緑いろの通信 2017年11月
   

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緑いろの通信
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Kenji & News 2017.11
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- 緑いろの通信 2017年11月 目次 -


緑いろの通信

 「緑いろの通信」へようこそ! 2017年11月号をアップしました。 今月の写真は、彗星捜索家として知られる関勉さんが、1990年に受賞された日本天文学会神田茂記念賞のメダルです。 江戸時代の天文台と富士山がデザインされたものです。 実物を初めて見ることができました。 山々の紅葉も終わり、あとは静かに冬を待つだけです。 年末に向けて、何ができるでしょうか。




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11月1日(木)
 曇り。

 今日から11月です。

 なんだか忙しくて、今日は何もできないまま、夜になってしまいました。 そらの真ん中に居て、孤独な月は何を思うのでしょう。

11月2日(金)
 晴れ。

 澄んだ空に月。 近くの雲に虹のサービス。 (やや大盤振る舞い)


(『星三百六十五夜』二冊 2017年11月2日撮影)

 野尻抱影『星三百六十五夜 秋』の本日、「11月2日」の項を見ると「三角とお羊」とあります。

  三角とお羊

 夜八時、北落師門がほとんど南中している。 その真上の天馬の大方形と、それに続くアンドロメダの星の一列が、巨大な北斗七星の形で東北の中空を抑えているのもうまくできているが、その柄の下に小さな二等辺三角形の三角座と、同じく鈍角三角形の牡羊座とが上下に並んでいるのも、そこのブランクを塞ぐ意匠として感心させられる。(以下略)

 冒頭を読んだだけでも、「抱影ここに在り」といった感じ。 星座を少し知っていれば星空が目に浮かぶような解説です。

 北落師門(ほくらくしもん)とは、みなみのうお座の1等星、フォーマルハウトのことです。 秋の一つ星と呼ばれるくらい、明るい星のない秋空のなか、ぽつんと輝く一等星です。 そこから辿る星の並びを、少し感想を交えながら紹介しています。

 明日は、賢治の時代には、まだ「明治節」と呼ばれていた文化の日。 賢治の詩「〔雨ニモマケズ〕」が書かれた日(1931(昭和6)年11月3日)とされています。

11月3日(金)
 文化の日。晴れ。

 先週からの不調を気にしつつも、今年後半の星見登山に「行けば雨」の状況をなんとか変えたいと思い、シーズン最後の富山県の室堂に出かける計画を立てました。 朝の北陸新幹線かがやきで、富山駅に向かいます。 よく北八ヶ岳に入る際に乗る新幹線ですが、今回は佐久平駅ではなく、日本海に面した富山駅までの乗車です。 三連休の初日の新幹線は満員でした。

 富山駅で下車。 立山黒部アルペンルートを、いつもとは逆に富山県側から入ります。 はじめは、電鉄富山線で終点の立山駅まで。 趣のある駅舎を楽しみながら、路線が山に入ると、周辺の紅葉はもうおしまいといった感じでした。 (立山黒部アルペンルートはこちら


(電鉄富山駅にて 2017年11月3日撮影)

 立山駅からは、立山ケーブルカーで、美女平駅まで7分間。 そこからバスに乗車し、約50分で、標高2450mの室堂に到着です。

 室堂バスターミナルで下車して、ホテル立山のレストランで昼食。 (ホテル立山はこちら

 冬山用のジャケットを着こんで外に出ると、一面の雪景色。 (サングラス&日焼け止めを忘れてきたことを後悔するほどの眩しさ!)


(室堂から一の越方面を望む 2017年11月3日撮影)

 昨夏登山した3000m級の山々がすっかり雪景色となっていました。 登山案内所の方のお話では、一の越(上写真で山と山の間の低くなった場所)でさえアイスバーン状態で危険だそうです。

 今回は、稜線上には上がらないので、室堂を散策するのみ。 (ここ室堂はテレビ番組「ブラタモリ」(NHK総合)でも最近取り上げられたようです。 番組を見ていないので詳しい内容はわかりませんが・・・。)

 写真撮影を楽しみながら、室堂のシンボル、みくりが池へ。 雪景色の中のみくりが池は、夏よりも一段と青色がきれいですね。


(みくりが池 2017年11月3日撮影)

 この池の畔に建つ山小屋、みくりが池温泉が今晩の宿です。 日本最高所温泉(2410m)として有名ですね。 (みくりが池温泉はこちら

 受付で手続を済ませ、荷物を部屋に置いて、入口にあるカフェでお茶の時間です。


(喫茶「みくり」 2017年11月3日撮影)


(山上カフェでケーキセット 2017年11月3日撮影)

 宿泊した日が偶然にもアウトドア用品のブランド「モンベル(mont-bell)」と「みくりが池温泉」(創立60周年記念)のコラボイベント開催日でした。 受付時にイベントの案内&記念のモンベルくまさんをいただきました。


(受付にて 2017年11月3日撮影)

 モンベルの会長さんの講演会が行われたり、食事中のドリンクのサービスがつくなど、予約した日がラッキーでした。

 日没までの間、温泉でのんびりしたり、昨年泊まったライチョウ温泉雷鳥荘方面にも散策。 (地獄谷からの硫黄臭は当時と同じ) ここは剣岳方面へのルートですが、雷鳥沢キャンプ場を上から眺めて、引き返し。


(ライチョウ温泉雷鳥荘 2017年11月3日撮影)

 太陽が西に傾くと、山の姿もより立体的に見えてきます。 間近で眺める立山三山(次写真で右から雄山、大汝山、富士ノ折立)は、まるで屏風のよう。


(立山三山 2017年11月3日撮影)

 再び山小屋前を通過して、すぐ下のみくりが池の傍まで下りてみました。 なかなかの絶景で、スイスの山にでもいるような風景を撮影することができました。 (ここで撮影すると、iPhoneのカメラでもいい雰囲気になります)

 iPhoneではありませんが、私も一眼レフで撮影。


(みくりが池にて 2017年11月3日撮影)

 レンズを交換して、魚眼で池全体を1枚の写真の中に収めてみました。 雲も出てきていい感じです。


(みくりが池にて 2017年11月3日撮影)

 山小屋前のテラスに戻って日没も狙ってみました。 日没どき、西の砺波平野に太陽が沈みます。 夕陽を浴びた大日岳や、空に拡がる雲の色が鮮やかで美しく言葉もありません。


(夕空 2017年11月3日撮影)

 天上技師さんのサービスで、次々と絶景は続きます。 今度は、みくりが池の背後、浄土山(標高2831m)付近の空が紅く染まってきました。 撮影する方としては、レンズを交換したり、設定をチェックしたりと、休む暇もありません。 夢中になっていると、時間があっという間に過ぎてしまいます。


(みくりが池夕景 2017年11月3日撮影)

 すでにシミュレーションでチェックして、立山三山の一つ、富士ノ折立(標高2999m)の横から月が出ることがわかっていたので、それも狙ってみました。 はじめ月しろが雲を照らしたと思うと、すぐに月が出てきました。 雲を虹色に照らして、カメラのファインダーを覗いているだけで鳥肌が立ちました。


(立山からの月の出(1) 2017年11月3日撮影)

 望遠レンズに交換して、月の周りの繊細な(光環、光冠による)色を表現してみました。 (双眼鏡で見て感動ものでした)


(立山からの月の出(2) 2017年11月3日撮影)

 ここまで撮影して、夕食の時間が近づいたので、撤収です。 とにかく空気が冷たいです。 機材を結露から守るために、ビニール袋に二重に包んで、カバンに詰め込みます。

 山小屋に帰って、夕食。 今日はスペシャルメニュー。 (これにフルーツがつきます) 同室の方々と会話を楽しみながら夕食。


(夕食 2017年11月3日撮影)

 食事後は、モンベルの会長で登山家としても知られる辰野勇さんのお話と演奏会が行われました。 (なかなか楽しかった) 消灯時間後に外に出たら、空全体が薄雲に覆われ、月がぼんやりと見えていました。

 カメラに望遠レンズをつけて手持ちで数枚撮影。 その後、早々に就寝です。

11月4日(土)
 雪のち雨。

 昨晩は夜半過ぎから明け方にかけて強風。 そして朝には吹雪になっていました。

 5時半起床。 6時朝食。 食後に吹雪を見ながらコーヒー。

 午前中はこの小屋でゆったりする予定でしたが、吹雪が収まらないようなので、今日は早々に下山を決めました。 同室だった方は、室堂山荘でもう一泊だそうです。

 強風で前も見えない状況ですが、小屋を出てバスターミナルへと移動開始。 雪でみくりが池もモノトーンの世界。


(雪のみくりが池 2017年11月4日撮影)

 向かい風で遅れながらも、15分でバスターミナルに到着。 雪を落として、雨具をしまい、富山駅まで下山の切符を購入。


(バス乗り場 2017年11月4日撮影)

 美女平行きの乗り場に並んでいると、「ただ今、除雪中の為、運転を見合わせております。現在のところ運行再開の見通しは未定です」の張り紙が出ていました。 それでも、少し待っただけで予定のバスで下山することができました。 昨日とは逆で、立山ケーブルカー、電鉄線(観光専用車両)に乗り継いで、富山駅に昼近くに到着となりました。

 富山駅前は雨。 風も出ていて、人もまばら。 昼食後、早々にホテルにチェックインしました。 (しばらく仮眠)

 夕方になって起きて、外出。 雨はほぼ止んでいます。 街をちょっと散歩。


(夜の富山駅 2017年11月4日撮影)

 以前に来たときの印象で、富岩運河環水公園を再訪。 ライトアップがきれいでした。 公園にあるスターバックスで休憩。 なかなかのロケーションです。


(環水公園にて 2017年11月4日撮影)

 環水公園のシンボル、天門橋を渡ると、橋の上のタイルが雨で濡れて黄金色に輝いていました。


(天門橋にて 2017年11月4日撮影)

 富山の夜景を楽しみました。


(環水公園噴水 2017年11月4日撮影)

 雨のせいでなんだか中途半端な時間を過ごしてしまいました。 (反省)

 最後に、天文系お菓子から「月世界」(月世界本舗)です。 砂糖菓子ですね。 (月世界本舗はこちら


(つきせかい 2017年11月4日撮影)

11月5日(日)
 晴れ。

 富山滞在の最終日。 室堂でポスターを見かけたプラネタリウム番組「剣の山(けんのやま)」が上映開始になっていたので、黒部市吉田科学館に出かけることにしました。 富山駅からあいの風とやま鉄道(旧北陸本線)で生地駅まで約30分ほどの移動。 駅前から徒歩で10程度で到着。 (黒部市吉田科学館はこちら


(黒部市吉田科学館 2017年11月5日撮影)

 到着後、整理券を受け取って、11時からの上映を予約。 ちょうど前日、ここの会場でお披露目をしたばかり。 (燕山荘でお会いした大西先生もイベントに出席されていたようです)


(プラネタリウム 2017年11月5日撮影)

 「剣の山(けんのやま)」は、富山の自然(立山・黒部)を描いたものですが、高校生を主人公にしたドラマとしても楽しめるようになっています。 全天ドーム用の映画ですね。 映像的に言えば、短いカットを連続させる場面では、もう少しゆっくり画面の転換をさせてもいいのかなと思いました。 夜の場面の映像は良し!

 富山駅に戻って近くで昼食。 いつもは出先でも食事は無頓着なのですが、今回は地元のあれこれを食べてみました。


(白海老かき揚げ丼とおそば 2017年11月5日撮影)

 食後は、富山の路面電車、セントラムを利用して富山城へと移動。


(セントラム車両 2017年11月5日撮影)

 デザインのすっきりとした車両に乗って約10分。 国際会議場前で下車すると、すぐに富山城です。 (料金1回の乗車で一律200円) 紅葉も楽しめました。

 富山城の天守は、富山市郷土博物館です。


(富山城 2017年11月5日撮影)

 次の写真は、富山城にある小さな日本庭園です。 (外国人観光客多数) 近くには富山市佐藤記念美術館もあります。


(日本庭園 2017年11月5日撮影)

 帰りの新幹線の時間が近づいてきたので、再びセントラムに乗って富山駅へ。 富山駅から北陸新幹線で東京駅まで。


(北陸新幹線富山駅ホームにて 2017年11月5日撮影)

 富山行きといえばいつも飛行機ばかりでしたが、新幹線も楽々でいいですね。 飛行機で行くと、北アルプス上空を通過するのでそれもまた楽しみでありますが、とにかく新幹線は楽です。

11月6日(月)
 晴れ。

 今日から平常に戻ります。 (韮崎にわすれもの)

 旅行中入手したものなどの整理。 山と街、両方楽しみました。


(パンフレットなど 2017年11月6日撮影)

 そして、撮影してきた写真の画像処理。 必要なものだけセレクトして行います。

 次の写真は、300ミリ望遠で撮影した雄山(おやま)山頂です。 雄山神社の建物と、その左側にぽつんと尖って見えるのがお社です。 このお社が立山の最高地点になります。


(雄山山頂 2017年11月6日撮影)

 この画像はかなり縮小していますが、オリジナルサイズは、7360×4912(ピクセル)あります。 トリミングしてもそれなりの解像度になります。

 次の写真は、上の写真から雄山神社のみをトリミングしたものです。


(雄山神社 2017年11月6日撮影)

 点にしか見えない小さなお社も、トリミングすればこのとおりです。 超望遠レンズで撮影した「ような」感覚です。


(雄山山頂のお社 2017年11月6日撮影)

 きちんと撮影する場合には、三脚を用いる必要があります。 感度、シャッタースピード、ケーブルレリーズの使用など、適切な作法に基づき撮影します。 (この写真は手持ちで、少しブレています)

 簡単そうですが、実はいろいろ工夫して撮影しています。

11月7日(火)
 晴れ。

 夜の帰宅。

 旅からの帰宅時に購入した天文誌(12月号)、読んでいる暇もなく、今日になって紙袋から取り出す始末。 『月刊星ナビ』はふたご群の動画撮影や、ナローバンドによる星雲撮影。 『月刊天文ガイド』は、『天文年鑑』70年の軌跡。 表紙は池谷・関彗星です。


(天文二誌 2017年11月7日撮影)

 テレビで宮沢賢治関係の番組です。 雑穀で作っただんごが取り上げられています。 賢治との関係はどのように紹介されるのでしょうか。 放送は、11月13日(月)Eテレ 午後10時〜。 (「グレーテルのかまど second season」はこちら(NHK))

11月8日(水)
 曇り。

 先日の立山で撮影した写真から。 山岳信仰の山の幻想的な夜。


(立山の月 2017年11月3日撮影)

11月9日(木)
 晴れ。

 帰宅途中、夜空にには欠けた月。

 昨日アップした「立山の月」の写真を撮影しているとき、「どこかで見たような?」気がしていましたが、その謎が解けました。 北斎の浮世絵「凱風快晴」と雰囲気が似ていたのです。


(「凱風快晴」 2017年11月9日撮影)

 この浮世絵は「凱風快晴」、通称「赤富士」とも呼ばれ、宮沢賢治も文語詩「浮世絵」に登場させています。

   浮世絵

 ましろなる塔の地階に、   さくらばなけむりかざせば、

 やるせなみプジェー神父は、 とりいでぬにせの赤富士。


 青瓊玉かゞやく天に、    れいろうの瞳をこらし、

 これはこれ悪行乎栄光乎、  かぎすます北斎の雪。

11月10日(金)
 晴れ。

 オリオンがもう高く昇っていて、ほんたうの冬。 シミュレーションしたオリオン座を写真風に加工。


(オリオン座)

 宮沢賢治の童話「氷河鼠の毛皮」には、二か所に「オリオン座」が出てきます。 「十二月の二十六日の夜八時ベーリング行の列車」の車内でのお話です。 (「氷河鼠の毛皮」はこちら(青空文庫))

 登場部分のみを引用してみました。

すぢ向ひではさつきの青年が額をつめたいガラスにあてるばかりにして月とオリオンとの空をじつとながめ、向ふ隅ではあの痩た赤髯の男が眼をきよろきよろさせてみんなの話を聞きすまし、酒を呑み出した紳士のまはりの人たちは少し羨ましさうにこの豪勢な北極近くまで猟に出かける暢気な大将を見てゐました。

けれども若者はそんな言が耳にも入らないといふやうでした。つめたく唇を結んでまるでオリオン座のとこの鋼いろの空の向ふを見透かすやうな眼をして外を見てゐました。

 オリオン座は、遠い遠い遥か彼方の象徴でしょうか・・・。


(立山から昇るオリオン座 2016年8月16日撮影)

11月11日(土)
 曇り時々小雨。

 深夜、午前0時を過ぎて。

 今日は祭に行って来ます。 持参するのはアインシュタインのノンフィクションもの『幻の惑星ヴァルカン』(亜紀書房)です。


(『ヴァルカン』 2017年11月11日撮影)

 天文史の中の一つのドラマですね。 予言された惑星ヴァルカンが、アインシュタインによって葬り去られるまで。 勘のいい方なら、これだけでどんなお話なのかすぐに気づかれることでしょう。

 午前中は、ニコン銀座のサービスセンターへ。

 その後、福島県須賀川市で行われる奇祭「松明あかし」を見に出かけてみました。 (2年ぶり) 由来は、1589(天正17)年、須賀川城が伊達政宗から攻め込まれ合戦となり、その戦いで犠牲になった人々の霊を弔うためと言われています。


(「松明あかし」パンフレット(実行委員会))

 東北新幹線新白河駅で東北本線に乗り換え、須賀川駅で下車します。 少し雨が降り始めました。 駅近くで近くで遅くなった昼食。


(須賀川駅前 2017年11月11日撮影)

 須賀川市は、ウルトラマンを制作した円谷プロダクションの創業者、他にもゴジラなどの特撮映画を監督した円谷英二の出身地ということで、駅前にはウルトラマンの像が設置されていました。 観光案内所では「福島県須賀川市は、M78星雲光の国と姉妹都市です」のチラシもいただきました。 (「すかがわ市M78光の町」はこちら

 駅前から臨時バスで会場まで。 バスで約10分、そこから歩いて会場まで10分です。 五老山山頂が会場です。

 到着すると、巨大松明がすでに並んでいました。


(松明あかし会場 2017年11月11日撮影)

 暫くすると、夕闇に包まれました。 大松明と姫松明も立てられ、18時30分の大松明の点火からスタートです。 写真では小さく見えますが、大松明の高さは10メートル、直径は2メートルもあります。


(大松明建立(画面右) 2017年11月11日撮影)

 雨風の中、松明の頂上まで梯子をかけ、点火します。 点火した人が松明を降りる頃には、パチパチと大きな音を出して、勢い良く燃え広がります。


(大松明点火 2017年11月11日撮影)


(次々と点火 2017年11月11日撮影)

 火の粉が空高く上がって、熱気もこちらにやってきます。 強風でちょっと怖いくらいの迫力です。


(次々と点火 2017年11月11日撮影)

 十分楽しんだところで山を下ります。 山上の観覧スペースが限られているため、入場制限されていました。 (早く来てラッキー)

 入場制限のゲート付近からだとこんな感じです。 ちょっとした山火事のよう。


(会場裏側から 2017年11月11日撮影)

 今夜は風が冷たいです。

 駅に戻って、列車の時間まで休憩。 各駅停車で郡山駅に到着。 やっと夕食になりました。

 駅前のホテルで、修理から戻ってきたカメラの確認。 点検に出したところ、修理依頼時に確認された項目に加え6項目が新たに発覚。 いかに過酷に使われたのか、いろいろ思うところがあります。


(カメラと修理納品書 2017年11月11日撮影)

11月12日(日)
 晴れ。

 さわやかな朝。 ホテルの1階にあったドトールでちょっとコーヒーを一杯。

 今日は、高村智恵子さんのご実家(生家)へ。 (『智恵子抄』の智恵子さんですね)

 郡山駅から東北本線で福島方面へ。 二本松駅で下車します。 (2011年以来で、6年ぶり)

 駅前の広場には、二本松市名誉市民で彫刻家の橋本堅太郎さんによる「ほんとの空」があります。 橋本堅太郎さんと言えば、(最近何かと話題になる花巻農学校の)羅須地人協会建物前にある宮沢賢治像を制作された方ですね。 (個人的には、前勤務先の先生)

 彫刻名の「ほんとの空」は、『智恵子抄』所収「あどけない話」より引用されたものです。

   あどけない話

 智恵子は東京に空が無いといふ、
 ほんとの空が見たいといふ。
 私は驚いて空を見る。
 桜若葉の間に在るのは、
 切つても切れない
 むかしなじみのきれいな空だ。
 どんよりけむる地平のぼかしは
 うすもも色の朝のしめりだ。
 智恵子は遠くを見ながら言ふ。
 阿多多羅山の山の上に
 毎日出てゐる青い空が
 智恵子のほんとの空だといふ。
 あどけない空の話である。


(彫刻「ほんとの空」 2017年11月12日撮影)

 高村智恵子生家のある「智恵子記念館」は、駅から少し離れているのですが、バスもないのでタクシーで移動します。 「智恵子記念館までお願いします」の一言で、約10分の乗車。

 記念館入口の受付で入場料を支払い、生家を見学。 ここでは、清川あさみ展(「重陽の芸術祭 in 智恵子」)が開催されていました。 その関係で、特別に2階にも上がることができました。 (「智恵子記念館」はこちら(二本松市))

 通りは酒造業(屋号は米屋、酒銘は花霞)ですが、裏口にまわると普通の民家です。


(高村智恵子生家(1) 2017年11月12日撮影)


(高村智恵子生家(2) 2017年11月12日撮影)

 宮沢賢治の10歳年上となる智恵子は、1886(明治19)年生まれ。 洋画家を志し東京で絵画を学び、平塚らいてうの雑誌『青鞜』(ハレー彗星が地球に接近した1910年の翌年創刊)では表紙を描いています。

 智恵子記念館を見学して、「智恵子の杜」の遊歩道を散策します。 紅葉の杜の樹々の紅葉はもう終盤ですが、最後の姿を楽しむことができました。


(智恵子の杜(1) 2017年11月12日撮影)


(智恵子の杜(2) 2017年11月12日撮影)

 山道を20分ほど歩くと、「詩碑の丘」があります。 ここには、『智恵子抄』より「樹下の二人」を刻んだ詩碑が建てられています。 (遥か遠くには、安達太良山が見えますが、山頂付近は雲に覆われていました)

   樹下の二人

 ――みちのくの安達が原の二本松松の根かたに人立てる見ゆ――

 あれが阿多多羅山、
 あの光るのが阿武隈川。

 かうやつて言葉すくなに坐つてゐると、
 うつとりねむるやうな頭の中に、
 ただ遠い世の松風ばかりが薄みどりに吹き渡ります。
 この大きな冬のはじめの野山の中に、
 あなたと二人静かに燃えて手を組んでゐるよろこびを、
 下を見てゐるあの白い雲にかくすのは止しませう。


(「樹下の二人」詩碑 2017年11月12日撮影)

 雲間から見える青空がとてもきれいでした。 さすが福島は澄んだ空ですね。

 山を下りてきて、生家前の空も撮影。 こちらも青い空でした。


(「ほんとの空」 2017年11月12日撮影)

 二本松駅に戻って、下りの電車待ち。 二本松といえば、霞ヶ城公園で開催される菊人形が有名で、ちょうど開催中でしたが、すっかり忘れて福島駅へと移動となりました。

 通過する松川駅近くは、あの松川事件の現場です。 松本清張の『日本の黒い霧』を思い出しながら。 (「松川事件」はこちら(wikipedia))

 福島駅に着いて、帰りの新幹線までカフェで資料作成。 順調に帰宅するこができました。

11月13日(月)
 晴れ。

 また一週間の始まり。

 今晩のテレビ番組「グレーテルのかまど」(Eテレ)では、「宮沢賢治の雑穀だんご」が放映予定でしたが、もちろん見られません。

 寝る前の時間、最近購入したCDなど聴く。 アート・ガーファンクル「レフティ」(1988)&ジャーニー「エスケイプ」(1981)です。 あまりにも有名すぎる2枚。 リアルタイムで聴いた頃よりも感じるところがあります。 (当時:音楽が流れている心地よさ、今:気持ちに響く感じ)


(名盤2枚 2017年11月13日撮影)

11月14日(火)
 晴れのち夜雨。

 明日11月15日は、星の文人、野尻抱影の誕生日(1885年11月15日)です。


(『三つ星の頃』 2017年11月14日撮影)

 『星三百六十五夜』の11月15日の項を見たら「ペルセウスの曲線」という話題でした。 ペルセウス座の骨格となる「曲線」の話題です。 最後にこんな締めくくりをしていました。

 こんなことを思いながら、優麗なカーヴを眼で撫でている中に、その足の爪近く、青白い星のかたまりを見つけた。 すばるだった。 初冬の息はもう空にかかっているのだ。


(ペルセウス座とすばる)

 まだ学生の頃、初めて長野県の千畳敷に星を見に出かけたとき、宝剣岳にかかったカシオペヤ、ペルセウス、すばる、ヒヤデスと続く一連の流れに寄り添う銀河がとても見事で、長時間露出で何枚も写真に収めたら、その中にカリフォルニア星雲が浮かび上がって、ちょっとびっくりしたのを思い出しました。

 週末18日(土)は新月。 17日(金)の深夜は、しし座流星群の極大日です。 月明かりの影響がなく好条件。

11月15日(水)
 晴れ。

 仕事で都内へ。 少し懐かしい場所。

 Firefoxがアップデートされデザインが変わりました。 狐くんアイコンが派手になりました。

 今日は疲労気味なので、CDを聴きながら。 早々に就寝予定。

 ビートルズ「ライヴ・アット・武道館1966」(2017)と、シング・ライク・トーキング「闇に咲く花」(2017)です。 ビートルズは1966年6月30日と7月1日の午後の公演を収録。 確かに荒削りな演奏ですが、この演奏から1年しなうちに「サージェント・ペパーズ〜」がリリースされてしまうことを考えるとすごいバンドだったことを改めて実感。


(アルバム2枚 2017年11月13日撮影)

 明日のテレビ番組「英雄たちの選択」(BSプレミアム)では、「本当の幸いを探して教師・宮沢賢治希望の教室」が放映されます。 ウェブサイトには、出演者として赤坂憲雄、高橋源一郎、大島丈志の3名がクレジットされていました。

11月16日(木)
 晴れ。

 雲間から見える冬の星座。 一段とまたたいて、晩秋から初冬へ。

 立山の風景が好評でしたので、さらに1枚アップします。 夕方、登山者の多くは、この隣にある山小屋で「まったり」の時間です。 外ではこんなに美しい夕陽が雪山を照らしているというのに! この風景を眺めたのは、たった3〜4人。 なんとも「もったいない」ということで、感動のおすそ分け。


(立山の夕景 2017年11月3日撮影)

 この風景で、23時になると、次のシミュレーション画像のような星空になります。 (白枠は焦点距離16ミリのレンズの写野) ちょうど立山の上にオリオン座が昇ります。 (撮影時期は異なりますが、「緑いろの通信」2017年11月10日号の写真のような感じです)


(立山の星空 シミュレーション画像)

 賢治の同人誌「ワルトラワラ」の最新号(第42号)が届きました。


賢治の新刊
ワルトラワラ
ワルトラワラ
第42号・2017年11月1日刊行
ワルトラワラの会
松田司郎編集

 松田司郎氏編集の同人誌。宮沢賢治をテーマに小論・エッセイ・写真・絵画などメンバーの趣向により多方面の内容を掲載。年2回刊行。



 「賢治の図書館」  松田司郎氏編集の同人誌ワルトラワラ第42号を追加しました。 2017年11月1日発行の最新号です。 掲載記事は次のとおりです。

 滝田恒男のスケッチ行脚(滝田恒男)
 風のモナドがひしめき(松田司郎)
 松田一郎の光と風のなか(松田一郎)
 ゴオホサイプレスの歌−第一部 モチーフの地場(松田司郎)
 少女アリスが辿つた鏡の国と同じ世界の中(牛崎敏哉)
 『春と修羅』第二集(泉沢善雄)
 七つ森への賢治の慕情(岡沢敏男)
 賢治星景写真の旅(2)(加倉井厚夫)
 星めぐりの歌(林敦子)
 菊芋の富錦(中野由貴)
 賢治、ゴッホを訪ねる(松田司郎)
 猫(宮沢俊司)
 シリトンの会 活動報告 中野智恵
 近刊案内(中野和典画集)
 編集後記
 執筆者プロフィール

 執筆している「宮沢賢治のプラネタリウム」も第25回です。 「賢治星景写真の旅(2)」は、賢治が見た月食の撮影旅です。 またしても賢治と星の両方からマニアックな「オタク」記事になってしまいました。


(宮沢賢治のプラネタリウム 2017年11月16日撮影)

 週末は、しし座流星群観望の好機です。 (17日の深夜、18日午前1時頃がピークの予報) 今年の「獅子の星座に散る火の雨」はいかに。 お天気が心配です。

11月17日(金)
 晴れのち曇り。

 今日、11月17日は、1922(大正11)年にアインシュタインが来日した日です。 10月8日にマルセイユを日本郵船の北野丸で発ち、11月17日神戸港に入港となりました。 (『【新】校本宮澤賢治全集第十六巻(下)補遺・資料』の年譜篇の一般社会事項では「一一月一八日 アインシュタイン来日」と記載がありますが、正しくは一一月一七日となります。) その日から95年。

 今年のノーベル物理学賞は、アインシュタインが予言した重力波の検出に成功した科学者でした。 それだけでも、アインシュタインが物理学者としていかに突出した存在なのかがわかります。


(『アインシュタイン日本で相対論を語る』2017年11月17日撮影)

 今年は、偶然にも、アインシュタインが来日した1922年と曜日が同じです。 つまりアインシュタインは「金曜日」に来日していたわけです。

 さて、この頃宮沢賢治は? というと賢治は26歳。 前年の12月に稗貫農学校教師となり、間もなく1年になろうとしていた頃です。 11月19日には、病気療養中の妹トシを、下根子桜の別邸(場所は、現在の雨ニモマケズ詩碑(花巻市)のある場所で、建物は花巻農学校に移築された羅須地人協会建物)から、豊沢町の自宅へと連れ戻していました。 アインシュタインが来日して10日目、11月27日に妹トシは亡くなります。

 その日付を持つのが詩「永訣の朝」です。

   永訣の朝

 けふのうちに
 とほくへいってしまふわたくしのいもうとよ
 みぞれがふっておもてはへんにあかるいのだ
 (あめゆじゅとてちてけんじゃ)
 うすあかくいっさう陰惨な雲から
 みぞれはびちょびちょふってくる
 (あめゆじゅとてちてけんじゃ)
 青い蓴菜のもやうのついた
 これらふたつのかけた陶椀に
 おまへがたべるあめゆきをとらうとして
 わたくしはまがったてっぽうだまのやうに
 このくらいみぞれのなかに飛びだした
    (あめゆじゅとてちてけんじゃ)
 蒼鉛いろの暗い雲から
 みぞれはびちょびちょ沈んでくる
 ああとし子
 死ぬといふいまごろになって
 わたくしをいっしゃうあかるくするために
 こんなさっぱりした雪のひとわんを
 おまへはわたくしにたのんだのだ
 ありがたうわたくしのけなげないもうとよ
 わたくしもまっすぐにすすんでいくから
    (あめゆじゅとてちてけんじゃ)
 はげしいはげしい熱やあえぎのあひだから
 おまへはわたくしにたのんだのだ
  銀河や太陽、気圏などとよばれたせかいの
 そらからおちた雪のさいごのひとわんを……
 …ふたきれのみかげせきざいに
 みぞれはさびしくたまってゐる
 わたくしはそのうへにあぶなくたち
 雪と水とのまっしろな二相系をたもち
 すきとほるつめたい雫にみちた
 このつややかな松のえだから
 わたくしのやさしいいもうとの
 さいごのたべものをもらっていかう
 わたしたちがいっしょにそだってきたあひだ
 みなれたちゃわんのこの藍のもやうにも
 もうけふおまへはわかれてしまふ
 (Ora Orade Shitori egumo)
 ほんたうにけふおまへはわかれてしまふ
 あああのとざされた病室の
 くらいびゃうぶやかやのなかに
 やさしくあをじろく燃えてゐる
 わたくしのけなげないもうとよ
 この雪はどこをえらばうにも
 あんまりどこもまっしろなのだ
 あんなおそろしいみだれたそらから
 このうつくしい雪がきたのだ
    (うまれでくるたて
     こんどはこたにわりやのごとばかりで
     くるしまなあよにうまれてくる)
 おまへがたべるこのふたわんのゆきに
 わたくしはいまこころからいのる
 どうかこれが天上のアイスクリームになって
 おまへとみんなとに聖い資糧をもたらすやうに
 わたくしのすべてのさいはひをかけてねがふ

 真夏に見られる流星群に、有名なペルセウス座流星群がありますが、これはヨーロッパでは「セント・ローレンスの涙」と呼ばれます。 この時期に流れるしし座流星群を、賢治は「獅子の星座に散る火の雨」(詩「原体剣舞連」)と書いていますが、妹トシを亡くしたあとは、「トシの涙」のように感じていたのかも・・・。

11月18日(土)
 曇り。

 今日の移動中の音楽は、デヴィッド・ギルモア「ライヴ・アット・ポンペイ」です。 デヴィッド・ギルモアは、ピンク・フロイドのギタリスト&コンポーザーとして活躍した後、ソロに転向して今でも活動を続けています。 その最新のライブアルバムです。

 イタリア、ポンペイ遺跡に大きな野外ステージを作り、(1970年代のピンク・フロイドの公演場所を再び訪れて)演奏が行われました。 「鬱(A Momentary Lapse Of Reason)」や「対(The Division Bell)」の時代の曲が演奏されていて選曲はわりと好みです。


(ライヴ・アット・ポンペイ 2017年11月18日撮影)

 乃木坂の新国立美術館へ。 「安藤忠雄展」と「新海誠展「ほしのこえ」から「君の名は。」まで」を見学です。 (「新国立美術館」はこちら

 はじめは、新海誠展から。 会場は2階です。 2階には、「君の名は。」の舞台にもなっているカフェ「サロン・ド・テ・ロンド」があります。


(サロン・ド・テ・ロンド 2017年11月18日撮影)

 展示は、新海誠氏の「「ほしのこえ」から「君の名は。」まで」とあるとおり、それぞれの作品制作のプロセスを示す企画書、絵コンテ、作画資料などが多数並べられていました。 新海さんは、長野県小海の出身なのですね。


(チケットほか 2017年11月18日撮影)

 続いて、1階に降りて安藤忠雄展へ。 こちらは相当お金をかけた贅沢な展示で、野外展示場に安藤忠雄氏の代表作となる「光の教会」を原寸で再現(なんと実物同様本当にコンクリート)が建設されていました。 (オリジナルは、茨木春日丘教会でこちら

 外から入る光が十字架になっています。


(インスタレーション《光の教会》2017年11月18日撮影)


(《光の教会》外側 2017年11月18日撮影)

 北海道の「水の教会」や、六甲の「風の教会」、韓国の「森の教会」の資料も展示されていました。 それぞれ個性的な建築です。

 賢治関係でいえば、上京時に通った帝国図書館(現国会図書館国際子ども図書館)の資料も展示されていました。


(チケットほか 2017年11月18日撮影)

 有楽町に移動して、ビートルズ展へ。 交通会館の隣りですね。 (ビートルズ展「Ladies and Gentlemen…The Beatles!」はこちら


(ウェブサイトより)

 ちょっと展示があっさりでしたねえ。 会場内での写真撮影は自由でした。


(ビートルズ全米ツアーの衣装 2017年11月18日撮影)

 お隣の東京駅に移動して、駅前のキッテ(KITTE)のインターメディアテクへ。 何度も行ってますが、はく製や鉱物標本をじっくり眺めてきました。 (インターメディアテク」はこちら

 キッテの中央部、吹き抜け部分では、今年も大きなクリスマスツリー(?)の準備が進んでいるようです。


(クリスマスツリー準備中 2017年11月18日撮影)

 今日は移動中、雨が降ったり止んだり・・・。

 小岩井農場では、今年も「銀河農場の夜」イベントが始まりました。 (「小岩井農場で東北最大級のイルミネーション」こちら(テレビ岩手2017年11月16日)、 「小岩井ウィンターイルミネーション 銀河農場の夜」こちら

11月19日(日)
 晴れ。

 寒冷前線が過ぎ去って、お天気は回復。 本格的な「冬型」になりました。

 隅田川に架かる厩橋から下流の吾妻橋(浅草)方面を眺めたら、アサヒビール本社の上の(雲のような)金のオブジェが見えません。 どこか行ってしまったのでしょうか。


(厩橋から見た浅草 2017年11月19日撮影)

 上野公園東京都立美術館で開催中の「ゴッホ展 辿りゆく日本の夢」に出かけてみました。 (「ゴッホ展 辿りゆく日本の夢」はこちら


(東京都立美術館にて 2017年11月19日撮影)

 このゴッホ展では、これまでの有名作品を並べたゴッホ展と異なり、ゴッホの日本文化の受容(浮世絵を中心としたもの)と、日本の洋画界におけるゴッホの影響、それぞれのアプローチを見ることができます。

 中でも興味深かったのが、「日本人のファン・ゴッホ巡礼」で、ゴッホの死後、日本の洋画家らが、渡仏した際にゴッホが最後に暮らしたオーヴェールを訪ね、関係者とも面会をしていたということ。 (まるで、宮沢賢治を愛好する者たちが、没後、花巻を訪れ、宮沢家を訪ねるように) 会場には、現地に残された『芳名録』が展示されていました。

 中でも、ゴッホの主治医であったポール・フェルディナン・ガシェ医師の息子、ポール・ルイ・ガシェのもとを訪ねた日本人画家たちの中に、河本緑石(義行)と交流のあった前田寛治の名前を見つけることができました。 1923(大正12)年6月10日(推定)とされるガシェの人々との写真では、前田寛治本人と、同じく洋画家の里見勝蔵の姿も見つけられました。 また、前田寛治の絵画、「ゴッホの墓」も展示されていました。

 昨年11月に行われた宮沢賢治学会福山セミナー2016「ことばと絵が出会うところ−宮沢賢治における文学と資格表現−」でも、日本におけるゴッホの紹介が雑誌『白樺』(1910(明治43)年創刊)で度々行われてきたことの説明がありましたが、「「白樺派」及びその周辺の文学者や美術家」(ゴッホ展図録による)が、ゴッホ巡礼を行っていたという事実が、ここですんなりと結びつきました。 (セミナーでは、賢治は自室に「日輪と山」とゴッホの「星月夜」を貼っていたという話題もありました)


(ゴッホ展のいろいろ 2017年11月19日撮影)

 もう劇場鑑賞のチャンスはないようですが、映画の方も見てみたいと思いました。 (「ゴッホ 最後の手紙」はこちら

 東京都美術館を後にして、野口英世先生にご挨拶。


(野口英世像 2017年11月19日撮影)

 そして、先生のまわりには意味不明の犬犬たち。 今日は何かイベント?


(犬犬… 2017年11月19日撮影)

 謎を抱えたまま、お向いの国立科学博物館へ。 特別展「古代アンデス文明展」を見学。 (「古代アンデス文明展」はこちら


(「古代アンデス文明展」 2017年11月19日撮影)

 南米アンデスには、数多くの古代文明がありますが、それらを俯瞰的に眺めてみるのが、この特別展のポイントのようです。 入口のリャマ君人気。 最後に、ウユニ塩湖のVR体験コーナーばあって笑えました。

 もちろん、常設展も見てきました。


(日本館にて 2017年11月19日撮影)

 上野駅では、以前寝台列車「北斗星」や「カシオペア」に使われていたホームが、「四季島」用に改修されているのを発見。 (「四季島」はこちら(JR東日本))


(四季島用ホーム 2017年11月19日撮影)

 最後は賢治の新刊から。 賢治学会の秋枝さんの新刊です。


賢治の新刊
宮沢賢治を読む
宮沢賢治を読む
童話と詩と書簡とメモと
秋枝美保
朝文社

 宮沢賢治作品を読み進めるための一つの手引書としてまとめられています。 以下、目次から。 宮沢賢治を読む はじめに/ 第一章 通路を開く生き方−三つの童話から見る−/ 第二章「家」を出て世界に向かう−十代の短歌と初期習作から見る−/ 第三章 世界の「底」に立つ−「サガレン古くからの」人々との出会い−詩集『春と修羅』成立を考える/ おわりに



 「賢治の図書館」  宮沢賢治を読む−童話と詩と書簡とメモと−/秋枝美保/(朝文社)を追加しました。

11月20日(月)
 晴れ。

 仕事を終えて帰宅する頃には、オリオン座もすっかり高くなっていました。 (私たちは、銀河系の外側の方向を見ているのです) オリオンといえば赤いペテルギウスと青白いリゲル(賢治的にはリゲル)ですが、今夜(通勤中の読書)はペテルギウスの本です。


(天文書 2017年11月20日撮影)

 2011年に刊行された野本陽代『ペテルギウスの超新星爆発』(幻冬社新書)という本です。 当時、超新星爆発も近いとされるペテルギウスが話題となりました。 そこを導入部に恒星物理のほか、銀河や宇宙論にまで紹介してしまおう!という科学読み物です。

 写真にある古めかしい星図は、1913(大正2)年に刊行された小倉伸吉『星の圖』(賢治の時代のハンディタイプの星図)です。 本書の掲載されている一覧表から日時を指定して、そのページを見ると、見えている星空がわかるという星座早見的機能もあります。 オリオン座のページを開いてみました。

 日本のアルマ望遠鏡があるアタカマ砂漠で見た天の川のニュース。 ちょっとだけ賢治の「銀河鉄道の夜」のことも。 (「“透明度”の高い夜空、天の川を一望 砂漠の天文台」こちら(産経ニュース2017年11月20日))

 いわき市で「朗読と音楽の集い 宮沢賢治をめぐって」が開催されます。 11月23日(木・祝)14時〜15時、場所はいわき市立草野心平記念文学館です。 (「朗読と音楽の集い 宮沢賢治をめぐって」はこちら(いわき市))

 明日の宵空に細い月が見えます。 日没から1時間ほど経過した17時30分ごろがチャンス。 月をあわせて、水星や土星を探してみるのもいいでしょう。 双眼鏡があると便利です。


(2017年11月21日17時30分ごろの西空)

 もし水星を見つけられたらラッキーです。 水星は、賢治の童話「烏の北斗七星」に「マシリイと呼ぶ銀の一つ星」として出てきます。 マシリイ(Mercury→普通はマーキュリー)という読み方独特ですね。 また、賢治は少女歌劇団の名前にも用いています。

11月21日(火)
 晴れ。

 仕事を終えて、自宅に帰宅。 シリウスをじっと見つめると、またたいて色が変わって見えます。(カペラではないが) 点光源だからこそ起こる現象。 なぜか急に銀河の調べもの。


(天文書と詩集 2017年11月20日撮影)

 そして尾形亀之介『美しい街』(夏葉社)。 とてもいい詩集。

 仙台の火星の庭で、この本が並んでいました。(と文章で書くと支離滅裂) さすが仙台。 よくわかってゐる。

11月22日(水)
 晴れ。

 このところ息が詰まりそうになる。

 文藝誌掲載の賢治です。


賢治の新刊
新潮
新潮
2017・12
新潮社

 今福龍太「新しい宮沢賢治」の第2回です。 「模倣(ミメーシス)の悦び」です。 賢治の童話「なめとこ山の熊」について。 今福龍太氏は文化人類学者、東外大大学院教授。 (「次回は2月号掲載予定」とありました)



 「賢治の図書館」  新潮 2017・12/今福龍太/「新しい宮沢賢治」/第2回「模倣(ミメーシス)の悦び」/(新潮社)を追加しました。

11月23日(木)
 勤労感謝の日。雨のち晴れ。

 ちょっと書店をまわって探しもの。 東銀座にて、山本実彦の創業した改造社のビル前を通過。 次の写真では、「KAIZO」「日高屋」店舗のあるビルです。 戦前の建築が今も残る。 (山本実彦関係では、松原一枝著『改造社と山本実彦』(南方新社)が面白い)


(改造社ビル 2017年11月23日撮影)

 1922(大正11)年の今日11月23日、この改造社の招きで来日中のアインシュタインは、上野の東京音楽学校(現東京芸術大学)で邦楽を鑑賞。

 そして、今日も賢治の新刊。


賢治の新刊
新潮
宮沢賢治の地学教室
柴山元彦著
創元社

 宮沢賢治の作品を通じて「地学」を学ぼうという本です。 カラー版でイラストなど図版も多数で、親しみやすい読み物になっています。 (天文関係の記載ではちょっと?なところもあります)



 「賢治の図書館」  宮沢賢治の地学教室/柴山元彦著/(創元社)を追加しました。 このような科学系賢治解説本では、賢治の時代の知見、現代の知見、また科学的事実、賢治の創作、それぞれを整理して説明することが重要です。

 天文書も忘れません。 来年版の『天文年鑑2018』やっと出ました。 (これが出ると年末感が高まります)


(最近の書籍 2017年11月23日撮影)

 少し先ですが、評判になったドラマ「宮沢賢治の食卓」のDVD発売が決まったようです。 (Amazon「連続ドラマW 宮沢賢治の食卓 DVD-BOX」はこちら

11月24日(金)
 晴れ。

 朝は透明度の高い空。 日光連山の雪が真っ白に見えました。

 野尻抱影『星三百六十五夜』の「11月24日」の項は、「タコとスバル」。 海釣りで引きあげたタコの話から、陶器を経て浅川伯教の名前(山梨!)まで出てきて、おしまい漁具の名前のルーツが「すばる」であったという話。 漁具メーカーのサイトを調べてみたら、出てきたのは「碇」でした。 (「漁具 スバル」はこちら(浅野金属工業株式会社))

 すばるの向きを変えてみるとこんな感じでしょうか。 確かに似ています。


(すばる)

 碇星(いかりぼし)といえば、カシオペヤ座の「W」(または「M」)の中央の星と、ケフェウス座のγ星を結んだ方を思い出しますが、すばるもミニ碇星として知られていたようです。

 「宙ツーリズム推進協議会」の設置。 縣さん頑張ってますね。 (「日本の「そら」の魅力を発信「宙ツーリズム推進協議会」設立」はこちら(電通))


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緑いろの通信

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