コンテンツ(コロコロコミック特集、カードゲーム、テレビアニメ放送等)の相互作用を因果ループ図を用いて解説する。

キーワード:コンテンツビジネス、ビジネスモデル、システム思考、ポケモンビジネス創成期

木村誠、「第6章 コンテンツビジネスの基本モデル」、長谷川文雄・福冨忠和編『コンテンツ学』、全320ページ、pp.124-142 、世界思想社、2007年9月.

要旨:コンテンツビジネスの基本モデルとしてWindowingモデルとGoodwillモデルを解説する。マーチャンダイジングの分析枠組みとしてコンテンツビジネスマトリクスを提示する。事例研究として、オリジナルテレビアニメ作品「機動戦士ガンダムSEED」をとりあげて分析を試み、これらの基本モデルの妥当性を確認する。
キーワード:コンテンツビジネス、デジタルメディア、アナログメディア、機動戦士ガンダムSEED


◎論文(査読レフリー付)

木村誠、根来龍之、"チキン−エッグ問題に焦点を当てた原作−派生コンテンツの循環的構造モデル−ポケモンビジネスの事例分析からの示唆"、日本経営学会誌、No.23、pp.98-111、千倉書房、2009年5月掲載.

要旨:  各産業分野にまたがる関連商品群を扱うコンテンツビジネスの成功のためには,原作コンテンツのグッドウィル価値(潜在的な財産価値)向上が先か、それとも派生コンテンツの経済価値が先かというチキン−エッグ問題の解決が求められる。本稿は、原作コンテンツのグッドウィル価値と派生コンテンツの経済価値の循環的構造に着目する。この構造は、原作コンテンツと派生コンテンツの全体から成るコンテンツエコシステムの発展(流通規模と売上規模の拡大)メカニズムの1つと位置づけられる。
 その循環的構造について、システム・ダイナミクスにならった因果ループ表記法を用いたモデル化を試みる。そして、その因果ループを全体の成長につなげるために権利者とその委託者によって「コントール」できる要因として、「コンテンツ間の疑似相補性の誘導」の論理を指摘する。コンテンツ間の疑似相補性の誘導は、メディア間あるいは産業間をまたがるコンテンツを結びつけることで、原作コンテンツあるいは派生コンテンツの付加価値を高め、コンテンツエコシステムの発展を支援することができる。
 本稿で最終的に提示する,原作−派生コンテンツ・ループモデルは,原作コンテンツがゲームソフトであるポケットモンスターアドバンスジェネレーション(ポケモンAG事例)の分析を通じて得られたものである。このモデルは,コンテンツのコスト構造にもとづく4分類(意図的コスト割れ品、廉価品、中庸品、上級品)の流通機会と商品間の疑似相補性の誘導を含む、4つの因果ループから構成される。
 コンテンツビジネスに参画する営利主体(原作コンテンツのライセンサーおよびライセンシー)は、原作−派生コンテンツ・ループモデルが示唆するチキン−エッグ問題を解決しうる好循環を志向する視座を持ちながら、原作コンテンツと派生コンテンツ間および派生コンテンツ間の疑似相補性を誘導するマネジメントを行うべきであるということが、本稿の主張である。

キーワード:コンテンツビジネス、版権管理、疑似相補性、因果ループ、ポケットモンスター アドバンスジェネレーション

木村誠、"デジタルメディア展開のためのコンテンツサプライチェーン形態の研究−保護パッケージ化の導入によるパイプラインとシンジケーション"、赤門マネジメントジャーナル、4巻5号、pp. 193-226、NPO法人グローバルビジネスリサーチセンター、2005年5月25日掲載.

要旨: 本研究は、企業間構造パターン(インテグラル化、モジュラー化)と企業間コンテンツ配給パターン(パイプライン、シンジケーション)の組み合わせによるコンテンツサプライチェーン形態の観点から、デジタル映像コンテンツの不正複製・不正使用を事前防止する保護パッケージ化を導入したコンテンツ配給のための企業組織間分業体系について論じる。

キーワード:コンテンツ流通、コンテンツ保護技術、デジタルコンバージェンス


◎論文(査読レフリーなし)

木村誠、"デジタルゲームのエコシステムと原作・補完コンテンツの移行オプション −アーケードゲームとコンシューマゲームの比較事例分析ー"、組織科学、第45巻、第1号、pp.57-67、2011年9月掲載.

要旨: デジタルゲームは、アーケードゲームとコンシューマゲームに大別される。本稿はコンテンツの権利関係および継承関係と階層性の観点から、デジタルゲームのコンテンツ間関係モデルを導出し、原作・補完コンテンツの移行オプションのパターン化を試みる。デジタルゲームの事業者側が原作・補完コンテンツの移行オプションのデザインの視座を持つことは、エコシステムの構造把握や断続的な業績変化の予測に役立てることができる。

Abstract: The digital games are classified into the video game arcade cabinet and video game console. This paper firstly introduces the content relational model of digital games, from the viewpoints of relationships of rights, inheritance structures, and hierarchy of contents. Secondly, the paper attempts to clarify a pattern of "original-complementary content transitional options." The digital games business player could recognize the structure of content ecosystem and forecast the change in sales performance by utilizing the perspective of original-complementary content transitional options.

キーワード:アーケードゲーム、コンシューマゲーム、派生コンテンツ、補完コンテンツ、プラットフォームコンテンツ

Keywords:Video Game Arcade Cabinet, Video Game Console, Derivative Content, Complementary content, Platform content

木村誠、根来龍之、"派生コンテンツのプロパティ設計による多様性と連動性のマネジメント−ポケモンビジネスの事例分析による検討−"、早稲田国際経営研究、No.39、pp.109-129、早稲田大学WBS研究センター、2008年3月掲載.

要旨: 本稿は、原作コンテンツと派生コンテンツ、それらの相互作用から構成される全体をコンテンツ・エコシステムと呼び、そのコンテンツ・エコシステムを発展させる方策として、派生コンテンツの多様性と、その多様性を前提とする派生コンテンツの連動性のマネジメントに着目する。  最初に「ポケットモンスター(ポケモン)」の事例分析を行い、そのビジネスの展開内容、派生コンテンツの連動性の時間的変化とコンテンツ・エコシステムの発展を示す。次に、派生コンテンツのプロパティの分類(全体的特性、部分的特性、再生特性)と、原作コンテンツのライセンサーによる各種自由度の間接的コントロールとライセンシーによる各種特性設定の概念から成る、派生コンテンツのプロパティ設計の理論的枠組みを提示する。派生コンテンツのプロパティ設計を通じた、連動性の実現がコンテンツ・エコシステム発展に貢献しうることを事例分析結果から確認する。そして、ライセンサーによる間接的コントロールが寄与しうるコンテンツ・エコシステム発展とそのためのマネジメント策を一般化して示す。

キーワード:二次的著作物、版権処理、コンテンツ・エコシステム


◎研究会・学会発表等

木村誠、"グッドウィルオーナーシップ戦略 コンテンツビジネスへのプラットフォーム理論の援用"、経営情報学会2007年春季全国研究発表大会予稿集、pp.262-265、2007年6月.

要旨: 本研究はMeyer et alの製品プラットフォーム論とCusumano et alのプラットフォームリーダーシップ論から理論化のためのヒントを得ているが、その対象領域が異なる。本研究の焦点であるグッドウィルオーナーシップ戦略は、従来の製品プラットフォーム論における派生製品の制約項とは異なる特性であるメディアフリー、スケールフリー、スタイルフリー、ストーリーフリーの4特性を持つ派生コンテンツの制作・製造のコントロールおよび配給・配信のマネジメントのための理論的枠組みであり、コンテンツビジネスのための事業戦略の基礎となりうるものである。

キーワード:コンテンツ・エコシステム、派生コンテンツ、関連性と連動性

木村誠、"コンテンツビジネスのためのデジタル=アナログ変換サイクル"、経営情報学会2005年春季全国研究発表大会予稿集、pp.106-109、2005年6月.

要旨: 本研究はデジタル=アナログ(D=A)変換サイクルモデルを提示し、コンテンツビジネスのためのメディア変換プロセスの分析・設計の可能性を示す。コンテンツ配給側・消費側のリアリティはD=A変換サイクル内メディア変換プロセス(D/D変換、D/A変換、A/A変換、A/D変換)を通じて構成される。4つのメディア変換プロセスを駆動する各主体によってコンテンツ形式はオブジェクト化、ディスクリプション化、エンティティ化、ビデオグラム化に変化する。メディア変換プロセスの内部活動は5つの活動に大別できる。事例分析としてポケモン(1996〜1998)とケータイ小説Deep Love(2000〜2004)を取り上げる。

キーワード:コンテンツビジネス、コンテンツ表現形式、メディアベースリアリティ

木村誠,"デジタルコンバージェンスによるコンテンツとメディアの相補化 コンテンツ流通のための情報処理と基本形態"
赤門マネジメントジャーナル、3巻6号、pp. 289-299、NPO法人グローバルビジネスリサーチセンター、2004年6月25日掲載.

要旨: 標準化されつつあるメタデータ技術(デジタル項目記述言語や権利表記言語等)の普及とデジタルコンバージェンスが可能とする、娯楽映像コンテンツ流通の市場拡大のための選択肢を示す。そのために、コンテンツ供給側による情報処理の仕組みとして、コンテンツとメディア間における逐次相補化と並列相補化の4分類を示す。

キーワード:コンテンツマネジメント、DRM(Digital Rights Management)、メタデータ技術、MPEG-21(ISO 21000)

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