よせなべ物理128号

よせなべ物理サークル会誌129号

(旧 教材・教具を工夫する会)

ホームページへ

よせなべサークルニュースへ


第129号抜粋

1.129回例会の案内 


2.次回以降の予定


3.夏のお知らせ

(1)科学の祭典
  ○期間=7月26日(金)〜31日(水)
  ○場所;科学技術館
 今回私たちのサークルも参加します。岸沢先生(越谷総合技術)が中心になって準備を進めています。内容は光弾性で力を見る実験です。
(2)物理教育研究会(APEJ)の夏期大会が浦和一女と浦和市立高校を会場に行われます。
   物理教育研究会(APEJ)
    (事務局〉上智大学理工学部物理学科 物理教育研究室 笠 耐(りゅう たえ)
    〒102 千代田区紀尾井町7−1 電話03‐3238‐3440
  ○期間 8月12日(月)〜14日(水)
  ○会場:
     12日(月) 浦和第一女子高校
     13日(火)浦和市立高校
     14日〈水)浦和市立高校
(3)96年束北アジア物理教育国際会註のお知らせ
 1996Northeast Asia Conference on Physica1 Demonstration
 今夏、束北師範大学の韓長明先生のところで国際会議が蘭かれます。参加国は中国、韓国、ロシア、日本です。日本では坂田正司先生(浦和市立高校)がまとめ役です.
  ○期日:8月21日(水)〜23日(金)
  ○場所=東北師範大学(中国長春市)
 詳細を知りたい方は坂田先生まで運絡して下さい。
  浦和市立高校竃048−886一2151

4.情報広場その1「登場科学の手品師」

  96.5.2 朝日新聞(夕刊)
 「静電気の力でコップが回った」「炭と食塩水でラジオが鳴った」
 「楽しさ伝えたい」科学技術館で元教師ショー
   米村傳治郎さんの紹介
 
 *5月6日(月)NHK 1ch(21:15〜22:00)で米村さんのことが紹介されました。録画しましたので興味のある方は連絡を下さい。(湯口)

5.情報広場その2:マジカル科学

「透視:封筒の中の文字を読む」
  1996.4.22 東奥日報 
 省略

6.投稿:そば屋のカレー職人

     某国際高等学校の物理科教諭
  (北村注:埼玉県の国際高校は和光国際高校があります。この学校の物理科の教師は千野 司さんただ一人です。)
 ところで、そば屋のメニューにも、よくみると「カレー」がある。
 2)客の立場
 何故そば屋のメニューにカレーがあるかというと、注文する客がいるからだ。わざわざそば屋にまで来てカレーを注文するにはそれなりの理由がある。例えば、蕎麦を喰おうとそば屋に入つたものの注文する前に急にカレーが食べたくなつた客。または、本人はカレーが食ぺたかったものの、一緒に食事をする仲間が蕎麦を喰いたいと言つたので、仕方なくつき合つている客。中にはわざわざそば屋のカレーを喰いたくて注文する変わつた客もいるかもしれない。
 いずれにしても、そば屋のカレーにはカレー屋のカレーと同じ味を期待してはいない。しかし、中には困つた客もいるかもしれない。そば屋のカレーを喰つて「本当のカレーの味がしないぞ。」といきまく奴である。
 3)カレーの立場
 そば屋のカレーにしてみれば、これほど不条理な言われようはない。本格的なカレーを喰いたければ、そもそもそば屋などに来ずに、最初からカレー屋に行けばよいのである。それにそば屋のカレーといえども「カレー」には代わりないわけで「本当のカレーじやない」などといわれる筋合いはないはずだ。だいたいにおいてが、日本人の大好きな日本のカレー自体が、本場印度のカレーとは掛けはなれたものらしい。その意味では日本のカレー屋のカレーだつて「本当のカレー」ではない。
 4)料理人の立場
 さて、そば屋でカレーをつくつている料理人はどう考えているのか。大概はそば職人が注文のあつたときだけ片手間につくっているのだろう。でも、中にはカレー一筋のカレー職人(?)が作っている店だってあるはずだ。そば屋の主力商品は当然蕎麦であるから、厨房では多くの蕎麦職人達が精選された食材と高価で便利な器具で調理をしていることであろう。しかし、カレー職人はその厨房の片隅で、近所の八百屋や肉屋で買ってきた食材を手持ちの鍋でことことと煮ているにちがいない。カレーは香が強烈だから、同僚の蕎麦職人からは邪見にされ、それほどカレーの香が邪魔ならばメニューからなくせばいいじゃあないか、と思うのだ。彼はうっかりそば屋に就職してしまった我身の不幸を嘆きつつも、捨てきれない科理人としての意地と誇りから、少しでもうまいカレーを作ろうと、閉店後の誰もいない厨房で蕎麦職人の使い残した食材と古くて使わなくなった器其で味の研究を続けているのだ。いつかカレーの専門店に再就職して本格的なカレーをつくる日を夢みて。
 そんな彼にも妄想はある。彼のつくるそば屋のカレーの評判が高くなつて、彼のカレーを喰うために客が店先に行列をつくり、蕎麦の注文がないために暇になった蕎麦職人をしりめに、最高の食材と最高の調理器其と多くの弟子を駆使してよりうまいカレーをつくる彼の姿。……………しかし、妄想は妄想である。彼も自分の腕には自信はあるが、蕎麦専門店で有り余る金と時間をつぎこんで修行を重ねてきた蕎麦職人には叶わないことぐらいはよく自覚している。妄想は持ちつつ、自分に許された範囲での努力を日々続ける彼なのだ。そんな現在の彼のささやかな慰めは、偶然でも彼のカレーを食べた客の発する「うまい」の一言なのである。
 1)はじめに
 埼玉県立某国際高等学校の選択教科には、よくみると「物理」がある。

7.簡単につくれるリニアモーターカー

        宇田川茂雄(暁星高校)
湯口先生へ 
 お言葉に甘えさせていただいて、原稿を投稿させていただきます。
 リニアモーターカーは、田野倉先生の作られたものを貸していただき、作りました。原理など全く同じ物で全く新しいところなどありません。全く同じ物を作るには、コイルの自作がネックでした。貼り合わせの鉄心を熊本の業者から購入したそうですが、家内工業だそうで今ではうまく手に入らないかもと言うことでした。初めはTDKのコアを買って作りましたが、何回巻けばよいかも分からず、うまく動かないのと面倒くさいのでやめました。そのうちに、電磁気の生徒実験で使っているチョークコイルを使ってみたらうまくいきました。最初はコイルが発熱しました。発熱は図の状態で奇数番目だけに起こることから、LC共振が起こっていることが分かりました。
 Lの計れるテスター及びLCRメーターなどでおよそのLの値を測定し、共振をずらし、かつCを含まない回路とほぼ同じ電流が流れるようなCの値を決めました。それが30μFの値です(AC用)。60kHz地域ではこの値が変わってくるはずですが、20μFあたりでよいのかと思っております。また単純に100Vで動かすにはコイルの数は16個がいいのではないかと思っております。2月下旬に実験してくる予定です。100Vでなくても、勿論スライダックを使えばよいわけですが。
 スイツチ0FF時の大起電力が問題ですが、スイッチは20A程度の大きい物を用いました。ZNRはこのような用途にどれぐらい効くか分かりませんが気休めに(?)つけております。耐久性としては文化祭などの使用に計6日間、ほぼ連続使用して壌れなかったので、このままでよいのかと思っております。
 目的は簡単に作ることに絞りました。そのため浮上せず、キャスターの上をアルミ板がころころと動いていくだけです。以上が僕の作ったものです。東京都の研究発表会、私学の研究発表会で発表したときの原稿をそのまま同封しました。その後をクラブの生徒が長いレールで動かしたり、浮上させたりと工夫してくれ、文化祭などではこちらを展示しました。生徒の作った原稿にその辺のことがまとめてあります。
 動作原理の理解にはコンデンサーによる位相のずれが不可欠となるため、高校の交流分野で行うには良いかと思います。また、鉄心を貼り合わせ渦電流を阻止することや、直列共振のことなど”開発ストーリー”もよい教材のようです。しかし、中学生に教えるにはそこが完全にネックとなるため、PWMインパータを用いて、三相交流によるタイプも最近作りました。コイルにインバータをつなぐだけの回路です。これは、中学で学ぶ内容のみで動作原理がすべて説明つきます。こちらの原稿はまだ書いておりません。
 もう一つの原稿はゲルマニウムラジオの実験です。2SC2298(代脊え2SD894:しかし若干の抵抗の変更必要。また、互換品に上げられていても/Rのトランジスタは使えない)が手に入りにくいため同封いたしました。また、ついでにゲルマダイオードなども同封させていただきました。試したいただければ幸いです。
 こちらの原椅は私学の研究発表会で用いたものです。

 「ラジオの送受信のしくみ」はクラブの生徒が書いたものに、私が多少手直ししたものです。

ビデオについて(約9分)
 発表会のときに用いたビデオも同封いたします。
 リニアは、一番簡単に作れるものは実物を持って行き演示したので、ビデオにはありません。長いレール版と脱着式です。ラジオの実験も一所に入っています。不要になりましたら、原枯、ビデオ共にご処分下さい。ご返送には及ぴません。益々のご活躍をお祈りいたしております。
        96.2.3 暁星高校 宇田川茂雄
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
 「ラジオ研究部の発表論文(改良版リニアモーターカー〉」と「ラジオ送信の仕組み」は次回のニュースで紹介します。
(湯口)
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

簡単に作れるリニアモーターカー

     暁星中学・高等学校 宇田川茂雄
(1)はじめに
 リニアモーターカーの製作例は、いくつか報告されている。しかし、いずれも再現しようと試みると、鉄心、コイルの自作など困難な点が多い。本リニアモーターカーは、特殊な材料を必要とせず、簡単に製作できる。

(2)回路図
l00Vでは20個


(3)主な部品(100V用:チョークコイル20個の場合)
 チョ‐クコイル(豊電CT011)20個、コンデンサ‐30μF−250VAC(AC用である)、ZNRl0K151、2回路2接点スイッチ、1回路1接点プッシュスイッチ(プッシュ時のみ導通)、アルミ板250mm×150mm×2mm程度、キャスター20個程度

写真1 簡単に作れるリニアモーターカ‐


(4)動作原理
 奇数番貝のコイルと、偶数番目のコイルがそれぞれ閉回路を作っており、図の状態では奇数番目の回路にコンデンサ一が挿入されている。さらに、(1)と(3)、(3)と(5)、(2)と(4)、(4)と(6)、……ではそれぞれコイルに逆回りの電流が流れるように配線する。これにより、(1)と(3)、(8)と(6)、(2)と(4)、(4)と(6)、……では、向きが逆の磁場ができる。コンデンサーにより、奇数番目の回路と偶数番目の回路の間には位柏差が生じるため、移動磁場となり、アルミ板を渦電流により動かす。なお、この助作原理は田野倉先生(東京純心高佼)の作られたものと同様である。

(5)作成上の注意点
 1)チョークコイルは、写真2のように分解する。
写真2


 2)直列共振を起こす可能性があるので、コンデンサ一容量には注意が必要である。分解したコイル1個の自己イングクタンスは21.5mH程度である。
 3)チョ‐クコイルの個数を12個程度にし、電源電圧を65V程度で作ることも、もちろん可能である。その場合にはコンデンサ‐を60μF‐220VACを使用する。
 4)チョークコイルを、脱着式とする事により、しくみの分かりやすいリニアモーターカーができる。(写真3、4)
写真3、写真4



 5)数本並べることにより、長いレ‐ルのリニアモ一ターカーができる。もちろん、レール1本あたりのチョークコイルの個数を4の倍数にしておく必要がある。写真5はチョークコイル20個×4本のリニアモーター・カーであり、文化祭で展示した。
 写真5 長いレ一ルのリニアモーターカ一


参考文献
・田野含宏和,リニアモーターカーの原理説明装置の製作,物理実験アィディア集(1) 昭63年12月,日本私学教育研究所
・大山光晴,文化祭におけるクラス製作で学ぷ物理学,東レ理科教育賞受賞作品集(第21回)
・大山光晴,力学台車・スケートボ一ドをリニアモ一ターカーに,東レ理科教育賞受賞作品集(第22回)

8.博物館・科学館の紹介第4回:「京都市青少年科学センター」

※資料捉供は八木陸郎先生(京都市立樫原中学)です.
 次回は八木先生の「物理教育のセンター紹介文」を紹介します。

 前略,毎回の「よせなべ物理サークルニュース」を輿味深く拝見しております。
 関東近辺なら,是非とも参加したいのですか,何分京都の地では思うに任せません。しかし,青森の野呂先生はがんばってられますので…,今年は行けるかな一?
 さて,1月にお話のあった京都市青少年科学センターの資料の件,遅くなりましたが,同封しておきます。なお,今年1月から,プラネタリウムの更新に入っており,夏休みにはリニューアル・オープンの予定です。関西方面に来られた時には,どうぞ一度お立奇りください。
 また,年間通信費の80円切手13枚同封しておきますので,よろしくお額いします。諸先生方にもどうぞよろしく。
 以上、用件のみにて失礼いたします。敬具
  
  勤務先京都市立樫原中学校
 〒615京都市西京区樫原蛸田町11 TEL075−392−6630
追記:同封資料
 1.京都市青少年科学センター報告VOL,271.
 1.京都市青少年科学センターあゆみ第27号
 1.プラネタリウムリーフレツト1.しおり
 1.物理教育へのセンター紹介文
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

京都市青少年科学センター

  開館時間:午前9時から午後4時30分まで
  休館日:木曜日(祝日の場合は翌日),12月26日〜1月4日
  料 金:(プラネタリウム観鷺料を含む)
  小学生150円、中・高生280円、一般550円
 ★展示場のみの観覧もできます。
 ●無料駐車場葡(大型バス駐車可)
 〒612京都市伏見区深草池ノ内町13,tel(075)642−1601
 京阪藤森駅下車,近鉄・地下鉄竹田駅下車、市バス南(5)・(7)号深草支所前下車

9.第133回例会の内容

  4月20日(土) 15:30〜19:00
  場所:浦和第一女子高校 物理実験室
く紹介資料>
 1)探求活動の報告「1995年度 2年総合理科研究発表予稿集」吉見高校
 2)較阜物理サークルニュースNo.136 '96,4.10
 3)本「入は放射線になぜ弱いか 近藤宗平」ブルーバックス講談社
 4)大学の物理教育96−1号(通算5号)
 5)物理教育VOL.43,N0.4(1995)
   特集1「国民教養としての物理、物理リテラシーとはなにか」
 6)物理教育VOL.43,N0.4(1995)
   特集2「次期教育課程に向けての動向」
く内容>
(1)吉見高校の2年生で行った探求活動の実践報告  石井先生
 昨年総合理科(2年生・選択理科・週3単位)で実施。20人。
 1学期から2学期の前半:分光器の製作、ピンホールカメラなどの製作。
 2学期:班を作ってテーマを考える。内容は物化生地ばらばら。
 3学期末に研究発表会を実施し、他の理科の先生に見てもらう。大変だったがいろいろ勉強になった。
<実践して気づいたこと>
 1)はじめから「研究」というより、何かを「作る」ことから始めるとよい。
 2)発表することで非常に勉強していた。
 3)うまくいかなかったことからさまざまなことを学んでいた
(2)おもちやの紹介:ずっと回り続けるコマ(Battery Operated Mobiles)
(3)プリント紹介、など。

10.おわりに

 最近手帳の夏休みのページを見ることが多くなってきました。学校のことではクラプの合宿や活動計画に補習、外では研修会や今回紹介した科学の祭典や研究会などです。段々夏休みの空いている日が埋まっていきます。今年の夏休みも慌ただしく過ぎてしまいそうですがどこかで何か1つじっくり取り組んで見ようと思っています。(H.Y)


 ***96年度;年間通信費 1、000円又は80円切手13枚***
   送 り 先;〒336 浦和市本太 1ー33ー6
   郵便振替;00150−8−560437 加入者名;湯口 秀敏
 <<連絡・問い合わせ先;電話 048ー881ー2782>>
 サークルニュースの抜粋、要約、転載は北村が行いました。ニュースの原文・図など詳しい内容を知りたい方は、直接湯口先生まで連絡をとって下さい。

ホームページへ

よせなべサークルニュースへ