よせなべ物理128号

よせなべ物理サークル会誌130号

(旧 教材・教具を工夫する会)

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第130号抜粋

1.130回例会の案内 


2.次回以降の予定


3.本の紹介「おもしろ理科実験集」

   工学院大学企画部
  著者 後藤道夫、盛口襄、米村傳治郎
   B5版、160ページ、定価1545円、(株)シーエムシー

 ついに登場。イラストで楽しむ理科実験集!オリジナルなおもしろい実験がいっぱい!

 いま教育現場で爆発的人気を呼ぶNHK教育テレビ「やってみよう・何でも実験」の製作指導をする3人のブレーンが、最新のアイデアに富む理科実験を取り上げ、毛利綾さんのユーモラスなイラストで、誰にもわかるように解説した理科実験集です。その特徴は、
 1)身近にある素材を使い
 2)すべて手作りであり
 3)実験の手順をイラストで表現し
 4)工夫に富んだオリジナルな実験が多く
 5)誰もが見て、分かり、自作して、実験が楽しめ
 6)しかも、小・中・高の理科のエッセンスを含んでいます。
 生徒と共に、理科実験を楽しむ手引き書として役立つことうけあいです。ぜひご利用ください。


4.第131回例会 力の及ぼしあいセットの製作

 7月13日(土)の例会では「科学の祭典」「物理教育研究会」のために光弾性を利用した力の及ぼし合いセットを作りますが、同時に各学校用のセットも作ることになりました。はじめ、科学の祭典用に用意することから始まった話ですが先生方の間でも力の及ぼし合いセットを知らない方、知っていても生徒一人一人分は持っていない方が多いことがわかりましたので改めて学校用セットをつくることにしました。


 1)1セット 100円 偏光板2枚、塩化ビニール1組分
        100円 透明スチロールケース
 2)50セット 10,000円(ケース付き)
 3)申し込み方法:下記の用紙をファックスまたは郵送してください。なお、領収書はだせるようにします。
 4)ファックス番号 浦和第一女子高校 048-830-1116
 5)住所 郵便番号336 浦和市岸町3−8−45 浦和第一女子高校
 6)申込期限 6月20日(木)

5.科学教室について

           96.5.13  増田 益
 先週の土曜日(5.11)、浦和市青少年宇宙科学館で科学教の出前をしたので、その様子をよせなべ物理の話題にしたいと思っていましたが、あいにく今度も出席できないので、簡単にレポートを書きました。7月の科学の祭典の参考にしていただければ幸いです。

(1)概要
 題名 光のマジック
 会場 浦和市青少年宇宙科学館4F電気実験室
 日時 5月11日(土)9:30〜12:00
 対象 小学生・中学生
 定員 16名(参加者12名 小学2年〜6年)

(2)内容
 1)2枚の偏光板を重ねる
 1枚の偏光板では回してみても、裏返してみても、よく光を通す。偏光板は2枚重ねると、重ね方によって、よく光を通したり、ほとんど光を通さなかったりする。

 2)偏光を探そう
 普通の光は偏光板をよく通るが、1度偏光板を通った光は、もう1枚の偏光板を通ったり通らなかったりして、普通の光と違う光になってしまう。この変な光を偏光という。実は、偏光は身の回りにいっぱいあるので、科学館の中で探してみよう。ということで各自1枚の偏光板を持って探検にでかける。
 会談、通路のプラスチック板の仕切、写真のパネルなどに注目させ、以後自由に探検させる。透明方解石の複屈折を見つけた子もいた。曇天なので青空の偏光は見られなかった。
 教室にもどってから、次の観察をさせた。
 i) 写真の上にアクリル板をのせて反射光の偏光
 ii) 虹は偏光していること
 iii) 方解石の複屈折
 iv) 電卓の表示板(上の偏光板をはずしたもの)

 3)蜜蜂の眼になって空を見よう
 i)蜜蜂の偏光器を作る
 直角三角形に切ってある偏光板をセロテープで貼り合わせ右図のような偏光器を作る。出っ張ったセロテープは、はさみで切り取る。平行線は吸収軸を示す。


 ii)蜜蜂偏光器を持って、青空の偏光を観察させる。今回は曇天だったので、後で青空を見てもらうことにする。蜜蜂偏光器を持った手を伸ばして偏光器を眼から離して見るとよく分かる。偏光器のセロテープを貼った面を手前にすること。明るく見える方向が太陽の方向を示す。蜜蜂はこれで太陽の方向を知り、方位を判断しているそうである。


 4)2枚の偏光板の間に透明なフィルムをはさむ
 直交した2枚の偏光板の間にクリアパック(透明な袋)をはさむと色が現れる。偏光板を90度回すと色が変わる(余色)。
 枚数を1枚、2枚、3枚とふやしたり、クリアパクの種類を変えると違った色になる。
 予定では、色の変化を利用して、扇形やチューリップの絵を作らせることを考えたが、低学年児がいるので、アクリル板にセロテープを貼って、色模様を見るのに変えた。クリアパックは厚さがうすいので切りぬいたり、貼り合わせたりする作業が一寸むずかしい。

 5)2枚の偏光板の間で透明なテープを引っぱる
 i)直交した偏光板の間でテープを引くと色が付くが、力をゆるめると元に戻る。加える力を大きくすると、色が変わる。力をある限度以上に大きくすると、力をゆるめても色がのこる。
 ii)塩化ビニルシートを2枚貼り合わせた端切れがあったので、引っぱったり押したりさせた。また、食品の透明パックの歪みを見せた。

 6)偏光板はどんなことに利用されているか。
  i) めがね サングラスを見せる
  ii)写真のフィルター
  iii)電卓
  iv)立体映画
  vi)光弾性の実験
  vi)歪みの検査
 等々、偏光板は身近でいろいろ使われていることを簡単に示した。

(3)実験材料と器具
 1)受講者用セット(持ち帰らせるもの)
 i.偏光板 10cmX10cm 2枚(1枚¥140 東急ハンズ)
 ii.偏光板 5cmX4cm 2枚(20cmX20cm ¥560より切る)
 iii.三角形偏光板 4枚 2.5cmX5cm(20cmX20cm ¥560より切る)
 iv.クリスタルパック
  大 30cmX23cm 1枚 (セットを入れる袋、予備校の資料袋を活用)
  小 12cmX11cm 2枚 (偏光板iの袋)
 v.アクリル板 10cmX5cm 1枚
 vi.塩ビテープ 10cmX0.5cm 5枚(偏光板の保護シートも利用できる)
 vii.雲母板 7cmX1.5cm 1枚 4)でクリアパックの代わり
 2)受講者用器具および消耗品
 i.電球(100W)および散光板 4人に1個
 ii.はさみ 各人1個
 iii.セロテープ 各人1個
 iv.サングラス 1個
 v.電卓 2個
 vi.偏光顕微鏡 1個
 vii.岩石プレパラート(良いものがなかった) 1個
    花崗岩か大理石がよい
 viii.透明方解石 6個
 3)演示用器具
 i.大型光源 26cmX26cm 20Wサークライン 1個(菓子箱を利用した)
 ii.大型偏光板 26cmX26cm 3枚
  (HNS38 0.3mm 48cmX127cm 日本ポラロイド \21500)
 iii.クリスタルパック 30cmX20cm 各種(予備校用資料袋)
 iv.透明貼り絵 星形1個、チューリップ1個、クリスタルパックで試作
 v.虹スクリーン B4版 2枚、ヘッドライト電球、スライダック、スタンド各1個
 vi.透明食器用パック 1個 歪みを見る

 (4)その他
 1)小学生なので物理用語は使わず、普通の言葉でやさしく話すよう工夫した。
 2)偏光の不思議な現象を体験させることに焦点をおいた。子供たちは身近にこんな不思議で美しい現象のあることに素直に驚き、興味を持ってくれた。
 3)家に帰って、家族や友達にこのマジックを見せるよう強調した。
 4)自分でいろいろ試して、新たな発見ができるよう偏光板のセットを持ち帰れるよう計画した。
 5)クリスタルパックや塩ビテープ、透明パックなど複屈折の素材は身近にいくらでもあるので、家でいろいろためしたり、工夫したりできる。
 6)後でどんな風にマジックを楽しんだか追跡する方法を考えておかなかったが、今後は何か考えたい。

6.(投稿)簡単に作れるリニアモーターカー

              宇田川茂雄(暁星高校)
 「ラジオ研究部の発表論文(改良版リニアモーターカー)」
  題名:リニアモーターカー
  学校名:暁星高等学校
  発表者名:ラジオ研究部 平野真也、佐野大樹(高1)
(1)目的
 先生の作られたリニアモーターカーを元に次の2点の改良を加えた。
 1)本物のように宙に浮くようにした。
 2)より長く走行させるようにした。

(2)原理
 ふつう使われているモーターのほとんどは円形である。それを一カ所で切断して伸ばし、直線上にするとリニアモーターとなる。そのリニアモーターの上にアルミ板を置く。モーターに電流を流すとアルミ板は勢いよく走る。これがリニアモーターカーの原理である。

(3)これによりわかること
 アルミニウムの筒の中に強いネオジウム磁石を落下させると、空間に浮いたように、ゆっくりと落ちていく。それは、動く磁石による磁界がアルミの筒に渦電流を生じさせ、アルミ筒と磁石の相対速度を小さくさせる力が働きゆっくり落ちるのである。リニアモーターカーは次々と変化する移動する磁界により、その上のアルミ板に渦電流を作り、前方に走る力を生み、加速度を生じさせるものである。

(4)回路図


(5)主な部品
 チョークコイル(豊電HCT011)、コンデンサー30μFー250VAC,ZNR 10K151、2回路2接点スイッチ、1回路1接点プッシュスイッチ(プッシュ時のみ導通)。アルミ板、、永久磁石、ゴム磁石

(6)作成
 先生の作られたリニアモーターカーは浮上しないものであった。実物のリニアは磁力により宙に浮いているので、実際に磁石を使い、リニアモーターカーを線路から宙に浮かせようとした。実際に線路とリニアモーターカー本体に磁石を付け、その反発により浮かせた。本体には永久磁石を取りつけ、線路にはゴム磁石をつけた。ゴム磁石の極性が棒磁石のように一面がS、他面がNのように作られてなく、またゴム磁石によっても極性が違うので砂鉄をゴム磁石にふり磁界の様子を調べた。本体を浮かせるにも微妙な調整で浮いたり浮かなかったり、精密なセッティングが必要で苦労した。そして浮かんだ本体の側面にアルミ板を貼り、その横にコイルを置き電流を流すと、本体が動き出す。そのときにも、アルミ板の面積や厚さに動き方が関係し、特に薄いと動きにくくなったりしてしまった。データは次の通りである。
 1.5mの通過タイム
  1)アルミ板1枚(厚さ1mm):平均5.3秒
  2)アルミ板1枚(厚さ2mm):平均3.4秒
 もう一つの改良点であるより長く走行させるようにする方は、先生の作られたリニアの4倍ほど長くした。また、進行方向を変えるためには、12のスイッチ(接点)を切り替える必要があるためパソコン制御にした。リレーには自己誘導を防ぐためゼロクロス機能の付いた半導体リレーを用いた。

(7)ゴム磁石の磁界について
 1)使ったゴム磁石より細いゴム磁石
 最初こおおのゴム磁石同士を反発させて浮かせようとしただが、少しでも車両と線路のゴム磁石がずれると、車両のゴム磁石と線路のゴム磁石がくっついてしまった。そのために砂鉄をまいて磁界の様子を調べると対称に3つの極に分かれていることが分かった。(図2および写真2)また、いろいろなゴム磁石について同様のことをしてみるとゴム磁石によって磁界のでき方が何種類かあることが分かった。
 2)実際に使ったゴム磁石
 ゴム磁石を切って使うために幅広のものを用いることにした。図1のゴム磁石はそのくっつき方から、半分に切ることで、片面すべてが同じ極のゴム磁石2つになると思った。しかし調べてみると、2つに切った片方はそうなっていたのだが、他方はさらに3つほどの極に分かれていた。(図1およびお写真1)このゴム磁石を半分に切り、全面同じ極になっている方を使い、車両にそれと反発する向きにフェライト磁石を付け浮かした。
 また、上の2つのゴム磁石とも片方の面は磁力が強く、もう片方の面はそんなに強くなかったので磁界に違いがあるかと思ったが、調べてみると両面とも磁界に違いはなかった。


(8)おわりに
 今後の課題としては、アルミ板の厚さによって加速度が違ったが、銅板を初めとする他の金属板のデータも調べたい。高速化が次の課題であるからである。
 なお、このリニアモーターカーは3月23,24日に倉敷市において開催される「青少年の科学の体験まつり」に出展、また、生徒研究発表会(東京都私学中高校協会)主催にて発表予定です。

7.博物館・科学館の紹介 第4回「京都市青少年科学センター」後編

 要約:社会教育や理科簿教員研修だけでなく、小中学生対象のセンター学習を行っている。センター学習では、京都市立のすべての小学校(196校)の5・6年生、中学校(81校)の1・2年生の生徒を年1回つれてきて、展示場とプラネタリウムの学習(小5、中1)と実験室での学習(小6、中2)を行っている。
 過去10年内の物理領域の中2生用テーマは、1985年から順に1994年まで
「エネルギーの移り変わり」「望遠鏡のしくみ」「音を見よう」「圧力を調べる」「低温の科学」「秒速何m?」「電気を起こそう」「リモコンの光を使ったロボット」「空気の流れ」「小さな粒」などである。それぞれ、新素材や話題のグッズ、アイデアを生かして、生徒達の実態に合わせて学習内容を計画してきた。東レ理科教育賞もも何度か受賞している。博物館でこのような実験室学習をしているのは他に1館しかなく、是非、学習している様子を見学されたい。(八木陸郎先生からの文の要約)
 京都市青少年科学センター 郵便612 京都市伏見区深草池ノ内町13

8.第129回例会の内容

  5月18日(土) 15:30から19:00
  場所:浦和第一女子高校 物理実験室

<資料紹介>資料提供は右近修治先生です。
 (1)虹に関する資料
   1)人工虹の研究 第12回東レ理科教育賞受賞作品
   2)過剰虹の実験とマイコンによる計算 物理教育 第31巻第4号(1983)
   3)点光源による人工虹の理論 山本明利(神奈川・湘南台高校)
   4)3D人工虹 右近修治(神奈川・柏陽高校)
   5)虹のトンネル (横浜物理サークルが科学の祭典で発表する予定)
   6)先生の課題研究「虹の物理」 右近修治(神奈川・柏陽高校)
   7)人工虹スクリーンの製作 浜崎 修(鳥取大付属中)
 (2)電子波で見るミクロの世界 ビデオ科学後援会パンフレット

 <内容>
(1)光のマジック
 ・増田先生による説明。p4〜7の内容。当初欠席の予定でしたが参加できることのなりました。
 ・偏光板入手先: 池袋 東急ハンズ 10cmX10cm 140円 電気コーナーの隅にあり。
 ・1枚の偏光板で干渉色を見る。鏡の上に試料を置き、その上で偏光板を回転させる。(湯口)
(2)中国の教科書:千野先生の紹介。中国人の生徒に依頼して帰国したときに買ってきてもらう。絵が多く、易しい感じの教科書。
(3)ペットボトルロケット講座 造事務所編 双葉社 西尾先生の紹介
(4)人工虹の製作と実験 :右近先生
(5)ビー玉スターリングエンジンをよりスムースに動かすための工夫。右近先生


(6)ビデオの紹介「電子波で見るミクロの世界」右近先生


(7)東京国際ミネラルフェアの紹介:小島先生

9.おわりに

 今回の例会は初参加の方が3名でした。ニコンの渋谷眞人さんが奥様と、そして神奈川県から右近修治先生が人工虹の材料と試料を持って参加してくれました。人工虹については湯口が紹介する予定でしたが事前に準備ができなくてみんなが集まってからその場で作るつもりでした。材料も一人分しかなくどうなることかと思っていましたがおかげで参加者がみな自分で作って持ち帰ることができました。右近先生は私たちにとってまさに「虹の伝道師」です。(H.Y)
(北村補足:人工虹のビーズは中村理科で扱うことになりました。)

 ***96年度;年間通信費 1、000円又は80円切手13枚***
   送 り 先;〒336 浦和市本太 1ー33ー6
   郵便振替;00150−8−560437 加入者名;湯口 秀敏
 <<連絡・問い合わせ先;電話 048ー881ー2782>>
 サークルニュースの抜粋、要約、転載は北村が行いました。ニュースの原文・図など詳しい内容を知りたい方は、直接湯口先生まで連絡をとって下さい。

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