2000年12月15日(金)

虚実皮膜



大切な嘘

 昨日、大夕焼けの撮影をしていて、素直に撮影をしてしまったことを反省することになりました。今日の画像には、僕が感動した色が確かに、切り取られていて、僕には、色合いの中に感動の色の面影があるのですが、たぶん、あの色を見ていない方には、たぶん、何も伝わらないかなと思うのです。

 昨日のあの色を表現しようと思うなら、作為的な画像を作る必要があるのですね。ちょうど俳優が舞台でリアリズムを追求するときに、本物を上演してもリアルには感じられなくなってしまうように、虚構を作りながら、「大夕焼け」を伝えることが大切なのでしょう。

 同時に、僕は、通常のこの季節のこの時間帯の色を知り尽くしているから、昨日の尋常ではない色に感動したのですが、通常の色をしらない方に、凄さを感じていただくのは、難しいことですね。

 この部分は、Tokyo Disney Seaの地図を見ていて感じたことと深い関係があるように思います。


 地図の嘘

 話は脱線しますが、世界のディズニーランドの地図は、大切に保存していて、時代による変遷が一目でわかる大切な資料だと思います。この地図のデザインは、見事なプロ集団の作品で、ディズニーランドばかりではなく、ロッテワールドの地図も同じチームによる作品のようです。(Macintoshで描かれていることは言うまでもありません。)

 この地図を見ていると、ゲストにはこのように見てほしいという世界が明確に伝わってきて、ゲストが迷子になることがなく、かつゲストの視線から見せるものです。この部分は、舞台芸術で、舞台裏から見た世界ではなく、観客からの視野で、幻想世界を感動させることと似ています。

 具体例をあげると、ファンタジーランドとディズニーシーの間が典型的なのですが、そこには、実際には広大な敷地があって、倉庫のような建物がたくさんあって、そこにはたぶん、パレードの膨大な備品が保管されているはずなのですが、そのTokyo Disney Seaの地図を見ると、その空間が消えているのです。もちろん、これは、ウォルトがこだわった、入り口を一つだけにしてストーリー性を大切にしたことと、同じ目的があります。

 夢と魔法の王国には舞台裏はふさわしくないのでしょう。ファンタジーのビジネスは奥が深く、ここには書くことが出来ないことがたくさんあります。



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