Jan.26. '97   (c)1994-97 桐谷育雄

第079章 行列は差別の縮図……。


  行列で、時間がかかる人を見ていると、その国では、露骨に嫌われている外国人であることがわかります。特に、つらい気持ちになるのは、日本に帰るときに、冷たく処理される人々を目撃する時です。
 国境がなくなって、鳥のように人々が自由に行き来できるようになるのは、いつのことでしょう……。

 僕の場合、入国審査を早く通過するということは、実は、人畜無害な観光客だと見てもらうこなので、団体ツアーのバッジやシールをつけた人々の後ろによく並びます。特に日本人団体観光客は、短期で出国して、お金だけを落として行く上得意なので、処理は速くなるようです。日本人団体は、「団体包括手数料」を払って、出入国カードも代理店が作成済みという場合が多く、記入漏れもサインだけなので、多少トラブルがあっても、すぐに流れていきます。

 帰国の航空券を所持しないと入国できないという噂がある国では、規定上では大丈夫とわかっていても、心配なので、日本人団体の中に紛れるようにしますが、トランジットが多いので、その時間にその空港に到着する日本人団体がいない場合ばかりです。

 家族連れの後ろも、お気に入りです。家族が一緒に審査を受ける国では、一気に通過しますし、平和そうな家族連れは、処理が速くなるようです。

 まだ世界では読み書きが出来ない人も多くいますし、その国の言葉や、その国の国際語が分からない人がいる行列は避けた方が無難かもしれません。もしも、言葉が通じる場合に、その人の出入国カードが白紙であることに気がついたら、おせっかいですが、以前に中近東で、隣の席の人に、記入して欲しいと頼まれて以来、教えてあげることにしています。

 さて、西海岸等で、乗り継ぎ便の時間が迫っているときは、はらはらしますね。緊急事態で、本当に急いでいるなら、公用や自国住民などの空いているカウンターで相談してみるといいかもしれません。アメリカのように、係員が行列の間を巡回している所では、その方に相談するとよいと思います。

 最後に、本当に大切な教訓は、たぶん、諦観の境地に到達して、いらいらしないことなのでしょう。多少遅れてバスや電車が遅れても、それも、きっと、旅の楽しさのうち。周りの人々の姿を楽しく見てみたり、機内で仲良くなった人と、おしゃべりをするのも、楽しいことですね。


  今回も、やはり入国審査についてのお便りから紹介しようと思います。一回だけですますつもりでしたが、やはり、誰にとっても大切な問題だったのですね。


「いつも楽しく読ませていただいております。
 93の修了時の旅行で私も同じような目に合いました。ユーレイルパスが切れたのでベルリンからロンドンまでのバスに乗りました。イミグレに行く前に運転手が「非EUの国籍の人はいますか」という質問をしたような気がしたんですが、良く分からなかったので黙っていました。やっとのことでスタンプを押してもらい、バスに戻ったらみんな揃っていました。置いていかれるのでは、と冷や冷やでした。
 しかし、その後、フェリーの中で酔っ払った人が、バスの中でゲロを吐いて降ろされました。
 正月休みはタイの方にトレッキングに行ってきました。もともと、ネパールの方にトレッキングに行きたかったのですが、BKK-KTMが取れず、向陽高校山岳部時代に買ったシュラフが使えるところということで、北部にしました。
 向こうにいる間にLibretto(ちゃんとMacintoshも使ってます)で書いた駄文にJpegを挟んだだけの不細工なものですが、生徒さんの方が一段落ついた時にでもご覧頂けると幸いです。では、お身体にお気をつけて。」(加藤好吉さんから)

 やはり、陸路では同じ様な体験をされた方は多いのですね。陸路で夜行バスで入国する日本人は、やはり怪しまれるのでしょうか? お正月のトレッキングは、天気もよいし、最高ですね。僕は雨期が多く、少し悲惨な思い出ばかりです。
 ホームページをさっそく覗いてみたら、美しい写真と楽しいコメントがあふれていて、思わず自分が旅しているような気分になりました。滞在中に、文章まで書いてしまうとはすごい。あの臨場感は、そこから来るのでしょうか? 
 URLを紹介することも許していただきました。是非、一度御覧ください。http://www.na.rim.or.jp/~kokichi/


「毎回楽しく読ませて頂いてます。(中略)

(桐谷注:Kobe Alphalpha Co.,Ltd.さんの「(1)その国の人の列の隣の外国人の列に並ぶ」について)
 これは、場所(空港、国)によりますね。自国の審査が終ると、さっさと締めてしまうところもありますから。
(中略)
(桐谷注:(2)について)
 インド系の人がいる列はなるべく避けてます。
(中略)
(桐谷注:「(5)いいクラスの席に乗る(飛行機を降りるのが早いため)」について)
 ヒースロー空港での入国の時のことです。アップグレードされてビジネスクラスに乗っていたのですが、みんなと同じ列に並んでいたら航空会社人が、こっちの方へ来いと手招きしててくれた所に行くと、どうゆう扱いなのかわからなかったのですが誰も並んでいない係員の列があり、すんなりと入国できました。ビジネスクラス以上の人に対するサービスだとは思いますが。」(H.Sさんから)

 確かに、場所による違いは大きいので、場所によって違うワザを使い分ける必要があるのかもしれません。
 インド系の人たちに厳しい国も多いし、インド特有の楽天的な"No Problem"から来る出入国カードの記載の不十分さを目撃したこともあります。
 アップグレードですんなり入国とは、幸運でしたね。僕の場合は大西洋線でアップグレードされることが多いのですが、外観でばれてしまうせいか、ヒースローでは、必ず時間がかかってしまいます。もしかしたら、ブラックリストに名前が載っているのでしょうか……。


「ところで、この間韓国に行ってきたときに、(これが私の初めての海外旅行でした!)出入国審査で、1時間ぐらいかかってしまいました。私と一緒に行った友達は、わりと旅行している人なのですが、こんなに時間がかかったのは初めてだ、と言っていました。韓国はいつもそうなのでしょうか?
 帰ってきてから、旅のTips & Tricks#077/23-Nov-96 を読み、もっと早く読みたかった、とも思いましたが、あの場合、どの列に並んでも同じく遅いように思いました。
 入国審査で懲りたので、帰りは2人で別々の列に並び、早い方にくっつく、ということをしました。これは、韓国で電話をかけるのに並んだときも、同じ技を使いました。ちょっと後ろに並んでいる人に悪い気がしましたが。それでは、また。」(浅井晴美さんから)

 ソウルの金浦空港は、混んでいるときは、ものすごい行列が出来ます。一つ一つに行列する方式なので、誰か時間がかかる方がいると、影響を受けてしまいますし。さすがに、一時間の経験はありませんが、大変でしたね。きっと、そんな時は、どんな技を使っても仕方がなかったのでしょう。
 二人が別の列に並んでどちらかに合流というのは、強力な技ですね。僕も、誰かと二人で鉄道に乗るとき、別の扉に並んで、先に車内に入った方が、二人分席を取ってしまうなんていう技を使って、二人並んで座る時があります。
 韓国の公衆電話の行列も、かなり大変で、携帯電話が普及した最近でも、まだまだ行列ですね。
 僕も初めての海外は韓国で、今でも大好きで、年に何度も出かけてしまう国です。二つの国が、早く一つになるといいですね。金剛山に自由に登ってみたいものです。


「いつも、「旅のTips & Tricks」を楽しく読ませていただいています。この1/17から1/20にかけて香港に行ってきましたが、その際には「香港探検指南」を大いに参考にさせていただきました。特に「旅のTips & Tricks#075」掲載の「香港観光協会のB5サイズ紙袋」に入っていた、裕華國貨で10%オフ+お茶がプレゼントされるクーポンにはお世話になりました。
 で、この「紙袋」ですが、#075では入国審査の前だけにしかないように読めましたが、この時点では、入国審査と税関の間にもありましたのでお知らせします。
 いずれも税関から到着ロビーに出てしまうと入手できませんが、入国審査を経ただけの段階であれば、入国審査前に取り損なってもリカバリー可能ということですね。
 今後とも、楽しく役に立つ情報を期待しています。」(蓑谷典雄さんから)

 素晴らしい最新情報をありがとうございました。ビニール袋だった時代には、入国審査と税関の間にたくさんぶら下げてあったのですが、最近は、入国審査前だけになってしまって、香港観光協会にも入国審査後にも置いてくれるようにお願いしていたのです。それが聞き入れられたとは思いませんが、多くの観光客にクーポンを利用させるためには、入国審査と税関の間にも置いた方がよいはずですから。本当によかった。
 それから、今入っているクーポンは、裕華國貨で一割引で買い物が出来て、お茶までプレゼントされるんですね。裕華國貨は、薬も中国雑貨も、中藝よりも安いので、僕も利用するのですが、一割引になるなら、たくさん「紙袋」を貰わなくてはなりませんね。
 もしも蓑谷さんの情報がなかったら、僕は三月に啓徳空港で発見するまで、知らないままでした。是非、これからも、このような最新情報をお知らせください。感謝しています。


「「東南アジア旅行について質問です。

1、去年の時に質問し、以下(桐谷注:省略しました)のように返事をもらった内容ですが、やはり、バンコクで航空券を買うには、この返事のようにここへ行くのがおすすめですか?
 
2、ヴェトナムと、ラオスを中心に行こうと思っているのですが、両国のおすすめの町などあったら教えて下さい。ヴェトナムなら、ハノイの北部の村、ラオスならヴィエンチャン以外の小さな町に行ってみたいと思っています。また、あまり有名でないところなら、行き方などもできるなら教えて欲しいです。

3、旅行の本など、けっこう、料金が米ドルで書いてあるのですが、米ドルは必要なのでしょうか? もし必要なら、どれくらい、また、どのように持っていたら(旅行小切手を両替する時に、現地通貨と米ドルを半々ずつ両替するなど)いいのでしょうか?必要なら、どこの国(カンボジア、ヴェトナム、ラオス)で必要でしょうか?

4、特にラオスですが、どこどこに行くには危険だから飛行機を使った方がいいといったようなことがあったら教えて下さい。」(加藤さんから)

 バンコクは、日本から太平洋横断の制約が厳しくなった今でも、日本経由アメリカ往復の航空券を買うべき街だと思います。航空会社のオフィスでも、安い航空券を買うことは出来ますが、旅行代理店で買えば、5〜15%安くなりますし、より制約の少ない航空券を買うことが出来る場合もあります。長年の付き合いの代理店があって、金額もリーズナブルで、かなり無理を聞いてくれます。特に、周辺国のビザを短期間で取って貰う時も、大使館に出向く金額とほとんど同じで、より短期間で取得出来たりします。詳しくは印刷編で説明します。
 ベトナムは、おすすめの街だらけ。たぶん、ベトナムだけで三週間は必要でしょう。ガイドブックも豊富なので、写真で行きたいところを探すとよいと思います。僕が好きなのは、南部のメコンデルタ、ダナンとフエの間、北ならサパのトレッキングと映画『インドシナ』のビックドン。もちろん、観光地のホイアンとハロン湾もはずせません。そうそう、『グッド・モーニング・ベトナム』と『キリング・フィールド』も含めて、三本の映画を見てから出かけて下さい。
 ラオスは、Luang Phabangは必ず行くべきで、時期によれば船でメコンを遡ってもよいと思います。南部のPakseからメコン川のコーンの滝を見に行くのも、感動すると思います。Luang Phabangから船でHouei Saiへ行ってタイへ戻るのも面白いルートですが、乾期の今は、水がないのでは? バスを乗り継いでVientianeからLuang Phabangへ行けないことはないけれど、道は悪いし、ゲリラの恐ろしさの話を現地で暮らす人から聞けば、飛行機で行く気になると思います。Vientianeから安全にバスで行けるのは、Tシャツにもなっているラオス自慢のNam Ngum Damまでと、Savannakhetまでという話。たぶん、日程的に苦しいと思うので、安くて速い飛行機を使った方がよいと思います。ただ、飛行機はかなり揺れて、別の意味の恐怖を味わうことになるでしょう。
 周辺国との陸路の国境も、どんどん開いてくるはずなので、最新情報を入手してください。
 米ドルは、カンボジアでは、絶対に必要です。日本円から正規の銀行でRielに両替するよりも、日本でUS$に両替したものを使った方が、レートの点で得をします。カンボジアでもベトナムでも、米ドルが、そのまま使えますから、米ドルの現金を持っていれば、両替の必要は感じないでしょう。一ドル札を多めに、旅行中の予算を現金で持てばよいと思います。
 ラオスでも空港使用料を払うときなど、米ドルで払った方が、安くなります。ただし、今は円安が進行中なので、以前ほど、米ドルの方が得するというわけではありません。ベトナムではベトコン・バンクでマスターカードのキャッシング手数料無料キャンペーンとかしているし、日本円から両替しても損をすることはありません。ただし、空港の両替は、レートが悪いので、必ず市内の銀行で両替すること。ホーチミンの空港の銀行出張両替コーナーは、明らかに騙そうとしているのです(いつか両替の話の時に、詳しく扱います。)RielもKipもDongも手持ちの現金が、細かなお札でたくさんあるので、この次に行く時に、物乞いの人に安心してあげることが出来そうです。また詳しいことは質問して下さい。
 最後に老婆心ながら、何か同時に三国をまわる目的があるなら話は別ですが、ビザを取得するのにお金がかかる国なので、一つの国だけをじっくりまわった方が楽しめると思いますが、いかがでしょう? 三つとも深い国です。


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