よせなべ物理128号

よせなべ物理サークル会誌131号

(旧 教材・教具を工夫する会)

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第131号抜粋

1.131回例会の案内 


2.次回以降の予定


3.(投稿)電磁力船の製作について

     田端健治(深谷高校)

 数年前に都立蔵前工業高等学校の福田先生より情報を提供していただき、県立行田高等学校の科学部物理班の生徒と電磁力推進船を製作してみました。新教育課程の課題研究のテーマとなる可能性もありそうなのでその概略を報告します。

 (1)はじめに
 電磁力推進船は、1976年に神戸商船大で模型が作られ、1992年の初めの時点では、長さ28mの実験船「ヤマト1」で実験を開始し、実用化をめざして研究中とのことであった(1992.1.18読売新聞)。しかし、現在どのようになっているのかはわからない。
 実験室で電磁力推進船を走行させるため、海水に見立てた食塩水に浮かべた。その際、最初は生物科から借りた長さ(幅?)75cmほどの水槽を用いたが、次の年には、長さ130cmほどの水槽を使用することができた。しかし、もう少し走行距離がとれる方がよいと思われる。

 (2)製作
 磁石と電極からなる推進器と、その推進器と電源を浮かべるための船体に分けて製作した。なお、電極と磁石板については以下のようにした。
 電極:電気分解用の炭素電極を暑さ5mm程度に金のこで切り、リード線を取り付けた。その先に、電源として使用したラジコンカーのNi-Cd電池セットのコネクターを取り付ける。
 磁石板:ネオジウム磁石を食塩水で腐食しないようにアクリル板に封じ込める。
 1)船体I
 推進器を食塩水中に露出した状態で船体に取り付けるようにしたもので、船体は、ペットボトルを2本並べて割り箸と接着剤でつないだだけの簡単なものである。
 2)船体II
 推進器の容器を発泡スチロールで作り、電極を入れたアクリルのパイプをその容器の中に通す。そのパイプの上下方向に磁場をかける。ここで、磁石はネオジウム磁石だけでなく、電磁石にも交換できるようにしてある。その推進器の容器をはめ込めるような船体を発泡スチロールを用いて製作したものが船体IIである。食塩水は推進器のパイプ内で極板間に電流が流れ、磁場から受ける力により推進器後方に吐き出される。その反作用で船体が前方に進むことになる。
 また、電磁石の芯にする磁性体は、下記に相談して提供していただいた「セメンシュール」という商品名の鉄とコバルトの合金を用いた。
  (株)ハイテック 所在地:浦和市曲本3−2−5
           電話:048-864-8425

 (3)製作のポイント
 当時、製作した部員が書いた別紙、「製作のポイント」を参照してください。

 (4)走行結果
 実験した範囲ではきわめて遅いが、推進器の後方に小さな泡を吹くんだ水流が勢いよくでる様子が観察できる。また、なかなかまっすぐ進まなかった。舵を取り付けてみたが目立った効果は見られなかった。v−tグラフの例を下に示した。速度の測定は、ビデオカメラで時刻を写し込みながら撮影し、それをコマ送りで再生することにより行った。
 (5)推進力を大きくするための課題
 以下のことを試みたが、大きな効果は見られず、まだまだ改良の余地が多くあると思われる。
 1)電源:電圧が高いと食塩水中の電流が大きくなるが、バッテリーの容量を確保しようとすると質量が大きくなりすぎる。また、電車のように外部供給にしてみたが、パンタグラフの部分がうまくできず、微妙な調整が必要となり断念した。
 2)磁場:磁石板を2枚重ねたり、電磁石を使ってみたりしたが、質量とのかねあいもあり、決定的な方法は見つからなかった。
 3)その他:走行前に極板間に減極剤として過酸化水素水を注入してみたら、少し効果があるように見えたがはっきり確認するまで至っていない。また、食塩水の濃度は海水と同じとしたが、科学展の北部地区展で助言をいただいていながら、これを変化させた場合については実験できていない。



[別紙資料]電磁力推進船の製作のポイント

 (1)磁石を多く使う
 ネオジウム磁石は強力だけど1個だけでは電磁力推進船を動かせる程、強い磁場は得られない。だから磁石は多数必要。
 *ちなみに私達はネオジウム磁石5個を並べて使用した。さらに磁場を強くするため、磁石を重ねたというのもPoint

 (2)食塩水につかないようにアクリルに封入
 ネオジウム磁石がNaClで腐食されるのを防ぐため、アクリル板で封じ込めた。


 (3)電極の材質
 電極には強磁性体(鉄、コバルト、ニッケルなど)とNaClで腐食されてしまうものは使用できないという理由で炭素板を使用した。ネオジウム磁石入りアクリル板で炭素板をはさむと磁石の引力で固定できる。

 
 (4)電源
 電源にはラジコン用Ni-Cd(7.2V)のバッテリーを使用した。バッテリーは1本より2本直列にした方が速く進んだ。

 (5)船体I
 船体にはペットボトル2個を使用した。ペットボトルは2個くっつけて上と下に割り箸をつける。船体の上にバッテリーをのせ、下に推進器を取り付ければOK。(輪ゴムor白いゴムで固定するとよいかも)


 (6)船体II
 食塩水を電極を取り付けたパイプを通し、いろいろなタイプの磁石を取り付けられるようにしたもの。
 *ちなみに私達は電磁石を利用してみた。(液体窒素で冷却)
 発泡スチロールを大体の船体の形に切り、カッターなどで船体らしく形を整える。推進器を船体にはめ込むため、船体の中心(やや後方)をくり抜く。



4.新聞記事より 「超電導船」航行テストへ

   1992.1.18  読売新聞  省略

5.マジカル科学 「予言 カードの合計を当てる」

  東奥日報  省略

6.マジカル科学 「透視 光の回折現象を利用」

  東奥日報  省略

7.博物館・科学館の紹介 島津創業記念資料館

  郵便番号604 京都市中京区木屋町二条下る
  TEL.075-255-0980
  大人300円、中高生200円
  入館時間 9:30〜16:30(閉館17:00)
  休館日 水曜日、年末年始

8.生徒実験のプリント

       和光国際高校 千野 司

 実験 一次電池

 目的:一次電池を製作し、電池の仕組みを理解する。
 道具:10円玉、1円玉、テスター、発光ダイオード、アルミ箔、食塩、濾紙、モーター、豆電球、板、活性炭、バット。
 手順I:アルミ箔電池
  1)1段で電圧を測定する。
  2)1段でモーター、豆電球をつける。
  3)段を増やして電圧を測定。モーター、豆電球をつける。


 手順II:11円電池
  1)10円、濾紙、1円の順に重ねる。
  2)電圧を測定(どちらが陽極か)
  3)舌につける。どんな感触か。
  4)6段重ねにして発光ダイオードをつける。
  5)6段重ねにしてモーター、豆電球をつける。

 考察:
  1)アルミ箔電池で電圧の発生する原理を説明せよ。 
  2)11円電池では電圧は十分なのにモーターや豆電球がつかない理由はなにか。11円電池でモーターを動かすためにはどのようにすればよいか。
  3)アルミ箔を噛むと独特な感触がある。理由を考えよ。

 感想:

 __年__組__番 氏名_______

9.第130回例会の内容

  6月18日(土) 15:30から19:00
  場所:和光国際高校 物理実験室
 <内容>
(1)光弾性の実験
 1)力のおよぼし合いセットの製作方法
 2)観察方法の工夫:生物用光源を使う方法。


 3)干渉色の出る原理

(2)和光国際高校で行っている各種実験の紹介
 1)電気クラゲ       2)電気振り子

 
 3)アルミ電池(生徒実験用プリント前述)
 ポイント:
  a.塩は少な目がよい。
  b.活性炭 KOKUSAN chemical works 2110962 Activated Chacoal
        国産化学KK Lot No.D135294
   この活性炭は消臭剤に入っているものに比べると粒が大きいが大きさがそろっている。
  利点:実験が終わった後回収が簡単である。
  (性能は消臭剤の活性炭などと比較しても同じ位。太陽電池用モーターを回転させることができる。ただ、一様に敷き詰める必要はある。)
  c.食塩水をしみ込ませる紙に大きなろ紙を切って使う。ティッシュペーパーだとすぐやぶれてしまう。この方が確実。

 4)その他  水ロケット など

10.投稿 小話題

    青森県弘前中央高等学校  野呂茂樹
(1)プラスチックレンズは熱に弱い!
 木炭電池用の木炭を作るため、炭火をうちわであおいでいたら、レンズの表面が溶けてしまいました。くれぐれも注意を。
(2)超簡単!干渉縞の観察
 黒いプラ板(下敷きなど)をアルコールで拭くと、蒸発につれてきれいな模様を観察できます。
(3)炭酸飲料水の比重、濃度、糖分の含有量
 炭酸飲料水350mlと水350mlではどちらが重いでしょう。炭酸飲料水350mlは360g程度の重さです。これを熱して水分を蒸発させると、30g程度のカルメラができます。これが全部砂糖とすると、コーヒーなどに入れるスティックシュガー3gのなんと10本分に相当します。

11.おわりに

 今まで紹介した博物館・科学館はそれぞれ特徴があり面白いものが展示されています。行く機会がありましたら(修学旅行などがチャンス)、感想や資料などをお寄せ下さい。また、近くにある博物館・科学館やおもちゃ屋で面白い展示やものがありましたらぜひお知らせ下さい。いつか、これらをまとめたマップを作りたいと思います。(H.Y)

 ***96年度;年間通信費 1、000円又は80円切手13枚***
   送 り 先;〒336 浦和市本太 1ー33ー6
   郵便振替;00150−8−560437 加入者名;湯口 秀敏
 <<連絡・問い合わせ先;電話 048ー881ー2782>>

 サークルニュースの抜粋、要約、転載は北村が行いました。ニュースの原文・図など詳しい内容を知りたい方は、直接湯口先生まで連絡をとって下さい。

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