都理化研大会10

都理化教育研究会 研究発表集録抜粋



 このページはあくまでも北村俊樹(たまきち)の得た情報とその抜粋・要約によって作製されています。したがって東京都理化教育研究会の公式な見解を示すものではありません。各情報の詳しい内容をお知りになりたい場合は、直接、発表者や委員会あてにおたずね下さい。
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1998年度(平成10年度)研究発表抜粋


1.気柱共鳴を用いた周波数分析
        東京都立世田谷工業高等学校 上田悦理

 1.はじめに
音の分野の学習で、気柱共鳴の実験装置を用いた実験は、非常に普及した実験の一つと考えられる。今回、この実験装置を用いて簡単な周波数分析の手法を考案したので、その紹介と実践した結果について報告する。

2.実験装置の概要
気柱共鳴の実験装置と、音源用に録音再生装置並ぴに、小型スピーカーを用いる。合成された和音を事前に用意し、気柱共鳴の実験装置で再ぴ一つ一つの音程の音に分解するという実験である。
 低周波発信器で作られた、いくつかの音を音響ミキサーで合成させる。合成した和音を比較的特性の優れたスピーカーから出す。その音をフラッシュメモリ方式のIC録音再生装置に録音する。気柱共鳴の実験装置の管口付近に小型スピーカーを近づけて、録音した和音を再生させる。水タンクを上下させることによって、和音から、合成前の1音づつを大きく響かせることができる。そこから共鳴点を測定する。

3.波形
 今回、基本的な和音として、『ドミソ』を考えた。実験装置の測定条件や、スピーカーの特
性などから、523Hz、660Hz、794Hzのそれぞれの音程を目標にして、3台の低周波発
信器で、3つの音を作成した。3つの音を合成した和音について、オシロスコープで観察した様子を図3に示す。
また、共鳴時に気柱の中にコンデンサーマイクを懸垂して、気柱の振動を観察した。『ミ』の音について、共鳴時のオシロスコープの画面と、FFTをかけた周波数分析のグラフを、図4、図5に示す。
以上のように、波形の上からも、音が合成されてから、再ぴ分解される様子が観察できる。

4.共鳴点からの振動数の分析
 実際に、前記の合成音から、3つの音程別に共鳴点を探して、気柱の長さを測定した。その時の値と計算結果を表1に示す。
  表1 実測値25℃
  第1共鳴点 第2共鴫点 波長 振動数
  (mm)  (mm)  (m) (hz)
   96  320   0.448 772
  116 380   0.528 655
  150 484   0.668 518
 測定値からは大まかではあるが、当初の発振周波数に近い値が得られた。

5.生徒実験
 本校定時制では、生徒の実態が、かなり多様化してきている。現状に対応しつつ、どのようにしたら気柱共鳴の実験装置を有効利用できるかを考えてみた。実践では計算を極力さけた形で、なじみ深い『ドミソ』や『ドファラ』という和音の音を分解して、何の音からできているかを考えさせる展開にした。音程を探すというわかりやすい目的で、とらえやすかったようだ。

6.まとめ
 この実験は、気柱共鳴の実験と、管楽器で音程が決定される仕組みについて、楽しみながら生徒が参加できる実験はないものかと考えて考案したものである。音程について聞き分けることが難しいような場合には、2音の和音にした方が煩雑にならなくて良いかも知れない。
録音再生装置の廉価なものがなかなか無かったので、電子工作のキット製作会社からでているものを作製して用いた。約5,000円で20秒ほど録音できるので、カセットテープのように巻き戻す手間もなく便利であった。

参考文献
l)物理の探究 東京学芸大学附属高等学校1996年版
 振動数の計算

2.半導体レーザーと簡易ラインマーカーレンズを用いた流れの観察
        東京都立葛西南高等学校定時制 井上 健

1.簡易ラインマーカーレンズの改良
 平成8年度に開発した可視光半導体レーザー用ラインマーカーレンズ1)(図1(a))には、以下のような欠点があった。@アクリル棒製のため切断・加工しにくい、A表面の微細な傷のためか扇面状の光束中に放射線状の欠落が生じ、スクリーンに投影したとき「線」に細かなとぎれが生じる、B集光レンズに紙枠をはめるだけのマウント方式のため、脱落・紛失しやすい。
 これらの欠点を解消するため、透明体であれぱ「棒」でなく「管」であってもレンズ効果を示すことに注目し、ガラス管をコード押さえで支持し、集光レンズの前にスライドさせる簡便な「円管レンズ」を開発した(図1(b))。
ガラス管は工作(切断)が容易で実験室にありふれており、アクリル棒に比べ光束中の欠落が少ない。また、ガラス管を軽く押すだけのワンタッチで光束の円錐状⇔扇面状の切り換えができ、操作性が良い。着脱の手間も省け、脱落・紛失の心配もない

2.容器の口から吹出す渦輪の断面の観察
 最近、段ポール箱に入れた線香煙を穴から噴出させる「空気砲」の実験が広く行われている。
この実験では煙が渦輸となって空間を移動する。中にはこれを「波動砲」などと称している教員・生徒もいる。だが、これは波動ではなく、段ポール箱内の空気が塊となって空間を移動する現象である。それが煙の粒子によって可視化されているのである。
この点を明確にするため、まず煙の運動を詳しく観察することを試みた。そこで、1.で開発したラインマーカーレンズとレーザー光源を用い、平面状光束で流れの断面の観察を行った。
しかし、段ポール箱から噴出される渦輸は直径が大きく移動速度も速いため、煙粒子により散乱されるレーザー光で明瞭に断面を確認することはできなかった。
そこで、相似な現象として、ペットポトルや洗濯糊の容器から噴出する「煙の輪」をレーザー光で断面観察したところ、渦巻きながら移動していく流体の運動を捉えることができた。
洗濯糊の容器に線香煙を満たし、指で軽く押すと、直径3cm程度の煙の輪が容易にできる。暗幕等を背景にすると、容器の口から吹出した煙がキノコ状に広がり、リング状の渦輪を作っていく様子が観察される。ここで、レーザー光で渦輪の進行方向を含む断面を照射しながらビデオ撮影し、コマ送り再生・プリントしたものが図2である。キノコ状の煙が周囲の空気を巻き込みながら渦輪を形成していく様子が、はっきりと捉えられている。
 図3は、ラインマーカーレンズを装着したレーザー光源を2台用い、渦輪の垂直断面と水平断面を同時に観察しているところである
3.電気集塵器の原理の演示実験への応用
 高圧静電気により煙を吸着する実験は、バン・デ・グラフ起電機を用いた簡便な装置が、すでに開発されている2)。誘導コイルを用いた同様の装置(図4)により、三角フラスコ内の線香煙が吸着される様子を観察した。2.と同じく、通常光で見るよりレーザー光で垂直断面(図5)または水平断面を観察した方が、吸着の様子が明瞭に観察できる。放電に伴い3次元の複雑な流れが生じ、煙の粒子(微小水滴・油滴か?)が吸着されていく様子がわかる。フラスコ中心の金属棒電極(ドライバー芯)の表面には、実験後ヤニ状の物質が付着する。
なお、金属棒とアルミホイルの極性を逆転してみたが、流れの様相にはっきりとした違いは観察されなかった。フラスコの内面にも煙の粒子が吸着されている模様である。

4.おわりに
レーザー光による観察は、粒子による散乱角の関係から明るく見える角度が限定される。このため、現象を明瞭に観察できない生徒もいた。こうした点をさらに改良・洗練していきたい。

参考文献
1)井上、高橋、玉木、津田、本問
『平成8年度教育研究員研究報告書高等学校理科』(1997)、P.4〜P.10
2)愛知・岐阜物理サークル 
『いきいき物理・わくわく実験』新生出版(1988)、P.202〜P.203
3)木村龍治『改訂版流れの科学』
東海科学選書(1985)、P.161〜P.169

3.PC支援による個別学習記録
        東京都立北野高等学校 若菜英幸
1.はじめに
 PCを利用した物理学習については、PC計測、シュミレーション、CAIなどの技術開発研究がなされました(1)。
 本研究は、大学進学(物理系)を希望しない生徒を対象にしたPC利用技術適用研究です。
KJ法により生徒と双方向コミュニケーションをはかる手法により、前記対象生徒の意欲と達成感を深めることについて報告します。
 本校の物理では、第1学年け単位)で全生徒にコンピューターリテラシーを、第2学年
(2単位)で物理l Bを選択した生徒の内前記対象者に表計算、チューリトリアル学習(CAI)、シュミレーションを、第3学年(2単位)でPC計測を使用した学習指導を行っています。第3学年(2単位)で物理nを選択した生徒に総合的にPCを使用した学習指導を行っています。

2.結論
 楽しかった・わかった・役立つ・やりたいという意見が多数でした。
PC計測とチュートリアル学習が生徒に大きく支持されました。
(l)PC計測(グループ実験)は、時間的に物理量が変化する現象の視覚化や力学現象の精密測定に利用しています。KJ分析によれぱ、「最初は大変だが結果が見易くわかりやすい。」という意見(約50%)が多数でした。
(2)紙テープやピースビーを使った実験については、「わかった・楽しんでいる」という意見(約20%)と「もっと色々面白い実験を」という意見(約20%)にわかれました。
表計算の利用では、意見が分かれました。難しいという意見(約35%)が多数でした。
(3)チュートリアル学習によって、生徒のレポート提出が17%、評価が40%向上したので学習意欲が向上したと思います。ゲームも含めた評価では、「おもしろい」という意見(約50%)が多数でした。
(4)シュミレーションについては、「よくわかった」という意見と「わからない(操作と物理)」という意見に分かれました。生徒評価の時点では、始めたぱかりなので個人差が大きいようでした。

3.実施例(1)
 第2学年では、力と運動において速度と加速度の関係から距離や軌道を求める事を教材としました。注意した点は、ストーリーを立てることとゲーム性を入れることです。
チュートリアル学習(CAI)はFCAIを使用した自作ソフト、ゲームはBASlCを使用した自作ソフト、シュミレーションはフリーウエアソフト(2)です。

(1)自動車は急に止まれない。
@帰納的に物理量の関係を調ぺる。
 摩擦力測定一一→加速度と摩擦係数の関係
   l
 運動の法則
A演繹的に物理量の関係を調べる。
   v−tグラフー一→加速度と距離の意味
Bチュートリアル学習(レポート作成)
Cゲーム

(2)フォークボールはなぜ落ちる。
@帰納的に物理量を調べる。
 重力加速度測定一一‐→水平投射のビデオ
  |
 運動の法則
A演繹的に物理量の関係を調べる。
  v一tグラフー一→加速度と距離の意味
Bチュートリアル学習(レポート作成)
Cゲーム
D放物運動のシュミレーション

4.実施例(2)
第3学年では、PC計測及ぴ制御を行いました。計測は赤外光を使った速度測定や周期測定、
音の波形観察、電流測定、磁束の測定です。A/Dコンバーターは市販製品を利用し、センサー回路は自作(3)と市販品を使いました。制御は98用パラレルインタフェースポード
(8255を使用)及ぴ8ピットLED、スイッチを自作しました。
(1)赤外光を使った速度測定
 モジュラー、ADコンバータ、PC、増幅回路、発光部、受光部、ものさし、発光部、受光部、発光部ダイオードNl01A(東芝製)、受光部ダイオードS601A(東芝製)
(2)磁束測定

5.参考文献
(1)知的実験ツールとしてのパソコン活用
(天良和男著、東京電機大学出版局)
コンピュータによる簡単な物理実験CASE
(橋詰正治・北村俊樹他著)
BASlCによる物理ドライラポ入門
(平田邦男著、共立出版)
音声と運動の実験室
(北村俊樹著、森北出版)
FCAl Ver2.5
(堀口秀嗣・井口磯夫他著、文渓堂)
(2)Win>物理シュミレーション
(黒須文男作、フリーウエア)
(3)センサ応用回路の設計・製作
(松井邦彦著、CQ出版)



4.総合理科の授業 −都立東高校の実践報告−
        東京都立東高等学校 永露浩明
1.はじめに
 本校では、学習指導要領の改訂に伴い、第3学年のコース別授業の一部で総合理科を採り入れた。1996年度から始め、今年で3年目となる。本校では、学年が進行するにつれて学習意欲を失う生徒の数が増え、各教科の授業では苦戦を強いられている。そのような現状をぷまえ、総合理科では、身近な事物を利用して「訪べる・作る・体験する」ということに指導の重点を置いて、授業を行った。その結果、わずかではあるが、学ぷことの楽しさや自然科学の百白さを伝えることができ、生徒を授業に積極的に参加させることができたように思われる。そこで、本校では、総合埋科の授業をどのように行っているかを報告したい。

2.本校の概要と理科のカリキュラムについて
 総合理科の授業について述べる前に、本校61概要と理科のカリキュラムについて、簡単にふれておきたい。
(1)東京都立東高等学校全日制・普通課程
  中国引揚子女受入校全定併設校
  所在地東京都江東区東砂7−19−24
  学級数6×3=18学級(生徒数720名)
(2)理科担当者
  宮下(物理)永露(物理)宮本(化学)星(化学)唐沢(生物)早乙女(生物)江藤(実習教員)
(3)埋科のカリキュラム(※本年度のもの)
 第1学年化学IB(全員必修・3単位)
 第2学年物理IB(全員必修・3単位)
 生物IB(全員必修・2単位)
 第3学年生物IB(全員必修・2単位)
 地学IB(自由選択・2単位)
 Aコース(理数系・4大)36名
 物理選択12名
 IB(必選・3)+II(必選・2)+IB(自選・2)
 化学選択2名
 IB(必選・3)+II(必選・2)+IB(自選・2)
 生物選択22名
 IB(必選・3)+II(必選・2)
 Bコース(文科系・4大)65名
 (理科のカリキュラムはなし)
 Cコース(文科系・短大)50名
 (理科のカリキュラムはなし)
 Dコース(就職・公務員)82名
 総合理科(必修・2単位)

3.総合理科の授業について
 総合理科は、第3学年のDコース(就職・公務員志望著対象)の授業の必修科目に組み込まれている。今年度は、Dコースの生徒が82名となったので、人数がほほ均等になるように4つの組に分けた。この授業の特徴は、まず同時4展開で行い、5名の理科教諭がローテーション(表−1)を組んで行っていることにある。そのため、各組が20名程度の少人数になり、通常の授業よりきめの細かい教科指導が可能になった。また、l年間の全ての授業が実習・実験中心となっていることである。その内容については、以下の(2)にまとめてある。それから、生徒の成績評価については、授業重視の方針で行っている。考査は実施せず、レポートまたは課題・作品の提出を義務づけている。

(1)本年度の授業
 時間制木曜日3・4時限(10:40〜12:30)
 授業時間2時間×24回=48時問
 授業形態第3学年・Dコースの生徒82名を4組に分け、同時4展開の授業
 教科書総合理科・東京書籍
 年間計画表一1参照
 教材費2,700円(全員から徴収)
(2)本年度の授業内容
 宮下…作ってみよう(全3回)
 @電力とエネルギー/電気パンを焼く
 Aアルキメデスの原理/ピニール袋で作る熱気球
 B光とレンズ/牛乳パックで作る望遠鏡
 永露・一電気の基礎とラジオの制作(全6回)
 @電気とは何か/静電気に関するいろいろな実験
 A電流・電圧・電気抵抗について/オームの法則の実験
 Bテスターの使い方/はんだ付けの練習
 Cラジオを構成する部品の働き/ラジオキットの制作I
 D半導体について/ラジ才キットの制作II
 Eラジオの回路/ラジオキットの制作III
 宮本……パソコン入門(全6回)
 @コンピュータとは何か/Windowls95の操作/ワープロ入門
 Aワープロソフトを使う/文書入力と文書の編集I
 B文書の編集II/ワープロの各種機能を使う
 C表計算入門
 D表の編集/関数の使い方
 Eまとめ/総合演習
 星…化学の基礎(全6回)
 @化学実験の基本操作I/器具の使い方およぴ扱い方
 A化学実験の基本操作II/溶液の作り方/試薬の作り方と使い方
 Bガラスの性質/ガラス細工
 Cイオン、酸化・還元について/鏡を作る
 D無機化学についてI/七宝焼を作る
 E無機化学についてII/窯業技術を学ぷ/土器を作る
 唐沢…自然観察入門(全3回)
 @仙台堀公園での野外自然学習I
 A仙台堀公園での野外自然学習n
 B身体を用いた測定法実習
(3)成績評価
・到達目標を基準にした絶対評価(5段階)
・評価の観点
 出席状況授業態度授業レポート
 課題・作品※考査は実施しない

4.まとめ
総合理科の授業は、本校の環境や生徒の実状に対し、柔軟に対応したものとなっている。ま
た、各教員の個性や持ち味を生かしたものが多いので、毎回の授業を楽しみにしている生徒もいる。われわれ教員も楽しみながら授業ができるので、その点では成功を収めているといえよう。しかし、内容面では、体験的な要素が多く、調査・研究・発表といったものは不足気味である。それらを教科指導の中でどのように採り入れ、実践していくかが今後の課題であろう。最後に一言、このような授業が可能なのは、実習教員の江藤氏の献身的な支援があるからである。この場を借りて感謝の意を表したい。

5.教室内で確認できる無重量状態の実験
−運動量と重心の運動について−
        東京都立小松川高等学校 前田幸正

1.はじめに
 自由落下・鉛直投げ上げ・弾道飛行(放物運動)する物体の中では、無重量状態になっている。このことを、教室内で確認できる簡単な実験を3例紹介します。

2.ペットボトル・スリンキー
(A)実験装置の製作
 (1)ペットポトルの底の部分を、カッターナイフで切り取る。
 (2)ペットポトルの中にスリンキーを入れ、片端を上部に周定する。
(スリンキーの片端をたこ糸で縛り、ペットポトルの底から入れて、たこ糸を口から出して
キャップを閉じる。)
 (3)切り取ったペットポトルの底を、元の所にテープで止めてぷさぐ。

(B)実験方法
ペットポトルを自由落下させたり、投げ上げたり、横に投げて放物運動させる。運動中のスリンキーの様子を観察する。
(C)実験結果
 (1)重力がかかっている時は、重力の方がぱねの力より大きいので、スリンキーは自重で伸ぴている。
 (2)ペットポトルが、自由落下・投げ上げ・弾道飛行(放物運動)をしていて、重力がなくなると、ぱねの力で縮む。
(3)回転させながら投げ上げると、遠心力で伸ぴる。

3.ペットボトル内の泡
この実験は、東京学芸大学附属高等学校の金城先生に教えていただきました。
(A)実験方法
ペットポトルに水を入れる。横にした時、泡が横に細長くなるように、生気の量を調節する。
横にしたまま、ペットポトルを投げ上ける。中の泡の形を観察する。投げ上けた人が、一番良く観察できる(特等席)。
(B)実験結果
(1)重力がかかっている時は、泡は横に細長い形になっている。
(2)ペットポトルを横にしたまま投げ上げて、重力がなくなると、水の表面張力のため、泡が丸い形になる。非常に、簡単な実験であるが、無重量状態を良く観察できる。
4.KOOSHBALL(クシャ・クシャ・ボール)
この実験は、サンフランシスコにある体験型科学館エクスプロラトリウムのポール氏に、教えて
いただきました。
(A)KOOSH BALL
子供用のゴム製のポールである。ゴムの針でできたウニのような形をしている。ゴムが柔らかいため、机や手に載せると、下部半分がつぷれている。上部もよく観察すると、ゴムの針は重力により、少したれて曲がっている。
(B)実験方法
(1)このポールを、投げ上げる。重力がなくなると、ポールはきれいな球になる。ゴムの針はまっすぐな直線になっている。
(2)回転させながら投げると、遠心力のため楕円状になる。
 無重量状態になった時の変化が、良くわかりおもしろい。

6.気柱の定常波演示実験器の減音化
        白百合学園中学高等学校   馬目秀夫

1.はじめに
 1989年に科学技術館で行われた「エクスプロラティアム展」に展示されていた気柱振動の実験装置に刺激されて、直径10cmのアクリル管に発砲スロチール球を入れて、スピーカーで振動させるという実験器を作った。定常波のようすがよく分かり、発砲スチロール球の動きもおもしろく生徒達にも大変好評であった。1991年の中学・高校生のための科学実験講座(於工学院大学新宿校合、現在の青少年のための科学の祭典の第1同目に当たる)にも出品した。しかし、スピーカーからの音が大きく、まわりに大変迷惑をがけてしまった。授業でも音が大きく、じっくり観察できないという問題点があり、なんとか音を小さくして、かつ振動のダイナミックスさを失わないようにできないものかと考えていた。今年、再度科学の祭典に出展するのを機会に、改良を試みた。試行錯誤の結果、なんとか実用に耐えるものができたので、ここに発表することにした。

2.装置の概要と工夫した点
 装置の概要は下図の通りである。スピーカーの音ができるだけ外にもれないように、気密性をよくし、装置を二重構造にした。ただスピーカーをあまり密閉してしまうと、空気(スピーカー)が振動しにくくなってしまうため、内部のスピーカー・ポックスの後ろに穴をあけ、長さlm程度のホースを取付けた。これをとぐろを巻くような状態で、外側のポックス内に納めた。これは生気を振動しやすくしながら、風圧を弱められないかと考えたからである。装置全体をアクリルで作ったが、これはアクリルが工作しやすいことと、装置全体を重くし振動しにくくするためである。また、アクリル管内部には、静電気防止スプレーで帯電防止をした。発砲スチロール球は直径2mm程度のものを使い、大きさをできるだけ揃えた。それによって模様をきれいに出すことができた。

3.実験結果
 実験した結果、130、260、390、520Hzで定常波ができ、基本振動の整数倍の振動数で共鳴していることが分かった。実際に測定した波長と振動数から計算した波長とはほぽ一致した。これは両閉じ管の形であるが、スピーカーの部分が節になっているわけではなく、管口部が腹になっているわけでもなかった。結局、図2のような形の定常波ができた。

4.おもな材料とその価格
おもな材料とその価格は次の通りである。
 スピーカー  Technics 10F20(最低共振周波数55Hz、出力音圧92dB/W、l,900円)
 アクリル管
  外径10cm長さ1m厚さ4m m 7,720円
   外径8cm長さ1m厚さ4m m 5,960円
 アクリル板 30×30×1cm 2,770円
(なお、アクリル板に直径10cmの穴をあけるのは束急ハンズで、600円でやって
もらった。)
 発砲スチロール球直径約2mm 1袋500円
製作の総費用は3万円程度である。

5.おわりに
なぜ図2のような定常波ができるのか、発砲スチロールの立ち上がりと間隔など、不勉強で
分からないことがたくさんある。先生方からいろいろご意見やご教示を頂けれぱ幸いである。
なお管口から1cm程度スピーカーを離すと片開き管の形になる。ただ、まだ前のように二重構造にして実験していない。今後、更に検討して見たいと思っている。

参考文献
1.「第33回日本学生科学賞全集」サンシャイン医学教育研究所編集、日本家庭教師センター学院発行(1991)、21
2.松田和久 物理教育46(1998)168
3.松田和久、吉田雅巳 物理教育33(1985)336
4.安達健 物理教育29(1981)346
5.唐沢誠 音の科学不思議辞典日本実業出版社(1997)94


7.情報化に対応した教育の実践
        東京学芸大学附属高等学校川角博
 kawasumi@gakugei−hs.setagaya.tokyo.jp

1.はじめに
21世紀が始まるとまもなく、新学習指導要領が実施される。ここでの大きな変化の1つは、
新教科「情報」の導入である。この実施が物理の教員にどう関わってくるのかを含め、本校における過去4年間のインターネットの教育への利用実践研究と来年度に試験的に笑施する必修「情報」について述べる。

2.新教科「情報」について
1998年7月の教育課程審議会答申によると、「情報」については、以下のように説明されている。
xii)情報
ア 教科設定の趣旨とねらい
<省略>
イ 科目構成及ぴ内容構成の考え方等
<省略>
a「情報A」においては、コンピュータや情報通信ネットワークなどを活用して情報を選択・
処理・発信できる基礎的な技能の育成に重点を置く。内容は、例えぱ、情報活用における情報手段の有効性、情報の収集・発信・処理と情報手段の活用、情報手段の発達に伴う生活の変化などで構成する。
b「情報B」においては、コンピュータの機能や仕組み及ぴコンピュータ活用の方法について科学的に理解させることに重点を置く。内容は、例えぱ、問題解決におけるコンピュータの活用の方法、コンピュータの仕組みと働き、情報処埋の定式化とデータ管埋、情報社
会を支える情報技術などで構成する。
c「情報C」においては、情報通信ネットワークなどが杜会の中で果たしている役割や影響を埋解し、情報社会に参加する上での望ましい態度を育成することに重点を置く。内容は、例えば、デジタル表現、情報通信ネットワークとコミュニケーション、情報の収集・発信と自己責任、情報化の進展と社会への影響などで構成する。
(ウ)教育課程の編成・実施に当たっては、各教科等との連携に配慮し、情報科での学習成果が、他教科等の学習に役立つよう、履修学年や課題の選定、指導計画の作成等を工夫するものとする。
(エ)指導計画の作成に当たっては、各科目の目標及ぴ内容に即してコンピュータや情報通信ネットワークなどの情報手段を実際に活用した学習活動を重視する。
ウ 情報科の必修に係る経過措置情報科は必修とするが、教員養成に関する条件整備が必要なことを考慮し、特別の事情がある場合には、当分の間、数学や理科等に関する科目において、情報科を設定した趣旨にぷさわしい内容(2単位相当分)を履修することをもって、情報科の履修に替えることができることとする経過措置を設けることが適当である。

○理科
 理科基礎   2
 理科総合A  2
 理科総合B  2
 物理I    3
 物埋II    3
 化学I    3
 化学II    3
 生物I    3
 生物II    3
 地学I    3
 地学II    3
○情報
 情報A    2
 情報B    2
 情報C    2
 新学習指尊要領の商校での理科と楕報

3.本校のインターネット実践例
 巷では、この経過措置をうまく利用して、「情報」の2単位分を理科で扱うものとして、実質の理料増単をねらおうとの話もある。それがよいかどうかはともがくとしても、何らかの形で理科、特に「物理」(すでに物理IAの教員が「情報」を担当することになると思われる。
 「情報」の主旨に従えぱ、各教科での情報活用などの支援が大切と思われる。そこで、本校の情報化に対応した教育の実践例を、理科に限らず全教科的に以下に示す。
(1)現代文
 電子メールを利用しての意見交換
(2)吉典
 古文の検索と考察(国文学研究資料館)
 考査情報提供
(3)地理
 地理に関する統計情報収集と活用
 生徒のレポート発表、地理実習情報
(4)公民
 現代の社会について調べる
 政経の授業(最新の経済情報等から考える)
(5)物理
 各種実験情報、生徒のレポート発表
(6)化学
 化学のQ&A、実験情報
(7)地学
 地学実習情報
 遠隔授業(天文台と結んで)
 リモートテレスコープ
(8)英語
 英文電子メール、CU‐SeeMeによる英会話
(9)保健
 健康や環境についての調べ学習
 (10)芸術
 作品展、作晶鑑賞
(11)家庭
 弁当展
(12)LHR
 アメリカンスクールとの合同LHR

4.おわりに
情報化社会の中で「生きる力」を育てるためには、情報を適切に判断し、分析する能力の育
成が重要である。そのような能力は、実際に必要とする情報が何であるか、どこにあるのかを自ら探り、自らの価値観で判断する実践を積み重ねて育っていく。情報化に対応した教育のためには、そんな実践の機会を学校生活の中に自然に設けておく必要がある。そのためには、それを可能にするコンピュータのハードウェア、ソフトウェアの整備、新たな教育課程の編成、情報化に対応した教員の資質の向上が重要である。
 学校は、「情報」と「未来の社会を作る人問」をつなぐインターフェイスとも言える。情報流通の様相も、未来社会の姿も大きく変わってきている今、学校というインターフェイスの改良が早急に必要である。

参考文献
1)http://www.monbu.go.jp/index上tml
2)http://www.gakugei−hs.setagaya.tokyo.jp/

8.二重台車と磁石付き台車を用いた力学の指導法
        東京都立八王子東高等学校  古沢 祐一

1.はじめに
 磁石付き台車は、いろいろな人によって制作が試みられているが、運動の3法則を指導する上で大変に価値のある実験道具である。磁看付き台車と2重台車を利用して、力学の指導法に工夫と改良を重ね10数年間に渡って授業実践してきた内容を報告する。

2.磁石付き台車と大型台車の制作
磁石付き台車の車輪は市販の力学台車の車輪を使用した。幅7cm、長さ25cm、厚さ12mmの木の板に車輪を図1のように取り付け、木の板の下に厚さlmmのアルミ板でドーナツ型円形フェライト磁石直径6cmを取り付けた。磁石と床のと間隔が2〜3mm程度の距離になるようにする。問隔が広いと磁石の力が弱くなる。磁石を入れた台車の質量か450〜500g程度である。
 図1
大型台車は長さ130cm幅15cm板の厚さ6mmのベニヤ板を使用して作り、質量が1.5kg程度である。

3.実験例1
釣り合いと力と作用反作用の実験
 輪ゴムを5本つなぎ合わせたものを2本用意する。大型台車の上に両端にゴムを取り付け、
右側のゴムAと左側のゴムBの中央にリングをつけ、リングに市販の力学台車Cを付けて大型台車Dの上に載せる。

図2
1.力の釣り合いの実験(図2)
 大型台車が静止、等速度で運動するときゴムAとゴムBの張力は等しい。
・ゴムAから力学台車Cに働く力とゴムBから力学台車Cに働く力が等しいとき力学台車Cは静止または等速度運動をする。すなわち慣性の法則を意味する。
2.加速度運動の実験(図3)
止まっていた大型台車が動き出すとき張力はゴムAの方がゴムBより大きい。

図3
・ゴムAから力学台車Cに働く力とゴムBから力学台車Cに働く力が異なるとき、力学台車Cは加速度運運動をする。加速度の向きは2力の合力の向きとなる。

3.作用反作用の実験(図4)
 大型台車の上の力学台車Cを取り除き、円形リングにリポンを結ぴつける。円形リングとリポンの質量は0と見なす。
図4
(3−ア)、大型台車が静止または等速度のときゴムAとゴムBの張力は等しいc
(3−イ)、止まっていた大型台車が動き出すときまたは動いていた大型台車が止まるとき
ゴムAとゴムBの張力は等しい
・ゴムAからゴムBに働く力とゴムBからゴムAに働く力は静止、等速度運動、加速度運動に関わらず力の大きさは等しく反対向きである。
 作用反作用と釣り合いの力の違いは、物体AとBの問に質量をもつ物体の存在があるかないかによる。作用反作用とはAとBの2物体問の相互作用である。釣り合いの力はある一つ物体に働くいくつかの力についての問題である。

4.実験例2
2重台車の衝突の実験
質量1.5kgの大型台車と市販の力学台車の上に、おもりを載せl.5kgにして、質量の等しい2つの台車をゴムでつなぎ、ゴムを引き離して衝突させると、中央で衝突する。(図5)
図5
 次に図6のように大型台車の上にもう一つの小型台車を載せて、衝突させる。大型台車の上の小型台車に摩擦がなければ、中央で衝突する。
図6
 小形台車が重力が働けぱ、大型台車の垂直抗力が大きくなり鉛直方向の力での力の釣り合いはとれている。鉛直方向の力は水平方向の運動に影響を与えない。

磁石付き台車の衝突の実験
 質量0.5kgの磁石付き台車と、市販の力学台車0.5kgを机の上に置き、質量の等しい2つの台車をゴムでつなぎ、ゴムを引き離して衝突させると、中央で衝突する。次に図7のように磁石付き台車を鉄板の上に置き、バネぱかりで引き上げるには、1.2kgw以上の力が必要である。磁石付き台車も上皿はかりで測れば0.5kgwである


鉄板の上で磁看付きの台車と市販の台車を衝突させると、やはり中央で衝突する。(図8)
図8
 磁気力で下向きの力が大きくなれぱ、磁右付き台車の垂直抗力が大きくなり鉛直方向の力での力の釣り合いはとれている。鉛直方向の力は水平方向の運動に影響を与えない。

5.実験例3
2重台車の運動二保存の実験
 図9のように大型台車の上に斜面を作り、斜面の上を小型台車をすべらせる。小型台車の反対方向に大型台車が動き出す。全体の運動量は0で、運動童保存法則が成り立つ。
図9
 図10にように敷居すべりで摩擦の小さな斜面を作り、木片を滑らせて、大型台車に滑り込ませる。木片は大型台車の上を少し滑ってから止まる。このとき木片のはじめの速度と、木片と大型台車が一体となって動き出した速度の間に運動量保存法則が成り立つが、運動エネルギーは保存されない。
図10

6.おわりに
 実験道具を製作することにより現象を視覚的にとらえることができ、説明が容易になった。
しかし、「作用反作用と釣り合いの力」「運動と慣性の法則」等は難しい現象で2年生で全員にきちんと解らせることは難しいが、3年生が質問にきたときはこの道具を出して説明するとよく理解してくれる。物理現象は実験から説明することが大切であることを感ずる次第である。


9.公開講座「親子理科実験」を実施してみて
        東京都立八王子東高等学校   古沢佑一

1.はじめに
 本校で3年前から化学科と物理科が協力して公開講座「親子理科実験」を実施してきました。子供だけの実験は危険の伴うので、親子実験にすることにより、親が子供の指導、監視役になり危険防止に役立ち、また、親と子が作業を通して共に理科を学習することに深い意味があると考えました。本校の物理、化学、生物それぞれの教科が実験を主体とした授業を展開しており、授業実践で培った実験テクニックを広め、小学生に実験の楽しさを教え、理科好きの子供を作りたいとのねらいがありました。

2.募集方法
 東京都の広報および日野市、八王子市、町田市の市の広報で公開講座の公告しました。
平成8年度:申し込みは往復はがきに親と子の氏名、年齢、住所、電話番号を記入の上、申
し込む。申込者78名、受付後に化学コース34名、物理コース44名に振り分けた。申込者、全員に参加可能の旨、ハガキで違絡。
 平成9年度:親子理科実験(化学コース)はl学期に、親子埋科実験(物理コース)は2学期に分けて募集。親子理科実験(物理コース)は(土)申込者65名、受付順に49名まで参加可能の通知を連絡。
 平成10年度:案内は束京都の広報に掲載したが、手違いで掲載期日に間に合わず、八王子市、日野市の広報には載らなかった。申込者が26名と少なかったので隣の小学校の4、5、6年生全員にピラを配布していただいたところ、8名の申込者を加え34名で実施しました。

3.実施内容
・平成8年度テーマ光と音
 第l回目6/1(土)PM1:00〜4:00(参加32名)
分光器の製作、シャポン玉で遊ぽう、セロテープの偏光着色、偏光板と立体映像の実験。
 第2回目6/15(土)PM1:00〜4:00(参加32名)
楽器をつくろう(1本弦ギター、空缶オカリナ、塩ビパイプの宙の製作)、共鳴共振の実
験、音で踊る発砲スチロール。
・平成9年度テーマ電気と磁気と電磁
 第l回目10/18(土)PM1:45〜4:45(参加42名)
静電気で遊ぷ、バンデグラフ起電気と百人おとし、フランクリンモーターの製作、コップ
のライデン瓶の製作、塩ビパイプ電気くらげ。
 第2回目11/1(土)PM1:00〜4:45(参加42名)
エナメル線を巻いて電磁石を作ろう、1巻モーターの製作、ニクロム線で発砲スチロールカ
ッターを作ろう、モーターと発電機の原理を知ろう、ゼネコンで遊ぼう。
 第3回目ll/15(土)PM1:00〜4:45(参加35名)
電波ってなーに、ヘルツの電波実験でネオンランプが光るよ、電子レンジの原理を知ろう、
鉱石ラジオを作ろう、音の共振共鳴と電波の同調の原理について、電波スイッチの製作。
・平成10年度テーマ重心圧力浮力とモーター
 第1回目10/18(土)PM1:45〜4:45(参加23名)
やじろぺいとバランスとんぽの製作、綱を渡る人形の製作ギ皿回しの実験、フックを作ろう。
 第2回目11/l(土)P旧:00〜4:45(参加27名)
水ロケット、入浴剤フィルムケースロケット、浮沈子、空気鉄砲、熱気球、笛とオカリナを
作ろう。
 第3同目11/15(土)AM10:00〜12:00(参加29名)
発砲スチロールカッターの製作、発砲スチロールのいろいろなものを作ろう、植物の種
を模倣した生中を滑生する飛行物体を作ろう。
 昼食休憩12時00分〜13時00分
 第3回目11/15(土)午後の部PM1:00〜3:00
手回し発電機、一巻きモーターの製作、マプチのモーターで自動車を作る、液体窒素の実験。

4.留意点
 道具を使って、実験道具を製作にさせることに重点を置き、のこぎり、ナイフ、金槌、錐などは2人に1つ行き渡るように・用意しました。電動ドリルはスライダックで電圧を下げて回転数を落とし危険のないようにしました。慣れてくると錐(きり)よりドリルを使うようになり道具の便利さを実感していたようです。

5.今年度の実施後のアンケート桔果と感想
・面白かった実験(数字は29名中の人数)
@水ロケット・・…・18、A発砲スチロールカッター・…”14、B空気鉄砲・…13、C綱渡りおもちゃ・……13、D一巻モーター・・…10、E熱気球−−9、F手回し発電機……7、Gマイクとスピーカー・……7、Hバランスとんぽ……7
・良かったこど楽しかったこと。
楽しい理科工作であっという問の感じでした。午前と午後とテーマが違うので子供も夢ヰ
になっていた。長い時間でも中身がおもしろしのでよいと思う。昼休みが短くて忙しかったお弁当を持って親子で近所に出かけ、ちょうどいい内容と時間でした。とても楽しかった。いろいろな物が作れて良かった。持って帰れる物がたくさんあって嬉しい。分かりやすくて良かった。最後にやった液体窒素がとてもおもしろかった。パランスとんぼと綱渡りおもちゃがおもしろかった。水ロケットでびしょびしょになった。スチロールカッターが臭かった。車作りがおもしろがった。来年も来たい。
・発見したこと分かったこと。
マイクとスピーカーが同じ構造であること。遠い昔に習ったことがあることで懐かしく思っ
た。浮沈子が下がる。発砲スチロールカッターのニクロム線の長さを短くすると電流がたくさん流れる。みのむしクリップでつかんだところより下の部分には電流が流れていなくて熱くなかった。熱気球の中がとても熱かった。ちょっと工夫すれぱ楽しさが広がる。
子供の頃つくった紙鉄砲に会えて嬉しかった。わかりやすくて面白いが、原理が分からなくてもできてしまう。

おわりに
実施してみて、子供も大人も楽しんでいる様子が伺えました。子供にとっては動くおもちゃ
に人気が集中いたしました。なお、実施にあたり下準備(木材の加工、空気鉄砲の篠竹の準備、やじろべい用のドングリ拾いなど)は実習教員の吉田敬先生にすべてやっていただきました。また、公開講座の委員に本校の卒業生、野津田高校講師・市川和子先生に加わっていただき、公開講座の企画立案、補助講師としてまたアンケート集約等に多大な協力をいただきました。


10.フラッシャーICで音と光のミニ実験10
        東京都立青山高等学校   小林雅之

1.はじめに
 ナショナルセミコンダクタのLM3909Nは、二百円程度と安価な汎用フラッシャーlC(8ピン)である。発振周波数の達続可変はできないが、外付けコンデンサー1個で構成。
ファックス原紙の等電位線の実験の電圧計の代用に、点滅光型の釣り用浮きを改造して簡易
発振器を20数台製作したのが始まりである。プレットポードを採用してハンダ付け不要、
音と光のミニ実験の開発を行った。

2.パ一ツリスト(1個あたりの単価)
藤商、鈴商、干石、秋月などで購入。CQ出版社の月刊誌トランジスタ技術の広告参照。
 @LM3909N(藤¥175)
 AHLMP−8150(鈴¥250)(1.8V、20mA、36000mcd、13mmφ、狭指向
 超高輝度透明赤色発光ダイ才一ド、Hp社)
 B圧電サウンダ(PK思11−4A11等千¥60)
 Cコンデンサー各2個電解104F、セラミックやフィルム0.14F、0.224F、0.4711F等
 D固定抵抗l/4Wlk Q10個
 EプレッドポードElC‐102(秋¥700)
 4列ごとに10個に分割(単価¥70)
 F乾電池l本、単3×2本ポックス、スナップ
 G10cmリード線、ジャンパー線少々
 H培養試験管30¢60ml(ケニス)
 I回析格子、偏光板、25cm光ファイバー
 J名刺、ファックス原紙、画鋲
 KアクリルケースSK−5(秋¥80)

2.ミニ実験について
(0)いろいろな電気部品に触れることも大切
(l)偏光板とLED(光弾性)
2枚の偏光板にAのLEDを挟んで歪みを観察する。A以外のLEDでは観察できない。
(2)ダイオードの順方向接続と逆方向接続
電池は3V。順方向のときLEDは点灯。
(3)電解コンデンサーの充電と放電
コンデンサーを3Vで充電、LEDで放電。
(5)調整用コンデンサーと発振音の高さ
LEDをはずし、圧電サウングに交換する。複数の装置で音階を作り、演奏を試みる等。
(6)抵抗による電圧分割(可変抵抗の原理)
lkQ抵抗器を10個直列にし、圧電サウンダを各端子間に接触させ、音の大きさを観察。
(7)円運動や単振動の輝点の観察
AのLEDを円を描くように手で回し、輝点を10cmほど離した自い紙に写す。30円程度の5φ赤色透明・高輝度タイプのLEDに白のストローを付けると棒状に点滅する。
(8)光ファイバーによるリサージュ図形
LEDの先端に光ファイバーの片端を当てがい、光ファイバーを指ではじく。コンデンサーの値を代え、同期させると静止した点になる。
9)回析光の観察
LEDの上2cm程の所に同析格子のレプリカを置く。特定の斜め方向でも輝点が見える。
(10)音の共鳴
圧電サウンダに二重の筒をつけ共鳴させる。ボリプロピレン試験管φ12とφ15、またはφ15とφ18mmの組み合わせが手軽。筒をずらす位置を記録すると等間隔になっている。
(ll)ドップラー効果とうなり
耳元で圧電サウンダを動かす。圧電サウンダの音を手のひらに反射させ手のびらを動かす。
(12)コンデンサーの容量の誤差とうなり同じコンデンサーの装置を2台並べて置く。
(13)水を入れた試験管レンズの焦点距離
(14)等電位線(ホイートストン・ブリッジ)
乾電池は2本直列3Vにする。セロテープで画鋲をつけたので、+9と+1の作図は困難。
(15)LM3909Nの周波数特性の測定
発振周波数fHz、電気容量CμFのときlogf−logCグラフは直線になる。圧電サウンダとLEDでは発振周波数は少し変わる。音の振動数の測定には精度が不足する。

AのLEDの両端の信号をオシロスコープに入力。コンデンサーの充電、放電の波形。
(16)水の屈析率・臨界角の測定
アクリルケースに水を入れると、台形ガラスの代用になる。臨界角の測定方法は平成8年度
研究集録、物理専門委員会の資料を参照。同様の方法で、精度は悪いが、ll培養試験管に
水を入れて凸レンズ、水を入れたアクリルケースに空の培養試験管を立てて凹レンズとなる。
2年生3学期の波動で生徒実験を行っている。

3.おわりに
実験のコンパクト化による経費・整備の手間の削減を模索中だが、今夏の研修会の準備で、
秋葉原で個人的に購入するのは迅速で確実だが、部品数が多く公費での部品調達は困難なことを感じた。講義や演習の途中で教室で行うミニ実験の方法もあるが、千円程度で1組の部品が揃うので、来年の夏休み前に、物理選択の生徒に購入してもらい、課題研究に取り組ませたい。

11.単振動の記録テープのv−tグラフと角振動数ω
        東京都立青山高等学校   小林雅之

1.はじめに
 単振動を2年生で扱うことには異論も多いだろうが、本校では2年生2学期前半の運動量と力学的エネルギーの学習で、宙返りの円運動、水平と垂直のぱね振り子、単振り子程度の、傾きや摩擦がない例題を授業で扱っている。2年生後半から入試問題に取り組ませたいという願望もあるが波動との関連が最大の根拠である。
 単振動は興味深い現象だが、その難解さと、難易度の高い入試間題としての扱いから、生徒の苦手意識は相当に強い。正しく運動方程式を立てていけはよいのだが、角振動数のが感覚的に把握ができない物理量であることも、難しく感じる要因である。教科書の実験でさえ、振り子の周期の測定はしても句Jの測定はしていない。
 本実験は物理IBで活躍した記録タイマーを使い、記録テープから直接句を読み取る。
 ω=vmax/xmax=vmax/A
と定義でき、グラフの作業でx,v,aの位相差について明らかにしていく。sinとcosの微分の公式も検証を行う。。

2.授業計画における本実験の位置付け
 生徒実験を単元始めの導入に設定し、2年生(必修3単位)で年問25+α回行っている。
第12回本実験と関連のあるものは
 第2回重力加速度gの測定
 第3回斜方投射(金属球の斜面上での運動)
 第8回運動の第2法則
 第11回チョロQの円運動
本実験では第2回・第8回のテープ処理、グラフ解析は第3回の作業体験が前提になる。

3.本実験の自的
 1本の記録テープから、
 @振り子の運動の力学的エネルギー保存
 A振り子の周期
 B単振動のx−t、v−t、a−tのグラフ
 C角振動数ωの導出
が可能で、@ACは誤差も非常に少ない。

4.実験器具
 単振り子はL=約1[m]、m=150[g]で、実験班によって多少異なる。ばねは内田のぱね振り子用補充部品のスプリングで、3年前に購入しだが、最新のカタログに記載されていない。ぱね定数k=28[N/m]。おもりはトレー二ング用の安価なアームウエイト(0.5[kg]、タニタ製、2個で千円程度)を使った。記録タイマーは中村理科の放電式だが、電極部分を購入して交換して使っている。新品購入時の状態でもテープと電極の摩擦が気になるのが、調整ネジよりも、電極を適当に曲げた独自の調整で、摩擦の軽減をしている。

5.測定方法
 振幅10cmの記録テープを各自がとる。単振り子では、机上に定規や方眼紙を置き、記録タイマー側のテープの端を10cm引き、静かに手を離す。おもりには触れない。ぱね振り子も同様で、おもりには触れずに、テーブ端を引いて、単振動のテープを取る。短時間で終る。

6.グラフの書き方
 記録テープの中点をグラフ用紙の横軸に合わせて貼る。1枚の用紙に3つグラフを描く。
@5打点ごとに区切り0、1、2、一をつける。
A横軸ナは1cmおきに@の数字に対応させ、定規を水乎にあて打点を写すCr−サ)
B数字をつけた打点から次の打点の間隔をミリ単位で測り、1ミリを用紙の縦軸1cmにと
る(v−t)
Cv−tの線を底辺1cmの三角形に区切り、(授業では微分の作業と呼んでいる)、△v
を1mmにつき縦軸5mmで中央時刻にとる。(a−t)
Dグラフの形を優先して作図をする。BやCの比率は、自分のデータに合わせて変える。

7.生徒の感想
おもりを振り上げた高さを計算したら4mm。実験は動かした距離(おもりを引いた長さ)の感覚から、もっと高いと思っていたから不思議だった。(KY)
ばね振り子のグラフが理想とあまりに近くてびっくりした。誤差率も1%、2%と低く、は
ね振り子に関しては大成功といえるだろう。最後まで20cmの記録テープに班員全員でこだわったが、それだけ価値のあるものだったような気がする。力学的エネルギーが最終的に1.07[J]になり、驚きとともに、やってよかったと喜ぴさえ感じた。(KT)
測定結果がけっこう誤差率が小さがったので感動でした。左のぺ一ジの力学的エネルギー保
存も実際にそうなったのにはおどろきです。角振動数と速さは10:1(ω:v)で値がそれぞれでてきました。単振り子、はね振り子共。これには何かあるのでしょうか?(YT)

8.おわりに
単振動の記録テーブをY方向とX方向に組み合わせて円やリサージュの作図もできる。
3学期の波動の授業は輪ゴム式ウエープマシンを用いた実験で始める。



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