Tour 2003.12〜2004.1

南天の星を求めて

Office Kenji
- Star Watching Tour 2003-2004 -

(C)2004





2003年12月28日(日)

こちらへ来て3日目。 そろそろ天気が回復しないと困ってしまいます。 昨夜も時折スコールがあったようで、窓をたたく雨音に目が覚めました。 しかし、しばらくすると雲が切れてきて、弱いながらもベランダに日差しが差し込みはじめました。

▲窓の風景
▲部屋で機材点検

早速サンセット・ビューイングと呼ばれる駐車場に立ち寄り、それからエアーズロックに出かけることにしました。 駐車場は、国立公園の入口方面から最初に右手に一つ(バス用)、続いて左手に(一般車用)一つ、計2箇所が用意されています。 エアーズロックをおなじみの姿で見ることができる観望専用の場所です。 バス用は少し離れていますので、エアーズロックがやや小さめに見えます。 日が差し出すとさすがに気温がどんどん上がり、しかも雨で地面には水分がたっぷり含まれていますからすごい湿度になってきました。

エアーズロックの近くまで車で移動し、昨日とは違うポイントを歩くことにしました。 散策路を歩くと、無邪気なアボリジニの子ども達がやってきて、「カメラを見せて」とか「写真を撮って」と言いながら(もちろん英語で)ついて来ます。 前回来た時のことが思い出され懐かしくなりました。 空腹になってきたので、一度エアーズロックリゾートに戻り昼食を済ませ、それから夕方また出かけることにしました。

▲駐車場から
▲散策路にて
▲散策路にて
▲池

午後は、エアーズロックに夕陽が当たる写真の撮影です。 (本当は星の写真を撮影したいのですが・・・) 日没時刻が現地時間で19時半頃ですから、灼熱の中、ハエと戦いながら待つことになります。 ハエのしつこさは相当なもので、顔にも寄ってくるので、イライラして我慢できるものではありません。 そうえいば、南天には「はえ座」という星座があるのですが、きっとそんな体験がもとになって天にでもあげてしまったのでは・・、とつい考えてしまいました。

▲観光案内所
▲道路

上写真左側は、リゾートにあるビジターズ・センターです。 付近の自然を解説した簡単な展示と売店があります。 上写真右は、付近の道路を撮影したものです。 写真ではわかりにくいかも知れませんが、舗装は粒の小さな小石が固められていて、手をつくとちょっと痛いぐらいです。 高温によるアスファルトの融解を防止するためでしょうか。

今日になって、やっと青空のもとエアーズロックを見ることができました。 日没までのひととき、訪れた観光客から撮影機材の質問を受けたり、記念撮影の手伝いをしながら時間をつぶします。 暑さのあまり今日一日で1リットルの水を飲んでしまいました。

▲エアーズロック

下の写真は夕陽で紅くなったエアーズロックです。 19時29分撮影。 これが観光ポスターなどで使われる有名な写真のパターンです。 ただ、南半球なので、太陽はかなり南寄りに沈み、大きな影ができてしまうようです。 日本の夏、すなわちオーストラリアの冬に撮影したほうがより全面紅く見えるはずです。 周囲9.4km、高さ348m(ちょうど東京タワーを少し高くしたぐらい)の規模で一枚岩ですから超巨岩です。

▲紅く染まるエアーズロック

ここから見るエアーズロックは、どうも「犬の昼寝」とか「カバの昼寝」とかに見えてしまいます。 そう思うと妙に親しみを感じてしまいます。

▲犬の昼寝岩

いよいよ天気が回復してきたようです。 夕陽が美しく沈んでゆきました。 時間をおいて月、金星、火星・・、そしてシリウス、カノープスと星々が輝き出しました。 この場所で9時まで撮影して、夕食後様子をみることにしました。 しかし、雲が所々に広がり写真撮影できずに今日も部屋に戻りとりあえず夕食。 そしてテレビの天気予報を見て仮眠し、最初の天体写真撮影の晩となりました。

▲夕陽
▲夕陽

場所はリゾートの光害を避けて、アリススプリングス方面へハイウェイをしばらく走らせた場所です。 ここは以前にも観測場所として利用したところで、国立公園のレンジャーの方に教えてもらった場所です。 車を道端に停め、機材を出すと、ランプに沢山の昆虫が群がります。 特に蛾の類はすさまじく、もしも昆虫採集を目的に来ていたら大収穫といったところです。 晴れ間が少しづつ拡がり、小型赤道儀(ケンコー・スカイメモR)の極軸をはちぶんぎ座の恒星に合わせ撮影開始です。 平行して、6×7判カメラ(ペンタックス67)で固定撮影も行います。

▲2003年12月29日午前4時00分の南東の空

みなみじゅうじ座、マゼラン雲など懐かしい天体との再会に興奮気味でした。


←前の日へ  ▲サウザンクロスの写真館2トップへ戻る  →次の日へ



メインページへ

宮沢賢治のページへ

☆星のページへ

△山のページへ

kakurai@bekkoame.ne.jp