2000年11月07日(火)

増頁



ささやきの小道

 奈良は、お気に入りの散歩道が、とにかく多いのですが、その中でも、五本の指に入るのが、ささやきの小道です。四季それぞれに風情がありますが、やはり、新緑と、紅葉と、冬枯れの時期は、何とも言えません。今日の画像は、秋の始まりの時期です。自分なりに光線に気をつけて、上手なタイミングを選んだので、新緑の萌え出る時期のように見えるかもしれません。

 思い出がたっぷりとつまった散歩道ですが、距離が適度に短いのも、良い点なのかもしれません。ゆっくり歩いて五分。500mもない距離。恋人と歩きながら、まだ終わらずに、まだまだ続いてほしいと思われる距離です。

 鹿たちが自由に森の中を歩き回るように、実は、名前のついていない獣道のような道がたくさんあって、そんな中にも、僕のお気に入りのルートがありますが、一つだけ、ここに書こうと思います。ささやきの小道の途中で小川を越える部分がありますが、そのあたりから、二ノ鳥居と鷺池を結ぶ道の南側を通って、飛火野の方へ向かう道です。山道のような険しい道ではありませんが、水の少ない川を、越える部分もあります。遠足に来た子どもたちが、鬼ごっこをしながら、走り抜けたりもしている程度の道です。

 明確な道があるわけではなく、様々な場所を通り抜けながら、あっちを通っても、こっちを通っても、同じ場所に着くという道です。夏場は、子ども連れの家族も多いし、裸の幼児を多く見かける所です。それでも、晩秋、正倉院展が終わってから、春が兆すまで、本当にひっそりとした道になります。この、ささやきの小道は、ネーミングが見事なこともあって、一年中観光客が絶えない道ですが、僕のお気に入りの道は、シーズンが短いのです。今度奈良に行ったら、是非歩いてみませんか。



「頁」なんて、死語?

 僕の住む名古屋の方言では、「ページ」の最後の濁音の「ジ」が清音化して、「ペーシ」となります。若い子たちも、38ページとか言うときに、「さんじゅうはちぺーし」と発音していて、地域の言葉の根強さを感じるのですが、音韻としての問題に共通するように、本人は、「ぺーじ」と発音しているつもりになっているのは、言うまでもありません。というか、人間は、多くの場合、自分の発音を、そこまで意識することはないようです。

 さて、「ページ」を日本語で記す場合の「頁」という文字ですが、たぶん、この文字も、だんだん使われなくなって、そのうち、古典的な文字になるのでしょう。話がそれてしまいましたが、それは、教師の常。

 今日は忙しい日でしたが、夜七時半頃、うれしいE-Mailが届きました。忙しすぎて自宅に帰ることは出来なかったのですが、ちょうどインターネットにアクセスした時に、そのE-Mailを受信することが出来ました。内容は、筑摩書房さんから、頁を増やしていただけるという内容でした。

 実際、最初にまとめた原稿は、字数の倍以上の分量で、削りに削って、まるで要約のような文章になってしまい、わかりにくいなあと考えていたので、ページを増やしていただけるのは、本当にうれしいことでした。仕事の多い日で、真夜中まで自由にならない日でしたが、がんばって、一晩徹夜して、仕上げようと決意しました。

 どうしても、自分にはよくわかっていることを、何も知らない人に伝える文章を書こうとする時に、この部分は削っても、前の部分に書いてあるから大丈夫と考えながら削っていくと、読者が熟読しないと、正確に理解できない文章になってしまいます。誰もが、集中してじっくりと読んで下さるわけではないので、わかりやすい文章には、書かなくてもよいこと書く、無駄な部分が必要になります。今回ページが増えることによって、そんな部分が生かされて、わかりやすい文章になるとうれしいですね。

 ただ、あくまでも、今回は、一端を紹介する原稿なので、本当に興味を持った方は、その中で提案されている、特別読者プレゼントを申し込んで下さるはずなので、そちらに期待することにしましょう。

 筑摩書房は、心から敬愛する、日本の出版文化を根底から支える、出版人の集まりです。筑摩書房にふさわしい記事を目指して、もう少し頑張る気力が湧いています。



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11/4「正倉院展サイト大幅更新」を読む
11/3「髪についての連載開始」を読む
11/2「祝:毎日更新一周年!」を読む
11/1「お昼には名古屋へ」を読む
10/31「Trick or Treat? 毎年研究発表仕事……。」を読む
次回11/8「飛火野」を読む
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