2000年4月8日(土)

とりあえず癌ではありません


壁新聞機能について

 本当に様々な方が、様々なお見舞いのE-Mailをくださいました。心配して下さって、本当にありがとうございました。様々なデータを解析した結果、癌であるならば、当然そうなるはずの数値が見られないということで、しばらく様子を見ることになりました。

 原因も不明で、兆候の現象も、まだ続いていますが、たぶん自然に消えていくのでしょう。もう一つ今回の検査には含まれていなかったのが、痰の検査で、血痰なのか鼻水の血なのかよくわからないにごりがあるので、近い内に、ドクターに相談して、検査を受ける予定です。特に、長年排気ガスの中を自転車で有酸素運動を続けていたし、今も一日十分は排気ガスの多い道を全力で走っているので、本当は毎月のように検査を受けてもよいのかもしれません。

 心配をおかけして申し訳ありませんでした。この"What's New"には、様々な機能があって、一人一人に知らせるのは煩雑だけれど、ある程度の人々に知らせなくてはならない内容について、掲載することによって、読んでもらう、個人壁新聞のような機能もあります。今回は、特にボランティアで様々な活動をしている部分に関して、少し遅れが生まれることについての事情でもあったし、一部の人々に知らせる必要もあったので、掲載することになりました。

 この"What's New"には、とても複雑な部分があって、ある部分ではプライベートなことに関してとても詳しく掲載する反面、職務上のことに関する部分に関しては、ぼかしてあったりします。たとえば、僕の勤務する高校の名前は、僕の書いた文章の中には一切登場していません。

 というわけで、まだまだ注意深く見守らなくてはなりませんが、とりあえず、癌の可能性は薄くなりました。

 今日の画像は、昨日の帰りに撮影した校門の桜です。しばらくの間、太陽が出ている間には帰宅することが出来そうにありません。



告知の問題

 不思議だったのは、ほとんどの方が、大変なことになったという感覚でE-Mailを下さったことです。そこで、改めて実感したのは、だから、癌の告知がこの国では、このような問題になるのか、ということでした。

 僕にとっては、癌であることが判明することは実に幸いなことであって、人生の時間の使い方についてより有意義になる素敵なことです。もちろん、死ぬ前になさねばならぬことが多い方なので、長生きはしたいのですが、いつも死の備えをしているので、普通の方とくらべると、死期が示されることによるショックが、あまりないのだと思います。

 そこで、気がついたのは、もしかすると、普通の方の場合は、自分が今死ぬかもしれないことに対する自覚は少ないのかもしれないということです。今日交通事故で死ぬかもしれないし、今乗っている飛行機が落ちるかもしれないし、大地震が今発生するかもしれないということは、あまり意識されずに、生きているのでしょうか。

 つまり、日常の日々を、死と無縁の人生を生きる場合は、自分の死期が示されることによって、死を意識しなくてはならない人生に一変してしまって、そこで、日本独特の告知の問題が生まれるのかなと思い至りました。

 この問題はいつか扱いますが、僕にはどうしても納得出来ないのは、「自分が癌の場合は告知して欲しいけれど、家族が癌の場合には知らせたくない」という日本に多く見られる傾向です。もしかすると、告知される備えのない方が多いのでしょうか。家族の関係の中で、誰かが癌の時に、それを隠し通すなどということは出来るはずがなく(本人は自分の体を感覚として理解するので、僕の知る限りの告知されなかった方は、全員、時期に個人差はありましたが、自分が癌であって死期が近いことを悟っていました。その方が家族の前では気がつかないふりをして、告知しないことを選んだ「愛情」にこたえていたのが、僕にはせつなくて……。)、何より、その方の人生での大問題である死に関する最大の情報を教えないのは、不誠実なことと桐谷には見えてしまうのです。もちろん、告知するということは、その方に対する最大限のサポートをすることを意味するのは言うまでもありません。

 死への備えというのは、その人が強いとか弱いとかいう問題でも、その方の人格が高潔であるかどうかという問題ではありません。その方の人生の時間の意味の問題だと考えています。

 ただ、私には知らせないでね、という方が実際に多いのも事実なので、何よりも本人の意向を尊重しなくてはなりませんが、やはり、家族のみんなが、自分の場合は教えて欲しいけど、家族の場合には教えたくない、と思っている姿は、家族のあり方として理解が難しいのです。

 この問題は、いつかじっくりと「告知の哲学」として扱いますが、ホスピスで家族の愛情に包まれながら幸福に死を迎える方と、最後まで真実を示されずに死んでいく方とを比べると、日本人の死生観の貧しさを思わずにはいられません。



前回4/7「始業式」の内容を読む
4/6「入学式」の内容を読む
4/5「もみじの花」の内容を読む
4/4「フェルメール見たよ」の内容を読む
4/3「ソメイヨシノ開花」の内容を読む
4/2「日に日に春めいて」の内容を読む
4/1「待つことについて」の内容を読む
3/31「びっくりしないで」の内容を読む
(3/28から3/30は更新も春休み)
3/27「春休みも中休み」の内容を読む
(3/19から3/26は更新も春休み)
3/18「今日から春休み:次回更新は3/27朝」の内容を読む
3/17「最後の授業はお別れの日」の内容を読む
3/16「明日は最後の授業」の内容を読む
3/15「面接」の内容を読む
3/14「高校入試」の内容を読む
3/13「最後の冬桜」の内容を読む
3/12「寒緋桜開花宣言」の内容を読む
3/11「枝垂れ梅満開」の内容を読む
3/10「職場復帰」の内容を読む
3/9「出校開始」の内容を読む
3/8「さらに一日静養」の内容を読む
3/7「恢復期」の内容を読む
3/6「松葉杖生活……」の内容を読む
3/5「今だけのもの」の内容を読む
3/4「興奮はさめやらず……」の内容を読む
3/3「今日は雛祭り」の内容を読む
3/2「お誕生日はうれしいね!」の内容を読む
3/1「卒業式」の内容を読む
2/29「今日でテストも終わり」の内容を読む
2/28「京の冬の旅」の内容を読む
2/19〜27は後日更新
2/18「今日は推薦入試」の内容を読む
2/17「Tokyo Disney Resort」の内容を読む
2/16「祝! Mac World Expo/ Tokyo」の内容を読む
2/15「富士山を見たよ」の内容を読む
2/14「Valentine's Day!」の内容を読む
2/13「お金の意味」の内容を読む
2/12「『マルチ・メディア』(死語?)」の内容を読む
2/11「この日は祝わない」の内容を読む
2/10「連休の始まり」の内容を読む
2/9「雪遊び」の内容を読む
2/8「雪が降ってきた」の内容を読む
2/7「余命について」の内容を読む
2/6「梅の思い出」の内容を読む
2/5「白梅もぐんぐん開花が進む」の内容を読む
2/4「紅梅の開花」の内容を読む
2/3「希望が見えた日」の内容を読む
2/2「文化発表会最終日」の内容を読む
2/1「文化発表会第一日目」の内容を読む
次回4/9「桜の美しい場所」へ進む
これまでの日記一覧を見る
今日のWhat's Newへ戻る