2000年1月6日(木)

The world is not enough.

つい話してしまいそう……。

 "Star Wars"のように、作品そのものが最高におもしろい映画を見ると、つい、こんなどんでん返しがあるんだよ、とか、実は……とか、誰かに話したくなってしまいます。もちろん、そんなことは、映画ファンの仁義に反することなので、絶対に、予告編の範囲以上のことは、話さないようにしています。

 今勤めている学校には、そういう方はいないのですが、以前の高校には、見ていない人に、詳細なあらすじを話そうとされる方が、本当に多くて、見ていてはらはらしました。特に、聞かされている方が、これから見る予定の時など、見る楽しみがなくなってしまうから、そこまでにしましょうよ、とか言いながら、桐谷は阻止しようとするのですが、そんな方は、決して話をやめようとはされません。映画ファンの習性なのでしょうか? 中部地区では有名な映画ファンの尊敬を集める先生でさえ、よくあらすじを語っていらっしゃいました。

 そんな桐谷でさえ、誰か見た方と話したくてたまらないのが、007の新作、"The World is not enough."です。新年二本目の映画として、ロンドンでは一番大きな映画館のODEONで楽しみました。僕には、毎年数本、日本に来るのが待てない映画というのがあって、007は、毎回、そんな作品で、その休暇の旅行でロンドンに立ち寄る目的の三割くらいを占めてしまいます。

映画は、やはり、その国で

 映画は、映画館で楽しむものだと考えています。レンタルビデオやDVDで楽しむのも手軽なのですが、映像の深みを味わいながら、個として画面に向き合う映画館でなければ味わえない味があります。それなしでは、感動も薄っぺらなものになってしまいます。

 さらに考えているのは、映画は、その映画が作られた国で、その国の人々と楽しむのが最高だということです。国によって、地域によって、映画館の雰囲気が大きく変わります。その映画を楽しむときに、館内が一体化した笑いや興奮が味わえれば、楽しみも、ものすごく大きなものになります。

 毎回007を、日本の映画館でみる時にがっかりしてしまうのは、笑いのタイミングがずれていたり、おかしくない所で笑いが生まれたり、やはり、字幕で画面が汚れることです。字幕を読んでしまう方が多いので、セリフが出る前に笑いが生まれたり、実際のセリフとは違う字幕がでる場合に、不自然な笑いが生まれるようです。いつも経験するのは、本当に大笑いするセリフがあって、我慢できずに笑ってしまうときに、まわりの人々に変な目で見られてしまうことです。笑わずにいられる方がおかしいと思うのですが、人間は、画面の文字に集中してしまうと、映像の大切な部分を見落としたり、簡単な英語でも、聞き取れなくなってしまうようです。

 映画によっては、その国で暮らしていて、今の流行を知らないと笑えない笑いもありますが、007の笑いは、作品世界の中でのユーモアやウィットなので、自分が笑うときには、まわりからも同じタイミングで笑いが生まれ、自分がにやりとする時には、まわりの人も、同じようににやりとしている楽しみを、うんと味わいました。

 今回の冒頭のショートストーリーは、いつも以上に全体の話との関連が深く、黒幕がなぞの状態が長く続くし、ミレニアム関連の部分が多いので、シリーズでも一二を争う傑作だった前作をしのぐ作品になっていました。画面に出てくるグリニッジのミレニアムドームや、ロンドンの部分などは、当日見ながら映画館に来たので、リアリティも一段とましました。もちろん、タイトルがセリフとして出てくる場面も、思わずにやりと笑える場面でしたよ。二時間二十分が、本当にあっという間に過ぎていきました。毎年作ってくれるとうれしいなあと思うのですが、寅さんのように年に二回作れるタイプの映画ではないので、残念。2002年を楽しみに待ちましょう。

 ちなみに、007では、Macが登場する作品は、大傑作になる傾向があるようです。おまけに、Macでなければならない必然性もあるので、うれしい思いです。今回は、残念ながら、モトローラでWinが動いていました。

頭の大きさを再認識

 この画像は、10フランのスピード写真の中にあった、007シリーズのはめ込みの一枚です。タイトルもフランス語になっていて、ロンドンでは見かけなかったので、おもしろくて、二百円でお釣りがくるのならと思って、つい挑戦してしまいました。悲しかったのは、後ろの壁面にぴたりと頭をくっつけたのに、枠の中に顔が入りきらなかったことです……。確かに、街を歩いている人々は、八頭身の小さな頭で、かっこいい人が多かったような。

 帰国後、この写真をスキャンして、顔の部分をもっと小さくして、作り直そうと思いました。表情も小粋に作ったつもりですが、ねずみ男みたいになってしまいました。

 ところで、よく生徒たちや、身近な人に、実はスパイなの? と聞かれることがあります。ニューヨークにいた翌朝には、ロンドンにいたり、その日の夕刻には、バンコクにいたり、地球のせまさを実感できるような大移動をよくするからだと思いますが、僕がスパイなら強力ですね。一見James Bondには決して見えない冴えない人物なら、スパイとしての能力を十分発揮できると思いますが、問題点が一つあって、良きにつけ悪しきにつけ、目立ちすぎる人物なので、秘密の指令で動くことが出来にくいかもしれませんね。


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