宮沢賢治の上京は、回数にして9回であったことが知られています。
それぞれの意味するところについては、年譜研究を始めとして数多くの先行研究が存在しますので、そちらを読んでいただくこととして、このコーナーでは賢治来京時の資料を整理し、あらためて「今」の賢治の足跡を再訪して確かめてみたものです。
つい最近まで、賢治のいた当時の面影が残っていたものも、いつの間にか取り壊しとなっていたり、その後に建ったビルさえもまた新たに建て直しになっていたりして驚くばかりです。
これから先もますます大きな変貌をとげることが予想されます。
奥田弘氏による労著「宮澤賢治の東京における足跡」(宮澤賢治研究叢書2「賢治地理」小沢俊郎編(學藝書林、1975)などの資料を参考に、あちこち歩き回ってみました。
これから足跡を訪れる方に参考になるように、写真や地図などを添えてご紹介いたします。
以下の地域別のメニューからご覧ください。
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〔東京独逸学院/神保町/ニコライ堂/万世橋の停車場/水晶堂/金石舎/上州屋/タイピスト学校/東京国際倶楽部/上州屋/日活館/須田町食堂/八幡館〕
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〔三井銀行(三越)/日本橋/本石町/宮城館(両国橋)/明治座/小林六太郎宅〕
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▲都心の地図(現代)
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以下は、「「宮澤賢治の東京における足跡」を歩く」の利用案内です。
[各項目について]
■時期:
賢治の上京した回、その期間、年齢、身分を示します。
(年譜研究の上でもはっきりしていないものがあり、一部推定も含まれます。)
■年譜:
【新】校本宮澤賢治全集年譜の記録です。
■関連作品など:
足跡を特定する手がかりとなる、書簡や作品です。
■当時の住所:
賢治の上京した時期の住所です。
複数回上京している場合には、住居表示が変わっている場合もあります。
また関東大震災や戦災を通じて、区画整理が行われ、当時の正しい場所が把握不可能な場合もあります。
□現在の住所:
賢治の足跡の現住所です。こちらも詳細が特定でききない場合があります。
その場合には大まかな住所で記載しています。
[地図について]
以下の画像をクリックすると、インターネット上の地図を参照することができます。
(株)マピオンによる地図です。
拡大率が高いので、現地を訪問する際に利用すると便利です。
(株)グーグルによる付近の衛星写真地図です。
拡大率はあまり高くありませんが、付近の土地利用状況や、景観をイメージする手助けになります。
画像の表示場所がよくわからない場合には、右上にある「マップ」と「サテライト」のボタンで交互に切り替えながら確かめてみてください。
[主要参考文献について]
奥田弘著「宮澤賢治の東京における足跡」(宮澤賢治研究叢書2「賢治地理」小沢俊郎編(學藝書林、1975)/
奥田弘著「宮沢賢治研究資料探索」(蒼丘書林、2001)/
渡部芳紀著「宮沢賢治名作の旅」(至文堂、1993)/
佐藤竜一著「宮沢賢治の東京」(日本地域社会研究所、1995)/
福島泰樹著「宮沢賢治と東京宇宙」(NHKブックス、1996)/
福島泰樹著「賢治幻想」(洋々社、1996)/
佐藤勝一著「帆船のロマン」(イーハトヴ・エスペラント会、2002)/
槌田満文著「東京文学地名辞典」(東京堂出版、1997)/
宮本和義+建築知識編集部「建築グルメマップ1[東京編]東京を歩こう」(エクスナレッジ、2001)/
田中聡著「人物探訪地図から消えた東京遺産」(詳伝社、2000)/
「わたしたちのランドマーク赤レンガの東京駅」(谷根千工房、1988)/
永田博著「東京駅ものがたり」(雪華社、1983)/
交通博物館編「交通博物館のすべて」(JTB、2001)/
林順信・吉川文夫著「東京市電名所図絵」(JTB、2000)/
石黒敬章著「ビックリ東京変遷案内」(平凡社、2003)/
「古地図ライブラリー別冊古地図・現代図で歩く明治大正東京散歩」(人文社、2003)/
「古地図ライブラリー別冊古地図・現代図で歩く昭和東京散歩」(人文社、2003)/
KANDAルネッサンス編集部企画・編集「神田まちなみ沿革図集」(第一書林、1996)/
「神田300年地図」(中西隆紀事務所、1999)/
「KANADAルネッサンス」(NPO法人神田学会)/
「木挽町界隈」(銀座六・七丁目東町会記念誌、1985)/
月刊誌「散歩の達人」(交通新聞社)/
月刊誌「東京人」(都市出版)/
にちぶんMOOK「荷風7特集神田・神保町・お茶の水」(日本芸文社、2006)/
企画展図録「「東京」ノートの〈東京〉」(宮沢賢治記念館、1995)/
「賢治の歩いた東京」(宮沢賢治学会イーハトーブセンター春季セミナー資料、2002)/
「東京の戦前・昔恋しい散歩地図」(草思社、2004)/
「はいまっぷ住宅地図」(セイコー社、2001)、
ソフトウエア「ゼンリン電子地図Z」/
ソフトウエア「カシミール3D(DAN杉本)」
などを参考にしました。
[その他]
国立国会図書館、茨城県立図書館、千代田区立図書館、台東区立図書館、宮沢賢治記念館、宮沢賢治イーハトーブ館、交通博物館、(株)聚楽ほかの協力をいただきました。
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