低温度差ソーラースターリングエンジン


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 太陽熱でスターリングエンジンを動かそうという考えは古くからあり、宇宙用など本格的な研究が国家プロジェクトのもとで行われてきました。その大半が反射鏡などで太陽光を集光し、高温熱源として利用していました。しかし当研究室にて研究を行っているソーラースターリングエンジンは集光を行わず、太陽熱を低温熱源として作動するエンジンです。スターリングエンジンの熱源の多様性がここでも活かされています。

特徴
 このスターリングエンジンは集光を行いません。たしかに集光を行うと加熱部を高温とすることができ、熱効率も向上するのですが太陽の方向を常に追尾しなければならなくなります。そのための機構は複雑なものとなり、せっかく得たエネルギの一部を消費してしまいます。また年間日射量のほぼ半分を占める、散乱日射を利用することができません。それに対してこのエンジンには、曇った日の散乱光も吸収することができる平板型集熱器を採用しています。

その必要性
 集光を行わない構造のため、コスト面、メンテナンス面などで有利なものとなり、途上国などでも利用されやすいと思われます。具体的には地下水の汲み上げポンプなどで、その場合太陽エネルギ利用と需要とを最も一致させたシステムとすることができます。太陽電池などでも同じようなシステム構築が考えられますが、太陽電池の効率が現在のところ最大でも20%程度で、しかも高価なのに対し、スターリングエンジンは理想的には40%の効率が期待できます。


試作ソーラースターリングエンジンの構造

試作ソーラースターリングエンジンの性能


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