Sep.12. '96   (c)1994-96 桐谷育雄

第74章 AirMax 96を$30でG・E・T!


 今回は、前置きなしで、いきなり本題です。素晴らしい旅行記を紹介したいのです。
 もっと詳しく知りたい人は、E-Mailでご自身の素性を明らかにした上で、質問して下さい。儲けることに利用する業者の方には教えたくないのです。

 毎年、夏休みは、地球を一周半くらいすることになります。今年も、あちこちをまわりましたが、実は、Air Max 96年モデルを捜し続けてもいました。あちこちの国のナイキショップで、店員さんは、かっこよく履きこなしていましたが、僕のサイズは、売り切れでした……。理想は、US10.5ですが、10や11は、真っ先になくなるように思います。

 今年は、高熱を出してしまい、御馳走を食べても、味がなく、元気がなくなっていたのですが、国一番の都会のスタジアムの前のスポーツ・シューズを扱うお店を、駅にチケットを買いに向かう車中からみて、びっくり。Air Max 96が飾ってありました。サイズがあるかどうかわからなかったけれど、取りあえず、帰りに立ち寄ろうと思ったら、いろいろなお店にありました。

 もう夜遅かったので、翌日見てまわることにしましたが、朝一番に行ったデパートでも売っていたので、料金を聞いてびっくり! US$32でした。二階にも何軒か靴のお店があるのですが、そちらでも売っていました。その国の通貨しか持っていなかったので、US$では支払いませんでしたが、結局一番安くて、僕のぴったりサイズのUS10があったお店で、$30で入手しました。

 前号で書きましたが、靴の中敷きだけは、NIKE純正のマーク入りではありませんでしたが、作りは同じで、印刷だけがないものでした。長年の付き合いからくるプロの眼で、しっかりと鑑定しましたが、純正パーツで正式な作り方で作られた本物でした。靴の中の製造データを見ましたが、その国で五月一日の製造でした。

 ただ、土踏まずの所の、革の部分から、靴底のゴムの部分への紺色の印刷が、少しずれているものもあって、二級品に近い物もありましたが、多くは、一級品でした。僕が、記事にするのを迷ったのは、このことの為で、ブローカーが、見分けの付かない二級品を入手して、日本で二倍三倍で売ることを想像してしまったのです。

 その部分を別の色で印刷しているものもあって、どこかの別注物かと興奮してしまいました。今にして思えば、あの一部色の違うものも買っておくのでした。まだ長い旅の半ばだったし、お金を持っていたかったし、手持ちのUS$も底をつきかけていました。そこはクレジット・カード不可のお店でした。

 驚いたのは、噂しか聞いていなかった、黒と銀の秋に発売になる色違いモデルもあったことです。製造は、六月一日でした。何とこっちは、US$で、もちろん、何も考えずに買いました。

 八月の出校日に履いていったら、生徒たちが声をかけてきて、事情を聞いて、買ってきて欲しかったと泣いていました。卒業生になったら、いつでも買ってあげるし、売ってるところも教えてあげるから、となだめたのですが、少しかわいそうでした。日本では、もう三万円近くで売るブローカーも出ていましたし。

 黒と銀のモデルは、街で若者の驚きのまなざしを集めました。足をじっと見てから、この人は何者だという眼で、顔を見てくるのです。何度も何度も、どこで手に入れたか聞かれました。(以下次号)


  今回は、素晴らしい旅行記を紹介させて下さい。一歳半の赤ちゃんと一緒でも、こんなにすごい旅が出来るんですね。
「ハワイへ子連れ旅行へ行って来た。目的は「レ・ミゼラブル」USナショナルツアー・ホノルル公演観劇のため。ミュージカル「ミス・サイゴン」のキム役でトニー賞主演女優賞を獲得したレア・サロンガがこのホノルル公演に出るという話をインターネットのニュースグループ(rec.arts.theatre.musicals)で見つけ大ファンである夫が俄然はり切り始めたのだった。「ミス・サイゴン」のメーキング番組でフィリンピンから出てきた10代の娘レアがオーディションで歌った時の天使のような美しい声、かわいらしさは今でも忘れられない。先日あった「レ・ミゼラブル10周年記念コンサート」にも演出家によるベストキャストとしてエポニーヌ役で出演していた。その彼女をハワイで観れるとあって行かないではいられないといった感じだった。チケットが取れるかどうか心配なので、インターネットに元記事を出していたハワイの女の子にメールを出しチケット購入先の電話番号を教えてもらった。それから国際電話による20分にも及ぶ奮闘の末、9月23日と24日の夜公演を2枚ずつチケットゲット。チケットはエアメールで送ると言われた。アメリカのコンサートフォールの席番は偶数ブロックと奇数ブロックに別れていることと、ど真中から番号が1、3、5…と振られている。隣り合わせの席でも番号が1番飛んでいるので戸惑うところだ。ミュージカルなので前列何列かはオーケストラピットになるので私たちが手に入れたD列というのは前から2番めの席だった。それから慌てて赤ん坊のパスポート作りを始めた。まっすぐ向かせ規定の写真を撮ることの難しさといったら…。写真館のおばさんがプロ根性を見せ頑張ってくれた。ハワイは私達夫婦は4度目、しかし初めての子連れであり、観劇中は現地のベビーシッターへ預けるつもりだったので、飛行機をビジネスクラス、ホテルをヒルトンホテルというようにグレードを上げて予約した。ノースウエスト航空のワールドビジネスクラスは少々割り引きがあるのでそれを選び、直接航空会社の日本支店へ連絡し最前列のバシュネットシートという簡易ベビーベッドを取り付けてもらう予約を取った。やはり8時間もの間10キロちょっとの体重の子どもを抱いているのは辛いだろうと思ったからだ。旅行は旅行社を通して取ったのだが、席の予約とホテルへのベビーシッターの予約は直接行なった。結果はやはり自分たちで早めにやってよかった。バシュネットが取り付けられる席は数が少ないので早く取らないとすぐなくなる。ベビーシッターと部屋へのベビーベッドの取り付けもヒルトンホテルのアシスタントマネージャーが直接アレンジしてくれた。
 出発日関東地方は台風に見まわれ、成田への足が全部運休。しかし夫は旅行への執念か、レア・サロンガへの愛か、車で成田へ行く事に。何とか成田へたどり着いたものの今度は飛行機が欠航。次の日の夜に延期と発表される。とほほ…。ホテルも満杯とのことで結局空港で一泊。幸いビジネスクラスだったため専用ラウンジで少しはましな方だった。赤ん坊は騒がしいにもかかわらずよく眠ってくれた。しかし空調がきつかったせいで、翌朝鼻水が出ていた。航空会社に強くかけあってホテルで休ませてもらった。夕方までゆっくりすることができた。そんなこんなの出発だったが、何とか一日遅れでハワイへ到着。その日の夜から観劇だった。アーリーチエックインするとベビーベッドの取り付けにすぐ来てくれ、ベビーシッターの方も今夜部屋までいくからとの連絡があった。夫がレンタカーを借りに行った間子どもとお昼寝し、夕方は海へ行ってみた。子どもは予想以上に海が気に入ってパシャパシャ積極的に遊ぶ。連れて帰ろうとすると大泣きして抵抗するくらい。連日夕方のビーチを子どもは楽しんでくれた。
 アメリカは大人の社会であり、ディナーを食べに行くにしても気軽にベビーシッターに預けるという。大人の行動に子どもを合わせるのはかわいそうだからという考えかららしい。ホテルが予約してくれたシッターさんは大学生の女性で未婚の母でもあった。1時間8ドルのシッター料だった。他は交通費と税金。夜の7時から12時まで預け45ドルほどの料金だった。チップを含めて支払った。2日預けたのだが同じ女性が来てくれた。事前に食べさせるもの、飲みもの、おむつ替えの時間、遊ばせていい場所の指定などを話し合っておいた。この辺りの事は「地球の歩き方・ハワイ家族旅行編」に載っていたので、ホテルの便箋にメモ書きしておいた。うちの子は日頃から保育園へ通っているので人見知りをしない。おかげで大喜びで遊んでもらい、少々興奮気味ではあったが何も問題なく過ごせたようだった。おかげで私達は「レ・ミゼラブル」を2日とも満喫する事ができた。
 主役のジャン・バルジャンにはブロードウエイキャストのクレイグ・シェルマンが出演しており、レア・サロンガと二人、神掛かり的とも思える素晴らしい歌を披露してくれた。他にもファンティーヌ、アンジョルラスなどが素晴らしくアンサンブル一人取ってみても微塵のスキも感じさせない程の上手さ。感動が次から次へとこみ上げて来て流れる涙を押え切れなかった。ラストはスタンディングとなりいつまでも余韻に浸った。夫婦して帰路につく駐車場まで泣き続けていた。レア・サロンガの歌声はどの場面でも心をハッとさせてくれた。あきらめずにハワイまで来た甲斐があったものだ。
 ハワイは何度来ても楽しい。初めて動物園へ行ってみたが、広くてのんびりできる所だった。子連れが多かった。ショッピングも子ども服を中心にまわった。安くてデザインのかわいいものが多くある。日本のようなキャラクターものではなく色使いなどで凝った物が多い気がした。初めての子連れ旅行で不安が多かったが、頑張って来てみれば楽しくて大人だけの旅行と違い行動範囲が狭くはなるけれど赤ちゃんと一緒ということでまた違った楽しみがあった。子どもの笑顔とハワイの景色が重なって心に残っている。また来たいねと夫と話している。」(外園弥生さんから)
 なんて、すばらしいキャストで楽しまれたことでしょう! 現在望みうる最高の組み合わせですね。うらやましいを通り越して、悔しくなってしまいました。Les Misは、僕も大好きなミュージカルで、この情報を知っていれば、僕もハワイへとんだのに……。この半年、ずっと十周年記念のLDを何度も何度も見ては、感動を味わってきました。あの素晴らしいセットなしでも、歌だけで魂を洗うミュージカルは、二十世紀の宝です。二日間も楽しんだなんて、何という最高の贅沢なのでしょうか。
 ミス・サイゴンを通じての、彼女の成長は、素晴らしかったですね。"The Heat Is On:The Making of MISS SAIGON"は僕もお気に入りのビデオで、Drury Laneで発売と同時にNTSC版を買いました。あのオーディションは、朝露のきらめきというか、まさにダイヤの原石でしたね。彼女と同時代を生きる幸せをしみじみと感じています。
 旅そのものも、見事な準備に始まり、台風のトラブルも鮮やかに切り抜けたのは、さすがですね。はらはらドキドキしながら読んだのですが、まるで007のような楽しさでした。最近は、子連れの旅が増えてきたとはいうものの、一歳半の赤ちゃんと一緒に、こんな大人の楽しみを味わってしまうなんて、豊かな人生に敬服しています。個人でベビー・シッターに上手に任せる夫婦の話は、まだまだ、あまり聞きません。僕も、いつか、自分のまだ見ぬ娘と飛行機に乗ることを夢見て、期待しながら過ごしましょう。
 また、これからも、このような楽しくてうらやましい旅行記が紹介できるといいなあと思います。これからも、よろしくお願いします。

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