映画『眠る男』感想コメント紹介

 募集を始めた、『眠る男』の感想も、生徒たちや卒業生から、だんだん、集まっています。この映画の多様な解釈を通じて、人々の魂が触れ合うことが出来たら、本当にうれしく思います。
 まだ、少ないので、一ページに全て表示しますが、出来れば、たくさん集まりすぎて、複数ページにわたるようにしたいものです。どうか、映画を御覧になった方は、感想のコメントを寄せてください。
 また、このページへの感想への感想も、大歓迎です。


「眠る男(9/13) 30527 安井広陵
 期待を胸にテレピアホールへ。最近やりきれないこと多々あり。故にこの映画を見て、人間について考え結果的に元気になろうと思っていた。
 さて始まった。まあ初めは場面把握とストーリーを同時に読まなくてはならないので、集中。南の女性と、オカリナの人と、水車のじっちゃんと、上村の言葉に味があろうことは分かるのだがそれ以上はよく分からない。もう少し経ったら見えてくるんだろなあ、と思いながらわくわくして見ていた…。が、そのまま終わってしまった。
 これには参った。はっきり言って何も分からなかった。僕は明快なストーリを期待していたわけではなく、むしろ終わった後に余韻が残って、考えさせられるようなものを見たくて「眠る男」を選んだが、考える以前に分からない部分が多すぎるというより全然分からない。唯一、上村の「人間って、大きいんかい、小さいんかい…」という言葉を言う前の、岩山に登って丸い虹に影が映っている場面で「ここであの言葉が出るな」と直感的に分かった。
 家へ帰りもう一度Kiriumを読み直してみたら、少し成長した気がした。この映画はこれから生きていくうちに少しずつ「ああ、あの時はこういうことを言っていたんだ」と分かるタイプのものだと信じている。

P.S. 今日のようにまともに映画を見たのは初めてです。1500円は高いと思いました。次は「宮澤賢治」を見たいと思います。」

「木の切り株から、何年かたって、新しい芽ばえがおこる場面と、眠っている男との関係が一番印象的だった。」

「自然の素晴らしさが、いっぱいつまった作品だと思います。一言で言うなら。私たちが劇場でなんとも言えない感動をうけるのは、この映画のなかには、私たちが森にすんでいたころの記憶に語りかけてくるからなのかなって思ったりします。あの映画のなかには、私たちがさがし続けている、もっとも私たちが愛している、でも、私たちはいまだにそれに出会ったことがないなにかがあるんだと思います。だから、あんなに”なつかし”い映画なんじゃないでしょうか。
 この映画を見終わった瞬間の充実感、幸福感は今までに味わったものとは違ったものでした。しばらく余韻がのこって消えませんでした。なんだか、わけもわからず幸せな気分でした。自分でも不思議なくらいに…。
 わかるとかわからないとか、難しいとか難しくないとか、そういう”もの”を見るような見方をする映画じゃなくて、むしろこれは、現実に自分の人生に起こった一つの出来事としてとらえるべき映画ではないかと思います。事実、この映画は、自分とは実際に関係ない、”現実”でさえもない出来事なのにそれでもわたしに親しく語りかけ、なつかしさ、郷愁みたいなものまで感じさせてくれるのですから。
 映画は語りかけてくるのに、残念なことにわたしは直接答えることができません。しかし、映画の言葉を<B>聞いた</B>人はたくさんいます。幸いなことに僕の周りにはきっと、たくさんの”言葉を聞いた人”がいるので、僕はその人達とこの作品について機会があれば語り合いたいと思います。そうすることが映画の語りかけに答える唯一の手段だと思うからです。
 もうこれから一生映画を見にいくかどうかわからないくらい映画とは縁遠いわたしですが、この作品はものすごくよかったと思います。きっと自分の気付いていないところで、自分の人生に大いに影響を与えていく映画だろうと思います。どんなところでそれに気付くのかを想像すると、楽しみです。
 最後にこの作品との出会いのきっかけを作ってくださった桐谷先生、ありがとうございました。
 明和高 宮嶋」         
 「Kiriumで感想を募集しているとのことでしたので、自分なりの感想を書こうと思っているのですが、試験期間中ということで、まだ、完成していません。
 感想ではありませんが、自分が一番印象に残っているのは、「魂」について触れられている部分です。「眠る男」の鼻から蝿が飛び出したことを子どもから聞いた傳次平が「魂が散歩に行く」と表現したところや、「眠る男」の魂が抜けてゆくのを母親が気づき、それを皆で呼び戻そうとするシーンは、様々なことを自分に考えさせました。それから床屋さんと洋服屋さんの二人の描写も、自分の中では色々な解釈が生まれ、考えることが好きな自分には、見終わったときに、これまでにない思いがこみ上げていました。
 もう一度見てみないと、しっかりとした感想は書けそうにありません。試験が終わってから、機会があれば、もう一度じっくり見てみたいと思っています。しっかりとした感想が書ければよいのですが・・・。」

 私は、映画を見終わり、外へ出たとき周りの歩く人の速さ、車のスピードについていくことができなかった。
 そう、まず”頭”ではなく、”からだ”が感じたのは、映画全体のスピードがとてもゆるやかなことだった。だから、街のはやさに違和感を感じたのだろう。

 この映画では、人間⇔自然、生⇔死の間は、分断されているのではなく、つながっている、または、橋渡しをするものが、自然に存在しているのだなあ、と感じた。今、自分は”人間”であり、”生”として存在している。そんな私が、例えば、妙に自然環境保護を訴えてみたり、必要以上に死に対して恐れを抱いている。対と考えてしまうのも”人間に対して自然、死に対して生”と構えすぎているのかもしれない。
 自分が”人間として”、”生きている”ことがさぞかし尊重されねばならないもののように、、、。
 例えば、南の女の人が1人で山のなかにいるとき、また魂が抜けていったとき魂呼びをしてみるなど、このなかの彼等はとても肩の力を抜いて、自然、死に接していた。
 命はめぐるもの、と自然に、流れに乗ることのできる登場人物たちに、ああ、今私はこんなことを忘れていたのかと、そのような自分を情けないと思う一方で、こんな風でいいのだ、となんだかほっとさせられた。

 何回みても、どこか発見のある、またみてみたいと思わせる魅力のある映画だった。

    杉山 祥代

 いくら考えても、「眠る男」についての感想をまとめきることがむずかしくてしょうがない。こんな時、自分の文章力の不足を棚に上げて言葉の不自由さを呪うのですが、まあこれは蛇足。
 「眠る男」が僕の中に想起させたテーマ「日常性」。冬にはじまり、春がきて、夏がきて、何も特別なことが起こるわけでもない。「眠る男」の死でさえも、それはごく自然な出来事であったのではないでしょうか。至極淡々と(いや着々というべきか)、流れゆく時間というものの存在を、どう受けとめるべきかと考えてしまいました。
 時間というものはやはりそのもの自体が自然という存在の一部であると考えるべきか、またはその逆、はたまたそのどちらでもあるとすべきでしょうか。「日常性」という言葉は、ごくあたり前の出来事の連続をさしていいますが、「ごくあたり前」というのは実は謎に、神秘に、美しさにみちていることをさすのではないでしょうか。
 「眠る男」に出てくる群馬の山あいの自然や、小さな街なみ、「月の湯」、水車小屋、数えあげればきりがありません。どのシーンにもハッとさせられる「力」がそこにはありました。と同時に、自らの「日常」にも同様の「力」があってもおかしくない、いやあるはずだと思いました。ものの見方とはこれほどにも対称に影響力があるのだと、ここに小栗監督のすばらしい「目」に敬意の念を抱かざるを得ません。
 書くべき、また書きたいことは、まだまだたくさんありますし、今まで書いただけでは、僕の「眠る男」観は、全く伝えられていないといってよいでしょうが、OUT PUTする為の頭の回転がついていきません。
 ただ、それほどまでに、さまざまなことを考えさせてくれる映画でありました。まだ頭の中が混沌としていて、いつまでたってもまとまらない状態で感想を述べることは、はずかしくさえもあるおです。が、ただひとつ自信をもって言えること。それは「もう一度じっくり見たい。そして考えたい。
    梶山靖朗

 感想を書きたいのですが、書いてしまうと、何となく偽善っぽくなってしまうような気がして、心の中に大事にしまっておきたい!
 言葉で表したくない!
 つまり、私にとって、そう思われる作品でした。
    ペンネーム「x=NO」学生、(名古屋市)中村区、17才

 「眠る男」見に行ってきました。
 新しい分野の映画に出会うことができました。
 すばらしい自然と、選ばれた数少ない言葉の中にあるメッセージを、私は私なりにいろいろと考えましたが、その考えを言葉にすることができません。すごく悔しいです。他の人の感想が楽しみです。
 つまらなかったという声も聞いたし、確かに難しい映画だと思いますが、高校生なら高校生なりに、見て、考えてみる価値のある映画だと思います。桐谷先生が言っていたように、見るたびに気づく事がある映画なのだろうと思います。
    松村有記 

大募集 『眠る男』の感想

 次号(十一月上旬)では、『眠る男』の感想特集をしてみたい。短くても長くてもよいので、名前またはペンネームその他、職業とか住む町とか年齢とか差し障りないものを書いて、E-Mail、郵便、FAX、手渡しで、どうぞ。
 締切は10月末。届き次第このページで、どしどし公開したい。

What's New Home Travel Tips & Tricks Books Music about us



ご意見やご感想はkirium@pisces.bekkoame.or.jpへどうぞ
 * * * * * * 
Presented by Ikuo Kiriya

(c)1994-6 桐谷育雄 All Rights Reserved.