2000年1月2日(日)

Bonne Annee!

パリに来ました!

 思い出してみると、この十年間に限っても、パリで百日以上過ごしたことになります。学生時代に、フランス語を四年間学び続けたこともあって、フランスは、特別な国です。

 パリに着いて、交通機関の定期券を作るときに味わうどきどきも、今回一日券を買うときに味わうことが出来ました。三日滞在しない時は、一日券を二回買います。二日滞在するときは、三日券を買っても同額ですが、カルネ(回数券)も持っているので、もしも二日目に風邪をひいて動けなくなった時に、少し得します。

 ついでに言うと、僕の場合、滞在セットを、出国前に、国別、地域別にあらかじめ用意して、出かけます。通常は、ACアダプター、電話アダプター、テレホンカード、その国一番安い電話会社のクレジットカード引き落としのカード、交通機関の回数券(もちろん今回はカルネ)や写真入りのホルダー、割引券(今回で言うと、デパート10%引き券。)、おいしいレストランの予約用電話番号リスト、お札と小銭、といったところです。

 あれ、話がずれてしまいました。新年の話に戻しましょう。今日のトップの写真は、シャンゼリゼ大通りの、ミレニアムの名残です。いつもは車が通る場所に、人間は乗らない観覧車がいくつか組んであって、もう解体の最中でした。もちろん、右手下奥に見えるのは、凱旋門! 明日は、一日自由なので、思い切り楽しもうと思います。

2000年代最初の映画:FANTASIA 2000

 とても、迷ったのですが、ロンドンの元旦で、何かを見ようと思って、舞台は観たものばかりでもう一度観たいものではありませんでした。

 東京でもNYでも、パリでも、同じ日から観ることの出来る、IMAXの"FANTASIA 2000"にしたのは、言うまでもありません。たぶん名古屋にはIMAX シアターは見当たらないから、今月東京に行くついでに観ればよいけれど、字幕と吹き替えなしで観たかったのです。たぶん、字幕なしの、地球最初の、一般人向けの上映でした。

 選択は間違っていませんでした。何て感動する作品に進化したのでしょう! 僕の尊敬する指揮者兼編曲者のストコフスキー演奏のオリジナルの"FANTASIA"が、最初1940年に上映された時に、音楽に対する冒涜だというディズニーに対する批判が生まれたことは有名な話です。でも、間もなく、人々は、新たなジャンルの芸術が生まれたことに気がつきます。もちろん、僕にとっては、生まれる前から存在し続けた、人生を励ますファンタジーでした。東京オリンピックの頃の再上映が、僕の記憶に残る最初の上映です。その頃、101匹わんちゃんも、メアリー・ポピンズも、上映されていた記憶があります。

 でも、今回の作品は、何と直接的に人生を明るくする作品でしょう! 最高だったものを選ぼうとしたら五つ残って、一つには決められませんでした。涙の順に書くと、NYのスターの似顔絵で有名なEric Goldbergが描いた、ガーシュインのラプソディー・イン・ブルー。失業していたり、傲慢な妻に悩まされたり、いろいろなことがうまく行かない女の子、ビルの労働者の四人が、音楽、それもジャズを軸にして、人生の希望を見出していく姿は、すごい! 僕が自殺したくなったときに、もう一度観る映画になりました。

 火の鳥もすごかった。バレエのイメージが強すぎるのですが、何と素晴らしい春の祭典に仕上げたのでしょう! どんな冬の厳しさの中でも、どんなに絶望的な災害に出会っても、必ず春が来る希望を、強くいだかせてくれます。

 美しかったのは、鯨のファンタジーの、ローマの松。ただでさえ美しいレスピーギが、北極から宇宙への美しい鯨のファンタジーになりました。もう僕は、二度と鯨を食べないよ。

 ノアの箱船を描く、ドナルド・ダックの、威風堂々は、美しい愛の物語でした。ちょうどロンドンにいたこともあって、よくプロムスで聞くエルガーのイメージがさらに素敵なものになりました。考えてみれば、マーチなので、地球上で最高に希望に満ちたマーチが何だったかを考えると、アララト山について、動物たちが行進する姿になるのは、当然ですね。僕が将来映画にするつもりの脚本の中でも、最初の方に、このエピソードが出ます。ちょっと現代的に、自分も乗りたいと言って殺到する人々が、晴天続きで信じられなくなって、乗らない話を挿入するつもりですが、詳細は企業秘密!

 さて、もう一つ忘れられないのは、アンデルセンの鉛の兵隊(単語は錫なのですが、幼い頃、ずっと、鉛として話を聞き続けました)の話を使った、ショスタコービッチのピアノ協奏曲第二番です。

 思い出すのは、生前のWalt Disneyの言葉です。ファンタジアはtimelessであって、三十年続くかもしれないと言ったのです。もちろん、timelessという以上永遠を意識したのでしょうが、言葉の通り、69年たっても、我が家では、LDが何度も何度も流れていました。もう今後新しいLDを買うことはないと思いますが、プレイヤーが壊れても、Pioneerが作り続けてくれるはずのプレイヤーを、オリジナルFANTASIAを観るために買い続けます。

 今回のオーケストラは、シカゴ・シンフォニー。指揮者は、何と、James Levineでした。ずっとメトロポリタンに通い続けていることもあって、実は、僕にとって生で一番たくさん聞いた指揮者で、かつ、とても気に入っている人なのです。上映になること以外は予備知識なしで観たので、シルエットを観た瞬間の感動は、大きなものでしたよ。ついでに言うと、お気に入りの映画スター達が、それぞれウィットに富んだことを話してくれたのも、うれしかった。

 さらに、ディズニーは"an idea in itself"と言っていて、FANTASIAは、この作品そのものを指すのではなくて、クラシックとアニメを融合させる発想そのものだという意味です。その意味で、improve、elaboreteするよと言っていたのですが、七十年たった年に、やっと続きが生まれたのは、本当にうれしいことです。これから、僕が生き続ける限り、新しいアーティストたちによって、新たに古典的な音楽に加わった現代作品に融合するアニメが生まれるなんて、なんと素晴らしいことでしょう。願いは、あと五回くらい、新作をみたいなあということです。世界のどこの街にいても、元旦の上映を見に行くよ!

 というわけで、上の画像は、思わず買ってしまった劇場限定パンフレットの上に並ぶ、ロンドンとパリの宣伝ちらしです。左がロンドン、右がパリ。あさってにNYで一枚入手すれば、世界三都市分が手に入ります。東京のものを大量に手に入れて、ドイツやイタリアや世界中の人と交換して、世界完全セットを作ってもいいですね。

 ついでに、もう一つ、パリの街中にあふれる、広告塔も写してみました。場所は、Musee Grevinの正面。と言えば、もう、僕がどんなクラスのどんな食事をしたか、わかってしまいますね。

1/3補足:

 パリから、またニューヨークにやってきました。今年は、いったい大西洋を何度往復するやら。本当は、ここに、007の新作"The World Is Not Enough"について、書く所でしたが、落ち着いて機内で作業を続けます。ニューヨークは雨が強くて、とても暖かで本当に驚きました。逆に大西洋は荒れに荒れて、747であんなに揺れたのは、人生で初めて。信頼の翼でしたが、無事着陸した時には、機内からすごい拍手が生まれて、逆にびっくりしました。中華航空でA-300で飛んでいて、ちょっと気流が荒れたときに、モーターボートが海面を飛び跳ねるような感じになりますが、あれが、すごくなった感じでした。機長も、機内に警告を出すために、もはや不要となった、禁煙のサインを二度点滅させて、さらなる警告を発しました。

 みなさんも、楽しい新年を過ごしていますか? では、次の更新では、サンフランシスコのMacWorldExpo情報を!


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12/18 「ちょっぴり酔拳」 の内容を読む
12/17 「死刑廃止を求めて」 の内容を読む
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