2000年6月10日(土)

聖地Disney Land……。


消費の対象としての聖地

 たぶん、東京ディズニーランドは、まるで巡礼の地のように、東海地方の若い人たちにとって(言うまでもなく東アジア中の人々にとって)、聖地であり続けています。夜遅い時間に、名古屋駅の近くを通ると、四季を問わず、大きな東京ディズニーランドの買い物袋を持った、若い人たちを見かける時、思わず、江戸時代のおかげまいりの人たちを連想します。当時のお伊勢詣では、あんな感じだったのではないかなあ? 東京ディズニーランドを愛する若い人たちの姿には、昔からの日本の伝統的なものと重なるものが多くて、たとえば、"Super Dancin' Mania"(というか、日本人の「クラブ」(アクセントは後半で平板化しています。)そのもの)も、合いの手も含めて、まさに盆踊りそのものです。

 まだ誰かへのおみやげを買ったことはないのですが、東京ディズニーランドのワールドバザールを埋め尽くす人々は、自分へのおみやげだけではなく、誰かへのおみやげも捜しています。仕事を休んだから、誰かへの御礼なのかもしれないし、仲良しのお友達や、いつもお小遣いをくれるお祖母さんへの心を込めたものなのかもしれません。「おみやげ」に関する考察は、日本人論の根幹をなすものなので、いつか詳しく論じたいものです。(桐谷は生徒たち以外には、おみやげは買いませんが……。)

 僕の場合は、基本的に、パスポート代と、中での飲食物以外にはお金を使いません(例外があって、"Super Dancin' Mania"のグーフィーの70年代帽子や、ミッキーのパンケーキ型などの、おもしろグッズです。)が、ここは、現代の消費文明に生きる人々のバーチャルな聖地です。だから、人々は献金やお布施を払うかのように、東京ディズニーランドとの一体化を象徴するパスポートホルダーや、(ある意味で、なければないで済んでいく)様々なグッズに消費を続けます。もちろん、グッズは、朱印帳や、巡礼の地で買い求めるロザリオのようなものですね。

 そんな場所が気に入っていて、毎年何度も訪れることに対する抵抗というか反省の気持があります。ここは、全てをお金の関係に換算することが出来る虚構の場です。笑顔の一つ一つや、親切の一つ一つが、マニュアルに根ざしていて、まさに利潤の追求のための、極めて資本主義的な場ですが、そんな構造を見抜いていても、園内で楽しみたくなるのは、やはり、Walt Disneyの才能と、生み出したキャラクターの魅力が、それだけ素晴らしいということなのでしょう。彼の死後も、毎年生まれる作品のキャラクターは、彼が生きていたら生み出したと思えてしまう魅力的なものです。



グランドオープンに駆けつけた思い入れ

 昔サンリオ・ピューロランドが開園した時に、すぐに駆けつけて、王子様のレストランで、虚構なのに感動したことを思い出しますが、テーマパークでは、一つ一つのストーリーが、訪れる人々の感動を生みます。そんな繰り返しの中に、開園する時に駆けつけてしまう思いが生まれるのでしょう。

 東京ディズニーランドのオープンにも、もちろん駆けつけました。仕事があったので、ヒッチハイクではなく、大垣発東京行きの夜行鈍行で出かけた記憶があります。もう、楽しみで楽しみで、アナハイムと全く同じ演出をするという情報に、胸をときめかせていました。それからの一年は、何度も何度も通いましたが、そのうちに、東京への違和感を感じるようになって、そんなに通わなくなってしまいました。この違和感は、いつか、詳しく書こうと思います。

 その次にオープンに駆けつけたのは、ソウルのロッテ・ワールドでした。えっ、ディズニーそっくりと思ったのも当然、開発は、同じ会社が担当したのです。マラケシュ・エクスプレスは、その後、シュプラッシュ・マウンテンに逆輸出されましたし、あれだけの規模の屋内パークは、なかなかの見物だと思います。そのうち、アンニョンIMFで、底値でロッテ・ワールドに入場する極秘の方法を紹介しましょう。

 次に出かけたのは、"EURO Disney"(開園当初の名前)です。パリは、毎年出かける街でしたが、あの街に、というかフランス人の国民性とは相容れないと思われるディズニーランドが出来ることが不思議で、どのようになるか楽しみで出かけたのですが、フランス語よりは、スペイン語や英語が飛び交っていたように思います。まだ当時は新しいアトラクションだったビッグ・サンダー・マウンテンが、ラグーンの地下を通って山に登る迫力に驚いたことや、ホーンティド・マンションの違いを楽しんだり、ちょうど東京が、日本に適応して、他のものとは違うものになったように、パリも、さらに独自の進化をすすめました。その頃から、また東京ディズニーランドを楽しめるようになってきて、今では年間パスポートの方が安くなりました(それにしても、日本の年間パスポートの高さにはあきれかえります。オランドに滞在するときは、一週間もいれば、年間パスポートの方が安くなったりするのに。香港に開園して、平日のアジア内からのゲストが減った時に、やっと安くなるかもしれませんね。)

 次に開園当日に出かけてしまいそうなのは、初めて海外に開園する大阪のユニバーサル・スタジオです。自分自身の人生を振り返ってみて、標高三千メートル以上の世界に時々出かけないと、自分を見失ってしまうように、時々、世界の様々なテーマパークで過ごすことによって、様々な生きるパワーが生まれてくるように思います。

 今日の画像は、4/15から始まったパレード、"Disney ON PARADE 100 Yearas of Magic"の中のお気に入りの一こま。ディズニーの歴史は、そのまま映画の歴史に重なります。




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