よせなべ物理132号

埼玉よせなべ物理サークル会誌132号

(旧 教材・教具を工夫する会)

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第132号抜粋

1.132回例会の案内 


2.次回以降の予定


3.本の紹介

(1)物質の電磁気学  中山正敏著
  岩波基礎物理シリーズ4  岩波書店 定価3600円
  ア.著者のまえがきより
 現代の物質観によれば、巨視的な物体は原子の集まりとして、さらに電子と原子核の集まりとして記述される。したがって、物質中の電磁気については、電子や原子核の微視的な電荷や電流が真空中につくる電磁場の合成であることを述べておくだけという場合もある。
 これは、もちろん微視的なレベルでは正しい。しかし、巨視的な物質の電磁気現象を記述するには、あまりにもおおざっぱすぎて役に立たない。巨視的な電磁場は、微視的な電磁場の平均であるが、その平均をどのように行うのか、それは巨視的な平均された電荷、電流、電気的および磁気的分極とどのような関係にあるのかということは、自明ではない。この点の正しい理解のためには、それなりの説明が必要である。これまでの中途半端な説明に、もどかしい思いをされた読者も少なくないことだろう。それに応えて、理論を整理して述べることが本書の主な目的である。
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  イ.目次  1.真空中の電磁場  2.導体と電場  3.導体と電流  4.誘電体と電場  5.物質と磁場1  6.物質と磁場2  7.物質と変動磁場  8.物質と電磁場

 (2)のらねこの挑戦  物理を楽しむ教師たちのつくった本
 ・光通信物語 僕たちの宝探し日記
 ・僕たちの”のらねこ”宣言
 ・あなたも数学の授業で楽しい実験をしませんか?
 ・物理サークルに何でゾウリムシ?
 ・なんでもまねして作ってみよう。
 ・”超能力” ・大道芸と勉強しない症候群
 ・波の伝わる速さから入る波動分野授業再構成の視点
 ・原子の国へのアプローチ
 ・そして僕たちは”旅芸人”になる−世代論的教師論
 ・のらねこ少数派宣言
 ・エネルギーの視点から物理を横断しよう
 ・LHRはおいしい科学実験&楽しい手作り工作!
 ・”のらねこ”物理サークル
 ・陽だまり−41話
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  「のらねこの挑戦」岐阜物理サークル著  7月20日初版発行
   260ページ、2700円 新生出版(09-3832-8933)


4.(投稿)万華鏡・自作カレイドスコープをつくろう

       青森県立弘前中央高等学校  野呂茂樹

 日本にカレイドスコープが伝わってきたのは江戸時代の末頃で、後に百色メガネとも万華鏡ともいわれるようになったそうです。

[簡易な変形カレイドスコープ]
 2枚の鏡を逆V型に組み合わせて、裏側の合わせ目をセロファンテープでとめ、さまざまな模様(単純な赤と青の線だけでもよい)を描いた紙や新聞紙、雑誌、広告のチラシなどの上を滑らしてみましょう。鏡の反射がつくりだす多重のイメージは、この世のものならぬ美しさを見せてくれます。


[スピアロスコープ]
 60度に開いた合わせ鏡の下に、様々なパターンの円盤をおいて、ゆっくり回転させ、反射像の変化を楽しむものです。大の大人も引きつけられてしまいます。(53歳の私は、妻に子どもみたいと冷やかされています。)


 *参考文献
  ・「遊びの博物誌」  坂根厳夫 朝日旭新聞社
  ・「不思議なものをつくろう」 藤沢英昭 小峰書店

5.(投稿)音叉は使える

       浦和高校  飯島 正

 物理実験の場合、実験項目ごとに使用する器具が異なるため、非常にたくさんの器具をそろえねばならない。このことは理振の品目の多いことを見てもわかる。しかし、限られた予算の中で多くの器具を揃えることは不可能であり、このことが物理実験の実施を困難にしている一つの原因とも考えられる。それならば、実験器具が買えないことを嘆くのでなく、いまある限られた実験器具でどれだけのバラエティーにとんだ実験が可能か追求してみよう。すなわち、やりたい実験から器具を考えるのではなく、反対に器具の立場から可能な実験をできるだけたくさん考えてみよう。その器具を骨までしゃぶり尽くしてみようではないか。ということで、まず音叉を取り上げてみた。
 音叉は良く知られているように、波動の分野の音の単元のところで良く用いられるが、せいぜい2本の音叉による共鳴とうなりぐらいが演示され、あとは1年間戸棚にしまわれている。他の実験器具も似たようなものである。今回あれこれ調べたり、試行錯誤してみた結果、結構いろいろ使えることがわかったので紹介したい。

 (1)共鳴・共振
 1)同じ音叉を向かい合わせAを鳴らすとBも鳴るが、Bに金属片をつけるとAをならしてもBは鳴らない。


 2)共鳴箱から音叉をはずして鳴らし、元の共鳴箱に近づけたり脚をつけたりすると共鳴するが、異なる音叉の共鳴箱に近づけたり脚をつけても共鳴しない。


 3)共鳴箱からはずした音叉を鳴らし、音叉の脚を机、黒板、ギターなどに接触させる。


 (2)干渉・うなり
  1)同じ音叉を同時に鳴らして近づけていくと、音波の作る干渉縞が広がっていくため、音が強くなったり弱くなったりして聞こえる。


  2)同じ音叉の片方に金属片を取り付け、同時に鳴らすとうなりが観察される。


 (3)応用編
  1)スピーカーから音叉と同じ振動数の音を出すと、音叉は共鳴する。


  2)音叉の振動数に近い振動数の音をスピーカーから出して、音叉を同時に鳴らすと、うなりが観察される。また、スピーカーの音の振動数を変えると、うなりの間隔が変わる。


  3)アクリル管内の気柱の長さをゴム栓によって調節すると、音叉の振動数と気柱の固有振動数が一致すると共鳴する。


  4)標準音叉の振動数に対応した気柱の長さをそれぞれメスシリンダーに水を入れて作り、一列に並べれば楽器になる。


  5)輪ゴムを切って一本の弦にする。その一端をスタンドのアームに固定し、他端をセロテープで音叉に固定する。ゴムの針具合を調節して音叉をたたくと定常波が観察される。


 ここに紹介できたのはほんの一例であろう。工夫すればまだまだ音叉の利用法がありそうだ。同じように、たとえば力学台車などについてその利用法を徹底的に数え上げるのもいいだろう。音叉など比較にならないほどたくさんあるのではないだろうか。今後検討していきたいと思う。

6.(投稿)楽しく学べる「理科実験講座」を行って(1)

     埼玉県立幸手高等学校  山本 隆

 いつもお世話になっております。ご無沙汰しまして、また連絡誌は利用させていただいているばかりで申し訳ありません。このたび別紙のような案内で市内の中学生を対象に理科実験講座を計画し募集したところ、市内4中学から20名(1年生7名、2年生13名)が集まりました。内容については特に新しいことは何もないのですが、2回行いましたので、様子をお知らせします。
 講座は全部で5回で、第2・第4土曜日の午前中に実施します。なお計画するに当たっては次の点に留意しました。
 1)中学生を対象とする(考える力をつけている?)
 2)グループでなく一人一人でできるよう材料等用意する。
 3)自分の手で作りながら進める(作ることを重視する)
 以下はその時のレジメを簡単にしたものです。<<>>は後で加えた注です。

 第1回 6月8日(土)午前中2時間30分
  テーマ 1)空気を見る(超低温の世界)
      2)ドライアイスによる三態変化

 I.液体窒素を使って空気を冷やし、空気を見る
 A.空気入れで膨らませた風船
 (1)ゴム風船に空気入れで空気を入れた後、輪ゴムで試験管に接続する。
 (2)ゴム風船を液体窒素で冷却する。
 (3)風船が小さくなったら、逆さにして中のものを試験管に移す。試験管の中は?
  <<*この日は湿度が高く、液体空気だけでなく氷もできた?>>
  風船が小さくなったのはなぜか? しばらくたつと、風船は元の大きさに戻る。どうしてか?
 

 B.口で膨らませた風船
 (1)自分の口で風船を膨らませた後、試験管に接続する。
 (2)前と同様に行う。試験管の中の違いは?
  <<*ドライアイスができる。氷も多い>>
  *取り扱いは軍手に薄いビニール手袋をかぶせたものを使う
  わかったこと。

 II.超低温の世界
 A.いろいろなものを液体窒素で冷却してみよう
 (1)冷凍花びら・テニスボール
 (2)バナナの釘打ち

 B.超伝導による磁気浮上(マイスナー効果)
 <<*演示>>

 III.ドライアイスを使った二酸化炭素の三態変化
 <<*この実験は昨年の科学の祭典の実験講座?でやっていたものです>>
 A.二酸化炭素の三態変化
  通常の気圧では、二酸化炭素は液体にならない。
  ドライアイス <−−>二酸化炭素ガス(炭酸ガス)(気体)・・・昇華

 実験(演示) ガス鉄砲(フィルムケースにドライアイスを入れてしばらくおくと大きな音がしてふたが飛ぶ)
        ドライアイススケート
 実験(昇華)<<*時間がなくて演示ですませた>>
 ビニール袋(傘入れ用)内にドライアイスの小片を入れ、様子を見る。
  <<*やらなかったが定量実験も可>>
 
 B.ドライアイスの液化に挑戦しよう。
  固体(ドライアイス)−>液体(液化二酸化炭素)−>気体(二酸化炭素ガス)−>固体(ドライアイス)
 (1)右図のような装置を作る。チューブは2重にする。
 (2)ドライアイスをつめる。

 (3)反対側のコックをしめる。しばらくするとチューブ内が二酸化炭素ガスで加圧され(50気圧ぐらい?)二酸化炭素の液化が観察できる。
 (4)液体が観察できたら、片方のコックを少しずつゆるめていく。ガスが抜けるとき(このときは気体は膨張し温度が下がる)、チューブ内はどうなるか。できたものは?(ドライアイス)
 *この原理は、気体を液体にしたり固体にするときに使われる。
     −>断熱膨張で温度低下

 液体窒素を使って空気を見る実験は目新しいものではありませんが、副産物で氷ができたりドライアイスができたりするのはなかなか興味深いものでした。また、ドライアイスの液化や、その後の断熱膨張によって再びドライアイスに戻る実験も感動ものでした。
 実験装置や材料を一人1セットずつ用意するのは準備が大変ですが、子どもたちは直接さわって行う機会が少ないようでこの点大変喜ばれました。当日は3人の教員で行いましたが、こちらも結構楽しくできました。
 第2回目は分光器の制作と偏光板を使った実験を行いました。偏光板の実験は縞がいどうするものを作りましたが(クリアパックを使うと色がついて移動してとてもきれいになる)、ちょうど連絡誌の130号で偏光についていくつかの実験の紹介があり大変参考になりました。時間が少なかったので、偏光の実験は次回また行おうと思っています。(結果はあわせて後日報告したいと思います。)

7.マジカル科学 「慣性 硬貨倒さず札を抜く」

  東奥日報  省略

8.第131回例会の内容

  7月13日(土) 9:30から16:00
  場所:浦和第一女子高校 物理実験室
 <内容>光弾性による力の及ぼし合い実験セットの制作
  今回、全部で焼く600セット作りました。増田先生のアイデアで切断に大型裁断機を使ったことが一気にたくさん作ることができた理由です。
 (1)使ったもの
  カッター、1mスチール定規、裁断機3台、グラインダー(bの先を丸くする)
 (2)材料
   材料はすべて松沢商会から入手しました。
   松沢商会  郵便番号336 浦和市那珂町4-19-17
        TEL.048-862-4523 FAX.048-862-4574
   5mm厚塩化ビニールシート90cmX6m
  (商品名 ビニカシート 三菱化成ビニル株式会社 XT-103 7500円/1m)
  偏光板 10cmX10cm 250枚 1枚150円
  透明ケース  50個X10箱  1箱(50個)6000円


 (3)製作手順
  1)まず、長さ30cmのものをカッターで切り出す。
  2)1)を大型裁断機で30cmX10cmに切断する。
  3)2)を何枚か重ねて、大型裁断機で5cmX10cmを切り出す。
  4)3)をさらに1.0cmX10cmと4cmX10cmに切断する。
  5)別に1.0cmX30cmのものを切り出す。


9.おわりに

 この夏休み、物理教育研究会(APEJ)の夏季大会が、浦和一女と浦和市立高校を会場にして行われました。サークルの延長のつもりでほとんど何も準備しませんでしたが(そうは言っても宿や懇親会の人数の確認は多少神経を使いましたが)、充実した気分を味わうことができました。参加された皆さん、ありがとうございました。(H.Y)

 ***96年度;年間通信費 1、000円又は80円切手13枚***
   送 り 先;〒336 浦和市本太 1ー33ー6
   郵便振替;00150−8−560437 加入者名;湯口 秀敏
 <<連絡・問い合わせ先;電話 048ー881ー2782>>

 サークルニュースの抜粋、要約、転載は北村が行いました。ニュースの原文・図など詳しい内容を知りたい方は、直接湯口先生まで連絡をとって下さい。

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