都理化教育研究会 研究発表集録抜粋



 このページはあくまでも北村俊樹(たまきち)の得た情報とその抜粋・要約によって作製されています。したがって東京都理化教育研究会の公式な見解を示すものではありません。各情報の詳しい内容をお知りになりたい場合は、直接、発表者や委員会あてにおたずね下さい。

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1994年度(平成6年度)研究発表抜粋


1.マルチストロボを使った面白い実験他
        東京都立戸山高等学校 黒田楯彦

 1.マルチストロボを使った面白い実験
  回転できる円板上に、紙粘土で作った物体を円周に沿って等間隔で並べる。このとき物体の形は隣どうし少しずつ形を変えてある(アニメ用に形を変える)。次に円板をモーターで回転させマルチストロボフラッシュ装置で光を当てる。ストロボの周期をあわせると、物体がその位置で静止しかつユーモラスに周期的に変わるのを観察できる。ストロボを使う際、これを、1)ピンポン玉のバウンドや単振り子、2)扇風機のはねの動き、 3)音叉の振動 などの後にやると効果的である。

 2.コーティングガラスで白色光を3原色に分ける
  多層薄膜のコーティングガラスによるミラーとフィルター(日本真空光学株式会社)を使う。ミラーは面に45度に光を当てたときそれぞれ3原色の光(青、赤、緑)のみを選択し反射する。
 これを 1)白色光を3原色に分ける、2)3原色を混ぜると白色になる、3)ビデオカメラの光学部分の仕組みの説明、4)テレビ画面や液晶の表示部分の仕組みの説明、  に使う。

 3.教科書の図と違う回折格子
 教科書や参考書で取り上げられる回折格子の図は溝と平の部分で平の部分から光が回折してあるように描いてある。しかし実際にはその逆であることが多い。この時はは「すきま」を通る回折現象ではなく、「障害物」回折である。障害物による回折で「バビネの原理」を配布資料に載せた。

 4.提言「分かりやすい授業の工夫の情報交換を」


2.「モンキーハンティング」「モノレール式力学台車」
        東京都立小松川高等学校 前田幸正

 1)モンキーハンティング
 電磁石を利用しないモンキーハンティングの紹介。身近な材料で、簡単に自作できるように、割り箸に輪ゴムをつけて弾丸とし発射する。割り箸の先にナットのおもりを付けないと命中しない。実験方法は、的を吊るした釣り糸と割り箸に付けたクリップを一緒に指でつまみ、輪ゴムを伸ばして同時にパッと放す。

 2)モノレール式力学台車  生徒実験では2台のスタンドにH型のレールをつけて、水準器で水平に調節する。演示用には黒板の上部からスタンド棒を2本鉛直に吊るすと生徒の席からよく見えるようにする。(説明図は省略します)


3.記録タイマーを使った等加速度運動の実験の学習指導
        東京都立武蔵丘高等学校 小室孝志

 記録タイマーを使った実験で、同じようなデータ処理する実験を何回も行う場合に使える2種類(A・B)の学習プログラムと指導法を開発した。学習形式は、実験室で打点を記録、パソコン質で打点を測り本プログラムによる個人別CAI学習を行う。プログラムはBasicで作った。
 プログラムA:等加速度のX−t,V−t,a−tの関係を予想しながら学び、記録していき、最後に加速度の値を得る。別紙の「データ解析用紙」に簡単に写せるようにグラフ上にラインを引く。
 プログラムB:Aと異なり途中の経過は簡単に観察し、速く加速度の値を得る。観察用なのでなるべく単純な画面にしている。


4.ELECTRON MASS
        東京都立富士森高等学校 MICHI TURU

 1.PREFACE 2.各種の理論と電子の質量 3.新しい力学をめざして 4.LEPTON MASS 5.BARYON MASS 6.SUPER MASS (教育用論文として難解であり、著者の主張が理解できなかったので省略します:北村)


5.オシログラフペーパーとアクリル球を用いた斜衝突の実験
−運動量と重心の運動について−
        東京都立西高等学校 くわ原 爾

 平面内での斜衝突を連続的に記録する方法を紹介。オシログラフペーパーを机の上に敷きその上にアクリル板を置く。この上に透明アクリル球を転がしマルチストロボの光を当てる。マルチストロボは紫外線を含む強照度の光源として、オシログラフペーパーはこの紫外線に感光する記録用紙として用いる。アクリル球はレンズの役もはたし光を集める。
 1)マルチストロボ:正面のガラス部分を直径1cmの穴をあけた厚紙で覆う。穴もトレーシングペーパーを張る。
 2)記録用紙:オリエンタル工業・オシログラフペーパーDVタイプNC。C202またはC203Fを使う。
 3)その他:投射台(板にカーテンレールを付けたもの)、アクリル板
 実験は斜衝突をストロボ(3000rpm)で1次露光。これを太陽光で数秒間2次露光すると、アクリル球の軌跡の濃い点が現れる。実験のデータ処理は、1)運動量の保存の確認、2)重心の運動を見つける、3)運動エネルギー保存則を確認、で行う。3人1組で行った。用紙等が用意できれば手軽に実験でき、精度も良い。発展として、コンプトン散乱のモデルにも使える。


6.各種放射線キットの活用について
        東京都立玉川高等学校  名古屋光男

 放射線実験上、留意すべきことは実験に際し、生徒・教師の安全に配慮し、放射性物質に対する使用上の教訓をふまえて、十分な理解にたった使用手順、方法の作成が必要である。近時、公的機関、企業等で作られ教育現場で活用できるキットについて、授業経験から多くの知見を得た。1)アルファちゃん、2)ベータちゃん、3)はかるくんの3種のキットで、1)2)は線源が固定されICRP勧告にも沿っており安全に使えるが、3)は強度の放射能を使用しており放射線の防御の知識が必要であること、接着不良のため容器に破損が生じ、線源の刻印が無い等問題である。
 放射線に対する生物への影響はまだ十分に解明されておらず生徒の不安は少なくない、ICRPの勧告に従って使用すべきである。「法令以下、微量だから安全」都の判断で放射性物質を教室に持ち込むべきでない。キット線源の使用もこれら留意事項を踏まえた活用が望まれる。


7.生徒実験用共通ソフトの開発
        東京都立上野高等学校  北村俊樹

 1)簡単にできるRS232C型インターフェース
  パソコン計測で市販品は高価であり、また特定の機種にしか使えない。1993年度にプリンタ端子利用の共通インターフェースを発表したが、今回はRS232C端子を利用した2chAD変換インターフェースを作製した。テキサスインスツルメンツTLC549を使いRS232C端子に接続して数Khzの音まで取り扱える。IC3個とトランジスタ2個、ダイオード4個で数千円以下で簡単に自作できる。

 2)共通ソフト
 上のインターフェースはPC9801,FM−TOWNS、DOS/Vに共通して使える。ソフトもこれらの機種に使えるように作製した。作製ソフトは、1)音の実験用「音知」、2)FFT表示用「風来絵観」、3)リアルタイムパソコンオシロ用「振駆郎」、4)2現象オシロ用「2振」、5)運動測定解析用「運知」、6)計時用「時割」、7)放射線計測用「放知」、8)共鳴実験用「明鳴」などである。
 なお、ソフトはPC9801の場合は、大阪マイコン部、新潟NADV、中村理科リカコン、マリスパソリカ、マリス音の分析・合成、平田邦男インターフェースなどにも対応している。


8.物理の授業を楽しくするための実験
        東海大学付属高輪台高等学校  高橋 宏

 1)コンデンサーの性質:アクリル板の両面にアルミ箔をはってコンデンサーの容量を演示する。
 2)光の屈折と全反射:アクリル箱に水を入れレーザ光で臨界角を見せる。
 3)弦の振動:バイブレータを使って天井から釣り下げた糸に定常波を作る。
 4)教室でできるドップラー効果:スポンジにブザーを入れるとドップラーボールを作れる。


9.小学生が5分間で作れる霧箱
−液体窒素を使った森式霧箱−
        東京都立西高等学校  森 雄児

 液体窒素を使った霧箱は、小学生が5分ほどで作れ、ベータ線が見えるなど感度が高く、安定性ある。

 準備するもの:
 1)液体窒素、保存容器、2)電子レンジ用パイレックスガラス、3)トランジスター冷却用フィン、4)黒っぽい布、5)サランラップ、6)エチルアルコール、7)放射線源(ユークセン石)、9)塩ビ棒

 α線の場合の手順:
 1)黒い布を丸く切ってガラス容器の底にひく。布に軽くアルコールをかける。
 2)ティッシュペーパーを容器の回りに引き、アルコールをかける。
 3)放射線源をいれ、サランラップでふたをする。
 4)発泡スチルールの容器の中に冷却用フィンを置き、液体窒素を入れる。
 5)冷却用フィンの上にガラス容器を置く。
 6)雑イオンを取り除くために、塩ビ棒をティッシュペーパーでこすり、塩ビ棒を近づける。これは静電気による電界をかけるためである。
 これで2、3分すると放射線の軌跡が見える。横からスライドプロジェクターで光を当てると飛跡がさらによく見える。冷えすぎると、霧箱の底に白い霧が立ちこめる。この時はフィンを逆に置く。

 霧箱の生徒実験:
 霧箱を6台(1台7人)でα線の最大飛程(運動エネルギー、速度の計算)を測定する。泉源としては、ユークセン石(島津理科)を1cm角に切り水洗いして使う。1班当たり100cc程度の液体窒素が必要である。

 なお、この霧箱を用いると、β線の回転、陽電子、対生成、コンプトン散乱を確認できる。


10.学習のRA曲線
        東京成徳短大付属高等学校  大野猛、大隈勉、汲田憲彦、高橋喜徳

 社会に出て学習したことがどの程度にRemenbrance(思い出されているか)、Application(応用されているか)を示そうとするものをR−A曲線と呼ばせていただく。人間のR−A曲線を単純化して描いた。調査対象は1)昭和40年代卒業者、2)昭和50年代卒業者、3)昭和60年代以降卒業者、である。これを検討した。





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