平成18年度 東京都高等学校理化教育研究会物理専門委員会発表資料集(2007.1)

        物理専門委員会研究発表会
  2006年1月13日(土)14:00〜17:00
           場所 東京都立豊多摩高等学校

波動分野2−3 パソコンやLEDストロボ装置を使った手軽で精度の良い波動実


                              
              東京都立青山高等学校    北 村 俊 樹

1 理科ねっとわーくの音の計測ソフト                 
 北村は、2003年度に科学技術振興機構(JST)と共同で主に音の計測用のソフト4つを制作し、理科ねっとわーく1)で「映像と音声分析・合成ソフトで学ぶ『音・波動教育用デジタル教材』」として公開している。
 これらは、Windowsのパソコンとソフト、必要に応じてマイクと外部スピーカーの接続で計測を行うものであり、精度の良い波動実験が可能になる。思わず使ってみたくなるような機能や実験法を紹介する。

2 計測ソフトの測定の原理と特徴
測定や音声合成の原理は、Windowsのパソコン内蔵のサウンドカード(16bit ADコンバータ+DAコンバータ)をソフトで制御し、音声信号の入出力を行うことである。ADコンバータで音をサンプリングし、時間の情報とともに波形のデータをメモリに格納する。一方,DAコンバーターではデータを電圧波形や音として出力できる。 このように、音のデータを時間とともに変位を表示したり、出力することができるので、コンピュータを計測装置として用いることができる。

1)単純な使用しては、オシロスコープがある。音のサンプリングは44.1KHzで行うので、可聴領域の20KHzあるいは音の実験で使う数KHz以下の音声では、十分な計測装置として用いることができる。通常のオシロスコープと異なるのは、メモリにデータを格納しているので、ディジタルメモリスコープ同様、時間を測定したり、ピーク地を読み取ったりすることが可能である。
2)やや複雑な使用法は高速フーリェ変換FFT変換で波形を倍音に分解すること、またソフトでサイン波の重ね合わせで取り込んだ音の再合成したり、さらにDAコンバータで音をスピーカーから出力できる。
3)時間情報と変位の情報を持っているので、ディジタルメモリースコープとして利用できる。すなわち、現象を後で時間または変位で拡大したり解析することができる。高価なディジタルメモリスコープを音の減少程度の周波数であれば、パソコンだけで代用できる。 たとえば、ドップラー効果の音を録音して、振動数の変化の様子をを直接計測できる。
4)任意の波形と周波数を設定できるので、簡単なファンクションジェネレータとしても使える。ただし、振動数は上限20KHzで、実用周波数は10KHz以下である。しかし、音の実験や水波の実験には十分である。
 例えば、左右の音をスピーカーから同位相・逆位相で出して音の干渉の様子を調べたり、うなりの実験では左右で異なる周波数を0.2Hz単位で正確に設定できる。また、スピーカーと組み合わせて、弦や気柱の共鳴周波数を0.2Hzの精度で設定・測定することもできるし、水波の波動源としても利用できる。

 音や波動の分野は現象が生徒の興味を引きつけ実験が多く行われている。その一方で、準備などから実際には実施されない実験も多い。一方、パソコンを使っての波形表示など、パソコン計測が効果を上げる分野でもある。
 教員にとってパソコン計測は難しいというイメージがあるが、でも音の実験ならマイクとスピーカとソフトさえあれば簡単にできる。また、興味深い実験がすぐに実演できる。音の実験では、従来の実験に比べパソコン利用で簡単にできたり、パソコン計測で初めて可能になる項目が多く、積極的にパソコンを使うべきだと私は考える。また、理科ネットワークでは現在生徒もアクセスできるので、生徒の自宅でも実験が可能である。


3 計測ソフトの紹介
 ソフトは、波形記録・表示、FFT、発振器の機能を持つ計測ソフトで、教師がパソコンとプロジェクターで授業を進めていく前提で画面の情報が少なめに設計されている。これらは、北村製作のもの2)3)をバージョンアップしたものである。

(1)振駆郎(しんくろう)
 マイクから入力した音の波形表示、リアルタイムの波形表示(オシロモード)、32秒間の音の保存、音の再生、時間および振動数の測定を行う。ディジタルメモリスコープとして使える。時間軸、変位は拡大縮小可能である。入力は2chである。利用例は波形観察、簡易オシロスコープ、音速測定、ドップラー効果の振動数測定などである。

  

(2)音知(おんち
 「振駆郎」にFFTと倍音合成・音出力の
機能を追加したものである。
音を取り込み、FFTを行い、1〜16倍音の振幅と位相を表示する。またこれを正弦波の重ね合わせにより再合成し、音として出力する。利用例は声や楽器の音の倍音への分解と再合成である。


  

(3)発音(はつね)
 ソフト版2chファンクションジェネレータである。メモリ上で合成した2chの波形を出力する。0.2Hzの値まで周波数を設定でき、また左右2chの位相、振動数を変えられる。
利用例は音の干渉、うなり、気柱共鳴、弦の振動などの音源・振動源としてである。 

  

(4)作音(つくね
 スクロールバーを使って1〜16倍振動の正弦波を重ね合わせ、合成音(波形)を表示し、音として出力する。鍵盤があり音程(振動数)をつけて演奏できる。

  


4 計測ソフトを使った授業の例
 例1 波形の観察
 ソフト「振駆郎」または「音知」を使う。声「アイウエオ」、音さ、ギター、金属の打音などを、マイクから入力し波形を観察する。
 リアルタイムでの波形表示および、数秒間の波形の変化を観察できる。ディジタルメモリスコープと同様に止めて観察もできる。振幅や時間軸を拡大縮小して表示することができる。また、波形の2点をマウスでドラッグし囲むことで、時間を測定したり、振動数を測定したりできる。音の強弱と振幅、振動数と周期、同じ振動数での音色の違いを調べる。

例2 音の倍音への分解と合成
 ソフト「音知」を使う。いろいろな音色のこと鳴る音をマイクから入力し、それぞれの波形の倍音構成を調べる。例えば、楽器の音を使ったり、マイクで「アイウエオ」と発音し、波形を表示する。その後、「アイウエオ」の声から「ア」の1周期分の波形をマウスのドラッグで切り出す。FFT(高速フーリェ変換)によって正弦波の1〜16倍音の振幅と位相を求め表示する。逆に正弦波の倍音と振幅、位相を使い「重ね合わせの原理」により音を再合成し、波形または音として比較する。
 また、FFTの倍音の振幅データとソフト「作音」を使えば、音程をつけて音声合成ができる。これは、ハモンドオルガンの倍音加算式の音声合成方法と同じである。

例3 音速測定および開管の自由端反射
 ソフト「振駆郎」を使う。数10cm程度のアクリルパイプ(開管)を用意し、スタンドに水平に固定する。開菅の片端のそばにマイクロフォンを置き、荷物梱包用のエアーキャップをつぶして破裂音を出す。「振駆郎」でその音を録音すると、ピークがいくつか等間隔に並んでいるのが観察できる。これは、破裂音が反対側の片端で自由端反射して返ってきたためである。ピーク間の時間tを画面から測定し、間の長さLの往復の距離2Lを割れば音速が測定できる。音速の測定もさることながら、自由端で反射するのがよくわかる。なおこの方法は東京学芸大附属高校の川角先生に教えていただいた。

例4 音叉や弦の振動数の測定
 ソフト「振駆郎」を使う。音叉の振動数を直接求めることができる。音を録音し、波形表示画面上で1周期分に相当する2点間をドラッグすると、その間の時間tとその逆数から計算した振動数fが数値で表示される。さらに正確に、振動数を測定する場合は、10周期分をドラッグし、それを10倍または1/10倍して周期や振動数を求めればよい。

例5 音の干渉
 ソフト「発音」を使う。数十cm程度離したパソコンの左右2chのスピーカーから数KHzの同位相の音を出して、音の干渉の様子を観察する。スピーカーと平行に移動するか、片耳をふさいで首をゆっくり振ると、干渉による音の強弱がわかる。例えば3.4KHzの時は波長は10cm程度なので、λ/2=5cm程度、よってその半分の数cm程度動くと、音の強弱がわかる。2つのスピーカからの音は、ソフト上で、同位相と逆位相とを簡単に切り替えられるので、位相の逆転による音の干渉の違いを耳で比較できる。もっと単純には、ノートパソコン内蔵の小型ステレオスピーカーを使っても、高い振動数であれば、音の干渉がわかる。

例6 気柱共鳴装置の音源として(その1)
 「気柱共鳴装置での音叉の置き換え」
 ソフト「発音」を使う。よく教科書で取り上げられている水槽付きガラス管の気柱共鳴装置(閉管の共鳴)がある。これは音叉を音源として実験を行うが、これをパソコン発生のスピーカーの音で置き換える。おんさのかわりにイアフォンまたは小型スピーカーから音を出力して、共鳴用音源として使う。単純な置き換えの場合は、振動数を固定し、水面を変化させて第1,2共鳴点を探す。共鳴用に使うスピーカーはボックス入りよりも、むき出しの方が共鳴点がよくわかる。音叉の場合と比較して、振動数が正確にわかっており、また周波数安定度も良い点が大きな利点である。周波数は各班ごとに異なる値で設定でき、他の班のおんさの音で共鳴点がわかりにくいことが避けられる。

例7 気柱共鳴装置の音源として(その2
 「水位固定で振動数を変化させる」
その1の共鳴装置とパソコン出力の音を使うが、水面の位置は固定し、スピーカーからの音の振動数を変えていき、共鳴点を探す。振動数が正確に設定でき、基本振動数の3倍、5倍の点で共鳴することがわかる。生徒にとっては、この方が水面を上下よりも操作が単純で共鳴点も調べやすい。また、振動数と音速V=fλの関係から、共鳴するときの管内の振動の様子が実感あるいは類推しやすい。
 ただ、つまみ式の発振器に比べ、パソコンの振動数変化は操作がしにくい。もしも、低周波発振器が班の数だけ用意できるならば、ソフト「発音」にこだわる必要はなく、低周波発振器で同じ方法で実験を行う方が操作性の上で簡単である。このとき、低周波発振器の正確な振動数は「振駆郎」で測定する。

例8 気柱共鳴装置の音源として(その3
「開管での気柱共鳴実験」
数10cm〜1m程度の開管のアクリルパイプ(またはガラス管)を用意し、片端からイアフォンあるいはスピーカーでパソコンからの音を入れ、振動数を変化させて共鳴周波数を測定する。基本振動数の2倍、3倍の点で共鳴することがわかる。(その2)同様、振動数と音速V=fλの関係から、共鳴時の管内の振動の様子が実感あるいは類推しやすい。
 もしも、低周波発振器が班の数だけ用意できるならば、パソコンよりそちらを使った方が簡単である。このときも、低周波発振器の正確な振動数は「振駆郎」で測定する。

例9 うなりの振動数の測定
 ソフト「振駆郎」を使う。共鳴おんさの一方に輪ゴムを巻きうなりを発生させ、うなりの波形の時間的変化を観察する。特に正弦波のうなりの0クロスの付近の様子を拡大して示す。また、毎秒あたりのうなりの回数を画面の波形の2点間の時間差から測定する。

例10 うなりの発生と波形の合成
 ソフト「発音」を使う。右chを振動数400Hz、左chを441Hzに設定し、左右のスピーカーから音を出す。左chの振動数を変えていき、うなりの振動数の変化を聞く。
うなりの回数を0.2Hz刻みで設定できるので、うなりの回数が右スピーカーのf1 (Hz)とf2 (Hz)の差であることが、正確に実演でき、公式を理解することができる。
 また、もう一台のパソコンを使い「振駆郎」でうなりの振幅の変化を観察するのも良い。なお、「発音」には、うなりの合成波形(モノラル出力)表示ができるので、うなりの音の変化をパソコンで印刷することもできる。

例11 クントの実験
 ソフト「発音」を使う。開管の透明パイプに数mm程度の発泡スチロールの小球を入れ、小さいスピーカーで共鳴させる。管内の疎密に応じて小球の分布が変わる。このときの、振動数が正確に表示されているので、各共鳴周波数が基本振動数の正確に整数倍になっていることを示すことができる。

例12 ドップラー効果の振動数の測定
 ソフト「振駆郎」を使う。ブザーをマイクの前で左右に振る。例えば、長い定規の先にガムテープで固定すると先端の移動速度が速くなる。この音を録音し、波形をドラッグしてマイク付近での音の振動数の変化を調べる。ドップラー効果による振動数の変化を直接求める方法である。音源は数KHzのものが振動数の変化が大きくて良い。

例13 弦の固有振動数
 ソフト「発音」を使う。スピーカにフィルムケースの底を両面テープではりつけ、ふた部分に@直径数mmのプラスチック棒を付けて、弦と接触させ弦用の振動源とする。または、A棒のかわりにふたに穴を開けて数cmのエナメル線をとり弦を「9の字」のようにはさんで振動源とする。
 パソコンからの音声出力をパソコン用アンプ付きスピーカーやラジカセ等で増幅し振動源付きスピーカを駆動する。弦に張力を加え、振動源で一端を振動させる。腹が一つの定常波ができる時の発振周波数を求める。続いて振動数を変化させていき、腹が2個、3個の場合の振動数を調べ、振動数の比を求める。
 この場合も、気柱共鳴実験と同様、低周波発振器があるならば、振動源はそちらにし、周波数の正確な測定を、「振駆郎」で行う。

例14 水波の振動源
 ソフト「発音」を使う。フィルムケースのふた部分に2cm×5cmほどのプラスチック板を張り付け両側に直径1cmのプラスチック球を付けて水波用振動源とする。その他は弦の固有振動の場合と同じである。振動数を変えて波長の異なる水波を起こせるので、干渉による節線の様子や波長と干渉の度合いを調べられる。






−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
5 LEDストロボを用いた波動実験

 様々な物理現象をマルチストロボを使い同期させて生徒に提示すると、生徒は非常な興味を示す。しかしマルチストロボは光量の点では優れているが、高価かつ大型であり生徒実験に使いにくい。この観点から、北村は1992年に生徒実験用の大型LEDを使った簡易小型ストロボ4) 、発振装置を伴った生徒実験用LEDストロボ5) を開発した。これらは、生徒が手軽に使えかつ教師が簡単に製作できる、小型で安価なマルチストロボである。今から14年前であり、当時の高輝度大型LED(橙色*緑色)を4個使ったが光量は十分とは言えなかった。しかし最近までに、高輝度の白色ダイオードが利用できるようになり、生徒実験用に十分な光量が得られたので紹介する。

5−1 LED光源
 以下に示す3タイプのLED光源部と駆動回路を組み合わせてLEDストロボとする。

1)照射角15°, 25cd白色LED16個の光源
 秋月電子通商のOSPW5111A-YZ(照射角15°,25cd、20mA、100円)を2個直列×8列並列をプリント基板上に並べたもの。明るさは25cdと明るいが照射角が15°と狭い。なお、ラジカセ駆動では16個並列にする。

 
 図 照射角15°,25cd白色LED16個

2)照射角60°, 6cd白色LED16個の光源
 秋月電子OSWT5161A-YZ(照射角60°,6cd、20mA、50円)を2個直列×8列並列を基板上に並べたもの。明るさは1)よりは暗いが照射角が60°と広く周辺を観察しやすい。ラジカセ駆動では16個並列にする。

3)Luxeon 1Wの白色LED2個の光源
 アメリカのLumileds社のLuxeonシリーズの1Wの白色LED(LXHL-NEW8、またはLXHL-MW1Dにレンズをつけたもの、ともに消費電力1W、駆動電流350mA、照射角レンズ付き10°、レンズ無し140°、45lm(ルーメン)、500cd(カンデラ)、価格1300〜3800円)を2個並べたもの。2個の並べ方は、専用の駆動回路4−2−1)や2)では2個直列にし、駆動装置がラジカセの場合は出力電圧の関係から2個並列にしてつなぐ。
図 レンズをはずした LXHL-NEW8 

 
図  LXHL-MW1Dとレンズとホルダー

 これらのLEDは一部のトヨタ車のストップランプに用いられ、1)2)の小型LEDに比べて光量は明るく、140°では周囲の状況がよくわかるし、10°では直視できない。

(注)白色LEDについて
 白色LEDは駆動電圧(電圧降下と考えても良い)が3〜4Vと大きく、また最大電流以上流すとすぐに破壊してしまうという性質がある。最大電流にならないためには一般には抵抗を直列に置き、そこで最大電流を決定する方法がとられる。しかし、電流による温度変化で駆動電圧が変化してしまい、破壊することがある。このための電流量の決定と放熱対策が重要である。上の例の1)から3)も電源電圧6Vでは点灯しないが、そのまま9V に直接接続するとすぐに破壊してしまうので取り扱いには注意が必要である。

5−2 駆動回路
1)単体の小型マルチストロボ
 「LEDを使った生徒用小型ストロボ装置」4)の駆動電流をアップし16個の20mALED及び350mALEDに対応した。
 元の回路の2SA562(最大電流0.5A)を2SA1020、2SA1213、2SA1428(最大電流2A)に変更する。電源は9Vのアルカリ006P電池を使う。部品代は、LEDを除いて1000円以下で、簡単に製作できる。タイマ用ICの ICM7555 (NE555の CMOS 版で低消費電流)
をCR発振させてストロボ駆動信号を作る。

 
図  小型マルチストロボ駆動回路

 ストロボ閃光時間は半固定抵抗R2で設定し、発光周期は主に可変抵抗R1で調節する。閃光時間t1は  t1=0.693R2C
発光周期Tは  T=1.44/(R1+2R2)C

 
図  ストロボ信号とデューティ比

 この信号によりトランジスタで電源からLEDに流れる電流のスイッチングを行い、LEDの点滅をマルチストロボとして使う。このとき、デューテイ比( t1/T )が20%以下になるようにR1とR2で調節する。

 デューテイ比が大きいと、ストロボを当てたときに画像が流れて見にくい。一方、デューテイ比が小さい方が鮮明になるが、光量が少なくなりやはり見にくくなる。光量と見やすさを実際に見ながら、教員の方で前もって最適条件(水波の場合や弦の振動それぞれに違う)に合わせておいた方が望ましい。

 
 図 白色LED4個の小型マルチストロボ
 
 光源部はLED4個の代わりに1)〜3)のLED光源部に置き換える。本装置は小型軽量、電池駆動なので生徒が目の前の現象に対して手軽に実験できる。ただしクセノン管使用の演示で使うマルチストロボに比べると、光量が小さく照射範囲が狭い。(この項の文章は参考文献4)より一部修正して再録)

2)正弦波入力型LED駆動回路
 正弦波、三角波、のこぎり波入力でduty比可変のLED駆動電流を得る回路5)である。


 
図 正弦波入力型LED駆動回路

 LM393で入力波形の閾値(しきいち)を設定し、それ以上をH,それ未満をLとして、入力波形から方形波を得る回路である。閾値の設定の仕方でduty比を変えることができる。今回は入力波形は同じ文献中の低周波発振回路5)を用いた。

 
図 低周波発振回路


3)パソコン利用簡単なLEDストロボ
 ソフト「きらきら」または「発音」を使い、音声出力をラジカセやアンプ付きスピーカーで増幅する。実験室の増幅器が使えるならばそれでも良い。これらのスピーカー出力(アンプ付きスピーカーではスピーカーを切り離す)に直接LED光源部をつなぐ。
 「きらきら」でデューティ比を設定して発光させる。ソフト「発音」では「波形設定」で方形波3のデューティ比が低い波形を選ぶ。(「きらきら」の方がデューテイ比をより小さく設定できる)


 
図 LEDストロボ制御ソフト「きらきら」暫定版
 増幅器のボリュームを調節して点滅するように設定する。やや画像が流れるがストロボの動作をする。「きらきら」は北村のホームページに掲載予定である。

 LEDストロボ制御ソフト「きらきら」 STROBE.EXE
     「きらきら」をダウンロードする

参 考 文 献
1)理科ねっとわーくhttp://www.rikanet.jst.go.jp
2)北村俊樹:「音声と運動の実験室」(1996)
   森北出版
3)北村俊樹:「コンピュータとマイク・スピーカを用いた音の実験」日本理化学協会研究発表論文集p.36(2000)
4)北村俊樹:「LEDを使った生徒用小型ストロボ装置」物理教育No.40-3(1992)p.208
5)北村俊樹:「生徒用多目的波動実験装置の開発」物理教育No.40-4(1992)p.253
北村WEBサイト:たまきち's HomePage
 http://www.bekkoame.ne.jp/~kitamula/

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

 平成18年度 東京都高等学校理化教育研究会研究集録より(2007.2)


波動分野2−3 パソコンやLEDストロボ装置を使った手軽で精度の良い波動実験
                東京都立青山高等学校  北 村 俊 樹

1 理科ねっとわーくの音の計測ソフト
 以下に示す理科ねっとわーく内の北村監修の計測ソフト1) 利用の思わずやってみたくなる、手軽で精度の良い波動実験を紹介する。

(1)振駆郎(しんくろう):2chデジタルメモリスコープで波形表示、時間、振動数を測定。
(2)音知(おんち):「振駆郎」にFFTの1〜 16倍音までの分解と、倍音合成機能追加。
(3)発音(はつね): 2chファンクションジェネレータ、左右2chの周波数、位相、可変。

2 計測ソフトを使った授業の例
例1 波形の観察:「振駆郎」「音知」で音の波形表示、時間の測定、振動数測定ができる。
例2 音の倍音への分解と合成: 「音知」でFFTで16倍音への分解と音の再合成を行う。
例3 音速測定および開管の自由端反射
「振駆郎」で開管の片端にマイクを置きエアーキャップをつぶし破裂音を出す。自由端反射するので時間測定による音速測定で可能。
例4 音叉や弦の振動数の測定:「振駆郎」で、周期(時間)及び振動数を測定できる。
例5 音の干渉:「発音」で左右スピーカーから2KHzの音を出し干渉を片耳で調べる。
例6 気柱共鳴装置音源として:「発音」使用
1)「気柱共鳴装置での音叉の置き換え」
「発音」でスピーカーを振動源にする。振動数が既知かつ班ごとに可変が利点である。
2)「水位固定で振動数を変化させる」
開管で水位固定し、振動数を変えて、共鳴点を探す。倍振動で共鳴がわかる。開管も可能。
例7 うなりの発生:「発音」で右400Hz、左441Hzの音を出し、うなりの回数を聞く。
例8 ドップラー効果の振動数の測定:「振駆郎」でドップラー効果の振動数を直接求める。
例9 弦や水波の振動源と振動数測定:「発音」で、スピーカにfilm caseを両面テープで固定し、ふたに棒や小球を付け振動源とする。

3 LEDストロボを用いた波動実験
 北村は1992年に小型で安価な生徒実験用LEDストロボ2)3)を開発した。やや暗かったのを、最近の白色LEDで生徒実験に十分な光量が得られたので改良し紹介する。LED光源部を@〜B、駆動部をC〜Eに示す。
@25cd照射角15°白色LED ×16個の光源
A 6cd照射角60°白色LED ×16個の光源
 ともに秋月電子で@OSPW5111Aで100円、AOSWT5161Aで50円。それぞれ2個直列×8列並列(ラジカセ用は16個並列)
BLuxeon 1W白色LED×2個の光源
Lumileds社1Wの白色LED(LXHL-NEW8、またはLXHL-MW1D, 1W, 350mA, 45lm)を直列(駆動回路用)または並列(ラジカセ用)。
C単体の小型マルチストロボ駆動部
 参考文献2)の改良版。duty比が大きいと画像が流れるし、小さいと暗い。実際に見ながら、duty比を20%以下にR1,R2で設定する。
 

 図 小型マルチストロボ駆動部 

D正弦波入力型駆動回路:正弦波入力でduty比可変のLED駆動電流を得る。回路図は文献3)や物理専門委研究発表資料集参照のこと。
Eパソコンとラジカセ利用簡単なLEDストロボ
ソフト「きらきら」「発音」で音声出力をラジカセ等で増幅し光源部につなぐ。

参 考 文 献
1)理科ねっとわーくhttp://www.rikanet.jst.go.jp
 「映像と音声分析・合成ソフトで学ぶ
   『音・波動教育用デジタル教材』」
2)北村俊樹:「LEDを使った生徒用小型ストロ ボ装置」物理教育No.40-3(1992)p.208
3)北村俊樹:「生徒用多目的波動実験装置の  開発」物理教育No.40-4(1992)p.253
北村HP http://www.bekkoame.ne.jp/~kitamula/


−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

 
図 LEDストロボ制御ソフト「きらきら」暫定版 STROBE.EXE
     「きらきら」をダウンロードする




ホームページへ