2003年第55回正倉院展の紹介
(Last Update Nov 03 2003)  (Next Update Nov 04 2003)
このページは、2003年第55回の正倉院展の解説です。今年のものではありません。

 十月下旬から十一月上旬まで、奈良国立博物館で開かれる「正倉院展」を、これまで"Kirium"では、毎年高校生に紹介してきました。1995年から2001年までのの特集号は、このページの下のリンク一覧から、PDFでご覧ください。十月下旬発行の今年の正倉院展特集号は、唐招提寺宝蔵や興福寺五重塔初層など今年の特別な拝観を特集する予定です。

 2003年の第55回の会期は、10月25日(土)から、11月10日(月)までで、これまでと全く同じ17日間でした。毎年、八月下旬に正式に発表されます。

今年のテーマ 1:色

 毎年、テーマが明確に示されています。今年という年にちなんだものではありませんが、今年は特に、色が際立っていますね。

 まず、今回初出展の丹(たん)や雲母粉などの、顔料が、絵の具皿に相当する佐波理皿(さはりのさら)と共に、展示されています。あまり知られていませんが、この丹は、昨年、東大寺大仏開眼1250年慶讃の伎楽法要で活躍したあの酔胡面の表面の酔っぱらった顔色を作るために使われたものですし、今年かわいらしさに人気を集めた魚形ガラス腰飾りの瑠璃魚形(るりのうおがた)のようなガラスの原料の一つでもあります。

 特に、今年まとまって展示されている、刺繍、衣類などは、もちろん、色彩の見事さを示しています。

 でも、色という点から見ると、誰もが忘れられない色は、今年のポスターやチケットにも使われた、平螺鈿背円鏡(へいらでんはいのえんきょう)に、細かくちりばめられた、トルコ石とラピスラズリの輝きでしょう。気がつきましたか? 今年の正倉院展記念日付入り風景印のデザインに使われていますね。

今年のテーマ 2:刺繍や衣類

 今年の大きなテーマは刺繍だったと思うのですが、いかがでしょうか? 刺繍羅帯(ししゅうらのおび)の複雑な縫色は、忘れられない色彩の一つです。先端部分のグラデーションは、生涯忘れられない複雑な美です。さらに、刺繍飾りのスリッパの繍線鞋(ぬいのせんがい)の先端部のグラデーションの美しさ。何度でも通いたくなってしまいます。

 初出展の羅道場幡(らのどうじょうばん)の頭の部分の花の美しさ。さらに、以前にも出展されたもう一つの羅道場幡(らのどうじょうばん)の頭の部分の風景文様。松にからむ蔦は、何なのでしょう?

 また刺繍ではありませんが、組帯・組紐の色彩の美。小香袋(しょうこうぶくろ)は小さいのでわかりにくいと思いますが、組紐の美は、うっとりしてしまいますね。

 衣類も充実しています。

 さて、今回の展示物は、2000年よりも三点減った2001年より、さらに四点減った2002年の71点から、さらに減った66点でした。初めての展示物も、2001年から八点減った2002年の14点から、さらに七点減った七点となりました。これで落ち着くと思いますが、展示物も初出展も減り続けてきました。

 その他の展示物としては、碁盤ガラスの高杯十本組の小刀と工具(アジア版アーミーナイフ?)の他、馬鞍鳥の毛で篆書で記された屏風なども展示されています。

観覧料金は昨年度値上げのまま据え置き

 一昨年度、小泉「改革」による「痛み」の先取りとして、六割ほど値上げされた金額は、値下げされることはなく、大人千円、高校生・大学生700円、小学生・中学生400円となっています。100円引きの前売り券の利用や、安く入る裏ワザについては、正倉院展へ、安く行くには?に詳しく解説してあります。

 一昨年度始まった、日本語と英語のオーディオガイドも、継続されていますが、図録を購入されて、読みながら見る方で、簡単な奈良時代の歴史をご存知の方なら、特に新しい情報はありません。

開館時間

 毎朝九時から午後六時までの開館ですが、金曜日の閉館時間は、2001年に一時間短くなったままで、午後七時までです。ただし、入館は閉館三十分前まで、11/1(土)の本館の常設展は、コンサートが開催されるため、五時閉館なので注意してください。

 観覧料金は、大人1000円、高校生大学生700円、小学生・中学生400円で、このチケットで常設展も見ることが出来ます。前売りと、20人以上揃う団体扱いは、100円引きとなります。もちろん会期中は毎日開館しているので、休館日はありません。

 もちろん、僕が強くすすめるのは、友の会の入会(三千円)です。

公開講座
 毎年恒例の、午後一時半から三時まで、無料で先着二百名が聴講できる講堂の公開講座は以下のように発表されています。開場は午後一時です。

 10月25日(土) は、「 鏡と鏡箱」(奈良国立博物館工芸室長 内藤栄氏)、11月 3日(月) は、「正倉院文様の転写技法について」( 宮内庁正倉院事務所整理室長 西川明彦氏)、11月 8日(土)は、「正倉院の刺繍」(関西学院大学教授 河上繁樹氏)となっています。昨年から一回減ったことも残念ですね。

イベント

 今回の素晴らしいイベントは、10/26、11/2、11/9の各日曜日の、午後三時半から三十分間、講堂で行われる「天平衣装試着体験会」です。

 毎年恒例にボランティアによる作品解説も、すっかり定着してきました。毎日十時、十一時、午後一時半、午後二時半からの、三十分間講堂で行われます。ただし、10/25(土)と11/8(土)は、公開講座の関係で、午前二回と、十二時の三回だけになります。また、11/3(月)は午前のみとなります。

 さらに、こちらも、恒例となった野点お茶会も、午前十時から午後四時半まで、西新館南側ピロティで、五百円です。受付が博物館の一階にあるので、正倉院展に入場しないと参加できません。

 さらに本館の常設展では、唐招提寺金堂の十年にわたる大修理の関係で、薬師如来立像が、特別公開中です。言うまでもなく、金堂から外に出るのは、今回が初めて! 明るい光の中で、自由な角度から鑑賞できるのは、今回だけ。チケットの半券で無料で入場できるので、是非、ご覧下さい。

映像でも正倉院展を

 11/2(日)の深夜12時から一時まで(つまり正確には11/3になってから)、NHKデジタルハイビジョン(BS-hi)の新日曜美術館で、今年の正倉院展を特集します。多くの展示品が四十五分間ハイビジョン映像で紹介されます。リクエストと感謝のお便りが集まった成果でしょうか。一昨年はハイビジョン放送がありませんでしたが、去年から復活しています。(これまで収録されたハイビジョン映像を活用しながら、一日正倉院展特集なんて、うれしくありませんか? 僕も放送された番組を全て録画しているのですが、ハイビジョン部分だけで、十二時間分を超える映像が蓄積しています。)

 今年のゲストは、染色家で正倉院収蔵品の復元を手がける吉岡幸雄さんと、奈良国立博物館の鷲塚泰光さんです。地上波のNHK教育では、朝九時から、再放送は、午後八時からです。ちなみに、この所、毎年同じスケジュールで放送されていますから、来年2004年第56回は、10月31日日曜日ではないかと想像しています。

 奈良ファン必見番組の真珠の小箱は、11/1(土)に、毎日放送(4ch)は朝9時30分から45分まで、名古屋の方はCBC(5ch)で、朝6時45分から7時まで、2294回「天平の夢―聖武天皇と光明皇后― 」と題して特集します。正倉院展とあわせ、聖武天皇ゆかりの東大寺、光明皇后ゆかりの法華寺を柴門ふみさんが訪ねる番組です。

 もしも、あなたが幸運にも関西在住なら、11/3(月)朝9時35分から10時30分まで、「知られざる校倉の真実〜正倉院展2003〜」という特別の番組が放送されます。

 正倉院展へは、もっと安く!

 正倉院展の楽しみ方

 「正倉院」も見てみよう

 正倉院周辺の散歩道:裏参道

 2002年(第54回)の情報

 2001年(第53回)の情報 

 2000年(第52回)の情報 

 1999年(第51回)の情報 

 1997年(第49回)の展示品

 1995年(第47回)正倉院展案内

奈良国立博物館正倉院展リンク集

年度

"Kirium"掲載正倉院展関連記事一覧


日付 ページ タイトル
2001.10.27 TNG16 161-164 第53回正倉院展特集"Kirium"TNG16号(PDF)
2000.10.31 TNG13 153-156 第52回正倉院展特集"Kirium"TNG13号(PDF)
99.10.16 TNG07 129-132 第51回正倉院展特集"Kirium"TNG07号(PDF)
97.10.25 26 105-106 第49回正倉院展
96.10.31 18 71-72 行ってみよう! 第48回正倉院展
95.11.12 12 48 Speakers' Corner 「バンコク新さん」
95.11.10 10 40 Speakers' Corner 生徒の保護者の投稿
95.10.22 9 36 第47回正倉院展案内

作者桐谷育雄のホームページも見る

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