緑いろの通信 2023年1月
   

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緑いろの通信
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(C)1996-2023


- 緑いろの通信 2023年1月 目次 -


緑いろの通信

 「緑いろの通信」へようこそ! 2023年1月号をアップしました。 今月の写真は、諏訪湖で撮影した鴨です。 湖岸の空き地(公園)に多数の鴨が芝草(?)を食べていました。 また、新しい1年を迎えることになってしまいました。 本年もまたよろしくお願いします。




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緑いろの通信

 新着情報でも更新ページを知ることができますが、少し紹介を加えたりしてプラス・アルファの書き込みです。 日付を付けて書き加えますので、時々のぞいてみてください。


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1月1日(日)
晴れ。

 新年あけましておめでとうござます。 夜明け前になると、昨夜からの雪雲も切れて、青空が見えてきました。 (昨年同様のお天気です) 初日の出を見るために、雪の高見石を途中まで登ってみました。


(日の出前の中山 2022年1月1日撮影)

 元旦の日の出は、高見石から見て南側にある中山(2,496m)の東側の肩、にゅう(2,352m)の岩山の横からとなります。

 計算上はすでに日の出時刻を過ぎていますが、手前に山があるため、太陽光は空の高い場所にある雲を照らしています。 とても幻想的です。


(日の出直前の光環 2023年1月1日撮影)

 空の雲を赤く染まる様子を眺めながら待っていると、あっという間に太陽が出てきました。


(初日の出 2023年1月1日撮影)

 注意して岩を下り、小屋の入口の温度計を見ると気温は-9度でした。 昨年より、10度近くもあたたかい朝でした。 (昨年は-18度) 小屋の中はストーブで暖まっています。 今日は元旦なので特別メニューで朝食は、おせちとお雑煮。


(おせちメニュー 2023年1月1日撮影)

 高見石の上から眺める白駒池は、雪解けが感じられるくらいでした。 これから、雪が降れば本格的な純白の世界になるかと思います。


(白駒池 2023年1月1日撮影)


(樹氷 2023年1月1日撮影)

 登山道を戻って、再び高見石の岩に登ってみました。 雪に閉ざされた白駒池や、浅間山、日光の山々、遠く関東の筑波山まで肉眼で確認できました。 関東全体が良く晴れているようです。

 夕食後は、雲が出てしまったため、今夜も星空解説は屋内で。 この時期、しぶんぎ座流星群の観察好機となります。

 夜半前に天体写真を少しだけ撮影。

 イベントの打ち合わせなども行って、部屋に戻り温まって就寝となりました。

1月2日(月)
 曇りのち晴れ。

 早朝5時過ぎに起床。 昨晩は、静かに雪が降っていたようです。 早朝、少し(10センチ未満)雪が積もっていました。

 今日は下山日なので、注意が必要です。


(早朝の山小屋前 2023年1月2日撮影)

 朝食後、小屋のみなさんにお別れして、渋の湯方面に下山。 森を抜けて、賽の河原(積雪時の難所)を経由して温泉場の登山口まで下山します。 出発は8時過ぎ。


(下山道(1) 2023年1月2日撮影)


(下山道(2) 2023年1月2日撮影)

 何度か、雪の穴に落ちながらも渋の湯温泉に到着。 ちょうど、女将さんが駐車場への誘導に出ているところでした。 茅野駅から温泉前までの林道が工事のため、15分ほど雪道を歩いて仮設のバス停留所から乗車。 10時35分発。

 少し早く着いたので、早目の列車で移動。 小淵沢駅を経由して清里高原の清泉寮まで。 ここで引き続き天体写真の撮影です。

 日が暮れると、南空高くに明るい月が出ていました。 風景も昼間のように明るく写ります。


(日没後の牧場 2023年1月2日撮影)

 この写真では火星と木星が写っています。 遠くには甲府の街と富士山も。

 おおいぬ座のシリウスを下にたどると、地平線近くにカノープスを見つけることができました。


(甲府の上空のカノープス 2023年1月2日撮影)

1月3日(火)
 晴れ。

 高原は冷え込みましたが、山中に比べれはそれほどでもありません。 風もほとんどなく、むしろ暖かな朝かも知れません。

 南には富士山がくっきりと。


(富士山 2023年1月3日撮影)

 そのまま、右手(西)を見れば、日本第2の高峰、南アルプスの北岳(2,899m)も見えています。


(北岳 2023年1月3日撮影)

 新年にふさわしいロケーションですね。残念ながら日本第3の標高を持つ奥穂高岳は八ヶ岳の裏側で見えません。

 遮るもののない東の地平線から昇る太陽の光を受けて、遠くの山々が染まります。 北には、雪に包まれた八ヶ岳の最高峰赤岳(2,899m)が見えました。


(赤い赤岳 2023年1月3日撮影)

 赤岳山頂を拡大したら、赤岳頂上山荘が確認できました。 頂上にある山小屋です。 冬期休業中ですが、2名ほど登山者の姿がありました。 (「赤岳頂上山荘」はこちら


(赤岳頂上山荘 2023年1月3日撮影)

 宿を片付けて、早い電車で帰宅。 冬の山行は終了です。

1月4日(水)
 晴れ。

 山から戻っての写真の整理など。

 昨年末にあった郡山の藤井旭さんのこと、ネットのニュース記事などにも数多く掲載されていました。 「【1月4日付編集日記】藤井旭さん」はこちら(福島民友2023年1月4日)

 初めてお会いしたのは、毎年8月に福島県浄土平で開催された天文イベント「星空への招待」(1980年・第6回)会場でした。 現在各地で行われている天文イベントの最初のものです。

 すでに人気のイベントになっていて、参加者が1000名ほどに増えたとはいえ、兎平駐車場だけで開催可能で、まだ参加者それぞれに一体感がある時期でした。 藤井さんはあまり表には出ず、終始裏方としてイベントの進行に従事していましたが、本部テント前の人の輪(シート上)に藤井さんがやってきて、そこで天文アマチュアとプロの研究者の違いのことなどお話をしたのが初めてでした。 その頃は、チロも元気で会場をあちこち歩きまわっていました。 それ以降、毎年8月の「星空への招待」の時期にはお会いする機会に恵まれました。

 個人的なお話となりますが、その後の天文に関する取り組みで拡がりをもった活動や、福島に40年近く通い続けたことなど、それらの始まりはこのイベントに由来するもので、そう考えてみると発案者のお一人である藤井さんには感謝しなければなりません。


 昨年、山に出かける前に注文しておいた本の幾冊の中には、お決まりの藤井さんの本も含まれていました。 これらも来年にはないのですね。


(星空ガイドと藤井旭の天文年鑑 2023年1月4日撮影)

 写真は「星空ガイド2023」「藤井旭の天文年鑑スターウェッチングガイド2023年版」です。 (「藤井旭の天文年鑑」の方は、浄土平で郡山の岡田さんに1987年版いただいて以来お約束として)

 自宅の天文書のリスト(主に単行本)から、藤井旭さんの著書分(共著含む)を掲げておきます。

 天文学への招待 村山定男(共著) 河出書房新社 1969
 天体写真の写し方 誠文堂新光社 1970
 星雲星団ガイドブック 誠文堂新光社 1971
 広角レンズによる星野写真集 誠文堂新光社1971
 透視版星座アルバム 誠文堂新光社 1972
 星座への招待 村山定男(共著) 河出書房新社 1972
 カラーアルバム星空の四季 誠文堂新光社 1973
 星日記 1974 村山 定男(共著) 河出書房新社 1973
 星座ガイドブック 春夏編 誠文堂新光社 1974
 星座ガイドブック 秋冬編 誠文堂新光社 1975
 星の旅 河出書房新社 1976
 ふじい旭の新星座絵図 誠文堂新光社 1976
 星座図鑑 河出書房新社 1977
 藤井旭の天体望遠鏡ABC教室 誠文堂新光社 1978
 全天星雲星団ガイドブック 誠文堂新光社 1978
 すばらしき星空の饗宴 三田誠広(共著) 大和書房 1979
 星座早見セット 誠文堂新光社 1980
 宇宙への招待(河出文庫) 河出書房新社 1981
 天体観測図鑑 河出書房新社 1981
 星になったチロ ポプラ社 1984
 ハレーウォッチング日本ハレー協会観測ガイド 日経サイエンス 1985
 天文ガイド版星座早見 誠文堂新光社 1985
 星の旅(河出文庫) 河出書房新社 1986
 新透視版星座アルバム 春夏編 誠文堂新光社 1987
 新透視版星座アルバム 秋冬編 誠文堂新光社 1987
 図説・全天星座入門 立風書房 1987
 宮沢賢治星の図誌 斎藤文一(共著) 平凡社 1988
 藤井旭のスターウォッチングガイド銀河鉄道へのキップ 山海堂 1990
 マルチメディア天文図鑑 渡部潤一監修 アスキー 1996
 ヴィジュアル版星座への招待 村山定男(共著) 河出書房新社 1998
 VISIBLE宇宙大全 作品社 2000
 賢治の見た星空 作品社 2001
 星座大全 春の星座 作品社 2003
 星座大全 夏の星座 作品社 2003
 星座大全 秋の星座 作品社 2003
 星座大全 冬の星座 作品社 2003
 星空の地図 PHP研究所 2007
 星座の探し方ガイド 学研プラス 2011
 日食メガネ付き! 藤井旭の日食観測ガイド 誠文堂新光者 2012
 星と暮らす。 誠文堂新光社 2012
 星座が光る星座早見 誠文堂新光社 2014
 白河天体観測所  誠文堂新光社 2015
 月と暮らす。 誠文堂新光社 2019

 1970年代、80年代には、天文書といえば藤井さんの著書を読んでいました。 これらの資料を使って、小学生時代に授業で発表したり、その後も自主イベントの資料作成で度々お世話になりました。

 2015年刊行の『白河天体観測所』(誠文堂新光社)は、藤井さんの活動の拠点となった観測所での長い活動の軌跡が一冊にまとめられているものとして、優れた読み物と思います。 その時々の状況を共有してきた天文愛好家も多いのではないでしょうか。 (白河の観測所は、確か1983年に一度だけ岡田さんに連れられて訪問したことがあります。 私自身も写真にちょっとだけ出していただいたり、賢治関係では保阪嘉内の「ハーリー彗星の圖」の掲載もあり、親しみのある一冊です)


(天文書の数々 2023年1月4日撮影)

 その他、年鑑類、数多くの天文誌(月刊天文ガイド(1965.7〜)、星の手帖(1978夏〜1993春)、スカイウォッチヤー(1983.8〜2000.9)、星ナビ(2000.11〜))にも記事が掲載されていました。 天文誌以外にも、「山と渓谷」1990年9月号の特集記事、「夢の山小屋」における吾妻小舎の紹介記事などは思い出深いところです。

 自宅にあった古い「天文ガイド」誌、1968年7月号の表紙を見ると、藤井旭さんによる「こぎつね座新星」(写真ではわかりにくいですが、や座やはくちょう座のアルビレオとともに撮影されたもの)でした。 記事としても「南十字星を見に行った話」(同行者は品川征志さん)が掲載されています。 これを見ても早期から活躍されていたことがわかります。


(1969・70年代の古い「星空ガイド」誌 2023年1月5日撮影)

 加えて、藤井さんの宮沢賢治関係の書籍、記事等を掲げておきます。

 宮沢賢治*星空のシンフォニー 写真・文
 宮沢賢治星の図誌 斎藤文一(共著) 平凡社 1988
 賢治の見た星空 作品社 2001

「月刊天文ガイド」2006年1月号(誠文堂新光社)付録「宮沢賢治の銀河鉄道物語」写真
「月刊天文ガイド」2011年9月号(誠文堂新光社)記事「藤井旭が行く 宮沢賢治と銀河鉄道の夜」
「月刊天文ガイド」2015年6月号(誠文堂新光社)記事「藤井旭が行く 宮沢賢治さんのイギリス海岸で青い皆既月食を見て撮る」
「月刊天文ガイド」2017年9月号(誠文堂新光社)記事「藤井旭が行く 銀河鉄道のナゾ解きに「銀河鉄道の夜」の舞台 岩手県矢巾町・南昌山に登る」

 さらにネット上の記事としていくつか藤井旭さんのものを2件ほど掲げておきます。

・「あの人が選ぶ思い出の彗星 ― 藤井旭さん「ベネット彗星(1970年) C/1969 Y1」」はこちら(AstroArts)
・「天文教育普及賞を受賞して」はこちら(日本天文学会・天文月報2021年3月号)

1月5日(木)
 晴れ。

 天文二誌を購入しました。


(天文二誌 2023年1月5日撮影)

 『天文ガイド』2月号は、特集が「南極老人星カノープスを見よう」です。 特集記事の執筆は牛山俊男さんです。 写真撮影のポイントなどが書かれています。 ほかに3月24日の金星食、4月20日の金環皆既日食の情報など。
 『星ナビ』2月号は特集記事が二本立てで「星空にマニアが集う」と「みんなで合作!天体写真」です。 秋の天文イベントと、パノラマ合成を用いた同一天体撮影のレポート。 平塚の塚田健さんの「天文外史 星になった民具たち」の記事が良かった。

 少し前でしたが、残念な記事もありました。 北海道苫小牧にある斉藤征義の宮沢賢治と詩の世界館の閉館です。 (「宮沢賢治関連の蔵書多数 苫小牧の「詩の世界館」閉館」はこちら(北海道新聞2022年12月25日))

 昨年2月に訪問した時には、冬期休館中で見学できませんでした。


(宮沢賢治と詩の世界館 2022年2月12日撮影)

1月6日(金)
 晴れ。

 朝は冷え込みました。 早朝、道を歩いていたら、幻日が見えたので、ちょっと撮影してみたら大きな暈が写りました。


(暈のある風景 2023年1月6日撮影)

1月7日(土)
 晴れ。

 自宅で作業。 仕事と家事。

 抱影の『星三百六十五夜 冬』(中公文庫)、今日の記事は「七草」。 1月7日は「春の七草」の日です。

 七草の日というと、毎年思い出すのは、「皮張り星」という星である。 何の味もない名だが、そのいわれがわびしくも哀れであるためか、何年か前その話を聞いた七草の日が、雪のあくる日でまだ降りたりず、どんよりと曇っていて、往来によごれた雪の山が片寄せてあった景色まで眼に残っている。

 この皮張り星のエピソードを知人から聞いた時の想い出、星の印象が語られています。 皮張り星の正体は、からす座の4星で、なんと「ムジナの生皮をひろげて四つの足に釘を打ち、壁に貼りつけた形という。 雪深い山峡の木樵小屋の話だそうだ。

 偶然にも、ギリシャ神話の烏は、天に4本の釘で打ち付けられた姿と言われる。 ムジナとからす、なんとも哀れなお話。


(からす座)

1月8日(日)
 晴れ。

 仕事疲れで外出。 空気はさわやかでしたが、疲労は消滅しません。


(風景(1) 2023年1月8日撮影)


(風景(2) 2023年1月8日撮影)


(風景(3) 2023年1月8日撮影)

 今日の印象的な3枚の写真でした。

1月9日(月)
 成人の日。晴れ。

 お茶の時間。 久々かも知れません。


(コーヒーとケーキ 2023年1月8日撮影)

 今年も10日が過ぎようとしています。 藤井旭『アストロガイド2023』の1月には肉眼彗星の話題ということで、表紙にも彗星の写真が使われています。 クレジットを見たら「百武彗星(小石川正弘)」とありました。


(『アストロガイド2023』 2023年1月9日撮影)

 彗星の核に合わせてガイドするメトカーフ法による撮影ですので、彗星は止まって、まわりの恒星は流れて写っています。 彗星の核の運動を計算し、彗星を止めることで、核や尾の微細構造を写し撮るが可能になります。 最近では、自動化され手軽にできるようになりましたが、かつては専門性の高い撮影技法でした。

1月10日(火)
 晴れ。

 好天が続きます。 朝の空に月。

 ポール・マッカートニー『THE LYRICS』を読みました。 (昨年の11月下旬以来) 今夜は、Jenny Wern(Caios and Creation in Backyard)〜The Kiss of Venus(McCartney III)まで。

 Jenny Wernはみそさざいという鳥の歌。 あのブラック・バードと会話しながら書いた。 Jetは牧場で飼っていたポニーの歌。 マーサ・マイディアのマーサはシープドッグの歌。 Junior's Farmは、スコットランドの自分の農場の歌。 Junkは、BBCのコメディSteptoe and Sonの舞台となるガラクタ屋やジャンクヤードの影響を受けている。


(『THE LYRICS』 2023年1月10日撮影)

 『THE LYRICS』は二分冊で、A〜KまではVolume 1。 今夜はここまで。 やっと半分読了。

1月11日(水)
 晴れ。

 帰宅の夜空には猫目月。 片目で天から「ジロッ」と睨まれた。


(新年の猫目月 2023年1月11日20時45分の月)

 転居の影響で、今年は多くの年賀状が遅れての到着でした。 そろそろ年賀状引退の方々が増える世代にもなりましたが、1年に一度の近況報告も大事なことと思い続けています。

 御来賓の総天然色うさぎさん(タコつき)です。 賢治の事務所員感激!


(新年の来訪兎 2023年1月11日撮影)

 印刷博物館の「活版印刷を体験しよう」(凸版印刷株式会社)という薄く大きな冊子。 活版印刷の手順が説明されたものです。 印刷に使われた原稿が宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」となっています。 いただきもの。 これもまた感謝。


(「活版印刷を体験しよう」より 2023年1月11日撮影)

1月12日(木)
 晴れ。

 ジュフベックが亡くなったという突然のニュース。 始めて聴いたアルバムは、1975年発表のBlow By Blow(ビートルズのShe's A Womanのカバーが収録、ジョージ・マーティンがプロデュース)で、 その後1976年のWiredまででおしまい。 嫌いじゃないけれど、なぜ聴かなかったのか不思議。 (歌がなかったから?)


(Blow By Blow)

1月13日(金)
 晴れ。

 今夜は週末の仕事で泊まり。 朝の鴨たちはお気楽。


(朝の鴨 2023年1月13日撮影)

 寝る前に、ポール・マッカートニー使用楽器の研究本『ポール・マッカートニー・イクイップメント・ストーリーズ』(シンコーミュージック)を眺めて気分転換。

 ポールとしての楽器のイメージは、ウイングス時代の印象が強いので、なんといってもリッケンバッカーですね。 ストラップをつけて肩にかけると、これが案外重くて、ヘフナーとは対照的。


(『イクイップメント・ストーリーズ』より)

 緊張しているためか、疲れているのに眼が冴えてしまう。

1月14日(土)
 曇りのち雨。

 今日も仕事で泊まり(2日目)。

 YMOで活躍の高橋幸宏死去のニュース。 大学生の頃からでしょうか、楽器のシンセ・ブームとかあって、コルグやローランドからアナログシンセが次々と発売され、ポリフォニックへの移行、そしてデジタルシンセへの登場、MIDIによるコントロールなどワクワク感がいっぱいでした。 そんな時代を代表するアーティストがYMOであり、高橋幸宏でした。

1月15日(日)
 曇り時々雨。下弦。

 今日で仕事の山場はおわり。 2日間4時起きで遅くまで。 夜やっと帰宅。

 不在中、郵便物がいくつも届いていました。

1月16日(月)
 雨のち曇り。

 ネット上にはすでいろいろとお知らせも出ていますが、八王子市夢美術館で開催の「ますむらひろしの銀河鉄道の夜―前編」展が始まります。 現在刊行が進行中の「銀河鉄道の夜・四次稿編」の原画を中心とした展示です。 開催期間は、2023年1月28日(土)〜2023年3月26日(日)まで約2か月。 「前編」とありましたので、またしばらくして展示の続編=後編もある(?)ということで、それもまた期待です。 (「ますむらひろしの銀河鉄道の夜―前編」はこちら(ART AgendA))

 写真は、山形市で行われたますむらひろし展にて。


(ますむらひろし展 2022年7月16日撮影)

1月17日(火)
 晴れのち曇り。

 今日から、天文学者池内了さんの自伝本『姫路回想譚』(青土社)を読み始めました。


(『姫路回想譚』 2022年1月17日撮影)

 天文ガイド誌の連載以来のファンですが、いつもながら沈着冷静に客観視しようとする姿勢に驚かされます。 いつもの理学系、文学系のお話ではなく、ごく私的なお話。

1月18日(水)
 晴れ。

 今日から、ビートルズのインド本、アジョイ・ボーズ著『インドとビートルズ』(青土社)を読み始めました。 これもまた青土社。


(『インドとビートルズ』 2022年1月18日撮影)

 ビートルズにとってインド行はどのような意味を持つのか、複数の書籍や映像を見ることで、バンドの内側からの変化が見えてきます。 以前はメンバーの気分転換ぐらいのイメージがありました。 しかし、実はかなり違う。

   ビートルズのインド関係資料(メモ)

 (書籍)
 ・横尾忠則『インドへ』(文春文庫・1983)
   ※ビートルズに特化した内容ではない
 ・井上貴子『ビートルズと旅するインド、芸能と神秘の世界』
(柘植書房・2008)
 ・アジョイ・ボーズ『インドとビートルズ』
(青土社・2022)

 (映像)
 ・ポール・サルツマン監督
  「ミーティング・ザ・ビートルズ・イン・インド」
  (ドキュメンタリー・2022)
 ・「ビートルズとインド(前篇・後編)」(イギリス・2021)
   ※ディスクとしても発売

1月19日(木)
 晴れ。

 賢治の映画「銀河鉄道の父」、音楽はいきものがかりに。 いきものがかりが選ばれたことで、映画の目指す方向性のイメージが明瞭になりました。 (映画「銀河鉄道の父」」はこちら

 つくば星の会より、会報「星空つくば」No.390(2023年1月15日号)が到着。 新年最初の号で、今年の天文現象と例会報告、総会の案内など。


(「星空つくば」 2022年1月19日撮影)

 【100年前、1923(大正12)年1月の賢治】  前年11月27日に妹トシを亡くし、その翌年早々1月4日に、上京して寄宿中の弟清六を訪ね、自分の書いた原稿を出版社に届けるよう依頼します。 その後、国柱会館で上演中の劇(田中智学作)を観劇し、(国柱会本部を訪ねたあと)11日に帰花しています。

 この頃、弟清六の下宿のあった本郷竜岡町は、上野広小路から本郷方面になだらかな坂を上っていった辺りで、上野駅からも徒歩圏となります。

1月20日(金)
 晴れ。

 今日は休み。 自宅の用事を抱えながらも都内。

 神保町の古書店をいくつか。 悠久堂書店入口のところに、「ますむらひろしの銀河鉄道の夜―前編」展のポスターが貼り出されていました。 悠久堂書店は、山岳書、料理書、展覧会の図録などが充実している書店です。


(神保町悠久堂書店前にて 2023年1月20日撮影)

 平日の神保町なので、ランチは郷酒(郷土料理と日本酒のお店)です。 「宮沢賢治記念館通信」で神保町にお店があることを知り、なかなか行く機会がありませんでしたが今日は立ち寄ることができました。 (「郷酒」はこちら、 鈴木万美「賢治さんの里に育って」はこちら(宮沢賢治記念館通信 第126号))

 食事はもちろん良かったですが、店内の岩手&賢治を感じさせる品々にも嬉しくなりました。


(「郷酒」入口にて 2023年1月20日撮影)

 銀座に出て、松屋で開催中の「アニメージュとジブリ展」を見学。 知らない作品(内容)も多いですが、若き日の高畑さんの写真も見ることができました。 以下写真は、撮影許可エリアにて。 (「アニメージュとジブリ展」はこちら(公式サイト))


(「アニメージュとジブリ展」にて 2023年1月20日撮影)


(「アニメージュとジブリ展」にて 2023年1月20日撮影)

 あまりなじみのない世界でしたが、楽しめました。

 帰宅したら、注文していた村松健の新譜が届いていました。 発売日前の到着。 本作で50枚目といいます。 タイトルは、「Go Around!」です。


(新譜「Go Around!」 2023年1月20日撮影)

   村松健アルバムリスト(メモ)

【アルバム】
 1983
  Still Life Donuts
 1984
  +BLUE
  季節と七つの物語〜ピアノとゆるやかな時間〜
 1985
  緑の想い
 1986
  夏のぽけっとに
  ウインター・ミュージック-白銀は招く-
 1987
  カレンダー〜ぶとう畑のぶどう作り〜
 1988
  おいしいお茶の入れ方
 1989
  フィールド・ソング
  子供の時間
 1990
  夏休みの宿題
 1991
  SWIMMIN'
 1992
  ささやくように、祈るように
 1993
  ほし・つき・ぴあの
 1994
  夢の扉-bells of my heart-
 1995
  水の中のピアノ
 1996
  ひかりの春
  雪催-ゆきもよい-
 1997
  生まれ変わる9つの方法
 1999
  お天道さまの ゆうとおり
 2000
  一番美しいもの
  せつないなら空をごらん
  KEN PLAYS KEN~春の野を行く
 2001
  PURE LOVE
 2003
  風の旅人
  LOVE COLLECTION
 2004[奄美大島に移住]
  Brisa Saudosa なつかしい南風と
 2005
  光のワルツ
  88+3
 2007
  オーガニック・スタイル 村松 健 森と海のあいだ
  サウンドスケッチブック
 2008
  紅 KURENAI オリジナルサウンドトラック
 2009
  My Spiritual Home
  うみものがたり 〜あなたがいてくれたコト〜 オリジナルサウンドトラック
 2011
  GOLDEN☆BEST 村松健〜FUSION TRACKs〜
 2012
  Japanese Piano
  夏雪ランデブーサウンドトラック
 2013
  イリフネデフネ
  春心花占〜ハルラハヌラ〜
 2015
  ぼくは王さま・テレビアニメ「ぼくは王さま」サウンドトラック
  ぼくは王さま「あいうえおうさま」の楽しい音
  Japanese Piano〜四半刻盤〜
 2016
  月精花神 ANIMISM
  島暦 三絃暮らし
 2017
  Love Yourself
 2018
  奄美大島 唄島プロジェクト「懐かしい未来へ」
 2019
  みずのしま
 2020
  Japanese Piano 2020 リミックス&リマスタリング盤
  春心花占〜ハルラハヌラ〜 四半刻盤
  ほし つき ぴあの at home
 2021
  Healthy!
 2022
  Close to the sea
  A-pulse(エーパルス)「Ogya」
 2023
  Go Around!

 聴きはじめたのは、1988年リリースの「おいしいお茶の入れ方」というアルバムで、すぐに(当時)過去のアルバムを購入したり、コンサートにも出向いてみたりしていました。結局年に1〜2枚発売されるアルバムをその都度購入して聴いているという感じです。 (「村松健 OFFICIAL WEBSITE」はこちら


(村松健アルバム iTunesより)

1月21日(土)
 晴れ。

 自宅で作業。

 抱影の『星三百六十五夜 冬』の昨日1月20日付の文章は「平家星」です。

 (略)
 べテルギュースは巨人オリオンの「わきの下」、リゲルは同じく「左足」の意味だが、私が西美濃の山民が色によって平家星、源氏星と呼びわけているのに感心している。 そして、同じく一等星でも、平家星、源氏星にいっそう眼をひかれる。
 これはオリオン型(タイプ)といわれる青い星ぞろいの中で、ただ一つ赤い星で、距離もほかの星々より近いし、また、ひとり反対の方向へ動いている。 いわば、よそ者がまぎれこんできて、長方形の一隅を占めているに過ぎない。 さらに約七年の周期でふくらんだり縮んだりして、大きさと光とを変える。(略)

 恒星(オリオン座α)の和名に関するお話でした。


(オリオン座)

 オリオン座の星図を見て、先月亡くなられた藤井旭さんの単行本『ふじい旭の新星座絵図』(誠文堂新光社・1976)を思い出しました。 藤井旭さんの手によるオリジナル星座絵図と、短い文章が添えられた本です。 文章は、白河天体観測所レポート的側面もある「天文生活」の日々、身のまわりの出来事などを綴ったもので、絵図だけでなく楽しく読み進めることができます。


(『ふじい旭の新星座絵図』のオリオン座)

 1月21日というと、小学生の頃、初めて手帳をもらって、日記まがいの記録をした思い出があります。 炬燵にはいって、ラジオを聴きながら、少し雪が舞った日でした。 1年で一番寒い時期です。

1月22日(日)
 晴れ。

 新月で、旧暦の元旦です。

 昨日で自宅の作業が一区切り。 日本民藝館で開催中の「生誕100年 柚木沙弥郎展」を見学。 井の頭線の駒場東大前駅から少し歩いた住宅街の中にあります。

 染色工芸作家の柚木沙弥郎さんは、1922年東京・田端の生まれです。 1991年の第1回宮沢賢治賞(画集『宮沢賢治遠景』を含む画業)も受賞されています。 現在100歳! (「日本民藝館」はこちら


(「日本民藝館」 2023年1月22日撮影)


(「柚木沙弥郎展」チラシ 2023年1月22日撮影)

 近くのカフェでお茶の時間。 渋谷駅に出て、山手線で田端駅へ。 渋谷駅付近は年中工事をしていて、位置関係をなかなか覚えられません。

 2番目には田端文士村記念館を見学。 (訪問は2度目) 田端に住んでいた芸術家、作家、文化人などを紹介しています。 (「田端文士村記念館」はこちら(北区文化振興財団))

 会場でもらった地図を参考に少して現地を歩いてみました。 はじめは芥川龍之介の最後の邸宅跡です。 芥川龍之介記念館が新たに建設されるのでしょうか。 敷地は工事中になっていました。 (「芥川龍之介記念館 基本的な考え方及び整備構想」はこちら((仮称)芥川龍之介検討委員会))


(芥川龍之介邸宅跡 2023年1月22日撮影)

 続いて、陶芸家板谷波山旧居跡(自宅と工房があった場所)です。 今月8日に出身地(茨城県)の茨城県陶芸美術館を訪ねたばかりということで、その活動の軌跡がつながりました。

   田端文士村の散歩道B

 板谷波山旧居跡地

 板谷波山(陶芸家 明治五〜昭和三十八年)は明治三十六年、当時人家少なく故郷の筑波山を望むことのできる当地、田端五一二(現・三−二四)番地に居を定めました。 生活費にも窮していた波山と妻まるは一年三か月の歳月をかけて窯を築き、葆光彩磁(ほこうさいじ)など数多くの名作を生みだしました。 夫婦で苦労して築いたことから、その窯は「夫婦窯(めおとがま)」と称されまました。

 昭和二十年、戦災により住居と工房が全焼し、郷里に疎開しましたが、戦後再び田端に戻り、終生ここに暮らしました。

 波山は田端文士村の草分けとして、香取秀真、吉田三郎をはじめ多くの芸術家たちと交流を深め、昭和二十八年には、秀真とともに工芸界初の文化勲章を受章しました。(略)

 お隣は、洋画家で近代の絵画教育(自由画教育運動など)で知られた山本鼎邸のあった場所です。 近くには土屋文明の旧居跡もありました。 いろいろな人たちがこの界隈に暮らしていたようです。


(板谷波山旧居跡付近 2023年1月22日撮影)

 この撮影場所で足元を見ると・・・。 田河水泡の漫画「のらくろ」がデザインされたマンホール蓋がありました。 水泡が「1929年から1931年まで田端に居住」していたことが由来のようです。 (ちょうど宮沢賢治晩年の時期)


(のらくろマンホール 2023年1月22日撮影)

 夕方になって、日暮里駅西口から少し散策。 すっかり有名になった谷中商店街は、古い町並みを残す観光地になっていました。


(谷中商店街 2023年1月22日撮影)

 裏通りに岡倉天心宅跡(旧前期日本美術院跡)や、朝倉彫塑館(朝倉文夫の邸宅兼アトリエ)も見つけることができました。 岡倉天心記念公園の公衆トイレのデザインは、北茨城にある六角堂がデザインされたものです。


(岡倉天心記念公園 2023年1月22日撮影)


(朝倉彫塑館 2023年1月22日撮影)

 沢山歩いて、夕方の列車で帰宅。

1月23日(月)
 晴れ。

 お茶の時間は、コーヒー。 以前に購入した『電線絵画 小林清親から山口晃まで』(求龍堂)の画集(練馬区立美術館で開催された企画展の公式図録)を取り出して眺めてみました。

 着眼点がユニークな企画展示です。 数多くの電柱が並び、電線が空を這う独特の景観は、近代の画家たちにとっても「気になる」モチーフであったことがわかります。 宮沢賢治の創作にも影響を与えました。


(『電線絵画』 2022年1月23日撮影)

 電線には、その用途から、通信を行うものと電気を流すものの2種類があります。 この図録では、小林清親、岸田劉生、小絲源太郎といった画家たちが切り取った風景が数多く紹介されていました。

 私にとってのそんな風景を写真で紹介します。


(「佐久平駅前の鉄塔」 2018年4月28日撮影)


(童話村「月夜の電信柱」 2018年8月26日撮影)


(「高浜駅付近の鉄塔」 2020年4月19日撮影)


(「岩手山と電信柱」 2022年5月21日撮影)


(「盛岡・北ホテル電線群」 2022年11月26日撮影)

 最後に、賢治の詩「〔霧のあめと 雲の明るい磁器〕」を引用しておきます。

  〔霧のあめと 雲の明るい磁器〕

        ※
 霧のあめと 雲の明るい磁器
 電しん柱は黒くて直立
 烏は頸の骨をめぐらせ
 雀は一疋平らに流れる
       (声はテノール。)

 霧雨の黒のぬかるみから
 飛びたつものは鳩のむれ
 倉庫の屋根の亜鉛もそら
       (声はテノール。)

 霧雨の下駄材のかげから
 腐植のぬかるみのなかに
 あるき出すものは白い鳩
 電信ばしらの碍子もぬれ
       (声はテノール。)

 「電しん柱」と「電信ばしら」と書き分けての登場。

1月24日(火)
 小雨のち晴れ、夜はにわか雪。

 明日から低気温となる予報。

 映画「宮沢賢治の父」の予告動画を見て、矢幡洋『賢治の心理学 献身という病理』(彩流社)再読。 (賢治生誕100年時に刊行されたもの)


(『賢治の心理学』 2023年1月24日撮影)

1月25日(水)
 晴れ。

 朝冷えていました。 (筑波山には積雪もあったそうです)

 夕方、新月を過ぎて、細い月が見え始めています。 薄明中に西空に、惑星と月の共演[木、(地球)月、金、土]です。


(2023年1月25日17時50分「にぎやかな西空」)

 夕空の空気が澄んでいたせいか、地球照がくっきりと見えました。

1月26日(木)
 晴れ。

 昨日よりも冷えた朝です。

 今夜は、抱影初の本格的星座案内本『星座巡禮』(研究社)より「雙子座(ふたご座)」の解説です。 区分としては、「一月の星」に収録されています。


(『星座巡礼』 2023年1月26日撮影)

   雙子座 (ふたござ・ゲミニざ) (Gemini)

 オリオンの東に銀河に足を浸してカストル(Castor)とポルックス(Pollux)との雙兒が並んでゐます。 他の星は小さいので二つが目立つてゐます。 カストルがα(アルフア)星ですが、今は光がβ(ベータ)のポルックスより落ちたので二等星です。 (天文家によつては一等星と見てゐる人もあります。) カストルは週期約一千年の連星で、緑色の二等星と白色の三等星が並んでゐるのが、小さい望遠鏡で見分けが附きます。 カストルの白に對し、ポルックスは稍黄橙(オレンヂ)がゝつた光を放つてゐます。 兩つの距離は五度で、自然に一對になつてゐるといふ印象を興へてゐます。 それに、光が伯仲してゐた古代に於ては、殊にさう感ぜられて、雙兒の神話をげんに描き出したのでせう。 (略)

 この時期、暗くなり始めた頃に、東の空を眺めるとオリオンの東側に、二つの星を見つけることができます。 抱影の解説にもあるとおり、上側がカストル、下側がポルックスです。 (次図にオリオン座の位置関係を示しておきました)


(2023年1月26日18時の東空)

1月27日(金)
 晴れ。

 夜9時過ぎ、天沢退二郎さん死去のニュース速報がありました。 (「天沢退二郎さんが死去」はこちら(共同通信社2023年1月27日)

 最後にお会いしたのは、数年前の花巻と思いますが、残念です。 いろいろ考えると言葉もありません。

 想い出のサハリン旅から。

 写真は、北海道の斉藤征義さんの企画したサハリンツアーで訪れた栄浜駅跡。 宮沢賢治が降り立った、当時日本で最北端の駅跡です。 レールや枕木の轍、錆びた犬釘、ハマナス・・・。 この時期に訪れた賢治の風景を目に焼き付けます。


(サハリン・栄浜駅跡 2007年8月7日撮影)

 次の写真は、斉藤征義さんと共に栄浜の海岸にて。 お二人とも今は銀河の彼方へと旅立ってしまいました。 斉藤さんが手にしているのは、賢治の『春と修羅』(複製本ですが)。


(サハリン・栄浜駅にて[斉藤征義さんと] 2007年8月7日撮影)

 天沢さんと二人で、浜辺の白い貝殻を探しました。 (童話「サガレンと八月」に出てくる「小さな白い貝殻に円い小さな孔があいて落ちている」のを探したのです) あとで写真を送りました。


(サガレンの白い貝殻 2007年8月7日撮影)

 旅行からもう15年以上の月日が流れました。 (この旅の記録としては、天沢退二郎「サハリンへ −宮沢賢治の足跡を追いながら」(雑誌「新潮」(新潮社)2008年6月号所収)があります。) またいつか、記憶の中から書き留めておきたいと思います。

1月28日(土)
 晴れ。

 朝はぼんやりと起床。 天気は良好です。

 八王子市夢美術館で開催中の「ますむらひろしの銀河鉄道の夜―前編」展へ。 今日が初日です。 すでに刊行された2冊の『銀河鉄道の夜」四次稿編』の原画と、その関係資料が展示されていました。 何と言っても、原画の「色」と精緻な描き込みを実感できるチャンスです。 現在開催中で、3月26日(日)までの展示期間にぜひ本物を見てお確かめください。 (「ますむらひろしの銀河鉄道の夜―前編」はこちら(ART AgendA))


(展示会場入り口にて 2023年1月28日撮影)

 売店のますむらひろしグッズも充実していました。 一般の書店では入手しにくい『銀河鉄道の夜」四次稿編』1・2巻のほか、アタゴオルのシリーズ、その他レアなものもいろいろあります。


(会場で購入、入手したいろいろ 2023年1月28日撮影)

 見学を終えて駅方面に歩いていたら、ますむらさんが反対側からやってきてびっくり! 岩手の盛岡展でお会いして以来でしょうか。

 東京駅近くで買い物後に帰宅。 来週の準備など。

1月29日(日)
 晴れ。

 早朝、時間を作ってビートルズを取り上げた「ミスタームーンライト 〜1966 ザ・ビートルズ武道館公演 みんなで見た夢〜」を鑑賞。 1950年代〜1960年代の日本の大衆音楽史的な部分も含めて、ビートルズ来日がもたらした音楽・文化、その影響を紹介するドキュメンタリーです。 当時を知る方々によるインタビューが中心です。 (「ミスタームーンライト 〜1966 ザ・ビートルズ武道館公演 みんなで見た夢〜」はこちら(ART AgendA))


(「ミスタームーンライト」 2023年1月28日撮影)

 途中、ビートルズ結成当時のグループの秘書をしていたフリーダ・ケリーさんが登場、とてもお元気そうで嬉しくなりました。 (映画「愛しのフリーダ」(2013年公開)の東京上映の時、有楽町の映画館で舞台挨拶があって、フリーダさんご本人、娘さんと一言だけお話ができました)

 映画には、財津さんがわりと出ていました。 (懐かしい)

 午後は、地元の筑波宇宙センター(JAXA)へ。 (「筑波宇宙センター」はこちら(JAXA))


(筑波宇宙センターにて 2023年1月29日撮影)


(筑波宇宙センターにて 2023年1月29日撮影)

1月30日(月)
 晴れ。

 今日は仕事で早朝出勤。 無事に一日が終了。

 帰宅時のバスから、新しい本を読み始め。 池澤夏樹『科学する心』(角川ソフィア文庫)です。 2019年に集英社から刊行された同名の単行本の文庫化で、当時、書店で見て読みたいと思いながら、忘れていたものでした。


(『科学する心』ほか 2023年1月30日撮影)

   目 次

 ウミウシの失敗
 日時計と冪(べき)とプランクの時代
 無限と永遠
 進化と絶滅と愛惜
 原子力、あるいは事象の一回性
 体験の物理、日常の科学
 知力による制覇の得失
 『昆虫記』と科学の文学性
 「考える」と「思う」の違い
 主観の反逆、あるいは我が作品の中の反科学
 パタゴニア紀行
 光の世界の動物たち
 環世界とカーナビと心の委員会

  付録 いくつかの科学の訳語について
  あとがき
  文庫あとがき
  解説 中村桂子

 読みやすい(一篇の文章も短め)本です。 中村桂子さんの「解説」には、賢治の童話「土神ときつね」がちょっと引用されています。

1月31日(火)
 晴れ。

 1月の最終日。

 抱影の『星三百六十五夜 冬』(中公文庫)のテーマは「夜中ミツブシ」です。 奄美のミツブシ(三ッ星)の俚謡のお話。



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