モルゲンロート

白馬大池

 朝日が出てしまうと、景色も姿を変えます。それまで霧の中で、神秘的な姿をたたえていたのに、突然くっきりと、霧も明るく鮮やかな影を見せています。
 手前の植物と並んでとても美しかったのですが、肉眼の微妙な自動調節を画像に持ち込むのは、難しいですね。

朝焼けの雪倉岳

 朝日が出た直後からは、西に見える斜面が見逃せません。右のピークが2610mの雪倉岳、ゆるやかにV字形にくぼんでいる所に雪倉避難小屋があるのですが、裏側から流れてくる微かなガスのために見えません。
 左の斜面が、鉢ヶ岳2563mの北側の斜面です。
 左の写真の色、特に左側足下の土の色が、僕のいちばん好きなモルゲンロートの色です。この色は長く続かずに、ほんの一瞬で別の色になってしまいます。特に、この色が出ているときに、生徒が朝日を振り返る感じは、これからの人生の始まりを感じさせると思うのです。
 僕の人生も、まだまだこれからの可能性に満ちた白紙のものだと思いますが、十代半ば過ぎの高校生たちは、まだ人生を十分生きた経験が少ない分だけ、より一層、未来への可能性に満ちていると思うのです。
 十年近く前の、エリック・ロメール監督の映画で、夜明け前の一瞬の沈黙を描くシーンがありましたが、ちょうど、そんな感じが音ではなくて光になった感じです。聞こえるのは、風の音ばかりなのですが、いつも、この一瞬だけは、音がやむように感じるのです。
 右の写真と比べると、ほんの一瞬の違いなのに、太陽が少しだけ高くなって、斜面の日光の当たる部分が、より広くなっていて、あの色が消えています。人生はいつだって、一日の時間の中の、ある特別な魅力的な一瞬に満ちていると思います。人生の四季も同様ですね。

再び、白馬大池

 もう一度、振り返ると、斜面の陰影は乏しくなったけれど、朝の明るい白馬大池が見えました。いよいよ、長い縦走の二日目の始まりです!


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