2002年第54回正倉院展の紹介
(Last Update Nov 02 2003)  (Next Update Nov 02 2003)

 このページは、2002年第54回の正倉院展の解説です。今年のものではありません。

 十月下旬から十一月上旬まで、奈良国立博物館で開かれる「正倉院展」を、これまで"Kirium"では、毎年高校生に紹介してきました。1995年から2001年までのの特集号は、このページの下のリンク一覧から、PDFでご覧ください。十月下旬発行の今年の正倉院展特集号は、正倉院周辺の散歩道を特集する予定です。

 今年(2002年)の第54回の会期は、10月26日(土)から、11月11日(月)までで、これまでと全く同じです。十月最後の土曜日から、十一月二回めの月曜日までというのが、基本パターンです。

映像でも正倉院展を

 11/3(日)の深夜12時から一時まで(つまり正確には11/4になってから)、NHKデジタルハイビジョン(BS-hi)の新日曜美術館で、今年の正倉院展を特集します。僕はこの番組を毎年とても楽しみにしています。博物館で現物を見ても光が弱くて色がわかりにくい場合が多いのですが、画面では適切な照明があてられて、

 多くの展示品が四十五分間ハイビジョン映像で紹介されます。一昨年度は、デジタルハイビジョンの放送がなかったので、うれしいですね。是非、来年度も続けて下さるように、リクエストと感謝のお便りを送りましょう。(これまで収録されたハイビジョン映像を、一日正倉院展特集なんて、うれしくありませんか? 全て録画しているのですが、十二時間分を超えるハイビジョン映像が蓄積しています。)

 ゲストは、最近常連になった里中満智子さんと、奈良国立博物館の鷲塚泰光さんです。地上波のNHK教育では、朝九時から、再放送は、午後八時からです。

 奈良ファン必見番組の真珠の小箱は、11/2(土)に、毎日放送は朝9時45分から10時まで、名古屋の方はCBCで、朝6時45分から7時まで、「天平の香り〜東大寺と正倉院〜」と題して特集します。今回の法要の様子もたっぷりと放送するのが、うれしいですね。

今年の目玉 1:大仏開眼1250周年

 毎年、テーマが明確に示されていますが、今年は、二つのテーマがあります。752(天平勝宝4)年4月9日、東大寺の大仏開眼供養から、今年は1250年めにあたります。749年に娘の孝謙天皇に譲位した聖武天皇は、太上(だいじょう)天皇(後でいう上皇や法皇)となり、娘の孝謙天皇、妻の光明皇太后とともに、開眼供養に臨みました。インドから来た菩提僊那がとりおこない、参列した僧の数一万人と言われる、壮大な儀式です。

 ちなみに、奈良は今、東大寺大仏開眼1250年慶讃の雰囲気一色です。伎楽法要、舞楽法要、錦織健・東儀秀樹・渡辺貞夫らのコンサートもあり、奈良か東大寺のファンなら、見逃せませんね。僕も、京都でのスケジュールの合間を縫って、『林英哲 和太鼓コンサート〜光の蓮〜』に駆けつけました。

 1250周年を記念して、今回の展示物には、聖武天皇 たちが使った、冠の残欠冠かけ、冠を収納したなどが展示されます。五節・久米・楯伏・踏歌などの歌舞も舞われましたが、伎楽に関連する展示物が充実していて、師子崑崙太孤児伎楽面に加えて、ダンサーの衣装も、から靴下に至るまで、全身のものが展示されます。

今年の目玉 2:韓日交流

 2002年が、どういう年であったかを振り返ってみると、若い人なら、ワールドカップの韓日共同開催を、真っ先にあげる方が多いと思います。今年は、韓・日国民交流の年に指定され、韓国でも日本でも様々なイベントが続いています。そこで、正倉院展も、韓日交流を意識した展示がなされ、これが、二つめのテーマです。

 韓国の慶州(キョンジュ)の国立博物館を訪れて、正倉院展で時々展示されるスプーンと同じ物が展示されていて、驚いた方もいらっしゃるのではないでしょうか。日本は、新羅文化の影響を色濃く受けていて、遣隋使や遣唐使のように、遣新羅使を送って、(また新羅使節を通じて)新羅から多くを学びました。ちなみに、韓国ではお箸とスプーンを使いますが、日本は、スプーンが伝わっても、お箸だけを使い続けていますし、同じように、韓国の国楽から伝わった楽器の中で、雅楽では、欠落させてしまったコントラバスに相当する楽器があります。日本が、学びながら、使いこなせなかったものの中に、日本の特色が数多くあると思うのですが、いかがでしょう?

 今回の新羅から伝わった展示物には、この銅匙の他に、お椀、花模様に人物が配された絨毯、燈明の芯を切るのに使ったはさみ新羅文書や、お経のつつみなどがあります。正倉院というと、シルクロードから中近東の収蔵品が強調されがちですが、朝鮮半島関連の収蔵品も数多くあります。高校生の初めての海外旅行として、"Kirium"では、陸路で奈良・京都を経て、玄界灘をこえる朝鮮半島への旅を推奨してきました。このチャンスが、韓日交渉史を学ぶきっかけになると、うれしいなあと思います。

 さて、今回の展示物は、2000年よりも三点減った2001年より、さらに四点減った71点で、初めての展示物も、2001年から八点減った14点となりました。その他の展示物としては、横笛四弦の琵琶、同じく四弦の桑木阮咸などの楽器の他、六隻のと、その矢を投げ入れるための双六盤や、サイコロを振る筒などの、ゲーム関連の品も展示されます。

観覧料金は昨年度値上げのまま据え置き

 昨年度、小泉「改革」による「痛み」の先取りとして、六割ほど値上げされた金額は、値下げされることはなく、大人千円、高校生・大学生700円、小学生・中学生400円となっています。100円引きの前売り券の利用や、安く入る裏ワザについては、正倉院展へ、安く行くには?に詳しく解説してあります。

 昨年度始まった、日本語と英語のオーディオガイドも、おそらく継続されると思いますが、図録を購入されて、読みながら見る方で、簡単な奈良時代の歴史をご存知の方なら、特に新しい情報はありません。

開館時間

 毎朝九時から午後六時までの開館ですが、金曜日の閉館時間は、2001年に一時間短くなったままで、午後七時までです。ただし、入館は閉館三十分前まで、11/1(金)の本館の常設展は五時閉館なので注意してください。

 観覧料金は、大人1000円、高校生大学生700円、小学生・中学生400円で、このチケットで常設展も見ることが出来ます。前売りと、20人以上揃う団体扱いは、100円引きとなります。もちろん会期中は毎日開館しているので、休館日はありません。

公開講座
 毎年恒例の、午後一時半から三時まで、無料で先着二百名が聴講できる講堂の公開講座は以下のように発表されています。

 10月26日(土) は、「 正倉院宝物にみる神仙世界 −天平人の桃源郷−」(仏教美術資料研究センター長 井口喜晴氏)、11月 2日(土) は、「正倉院宝物と新羅貿易」( 奈良大学教授 東野治之氏)、11月 3日(日)は、「 宝物への視線 −その時代性−」(宮内庁正倉院事務所所長 樫山和民氏)、11月 9日(土) は、「大仏造立と開眼会」(奈良国立博物館館長 鷲塚泰光氏)となっています。

 「親と子の文化財教室奈良時代の歴史と美術」が、先着百名募集中です。講堂で、午前十時から十二時まで。小学校五年・六年・中学生と、その保護者が対象です。

 10/12(土)は「聖武天皇と光明皇后」、11/23(土)は「正倉院の宝物」ですが、正倉院展会期外なので、注意してください。申し込みは、奈良国立博物館のサイトからです。

 正倉院展へは、もっと安く!

 正倉院展の楽しみ方

 「正倉院」も見てみよう

 正倉院周辺の散歩道:裏参道(10/26掲載予定)

 2001年(第53回)の情報 

 2000年(第52回)の情報 

 1999年(第51回)の情報 

 1997年(第49回)の展示品

 1995年(第47回)正倉院展案内


奈良国立博物館正倉院展リンク集

年度


"Kirium"掲載正倉院展関連記事一覧


日付 ページ タイトル
2001.10.27 TNG16 161-164 第53回正倉院展特集"Kirium"TNG16号(PDF)
2000.10.31 TNG13 153-156 第52回正倉院展特集"Kirium"TNG13号(PDF)
99.10.16 TNG07 129-132 第51回正倉院展特集"Kirium"TNG07号(PDF)
97.10.25 26 105-106 第49回正倉院展
96.10.31 18 71-72 行ってみよう! 第48回正倉院展
95.11.12 12 48 Speakers' Corner 「バンコク新さん」
95.11.10 10 40 Speakers' Corner 生徒の保護者の投稿
95.10.22 9 36 第47回正倉院展案内

作者桐谷育雄のホームページも見る

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