よせなべ物理138号

よせなべ物理サークル会誌138号

(旧 教材・教具を工夫する会)

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第138号抜粋

1.138回例会の案内 


2.次回以降の予定


3.本の紹介「サイエンスゲーム120」

 藤島一満、矢野英明編著
  小学館、定価1600円
  ISBN4-09-104523-5
  C9437 P1600E

  新技術MOOK
   実験大好き!科学大好き!サイエンスゲーム120

4.「アルミや銅の防磁効果について」

         工藤貴正(青森・板柳高校)
 ----八木陸郎先生(京都市立樫原中)の疑問に答えて----

電磁調理器、八木陸郎先生のご意見に対して次の通りだと思いますので、ご検討下さい。よろしくお願いします。
 アルミ、銅、の防磁効果というのは、
 静磁気学的に磁力線を通さないということではなく(それは透磁率など年表で調べればよいと思うのですが・・)

○「鉄などは、コイルの磁力緑(25kHzで振動)が鉄内部に入り込み、渦電流を生じさせ、i・i・Rで鉄なべ全体が発熟する」のに対して

○アルミや銅、に対してコイルの磁力線は金属の表面にだけ入り、表面にだけうず電流を生じ内部に入らない。このうず電流による磁カ線がコイルの磁カ線と反発してアルミ、銅、に磁力線が入っていくのを妨げるという意味での「防磁効果」なのだと思います。



つまり、静磁気的ではなく、動磁気的(25kHzの振動磁界)な考え方をしなくてはいけないのでしょう。
 そういえぱ、発信(振)回路のトランジスタ−などは放熟のこともあるでしょうがアルミの厚い板が使われているのはそのためかも知れません。
 くわしい方の情報、よろしく!

く追加>
 コイルで作られる磁力線の振動周波数は20〜30kHzで低い方と考えられる。そうすると、金属表面にだけに磁力線が入りやすい。アルミと鉄では、アルミの方が表面だけに入りやすく、ステンレスや鉄は中に入っていく。

5.定常波に関するいくつかの簡単な実験

     岸澤真一(越谷総合技術高校)
1.プラスチックバネ
 プラスチックバネは教材用の金属製のバネより長く、かつ簡単に切断できる、鮮やかな色をしてよく目立つ、などの特徴を持っていて、授業のいろいろな場面での利用が考えられる。ここでは波の授業での展開例について述べてみたい。

(1)直径20mm(一番大いタイプ)のプラスチックパネの両端を二人で持ち、8m〜10m程度伸ばして片端をゆすりパルス波を送り出す。波が他端で反射する際位相が逆転しているのが観測できる。この際、バネを持っている者にとっては水乎方向にゆらしたほうが、脇でみている者にとっては垂直方向にゆらしたほうが、わかりやすい。波はなかなか減衰しないので10往復させて時間を測り、波の速さvを出しておく。
(2)片方を適当な周期で振動させ定常波をつくる。1/2波長から2波長ぐらいの定常波は簡単に作り出せる。10〜20周期の時間を測って、振動数fを求める。一方、波長λは簡単に求められるので、この波長と(1)で求めておいた速度とから振動数f’=v/λ を計算し、実測値fと比較してみる。



 一般におこなわれている、弦をスピーカで振動させる実験では波の速さは張力と線密度とから計算するが、ここでは直接、波の速さを求めているので直感的に分かりやすい。また(1)と(2)を同時におこなっているので、定常波は進行波からできているというイメージもつかみやすいと思う。

2.バネとスピーカでつくる縦波の定常波
縦波の定常波は気柱の共鳴に出てくるが、定常波を実際に目で見る機会はあまりない。図2のようにスピーカにパネをつげることにより縦波の定常波を簡単に観察することができる。周波数カウンタを接続すれぱ、基本振動とn倍振動との関係がきちんと出てくる。また、ストロボで観蔡すると、パソコンのシミュレーションに出てくるような動きをして、きれいである。





(1)固定端
 フックの法則に便うバネの片方を折り曲げてスピーカの中心部に通し、接着剤で固める。他端を伸ばしてスタンドに固定する。
(2)自由端
 太めの押しパネをスピーカの中心部に接着剤で固定する。この自由端では特定の振動数で横ぶれを生じてしまうので、その時はスピーカの出力を小さくする。

3.パイプ楽器
塩ビパイプによる楽器は紹介されているが、これをバドミントンのシャトルコックの円筒形容器でつくってみた。これならぱバドミントン部の顧問にお願いしておけば材料費はただである。筒は全部で21本必要である。
 筒の長さは以下の通りであるが、音程は条件によって異なってくるので、ここにあげた数字はあくまで目安とし、実際にはカットアンドトライでやっていただきたい。

  筒の長さ(単位cm)
  ド:130.0  レ:115.5  ミ:102.5  ファ:97.0
  ソ:86.0  ラ:76.5  シ:68.0  ド:64.0




 筒の入り口付近で手をたたくと音階になる。慣れれぱ曲を演奏することも十分に可能である。またこの筒にはふたが付いているので、これでふさぐと開管から閉管に変わる。開口端補正があるので厳密には1オクターブの差にはならないが、両者の音の違いをその場で示すことができる。
 さらに、この楽器に耳をあてただけで雑音による音階が聞こえてくる。これには生徒もそうとうぴっくりする。

4.平面の定常波
 2次元の定常波は教科書には出てこないが、どんなものにも固有振動があるということを示すのにグラードニ図形は格好の教材になる。
(1)乾いた砂をふるいにかけて大きさをそろえる。ふるいは茶こしが利用できる。
(2)お菓子などの缶のふたを用意する。形は丸でも四角でもよい。これを裏返し、その上に(1)で用意した砂をふるいを使ってまんべんなく振りかける。
(3)スビーカの中央にフィルムケースを逆さにしてのせ、さらにその上に(2)のふたをのせ振動を与える。共振すると音が大きくなるとともに、砂の模様があらわれてくる。振動数を変えると模様も変化する。






 参考文献
(l)愛知・岐阜物理サークル編著「いきいき物理わくわく実験」(1988新生出版)
(2)教材教具を工夫する会連絡紙(1995.10.25)


6.万葉某が物理の問題になる

    青野修先生(自治医科大学)のおたよりから

  前 文 略
 毎年、同封コピーのような問題を友人・知人に出して喜んでいます。自治医大の入試でも、同様な間題を出しています。識別指数の高い間題になります(その問題ができた者は、他の問題もできる傾向が強い)。見たことも聞いたこともない問題に的確に対処できることが、本当の実力だと思います。受験生が何度も練習しているような間題を出題しても、記憶カの良否を試すことしかできないでしょう。

   <問 題>
 万葉集巻1の48番目は柿本人麿の短歌1)である:
   東    野炎      立所見而  反見為者   月西渡
 ひむがしの 野にかぎろひの 立つ見えて かへり見すれば 月かたぶきぬ2)

 下の俳句の中に、上の短歌に読まれた情景が起きた日の三日前から、起きた日の三日後までの間に生じる可能性のある情景3)を詠んだものが一句ある。どれか。
 a.日食を 撮り終えし子の 玉の汗  浩子
 b.星月夜 空の高さよ 大きさよ   尚白
 c.菜の花や 月は東に 日は西に   蕪村
 d.炎天に すむ三日月や あづさ弓  信徳

 1)短歌や俳句については、小学校で学び始めます。
 2)斎藤茂吉:万葉秀歌(上巻).(岩波新書赤版5,岩波書店,1968)42−43
 3)太陽や月の運動については、小学校五年生の理科で習います。日食や月食の説明は中学校の理科第2分野の教科書に出ています。

私たちが例会(第132回96年8月久喜工業)で考えた答:c
 理由;ポイントは「かぎろひ」の意味です。これは暁光(明け方の光)です。したがって、いままさに太陽が昇るそのとき、西の空では月が沈もうとしていることになります。
 はじめ「かぎろひの立つ」を”陽炎ができる”と考えたので暑い時期ではないか、など混乱しました。最後は図書館で意味を調べてこの結論に達しました。いいのかな?


7.マジカル科学「千里眼、君が選んだ動物は?」

  1997.1.27 東奥日報 その9
  省略

8.第133回例会の内容

  1月18日(土) 15:30〜19:00
  場所:和光国際高校 物理実験室
  参加者:石井登志夫(吉見) 北村俊樹(都立上野)  千野 司(和光国際)  湯口秀敏(浦和一女)
 <内容>
 (1)ヘロンの熱機関の改良版  千野先生
  改良その1
 左は「楽しい授業・仮説社」で紹介されているヘロンの熱機関です。
 改良その1は、缶に直接小さな穴をあけ、そこから吹き出した蒸気で回転する。
作り方は、千枚通しで小さな穴を通し、千枚通しを刺したまま90度回転させる。



 ポイントと欠点:
 1)穴は小さい方がよい。
 2)ボールペンの軸を腕にする場合に比べて、回転は遅い。慣性モーメントが小さいためと思われる。
 3)穴の開け方、穴の向きの定め方に多少技術が必要。

  改良その2
 回転軸の取り付け部分。空き缶の形状が変更されたための改良。
 


 従来のタイプについて:
  ボールペンの軸について、透明のタイプは熱で曲がってしまう。不透明なものの方が熱に強いようである。石井先生(吉見)

 (2)人工虹の保管方法
 ダラス(プラスチック)ビーズで作る人工虹シートはその保管方法が悩みの種です。時間がたつとどうしてもビーズが落ちてしまいます。
 千野先生は大きなポスターを入れる額を使っています。透明部分はプラスチック。値段は忘れてしまいましたが、さほど高いものではなさそうです。
 ビーズは落ちないし、そのまますぐに使えるので便利です。



 (3)熱気球の改良版
  菅野先生(久喜工業高)から教えていただいた方法(サークルニュース133号)の改良版です。
 改良点は、燃料を入れる容器の固定方法です。
 針金を十字に渡して固定するのが菅野先生の方法です。これは、直径0.3mmの針金を使用していました。
 千野先生は、それがなかったので、細い銅線を使ったところ融けてしまいました。そこで、イのようにカップ(容器)の横に小さな穴をあけて、固定するとOKです。
 よい点:細い針金でも可能な点。構造が単純であること。
 課題:針金を容器に固定する作業に時間がかかりそうです。
どちらもよい点があります。試してみて下さい。




 (4)水波の実験



 (5)乾電池で人を吊すことのできる電磁石
  光洋で購入。揚力200kg以上。21,500円。

  光洋:tel 03-3213-1571  Fax 03-3284-0167

 (6)整理方法:塩ビパイプ楽器の収納
  折りたたみ式の傘立て。裏面にゴム磁石がついているので、スチール製ロッカーの横に張り付けておくことができる。



 (7)本の紹介
 ア)ニュートンとアインシュタイン SF物理学事始め
     石原藤夫著  ハヤカワ文庫JA169
 イ)科学のことば雑学辞典  久保田博南
    講談社ブルーバックス

9.おわりに

 通信費ありかとうござ・います。消費税が上がるので切手代もどうなるのか心配していましたが今回は据え置きということなのでほっとしました。以前は封書の基本料金が確か62円だったと思います。80円になってかなり苦しくなってきました。
 12ページ(B4版の紙3枚)は基本料金80円(25g以内)で発送できる限界です。
(正確にはあとB5版1枚はO.Kですが)。これからもこの範囲でできるだけお互いに役に立つ情報を提供したいと思います。こんなことを載せて欲しいということがありましたらお知らせ下さい。(H.Y)


***97年度(1997年4月〜1998年3月)の通信費について***

   金額:年間通信費 1、000円又は80円切手13枚
   送 り 先;〒336 浦和市本太 1ー33ー6
   郵便振替;00150−8−560437 加入者名;湯口 秀敏
 <<連絡・問い合わせ先;電話 048ー881ー2782>>
 インターネット版: http://www.bekkoame.or.jp/~kitamula/
 サークルニュースの抜粋、要約、転載は北村が行いました。ニュースの原文・図など詳しい内容を知りたい方は、直接湯口先生まで連絡をとって下さい。

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