緑いろの通信 2017年9月
   

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緑いろの通信
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- 緑いろの通信 2017年9月 目次 -


緑いろの通信

 「緑いろの通信」へようこそ! 2017年9月号をアップしました。 今月の写真は、花巻にある宮沢賢治童話村のライトアップ用のオブジェです。 先月と同じモチーフとなってしまいました。 この夏は、何度か山に登ってみても、雲が現れて、星の撮影条件には恵まれませんでした。 秋のお天気はどうでしょうか。




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緑いろの通信

 新着情報でも更新ページを知ることができますが、少し紹介加えたりしてプラス・アルファの書き込みです。 日付を付けて書き加えますので、時々のぞいてみてください。


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9月1日(金)
 曇り時々雨。

 岩波書店の『図書』2017年9月号を読んでいたら、小樽文学館の玉川薫さんが「窪島誠一郎さんこと」という文章を書かれていました。 意外な交流関係に驚きました。

 再読の2冊。 『いわての名峰徹底ガイド岩手山』(岩手日報社)、佐伯和人著『世界はなぜ月をめざすのか』(講談社)です。


(再読の2冊 2017年9月2日撮影)

 佐藤文香編著『天の川銀河発電所 Born after 1968 現代俳句ガイドブック』(左右社)を併読中。 若手作家による「現代俳句アンソロジー」ですが、このタイトルって、賢治ですよねえ。 (中身は賢治とは関係ありません) そして、『小説幻冬』で連載中の小説「銀河食堂の夜」(さだまさし)も。(個人的メモ)

 小説の銀河食堂は、盛岡の菜園にあるお店「銀河食堂」とは別です。 (「いわて純情米の店 銀河食堂」はこちら

9月2日(土)
 晴れ。

 実に爽やかな秋晴れです。

 賢治から嘉内あての書簡[書簡39]が投函されてから100年目。 「かなしめるうま」くん100歳おめでとう!

 都内で用事を済ませるという珍しい週末。 銀座4丁目交差点のソニービルにあるソニーストアで、ヘッドフォンの修理依頼。 自宅用のノイズキャンセリング、なんとイヤー・パットが破れてしまいました。 相談窓口で依頼。


(銀座4丁目交差点 2017年9月2日撮影)

 ついでに、お隣の三愛にあるリコーイメージングスクエア銀座へ。 ここでは、リコーやペンタックスの新製品を見てきました。 リコーは、全天球カメラ(THETA V)に力を入れていますね。

 次は、ニコンプラザ銀座2階のサービスセンターへ。 盛岡で故障したD810Aとレンズの修理です。


(ニコンプラザ銀座 2017年9月2日撮影)

 事前にインターネットで申込みをしてから持ち込みしたので、割引価格で見積を出してもらうことができました。 何れにしても想定外の出費です。

 想定外といえば、ついでに点検・清掃(Aコース、センサー清掃など)で出したD800Eに、オートフォーカス機能の問題が発覚してしまいました。 以前、問題を指摘して、調整してもらったのですが、過酷に使っていたので、やはり修理レベルになってしまったようです。 とは言え、D810Aが入院してしまったので、当面はD800Eの出番で、修理は来月以降となりました。


(点検後のチェックシート 2017年9月2日撮影)

 ショールームの方では、最近発表になったばかりの、D850の発表イベントで満員になっていました。 展示されていた製品で、ファインダーやシャッターをチェック。 D800や、D810とは、若干違いますね。


(カタログ各種 2017年9月2日撮影)

 点検・清掃の方は2時間ほどの間は東銀座付近を歩いてきました。 いわて銀河プラザや、賢治ゆかりの場所を点々と移動。 (小岩井農場のソフトクリーム休憩つき)

 昔、賢治が立ち寄ったことのある古宇田病院の跡も、その後ビルの立て直しがありましたが、なんとまたそのビルが取り壊しという事態。 今度はどうなるのでしょうか!


(古宇田病院跡ではビル解体工事中 2017年9月2日撮影)

 銀座のあとは、神保町へ。 古書店をめぐり、賢治の新刊などチェック。


賢治の新刊
宮沢賢治コレクション5
宮沢賢治コレクション5
なめとこ山の熊
童話V
筑摩書房

 新たな賢治全集シリーズの第5回配本は、『宮沢賢治コレクション5なめとこ山の熊 童話V』です。 掲載作品は、楢の木大学士の野宿/台川/イーハトーボ農学校の春/イギリス海岸/耕耘部の時計/タネリはたしかにいちにち噛んでいたようだった/黒ぶどう/車/氷と後光(習作)/四又の百合/虔十公園林/祭の晩/紫紺染について/毒もみのすきな署長さん/税務署長の冒険/或る農学生の日誌/なめとこ山の熊/寓話洞熊学校を卒業した三人/畑のへり/月夜のけだもの/マリヴロンと少女/蛙のゴム靴/まなづるとダアリヤ/フランドン農学校の豚



 「賢治の図書館」  宮沢賢治コレクション5 なめとこ山の熊 童話V/を追加しました。

 今回のスタッフは、監修:天沢退二郎、入沢康夫、編集委員:栗原敦、杉浦静、編集協力:宮沢家、挿画・装画:千海博美、装丁:アルビレオとなっています。

 解説文は、杉浦静「本文について」、最後に門井慶喜「エッセイ・賢治を愉しむために 賢治先生、授業中」が収められています。 次回配本は『宮沢賢治コレクション6 春と修羅 詩I』です。 (筑摩書房の宮沢賢治コレクションのページはこちら

 エッセイを書かれた門井慶喜さんは、小説「銀河鉄道の父」(『小説現代』誌に連載)の作者です。 こちらも近日単行本化される予定です。

 東京ステーションギャラリー、今月中旬からは、シャガール展(個人的メモ)

9月3日(日)
 晴れ。

 今日も秋晴れ。 昼間は暑くなりました。

 今日も賢治の新刊ですが、昨日に引き続き、筑摩の宮沢賢治コレクションです。 童話が終わって、詩篇に突入!


賢治の新刊
宮沢賢治コレクション6
宮沢賢治コレクション6
春と修羅
詩I
筑摩書房

 新たな賢治全集シリーズの第 6回配本は、『宮沢賢治コレクション6春と修羅 詩I』です。 掲載作品は、『春と修羅』/『春と修羅』補遺/短唱「冬のスケッチ」



 「賢治の図書館」  宮沢賢治コレクション6 春と修羅 詩I/を追加しました。

 今回のスタッフは、監修:天沢退二郎、入沢康夫、編集委員:栗原敦、杉浦静、編集協力:宮沢家、挿画・装画:千葉博美、装丁:アルビレオとなっています。

 解説文は、栗原敦「本文について」、最後に入沢康夫「エッセイ・賢治を愉しむために 『春と修羅』の新たな謎」が収められています。 次回配本は『宮沢賢治コレクション7 春と修羅 第二集 詩II』です。 (筑摩書房の宮沢賢治コレクションのページはこちら

 ほとんどルビが付されているので、実に読みやすい。

 宮沢賢治学会イーハトーブセンター事務局から、「2017年度総会招集のお知らせ(通知)」「第28回定期大会のお知らせ」が到着しました。 事務局の皆さまありがとうございます。


(「定期大会のお知らせ」ほか 2017年9月3日撮影)

第28回定期大会のお知らせ

 期 日2017年9月22日(金)〜23日(土)
 会 場1日目:花巻市定住交流センター(なはんプラザ)
      2日目:宮沢賢治イーハトーブ館

第1日 9月22日(金)

◆第27回宮沢賢治賞・イーハトーブ賞贈呈式(10:00〜)
  主催/花巻市
  選考経過報告、賞贈呈、主催者あいさつ、受賞者あいさつ、記念講演等
◆定期総会(13:30〜14:30)
  議事(1)2016年度事業報告及び収支決算の承認について
    (2)2017年度事業計画及び収支予算の決定について
◆イーハトーブ賞奨励賞受賞者講演(15:00〜15:30)
  30分程度の講演を予定しております。
  澁谷りつ子(第27回イーハトーブ賞奨励賞受賞者)
  「ダヤダンの子供たちと私」
◆第2回宮沢賢治学会イーハトーブセンター功労賞贈呈式(15:45〜16:15)
  贈呈式を開催し、賞の贈呈(趣旨説明と贈呈)を行います。
  引き続き受賞者から挨拶や成果の発表などをしていただく予定です。
◆イーハトーブ・サロン(16:30〜17:00)
  「私と賢治」というテーマで参加者が5分間の中で、それぞれの思いを気軽
  に述べあうコーナー。
◆参加者交流・懇親会(17:30〜19:00)
  一日目の行事終了後、同会場にて、参加者の交流・懇親会を開催いたします。
  会費:1,000円 ※当日会場にて受付いたします。

第2日 9月23日(土)

◆研究発表(10:00〜12:30)

 今年の第27回宮沢賢治研究発表会における発表者と題目は次のとおりです。

 木野陽:「銀河鉄道の夜」における列車と天の川の位置関係について考察と「そらの野原」の空間的具体像の提案
 黄毓倫:宮沢賢治と浅草オペラ−詩「函館港春夜光景」を例に−
 高橋在也:宮沢賢治と高橋元吉
 富永国比古:ほんたうの神様論争−賢治の『神観』


 宮沢賢治学会のサイトは以下のとおり。 (宮沢賢治学会イーハトーブセンターはこちら

 他に、チラシとして、 「STV創立60周年・STVラジオ開局55周年 棟方志功展「わだば、ゴッホになる。」」(北海道立近代美術館2018年2月3日〜3月25日)、 「支笏湖セミナーへお誘い 支笏湖ブルーの光と語る宮沢賢治の世界」(「賢治の里で賢治を読む会」つめくさグループ2017年10月22日開催)、 「文芸同人誌『アザリア』100周年記念展」(宮沢賢治記念館2017年9月2日〜24日(「秋田街道」の直筆稿及び「アザリア」の全巻の実物公開は9月16日〜24日となります)) が同封されていました。

 支笏湖での賢治イベントの案内がありました。 支笏湖は、以前苫小牧でセミナーがあった際の帰りに、斉藤征義さんに送っていただき、高畑勲さんたちと立ち寄った場所です。 その頃、桜がきれいで、とてもいい時期でした。 秋の支笏湖も訪れてみたいですね。

9月4日(月)
 晴れのち曇り。

 月が日々大きくなって・・・、今日は旧暦7月14日。 明日は「十五夜」ですね。 あさって6日が満月

 今年の中秋の名月(旧暦8月15日)は、10月4日ということで、ちょうどあと一ヶ月後です。 その時期の満月は、10月6日で、今月同様にずれています。

 賢治の新刊本でも取り上げている筑摩書房の「宮沢賢治コレクション」の装丁は毎回楽しみです。


(「宮沢賢治コレクション4〜6 2017年9月4日撮影)

 「装画・挿画」としてクレジットされている千海博美さんという方を調べてみたら、個人のサイトがありました。 7月には個展もあったのですねえ。 そして装丁を担当しているさんも! (Hiromi Chikai Illustrations Site はこちら、 ブックデザインのアルビレオ(albireo)はこちら

 韮崎の向山さんと電話でお話。 今年も碑前祭が開催されるとのこと。 もう10月の予定を確認したり・・・。 今年ももうすぐおしまいですね。

9月5日(火)
 晴れ。

 今から101年前の1916(大正5)年9月5日、宮沢賢治たち盛岡高等農林学校の土性・地質調査の一行は、埼玉県の秩父、長瀞、三峰方面を調査中でした。 9月4日は、小鹿野にある寿屋旅館に宿泊(最近発見された『田保日記』で寿屋旅館に宿泊したことが判明)、5日には三峰神社に宿泊していました。

 この時期の保阪嘉内あて書簡[書簡22](1916(大正5)年9月5日)に書かれた短歌(熊谷で詠まれたもの)には、蠍座(さそり座)も登場しています。 その短歌と、星空のシミュレーションを掲げておきましょう。

 武蔵の国熊谷宿に蠍座の淡々光りぬ九月の二日。


(1916(大正5)年9月5日20時 熊谷で見たさそり座)

 さて、この地平線近くのさそり座、少し前の「緑いろの通信」(2017年8月29日号)で紹介したものと状況が良く似ていることがわかります。 時期的には1年ほど前になりますが、高橋秀松あて書簡[書簡10](1915(大正4)年8月29日)で、遠野を訪問中書かれたものです。 この書簡の一部を引用します。

 今夜はもう秋です。スコウピオも北斗七星も願はしい静な脈を打つております


(1915(大正4)年8月29日20時 遠野で見たさそり座)

 熊谷では「淡々」と書き、遠野では「静な脈を打つております」と書いています。 (地平線にも近いし)星のまたたく様子に注目していたものですね。 いずれも日没後、やっと暗い星が見え始めた時刻です。 そうでないと、さそり座は沈んでしまいます。

 「遠野」という地名が出たところで、最近遠野にまつわる話題が出てくる本も読んでみました。 荒俣宏 荻野慎諧 峰守ひろかず著『荒俣宏妖怪探偵団 ニッポン見聞録 東北編』(学研プラス)です。


(『ニッポン見聞録 東北編』 2017年9月5日撮影)

 この本、岩手のことがわりと書かれていて、その中で宮沢賢治記念館の牛崎さんとの対談「対談 宮沢賢治×南方熊楠 談義」があります。 もちろん、賢治、佐々木喜善、水野葉舟・・・も出てきます。 (ついでに、野尻抱影と水野葉舟の関係にも触れてほしかった) 実はこの内容、6月11日に花巻を訪れた際に、賢治記念館で牛崎さんご本人から聞いていたものでした。

 妖怪も地域文化ととらえれば、また違った見方ができるものです。 企画にはならないかも知れませんが、『続ニッポン見聞録 東北編』を読んでみたい。

 文化という視点からみれば、星座なんかもそうで、もともとはアカデミズムとは離れたところにあった。 でも、西洋科学のシステム(天文学の事情)で、星座が独自に定義されて、文化から一段切り離されたところに来てしまった。 ところが、賢治の作品に出てくる星座は、天文学で言うところの星座とはちょっと事情が違っている。 むしろ賢治のオリジナル星座として理解することで、思わず納得できる箇所がいくつもある。 これは、西洋科学の洗礼を受けていない妖怪と同列なんですね。

 「賢治の図書館」  荒俣宏 荻野慎諧 峰守ひろかず著『荒俣宏妖怪探偵団 ニッポン見聞録 東北編』/第1章探偵団、まずは岩手で妖怪を考える/対談 宮沢賢治×南方熊楠/(学研プラス)を追加しました。

 最後は、今日は天文雑誌の発売日ということでこの2冊。 『月刊 星ナビ』『月刊 天文ガイド』の10月号。 やはり二誌とも、表紙には皆既日食の写真が使われていました。


(天文二誌 2017年9月5日撮影)

9月6日(水)
 雨のち曇り。

 今夜満月

 秋の月ではありますが、賢治の「原体剣舞連」を思い出して、

    dah-dah-dah-dah-dah-sko-dah-dah
 こんや異装の満月のした

と読んでみたい衝動にかられます。

 今夜の本は、アーサー・ビナード編著『知らなかった、ぼくらの戦争』(小学館)です。 アーサー・ビナードさんと言えば、昨年花巻で開催された『宮沢賢治生誕120年記念 第4回宮沢賢治国際研究大会』での記念講演のお話が思い出されます。 印象に残っているのは、講演そのものというよりも「多様な視点で物事を理解しようとする姿勢」でした。

 この『知らなかった、ぼくらの戦争』は、戦争体験についてインタビューしたものを一冊の本にまとめたものです。 戦争を語り、聞くうえで「アメリカ人」の視点、「日本人」の視点、「戦前」の視点、「戦後」の視点・・・、多様な価値観があるかと思います。 それぞれを理解した上で語られる言葉の先にあるのは、戦争の虚しさ。

 読みやすかったので、あっという間に読了。 来月北海道で行われる「支笏湖セミナー」では、アーサー・ビナードさんの講演「穴の中のプラトン、川の中のケンジ」が行われます。


(『知らなかった、ぼくらの戦争』 2017年9月6日撮影)

 締切の迫った作業は、ミスチルの音楽を聴きながら。


(『賢治童話ビジュアル事典+CD』 2017年9月6日撮影)

9月7日(木)
 曇りのち小雨。


(『星戀』 2017年9月7日撮影)

 書店の新刊コーナーを見ていたら、野尻抱影・山口誓子『星戀』が中公文庫から再刊されていました。 星文学の名著です。 野尻抱影が随筆を、山口誓子が俳句、それぞれが「一月」から「十二月」まで、その季節の小文や句を担当しています。 誓子が、「露更けてよりオリオンの地を離る」と書けば、抱影は「初秋の夜も更けて、露気が天地に白く満ちわたったころ、昴はそれを追う釣鐘星や、その北の馭者の五角星と共に既に中空にかかって、青白い濡れいろに、異名六つら星の一つ一つを鮮かに弁別させる」と書いています。 ・・・さらに、「これは年毎に見る星月夜の光景だが、まったく私たち微小な人間を息づまらせ、立ちすくませるような大観である」と締めくくっています。 全く同感です。


(雲上の夏の朝 2017年8月13日撮影)

 便乗して「オリオンは高く うたひ/つゆとしもとを おとす、」 これまた同感です。

9月8日(金)
 晴れ。

 帰宅途中、遠くのマンションの横にある丸い光に一瞬驚いたら、「十八日の月」でした。 この「十八日の月」は、宮沢賢治の童話「〔祭の晩〕」という作品にも出てきます。 (全文はこちらで読めます→「祭の晩」はこちら(青空文庫))

(略)表の方で、どしんがらがらがらっという大きな音がして、家は地震の時のようにゆれました。亮二は思わずお爺さんにすがりつきました。お爺さんも少し顔色を変えて、急いでランプを持って外に出ました。
 亮二もついて行きました。ランプは風のためにすぐに消えてしまいました。
 その代り、東の黒い山から大きな十八日の月が静かに登って来たのです。


(2017年9月8日20時の月)

 今夜見た月も「大きな」月でした。 しかもオレンジ色。 ちょっと得した気分。

 「〔祭の晩〕」と言えば、今日から花巻はお祭です。 今頃は「祭の晩」、まさしく「花巻祭りの夜」です。

 先日、某古書店で、賢治の研究資料、河原仁佐ェ門編著『宮沢賢治とその周辺』を購入しました。 この本は、岩手大学農学部創立七十周年記念事業の一つとして、1972(昭和42)年の編纂されたもので、賢治全集の年譜などにも基礎的な資料として引用があります。

 前所有者がほとんど読んでいなかったらしく新品同様。 しかも、高値で取引されるこの本が信じられないほどの激安、所有しているものがボロボロになって解体し始めたので、二冊目の購入となったのです。


(左側古いもの 右側今回購入したもの 2017年9月8日撮影)

 改訂版ではありませんでしたが、正誤表もついていました。


(正誤表 2017年9月8日撮影)

 そして、何より驚いたのが見返しの部分の色が異なっていたことです。 古い方は「赤」、新たに購入したものは「青」なのです。 後付のところを見てもまったく同じ。 この違いは何でしょうか?


(見返しの色が異なっていました! 2017年9月8日撮影)

 このところ、急に秋めいてきました。 8月に訪れた北アルプスの燕山荘では、もう初霜とか。 山の紅葉がもうすぐ始まる季節となりました。


(白駒池の秋 2016年10月10日撮影)

9月9日(土)
 晴れ。

 いいお天気の週末。 こんな時に限って山に出かけられない。 たまった用事をまとめて!

 都内に出て、さいたま市にある鉄道博物館へ。 大宮駅からニューシャトルに乗り換えて一駅。 とある調査の裏付けを取るためにやってきました。 (鉄道博物館はこちら(JR東日本))

 約1時間ほどで用件は終了。 そのまま帰るのももったいないので、少々見学。 以前来た時とはだいぶ展示が変わっていました。

 車両ステーションと呼ばれる実物車両展示スペースの中央転車台の上の車両は、蒸気機関車から電気機関車「つばめ」に変更されていました。 ユニークな形で、なんだか、ぬいぐるみのような顔立ちです。


(「つばめ」 2017年9月9日撮影)

 鉄道博物館のうれしいところは、戦前の宮沢賢治の時代の鉄道車両を見て、客車であればシートにも座ることができることです。 内装の雰囲気が落ち着きますね。 次の写真は1927年の登場した半鋼製客車の車内です。


(オハ31車内 2017年9月9日撮影)

 この「半鋼製」車両が登場するまでは、客車は基本的に木製でした。 賢治が日本各地を旅した時代には、木製車両が主流となります。 その当時の基本型客車の実物大模型があります。


(大正時代の客車 2017年9月9日撮影)

 鉄道博物館に来れば、プラネ版「銀河鉄道の夜」の車内風景の中に入り込むことができます。

 賢治の詩に関連するちょっと変わったもの(今はありません)もありました。 詩「〔鎧窓おろしたる〕」という作品タイトルにもある「鎧窓」とは、鎧(よろい)のような日よけをつけた窓、またはその日よけの部分(鎧戸)を指します。

   〔鎧窓おろしたる〕

 鎧窓おろしたる
 車室の夢のなかに
 乱世のなかの
 西郷隆盛のごときおももちしたるひとありて
 眉ひそめし友の
 更に悪き亀のごとき眼して
 暑さと稲の青さを怒れり
 洋傘の安き金具に日は射して
 貴紳のさまして
 鎧窓の下を旅し
 淡くサイダーの息はく
 をのこぞあはれなり
 そこに幾ひら雲まよひ
 そこにてそらの塵沈めるを
 二六時水あぐるてふ樋の
 みのらぬ稲に影置ける
 また立えりのえり裏返し
 学生ら三四を連れ

 日よけ(鎧戸)を下した状態ですが、こんな感じです。


(鎧戸をおろした状態 2017年9月9日撮影)

 以前、この「緑いろの通信」でも取り上げてきましたが、賢治と鉄道も奥が深い世界です。

 鉄道博物館の二階のステンドグラス「銀河鉄道の駅弁」には、賢治も描かれています。(再掲) ウエイトレスさんがお皿に載せているのは鷺でしょうか? そして「注文の多い料理店」から山猫茶の出張販売も。 なんだか怪しい山猫販売員もいます。 (山本容子『過ぎゆくもの』「銀河鉄道の駅弁(嵐山光三郎)」より)


(『過ぎゆくもの』より 2017年9月9日撮影)

 鉄道博物館は、来夏には新館もオープン予定とのこと。 また(今度はゆっくり)行ってみたいと思いました。

 大急ぎ都内に戻って、はじめは銀座へ。 ソニーの相談窓口で、先日修理に出したヘッドホンの受け取り。 きれいに修理されて復活しました。

 ソニービル(銀座プレイス)にあるカフェcommon ginzaでランチ。 お茶の時間はメールタイム。 眺めも良し。

 続いて神保町。 先日まわれなかった古書店の在庫状況をチェック。

 都営新宿線で新宿へ。 頼まれものの準備のため、消耗品の購入。

 一連の用事を終えて、最後は、オリンパスギャラリー東京で開催されている郡川さんの写真展を見学。 郡川さんとも数年ぶりでお話することができました。 (オリンパスギャラリー東京「郡川正次 写真展」はこちら

 夜の帰宅です。

9月10日(日)
 晴れ。

 またしても暑い夏、昼は仕事、夜は締切間際のDTP作業。 PCの調子が悪い状況が断続的に続いています。

 昨日、鉄道博物館で見た「つばめ」の電気機関車、「ぬいぐるみのような顔立ち」が気になって調べたら愛称があって、それは「ムーミン」だそうです。 (でも「ムーミン」より「カピバラ」似だと思う)

 アインシュタインのことを調べていて、以前買った単行本、金子務『アインシュタイン・ショック 大正日本を揺るがせた四十三日間 上・下』(河出書房新社)がどうしても見つからない。 サントリー学芸賞を受賞した本で、賢治のことも書かれているので読んだ記憶があったのに・・・。 と思ったら、旅先で買った同書の文庫版(岩波現代文庫)が出てきました。


(『アインシュタイン・ショックTU』 2017年9月10日撮影)

 以前読んだ際に気づかなかったあれこれ。 本読みの愉しみの本質は「再読」のときにある!と思っています。

 そして、彼方ヨウホさんからは、『アザリアの咲いた本3』が届きました。


(『アザリアの咲いた本3』 2017年9月10日撮影)

 内容は、いつものように宮沢賢治の盛岡高等農林学校時代の同人誌『アザリア』メンバーのエピソードを四コマ漫画で紹介しています。 『アザリア』百周年記念「アザリアの咲いた本」三部作の完結でしょうか。 ありがとうございます。

 「賢治の図書館」  彼方ヨウホ著『アザリアの咲いた本3』を追加しました。

 明日9月11日は、賢治が病で亡くなる10日前(1933(昭和8)年9月11日)の出来事ですが、賢治が教え子の柳原昌悦あての書簡(現存する最後の手紙)が出された日です。 (2015年に続いて、今年も引用しておきます)

八月廿九日附お手紙ありがたく拝誦いたしました。 あなたはいよいよご元気なやうで実に何よりです。 私もお蔭で大分癒っては居りますが、どうも今度は前とちがってラッセル音容易に除こらず、咳がはじまると仕事も何も手につかずまる二時間も続いたり、或は夜中胸がぴうぴう鳴って眠られなかったり、仲々もう全い健康は得られさうもありません。 けれども咳のないときはとにかく人並に机に座って切れ切れながら七八時間は何かしてゐられるやうなりました。 あなたがいろいろ想ひ出して書かれたやうなことは最早二度と出来さうもありませんがそれに代ることはきっとやる積りで毎日やっきとなって居ります。 しかも心持ばかり焦ってつまづいてばかりゐるやうな訳です。 私のかういふ惨めな失敗はたゞもう今日の時代一般の巨きな病、「慢」といふものの一支流に過って身を加へたことに原因します。 僅かばかりの才能とか、器量とか、身分とか財産とかいふものが何かじぶんのからだについたものででもあるかと思ひ、じぶんの仕事を卑しみ、同輩を嘲り、いまにどこからかじぶんを所謂社会の高みへ引き上げに来るものがあるやうに思ひ、空想をのみ生活して却って完全な現在の生活をば味ふこともせず、幾年かゞ空しく過ぎて漸く自分の築いてゐた蜃気楼の消えるのを見ては、たゞもう人を怒り世間を憤り従って師友を失ひ憂悶病を得るといったやうな順序です。 あなたは賢いしかういふ過りはなさらないでせうが、しかし何といっても時代が時代ですから充分にご戒心下さい。風のなかを自由にあるけるとか、はっきりした声で何時間でも話ができるとか、自分の兄弟のために何円かを手伝へるとかいふやうなことはできないものから見れば神の業にも均しいものです。 そんなことはもう人間の当然の権利だなどといふやうな考では、本気に観察した世界の実際と余り遠いものです。 どうか今のご生活を大切にお護り下さい。 上のそらでなしに、しっかり落ちついて、一時の感激や興奮を避け、楽しめるものは楽しみ、苦しまなければならないものは苦しんで生きて行きませう。 いろいろ生意気なことを書きました。病苦に免じて赦して下さい。 それでも今年は心配したやうでなしに作もよくて実にお互心強いではありませんか。 また書きます。

 亡くなる直前の時期、自身の大きな反省と、教え子への想い、そして「上のそらでなしに、しっかり落ちついて、一時の感激や興奮を避け、楽しめるものは楽しみ、苦しまなければならないものは苦しんで生きて行きませう」というごく平凡でありながら、重い言葉の先を考えてみる季節となりました。 虫の声も響き、賢治祭が近くなったことを感じます。


(「下ノ畑」に続く道 2016年9月21日撮影)

9月11日(月)
 晴れのち夜雨。

 所用をいくつか・・・。 昨晩なんとか版下を仕上げました。 取材、撮影、文章、DTP、校正・・・、全部一人でやってます。 最後はデータを編集長さんに送付。


(昨晩のデスクトップ)

 最近見つけた天文古書に、山本一清著『星座の親しみ』の終戦直後版(仮称)があります。 この『星座の親しみ』は、1921(大正10)年6月に警醒社から刊行された通俗天文書ですが、戦後まで出版社を変えながら長い間販売され続けてきた本です。

 従って、時期によってバージョンが異なります。 今日は戦前〜戦後版を紹介します。


(『星座の親しみ』 2017年9月10日撮影)

 右から順番に、

◆『新撰 星座の親しみ』1939(昭和14)年6月18日発行(恒星社)
 (函入り)

◆『新撰 星座の親しみ』1942(昭和17)年2月20日発行(恒星社)
 (カバー)

◆『新撰 星座の親しみ』1946(昭和21)年8月5日(恒星社厚生閣)
 (10,000部印刷)

となります。 ちょっと見ただけでもわかりますが、上質紙に函までついていた1939年のものから、次第に簡易なものへと変わり、終戦直後版では簡易印刷となります。 戦時中〜終戦直後の物品事情を物語るものです。

 いつも内表紙の裏面には、著者山本一清のコメントがついていますが、1946年の終戦直後版では次のとおり書かれていました。


(『星座の親しみ』より 2017年9月10日撮影)

 これは自分の「天文詩集」第一巻である。
 大正八年の末に初稿を終り
 大正十年五月、之れに筆を加へて、出版、
 同年十一月、再版の機を以つて、更に加
 筆増訂、面目一新。大正の大震災直後 
 改訂して復興版の先鞭をつけ、昭和六年
 恒星社處女出版として改訂第三版を送り
 更に昭和大戦後の 自由文化の魁けとし
 て四訂版を出す。      (一C)

 通俗天文書でありながら、大災害や戦争にも負けることなく、文化の担い手として刊行が続けられていたことが良くわかります。 「昭和大戦後の 自由文化の魁けとして」というところがいいですね。

 また、終戦直後版では省略されていますが、当初から巻末に折込の星座図がついていました。


(『星座の親しみ』より 2017年9月11日撮影)

 もちろん賢治の時代に発売されたものにも星座図はありました。 宮沢賢治記念館では、この『星座の親しみ』の折込星座図を見ることができます。 大正時代には、薄手の紙で「星圖」というタイトルがつけられたものです。 (なんと1920年分点) ガラスケース内に展示されています。 見学するときは、星座境界線が曲線となっていること、星座名も今の表記にはない「エリダン」「牧夫」「センタウル」等があることにも注目です。 賢治は、この「星圖」を目にする前に、星座早見盤の方の表記で星座名を覚えているようなので、これは当時の天文事情を知るため資料ということですね。

9月12日(火)
 雨のち夜晴れ。

 もう20数年前、スイスを旅行してグリンデルワルトの宿(確かユース)で一泊だけ一緒になった関西の方から、年1回の旅の絵葉書が届きます。 なんだか不思議なご縁です。 今年は、北海道の旭岳に出かけて積丹の宿からのカード。 (野ねずみのような)ナキウサギの写真つき。


(今夜のあれこれ(カード、音楽) 2017年9月12日撮影)

 アインシュタイン関係で、再確認のため、西尾成子著『科学ジャーナリズムの先駆者 評伝 石原純』(岩波書店)、西田良子著『宮沢賢治 その独自性と同時代性』(翰林書房)の2冊を通勤時間に再読中。


(『評伝 石原純』 2017年9月12日撮影)

 石原純は、東京帝大理科大学を卒業し、東北帝大教員時代の留学で、アインシュタインと交流を持ち、1922年アインシュタイン来日時には通訳者として活躍しました。 相対性理論の著書も多く、当時科学ジャーナリストとして活躍した人物です。


(宮沢賢治「序」より 2017年9月12日撮影)

 寮さんから送ってもらった『宮澤賢治「四次元幻想」の源泉を探る書誌的考察』もまた読まないと、引っ越し以来行方不明の『トムソン科学体系』も探し出して・・・。

 週末に近づくという台風、こちらにやってくるのでしょうか。 (このところの更新、個人的メモ帖状態)

9月13日(水)
 晴れ。

 この夜の涼しさ。 実に快適。

 もう9月も半ばです。 そんな題名の賢治の詩がありました。

   〔九月なかばとなりて〕

 九月なかばとなりて
 やうやくに苹果青のいろなせる稲の間を
 農業試験場三十年の祭見に行くといふ人々に伴ひて
 あしたははやく急ぎ行きしに
 蜂の羽の音しげく
 地平のはてに汽車の黒きけむりして
 エーテルまたはクロゝフォルムとも見ゆる
 高霧あえかに山にかゝりき

 賢治の「兄妹像手帳」に書かれた作品です。

 賢治の作品には「苹果青」が沢山でてきますが、ここでは稲の色を表しています。 詩「三原 第三部」では、伊豆大島を船で離れる場面に、緑系の色としてこんな表現もあります。

   三原 第三部

 黒い火山岩礁に
 いくたびいくたび磯波があがり
 赤い排気筒の船もゆれ
 三原も見えず
 黒い火山岩礁に
 いくたびいくたび磯波が下がり
   ……風はさゝやき
     風はさゝやき……
 波は灰いろから
 タンブルブルーにかはり
 枯れかかった磯松の列や
 島の奥は蛋白彩の
 けむりはあがり
 いちめん apple green の草はら
   ……それをわたくしは
     あの林のなかにも企図して来た……
 狂ったかもめも波をめぐり
 昨日座ったあの浜べでは
 牛が幾匹しづかに
 海霧のなかに草をはみ
 奥地は霧の
 奥地は霧の
 もうこの船はヽヽヽの燈台を見ます
 暗い雲にたった    の崎の燈台を見ます

 「apple green」という言葉です。

 昨年、伊豆大島を自転車でまわってきた時の景色がよみがえります。 賢治が船から見た「いちめん apple green の草はら」はこの辺りでしょうか。 赤い溶岩、黒い溶岩、そして一面の緑。


(伊豆大島にて 2016年6月11日撮影)

 花巻からは、賢治の「下ノ畑」のニュースです。 (「賢治を感じて「下ノ畑」に白菜 花巻で児童が苗植え」はこちら(岩手日報2017年9月13日))

 来週の賢治の命日(9月21日)には、花巻の「雨ニモマケズ」詩碑前で賢治祭が行われます。 写真は昨年の賢治祭を撮影したもの。 ちょっと視点を変えて、「下ノ畑」方面から撮影してみました。 夕暮れどき森に全国から集います。


(賢治祭遠望(下ノ畑ニテ) 2016年9月21日撮影)

 そして、賢治の命日に合わせた「イギリス海岸出現の試み」は今年も計画されています。 (「イギリス海岸出現の試み」についてのお知らせ」はこちら(岩手河川国道事務所))

9月14日(木)
 晴れ。

 原稿の発送完了。 台風の接近で、諸々のスケジュール変更がありました。

 賢治の童話集『注文の多い料理店』の「目次」を見ると、作品「月夜のでんしんばしら」に、「(一九二一・九・一四)」と、1921年の今日、9月14日の日付が付されています。

 このお話はこんな感じで始まります。 (冒頭部分のみ引用)

   月夜のでんしんばしら

 ある晩、恭一はぞうりをはいて、すたすた鉄道線路の横の平らなところをあるいて居りました。
 たしかにこれは罰金です。 おまけにもし汽車がきて、窓から長い棒などが出ていたら、一ぺんになぐり殺されてしまったでしょう。
 ところがその晩は、線路見まわりの工夫もこず、窓から棒の出た汽車にもあいませんでした。 そのかわり、どうもじつに変てこなものを見たのです。
 九日の月がそらにかかっていました。 そしてうろこ雲が空いっぱいでした。 うろこぐもはみんな、もう月のひかりがはらわたの底までもしみとおってよろよろするというふうでした。 その雲のすきまからときどき冷たい星がぴっかりぴっかり顔をだしました。

 「どうもじつに変てこなものを見たのです」とあるとおり、やがて恭一は不思議な光景を目にすることになります。 その光景は、旧暦九日の月明かりのもとで繰り広げられるのです。


(こんな不思議な光景 2017年9月14日撮影)

 試しに、この作品に付された日付の月を見るとこんな感じでした。 旧暦でいうと8月13日です。


(「月夜のでんしんばしら」の夜の月)

 作品は旧暦の9日であり、実際の月は旧暦の13日です。 詩の方は、だいたい一致しますが、さすがに童話の方は違うようです。

 賢治の「うろこ雲」は、詩と童話を行き来する境界のようなものか・・・。

 そして、東京賢治研究会の会員、『ワルトラワラ』誌のメンバーでもある宮沢俊司さんから、賢治関係の資料などいろいろお送りいただきました。 いつもありがとうございます。


(桜つながりで 2017年9月14日撮影)

 書籍は、右上から江北の五色桜編集委員会編『江北の五色桜 舩津資料からみる日米桜友好100周年』、 宮沢賢治研究会『賢治研究』2017年7月132号、 日米さくら交流100周年記念事業実行委員会編『日米さくら交流のふるさと 荒川堤の桜』(東京農大出版会)です。

 『江北の五色桜』と『荒川堤の桜』には、宮沢俊司さんの文章「桜と大正文学 宮澤賢治短歌七首」と賢治短歌が掲載されています。 『賢治研究』の宮沢さんの記事は、『宮沢賢治 文語詩の森 第二集』に収められた文語詩「隅田川」論を書き改めた「ワシントンの桜と賢治そして嘉内」です。

 「賢治の図書館」  江北の五色桜編集委員会編『江北の五色桜 舩津資料からみる日米桜友好100周年』、 宮沢賢治研究会『賢治研究』2017年7月132号、 日米さくら交流100周年記念事業実行委員会編『日米さくら交流のふるさと 荒川堤の桜』(東京農大出版会)を追加しました。

 そして、小林健二さんの個展(於ギャラリー椿)の案内状もいただきました。 (「小林健二の作品世界」はこちら

 桜の季節には荒川堤も歩いてみないと!

9月15日(金)
 晴れ。

 今年の賢治祭の情報です。 (今年の賢治はベートーベン風!)


(賢治祭広告用絵はがき)

 日時:平成29年9月21日16:00〜
 場所:花巻市桜町「雨ニモマケズ」詩碑広場 (雨天時 南城小学校)

 平成29年度「賢治祭」プログラム(予定)

16:00 献花 参加者献花 随時 演奏:金星少年少女オーケストラ
16:30 黙祷
      精神歌斉唱 指揮 大畠恵司 伴奏 佐藤司美子

      開会
      朗読「雨ニモマケズ」 宮沢賢治記念館学芸員 牛崎敏哉
      挨拶 賢治祭 実行委員長 宮澤啓祐
      歓迎の言葉 花巻市長 上田東一
      賢治さんに捧げる歌 ポラーノの広場の歌 南城小学校4年生
      講話 「賢治さんの願い」(仮題)宮沢和樹
         「世界に拡がる宮沢賢治」(仮題)賢治学会代表理事 富山英俊
      朗読と合唱 「母に云う」南城中学校
            「あすこの田はねえ」花巻農業高校
            「山の晨明に関する童話風の構想」中村留美子
            「耕母黄昏」他(仮題)花巻北高校
            「牧歌」「雨ニモマケズ」桜町ママさんコーラス
            「和風は河谷いっぱいに吹く。」花巻中学校
      野外劇「どんぐりと山猫」花巻南高校
      鹿踊り「一番庭」(仮題)花巻農業高校
      みんなで歌いましょう 指揮 大畠恵司 伴奏 佐藤司美子

20:30 座談会「私にとっての賢治さん」

※プログラムは変更になる場合があります


(「賢治祭」への路 2016年9月21日撮影)

 関連リンク
 ■「「賢治祭」開催のお知らせ」はこちら(花巻市)
 ■「賢治祭特設ホームページ」はこちら(宮沢賢治記念会)
 ■「賢治祭」はこちら(花巻観光協会)

 (山梨県)
 ■「明野子ども美術館の賢治祭」(9月17日)はこちら

 そして、「白鳥の停車場」駅長さんからの情報です。 9月23日(土)お天気が良ければ、「白鳥の停車場」(童話村駐車場前)前で、有志によるささやかなケンタウル祭が行われる予定とのこと。 詳しい時間は未定ですが、14時ごろから「からすうりの灯」作り、ポランの会さんによる朗読〜座談会。 空気望遠鏡を組み立てた天体観察の計画も。 (「白鳥の停車場」はこちら、「白鳥の停車場 (@akm8726).」はこちら(twitter))


(「白鳥の停車場」の夜 2016年8月28日撮影)

 9月18日追記:空気望遠鏡による天体観察は、花巻市内の久保田光学さんの方に変更とのこと。(駅長さんありがとうございました)

9月16日(土)
 晴れのち曇り。

 三連休、台風の影響でできた時間を利用して、普段できないことをあれこれ。

 賢治の新刊から。


賢治の新刊
銀河鉄道の父
銀河鉄道の父
門井慶喜著
講談社

 『小説現代』誌に2016年10月〜2017年b7月に連載された評伝小説の加筆・修正版です。 賢治を父政次郎の視点から描いたもの。 以下、章題。 1父でありすぎる、 2石っこ賢さん、 3チッケさん、 4店番、 5文章論、 6人造宝石、 7あめゆじゅ、 8春と修羅、 9オキシフル、 10銀河鉄道の父。



 「賢治の図書館」  門井慶喜著銀河鉄道の父/を追加しました。

 次は文芸系雑誌から。


賢治の新刊
新潮
新潮
2017・10
新潮社

 新連載として今福龍太「新しい宮沢賢治」が始まりました。 第1回は「太平洋にタイタンは要らない」です。 今福龍太氏は文化人類学者、東外大大学院教授。 (「次回は12月号掲載予定」とありました)



 「賢治の図書館」  新潮 2017・10/今福龍太/「新しい宮沢賢治」/第1回「太平洋にタイタンは要らない」/(新潮社)を追加しました。

9月17日(日)
 雨。

 神保町の裏通りにて。 だんだん雨が強くなってきました。


(ギャラリー珈琲店・古瀬戸前 2017年9月17日撮影)

 夜になって雨強く、夜明けにかけて強風。 「風の又三郎」大暴れ。

9月18日(月)
 敬老の日。晴れ。

 台風が過ぎ去って、すっきりとした青空。 しかし、気温は33度。

 東京ステーションギャラリーで16日(土)から始まった「シャガール 三次元の世界」展を見にやってきました。 お休みなのに空いていてラッキー。 (東京ステーションギャラリー「シャガール 三次元の世界」展はこちら

 シャガールの彫刻や陶芸作品を中心とした展示です。 …が、どうしても絵画の方が気になってしまいます。 背景にぼんやり浮かぶ月。 幻想的な原色色使い。

 展示室を3階から2階に移動するために、丸の内北口の塔の部分にある階段を利用します。 天上を見るとこれまたアート。


(3階から2階への階段の天井 2017年9月18日撮影)

 2階の展示を眺めて、出口は丸の内北口の2階部分になります。 ギャラリーの入口は、ちょうどこの正面に当たります。


(東京駅丸の内北口 2017年9月18日撮影)

 この風景を見て思い出されるのは、東京ステーションホテル改修工事前(2006年から改修)の2005年12月、奇跡的に予約が取れて、一度だけ宿泊した部屋の窓からの風景です。

 年末近くの夜、ホテルに到着。 駅1階にあるフロントで受付を済ませ、ホテルの方の案内でお部屋まで。 駅というより、歴史ある博物館にでも宿泊する感じでした。


(東京ステーションホテル307号室 2005年12月20日撮影)


(丸の内南口 部屋の配置図 2005年12月20日撮影)

 お部屋はありきたりのシングルですが、調度品とか、歴史を感じました。 次の写真の左側に写っている椅子なんか、どこかフランク・ロイド・ライト風です。


(307号室 2005年12月20日撮影)

 部屋のカーテンを開けると、丸の内南口が見渡せます。 (駅に泊まってるから当たり前ですが)


(丸の内南口 2005年12月20日撮影)

 当時の「緑いろの通信」を眺めながら思い出して写真をアップしてみました。 種村直樹著『東京ステーションホテル物語』(集英社)を再読。 松本清張、川端康成、内田百問、江戸川乱歩・・・、宿泊した人物の名前が数多く紹介されていました。 この本には出ていませんが、確かアインシュタインも東京入りはこの東京駅からで、このホテルで休憩をしていたと思います。

 今年後半は、週末のお天気に恵まれないことが多いですが、今回も台風。 明後日20日は、新月です。 21日の賢治祭の晩も、星がまたたくことでしょう。

 イギリス海岸の渇水化、早くから公表はされていましたが、報道は直前ですね。 台風による北上川水量増の影響が心配です。 (「<宮沢賢治>イギリス海岸 2年連続出現なるか 21日にダム放流調整」はこちら(河北新報2017年9月15日))

 地元の天文同行会の会報届く。 小田さんニコンのWX7×50購入。

9月19日(火)
 晴れ。

 9月16日(土)に放送されたBS朝日「子供たちに残したい美しい日本のうた」で賢治の「星めぐりの歌」が取り上げられました。 番組制作会社から何度か問い合わせがあって、歌詞の解釈(出てくる星座など)について説明の協力依頼がありました。 (「子供たちに残したい 美しい日本のうた」はこちら(BS朝日))


(「星めぐりの歌」 2017年9月19日撮影)

 曲に合わせて使用する映像をプラネタリウムで収録されたそうですが、私自身制作された映像(本編)を見ておりません。 どのような映像になったのか気になるところです。 (ご覧になった方、お知らせください)

 7月頃、ちょうど先日の3連休を使って、岩手山星見登山を計画していました。 結局、計画段階で中止にしてしまったのですが、結果としてあの台風の風雨の中を登るのも無謀なので、「また別の機会にしなさい」ということなのでしょう。

 宮沢賢治の詩「東岩手火山」はこの時期に書かれたものです。 教師賢治が、農学校の生徒たちを連れ岩手山に登り、山頂近くで夜明けどきの星空を眺める場面が出てきます。 はじめ、思いついたように生徒たちの星空案内人となるのですが、そのあとは、「さあでは私はひとり行かう」と月明かりの中を一人外輪山を歩きながら、自分の世界に入ってゆきます。

 以下は、詩「東岩手火山」の抜粋です。

 さあ、みなさん、ご勝手におあるきなさい
 向ふの白いのですか
 雲ぢやありません
 けれども行ってごらんなさい
 まだ一時間もありますから
 私もスケッチをとります)
  はてな、わたくしの帳面の
  書いた分がたった三枚になってゐる
  殊によると月光のいたづらだ
  藤原が提灯を見せてゐる
  ああ頁が折れ込んだのだ
  さあでは私はひとり行かう
  外輪山の自然な美しい歩道の上を
  月の半分は赤銅、地球照
(お月さまには黒い處もある)
 (後藤又兵衛いっつも拝んだづなす
  私のひとりごとの反響に
  小田島治衛が云ってゐる
(山中鹿之助だらう)
  もうかまはない、歩いていゝ
    どっちにしてもそれは善いことだ
 二十五日の月のあかりに照らされて
 薬師火口の外輪山をあるくとき
 わたくしは地球の華族である
 蛋白石の雲は遥にたゝえ
 オリオン金牛もろもろの星座
 澄み切り澄みわたって
 瞬きさへもすくなく
 わたくしの額の上にかがやき
  さうだ、オリオンの右肩から
  ほんたうに銅青の壮麗が
  ふるえて私にやって来る
 

 下の図は、賢治が見ている星空です。 オリオン、金牛(星座名で言えばおうし座、金牛は占星術による星座宮です)、もろもろの星座に酔いしれる贅沢感、思わず「わたくしは地球の華族である」なんて書いているのもユニークです。 空気が澄むこの季節、しかも高山の上ですから、星々の輝きの美しさは格別のはずです。


(1922年9月18日午前3時40分の星空(岩手山))

 引用部分の最後に、「さうだ、オリオンの右肩から/ほんたうに銅青の壮麗が/ふるえて私にやって来る」と書かれた部分がありますが、この「銅青の壮麗」の正体は、夜明け時の黄道光のようです。 地平線付近から、オリオンの右肩(赤い星、ベテルギウス)側、黄道(図中の黄色線)に沿って、淡い光の帯を見ることができます。 これが黄道光です。

 次の写真では、画面の左下から、中央(すばる)に向ってのびる光の帯が黄道光です。 長野県の室堂(標高2,450m)で撮影しました。 (この黄道光、ちょっとだけ冬の銀河とクロスしてます→「見たまへ。天の川はおれはよくは知らないが、何でもxといふ字の形になってしらじらとそらにかかってゐる。」(童話「ポランの広場」より))


(立山より昇る冬の星座 2016年8月16日撮影)

9月20日(水)
 晴れ。

 今日は新月。 ということは、今日から旧暦の葉月(8月)、中秋です。 北米の皆既日食で始まった旧暦の文月(7月)から一ヶ月経ったのですね。

 今夜の秋の音楽は、デューク・ジョーダン(写真右)とアート・ガーファンクル(写真左)。


(秋の音楽 2017年9月20日撮影)

 今は亡きジャズ・ピアニスト、Duke Jordanの名盤、Fright to Denmarkと、Art Garfunkelのベスト盤、the singerです。 Duke Jordanは、初めてライブハウスでジャズの生演奏を聴いたアーティストです。 場所は、新宿Pit innという有名なお店でした。 演奏に感激したあと、ちょうど通路に面した席だったので、ご本人に手を差し出したら握手してもらうことができました。 柔らかくて大きな手、今でもその感触を記憶しています。 Fright to Denmarkは、2017のデジタル・リマスター盤が出たところで再聴。 (「Duke Jordan」はこちら(wikipedia))

Art Garfunkelは、2枚組のベスト盤です。 有名曲も多数ですが、その間に流れる地味な曲にこそこのアルバムの良さがあります。 11月来日公演(なんと盛岡でも)、行けそうもありませんが、S&Gとして公演は2度ほど楽しんでいるので、CDで我慢です。

 もう、花巻では、賢治祭の自主前夜祭が始まっている模様。 イギリス海岸の渇水化は、台風の影響で水量調整できず、中止とのこと。

9月21日(木)
 晴れ。

 今日は宮沢賢治の命日(1933年9月21日没)です。 花巻では賢治祭。

 今年は花巻に行けないので、せめて夜空に目を向けてみたいと思います。 写真もオリオン座を。


(霧の夜のオリオン 2016年9月4日撮影)

 薄雲がソフト系フィルターの役割をして、輝星をより目立たせてくれました。 シリウスの辺りが明るくて月しろのよう。

 昨年の秋、高見石小屋のテラスから撮影。 カメラや交換レンズを置いたテーブルの上が夜露でびっしょり。 「オリオンは高くうたひ つゆとしもとをおと」されました。

 夜、「今、賢治祭に来てます。どこにいらっしゃいますか」とメールがきました。 「茨城です」と返事。 賢治祭会場に居ると思われていたようですが、時にはいないこともあります。

 賢治本の合間に天文書。 一冊読了、あと2冊。


(天文の新刊 2017年9月21日撮影)

 右から、山根一眞『スーパー望遠鏡「アルマ」の創造者たち』(日経BPコンサルティング)、大須賀健『ブラックホールをのぞいてみたら』(角川書店)、浅田英夫『深読み!ギリシャ星座神話』(地人書館)です。 天文の新刊はなるべく見ておくようにしていますが、刊行数が相当多いので、気になった本だけ。

 アルマ本は、平松正顕さんにアルマ望遠鏡の観測基地で撮影された天の川の写真を見せていただいたのを機会に(身近になって)気になっていたため読んでみました。 (「ライブカメラ アルマ現地の眺め」はこちら

9月22日(金)
 晴れ。

 花巻では昼間、花巻市の賢治賞・イーハトーブ賞の授与式に続き学会の定期大会がありましたが、欠席。

 仕事〜つくばでの所用を済ませる。 夜になって東北新幹線で移動。 北上入り。

 移動の新幹線では、松本圭司の新譜STARGAZERを聴く。 松本圭司は、T-SQUAREの元キーボーダー。 このアルバムでは、則竹裕之(Dr)、須藤満(Ba)も参加。 元学大の須藤満(君)参加で聴いてみることにしました。


(STARGAZER 2017年9月21日撮影)

 星がテーマで、アートワークも星座です。

 夜中の北上駅前、思ったより暖かい。

9月23日(土)
 晴れ。

 駅前ホテルを出て、在来線で花巻駅へ。

 花巻駅前からタクシーで胡四王山の宮沢賢治記念館へ。 運転手さんから「賢治祭が晴れて良かった」というお話を聞きました。

 この運転手さん、イギリス海岸近くの生まれだったそうで、岩手軽便鉄道時代の廃線跡のことよく知っていて、瀬川鉄橋の橋脚(現後川にあったもの)がしばらく残されていたけれど、国道のバイパス工事で取り壊されて残念だったこと、小舟渡八幡横から似内駅にはレールの敷設あとの盛り土があって、そこに稲の束を並べて干したことなどをお話してくれました。 (運転手さんのお話追記:イギリス海岸は、瀬川に流れをあそこに作った(街中の洪水を防ぐため北上川への合流地点を変えた)から、すっかり変わった。イギリス海岸といえば砂浜、とてもいいところで、あれなら賢治さんが行ったのもよくわかる) もっとお話を聞きたかったけれど、あっという間に賢治記念館到着。 (そういえば、8月来た時に乗ったタクシーの運転手さんとは、天体写真の画像処理の件で盛り上がった。花巻のタクシー運転手さんはマニア度が高い!)


(イギリス海岸の朝(11年前撮影)2006年9月23日撮影)

 タクシーを下車すると、すぐまた次のタクシーがやってきて、その車からは杉浦さんが下車。 宮沢賢治記念館で、「文芸同人誌『アザリア』100周年記念展」を見学。 修復済の『アザリア』1〜6まですべて展示のほか、一式を冊子状に複製したものが展示されて自由に閲覧できるようになっていました。 (これは、解説文もセットにして、実際に販売してほしいものですね)

 展示室では、以前山梨県立科学館で上映されていたプラネタリウム番組「二人の銀河鉄道〜賢治と嘉内の青春〜」のビデオ版も上映されていました。

 館長さんから『アザリア』展&『やまなし』展の図録をいただきました。 また、車でイーハトーブ館まで送っていただき感謝感謝です。


(『アザリア』展図録 2017年9月23日撮影)

 この表紙のイラスト「「秋田街道」の風景」は、『アザリア第六号』の表紙イラストに真似て書かれた「ありそうでない」架空のイラストです。 (すばらしい出来栄え)

 宮沢賢治イーハトーブ館では、第27回宮沢賢治学会イーハトーブセンター研究発表会に出席。 今年は4名の参加者による発表。 昨年、学会の定期大会に参加されていた木野陽さんも、今日は「銀河鉄道の夜」について研究発表されていました。


(イーハトーブ館新聞受前にて 2017年9月23日撮影)

 発表会終了後、学会のメンバー数名で、近くの蕎麦屋高松庵さんへ。 (そこに偶然「ポランの会」の方々が登場) 新幹線の時間直前まで食事をしながらお話。 新花巻駅までは菊池さんに車で送っていただきました。

 予定の新幹線で東京駅へ。 そこから、大急ぎで表参道にある青山スパイラルホールへ。 渡辺えりさんの40周年記念のコンサートです。

 いつものように飾らない話題で楽しませ、抜群の歌唱力で最後までステージ盛り上げます。 終演後、サイン会があったので、そのあとにお話してきました。 また来年に向けて、再演や新作の計画も進んでいるようです。 (翌日は宇梶さんも来ることになっていたとは)

 地下鉄表参道駅から戻りました。 20代の頃はこの辺りによく来ていたので、(変わってしまったにしても)懐かしい場所です。

 松田甚次郎関係のニュースから。 (「賢治の教えを古里で実戦、松田甚次郎の生涯描いた演劇 地元劇団が再演」はこちら(河北新報2017年9月21日))

 賢治祭の様子も報道されています。 (「賢治の命日に思い寄せて 花巻、住民らが朗読や歌」はこちら(岩手日報2017年9月23日))

9月24日(日)
 晴れ。

 今日は、電車で都内へ。 神田、そして東銀座にあるいわて銀河プラザに寄って、錦糸町まで。 (「いわて銀河プラザ」はこちら


(いわて銀河プラザ前にて 2017年9月24日撮影)

 岩手県のアンテナショップ、いわて銀河プラザの壁面には、(たぶん南部鉄製と思われる)賢治童話作品をイメージした円盤状のプレートがあります。 これは「銀河鉄道の夜」と書かれたもの。 はくちょう座がデザインされています。

 錦糸町駅からは、すみだパークスタジオ(倉)へ。 ここを会場に、渡辺えり作「川を渡る夏」(オフイス3〇〇)が上演されます。 今から31年前に書かれ上演された作品の再演です。


(大横川親水公園と東京スカイツリー 2017年9月24日撮影)

 なんと、「銀河鉄道の夜」や「貝の火」をモチーフとするような部分(台詞にはジョバンニやカムパネルラも出てくる)もあって、何度かびっくり。 賢治ファンの方でも、これは知らない方が多いのでは。

 ちょうど千秋楽という特別の日でした。 終演後、劇団員を代表して、土屋良太さんからご挨拶とメンバー紹介。 演出家の稲葉賀恵さんからも挨拶がありました。


(『川を渡る夏』脚本 2017年9月24日撮影)

 楽しい気分で、会場を後にして、帰宅途中のカフェでパワーポイントの資料作成。

 帰宅途中の列車から、旧暦8月5日の月がぼんやり。 なんとか、地球照つき。 次の上弦は28日(木)です。

9月25日(月)
 晴れのち夜激しい雷雨。

 今日から平常どおり。 明日は所用をいろいろ片付けて。


(花巻でのいろいろ 2017年9月25日撮影)

 花巻でのいろいろ:『宮沢賢治研究Annual Vol.27』(宮沢賢治学会イーハトーブセンター)、「宮沢賢治学会イーハトーブセンター第28回定期大会プログラム」、「第27回宮沢賢治賞 イーハトーブ賞」、「宮沢賢治学会イーハトーブセンター第28回総会議案書」、「第27回宮沢賢治学会イーハトーブセンター研究発表会」です。

 そして、イーハトーブ館の研究発表会受付で、『賢治学会会報』の最新号「くるみ」も受け取りました。


宮沢賢治学会会報第55号「くるみ」

   宮沢賢治学会イーハトーブセンターの会報第55号「くるみ」です。 目次の紹介です。


目次
諳んじられるものの彼方 古川日出男
第27回宮沢賢治賞・イーハトーブ賞決まる
第2回宮沢賢治学会イーハトーブセンター功労賞
イーハトーブ〈比喩〉学
 ・「命名者」の苦悩 水野達朗
ihatove Illuminations
  安斉重夫
宮沢賢治資料(57)
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 −宮沢賢治における文学と視覚の表現−
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 遅くなりましたが、花巻でお世話になりました皆様、ありがとうございました。 わずか数時間の滞在(実質的には日帰り)でしたが、中身の濃い時間となりました。

 22日に花巻で行われた宮沢賢治賞・イーハトーブ賞贈呈式のニュースです。 (「賢治作品 戦場でも心打つ…色川さんが講演」はこちら(読売新聞2017年9月23日))

9月26日(火)
 曇り。

 今日、明日と所用。

 保阪嘉内・宮澤賢治アザリア記念会から、会報『アザリア』第17号(平成29年9月1日号)、「アザリア創刊100年、花園農村の碑10周年 第10回花園農村の碑 碑前祭」(日時:2017年10月29日13時30分〜 於:韮崎市 東京エレクトロン韮崎文化ホール前庭、記念講演・朗読会 朗読及び講演:宮沢賢治記念館前副館長牛崎敏哉氏)のチラシが届けられました。 事務局の皆様ありがとうございます。


(会報『アザリア』第17号)

 以下、会報『アザリア』第17号(平成29年9月1日号)の主な記事から。

『アザリア』創刊100年/ アザリアの咲いた日々−創刊から終焉、そして百年−/ 『アザリア』創刊100年企画・展示/ ◆第9回「花園農村の碑 碑前祭』/ ◆水墨画「賢治と嘉内の銀河鉄道」を寄贈/ ◆第22回武田の里音楽祭『保阪嘉内と心友たち』/ ◆FM−FUJI特別番組 大晦日に放送/ ◆保阪庸夫さん解放運動無名戦士の墓に合葬/ ◆山梨県立文学館 作家のデビュー展/ ◆保阪嘉内長男善三さんが逝去されました/ ◆第19回明野子ども美術館の賢治祭/ ◆第10回花園農村の碑碑前祭−アザリア創刊100年 花園農村の碑建立10年−

 巻頭の記事、「アザリアの咲いた日々−創刊から終焉、そして百年−」は、梅花女子大学大学院生の藤田なお子さんによるもの。

 以下に、来月行われるアザリア記念会の碑前祭のチラシを掲載いたします。


(花園農村の碑 碑前祭)

9月27日(水)
 曇り。

 蒸し暑い一日。 所用二日目。

 修理中の一眼レフカメラボディレンズが到着。 そして今度は、もう一台の方が入院。

 納品書を見ると、ボディ関係では、ミラーボックス破損のため前ボディ交換、レンズでは、ズーム作動不具合のため関連部品交換、レンズカビのため光学系部清掃、レンズくもりのため3群部を交換、劣化のため各ゴムリングを交換・・・とありました。 重症だったようです。

 天体写真では夜露にぬれたり、ヒーターで温めたり、カメラにとっては過酷な条件が多いので、十分注意していても、カビが内部で発生してしまうようです。 とりあえず、新品のようになって帰ってきました。 (特にレンズのリング回転が滑らかです)


(新品同様 2017年9月27日撮影)

 夜は資料作成中に(自宅なのに)あれこれ書籍発掘中。 以前の展示図録と、評伝本(2冊)が出てこない!


(アインシュタイン本 2017年9月27日撮影)

 ものがたり文化の会に所属していたという合田真さんの記事です。 (「宮沢賢治の感性で共同体をつなぎ、 アフリカに「未来」を灯し続ける」はこちら(WIRED2017年9月14日))

9月28日(木)
 曇りのち雨。

 賢治の新刊は、またまた筑摩の宮沢賢治コレクションです。 詩篇の2冊目は、春と修羅第二集!


賢治の新刊
宮沢賢治コレクション6
宮沢賢治コレクション7
春と修羅 第二集
詩II
筑摩書房

 新たな賢治全集シリーズの第 7回配本は、『宮沢賢治コレクション7春と修羅 第二集 詩II』です。 掲載作品は、『春と修羅』第二集/『春と修羅』第二集補遺



 「賢治の図書館」  宮沢賢治コレクション7 春と修羅 第二集 詩II/を追加しました。

 今回のスタッフは、監修:天沢退二郎、入沢康夫、編集委員:栗原敦、杉浦静、編集協力:宮沢家、挿画・装画:千海博美、装丁:アルビレオとなっています。

 解説文は、杉浦静「本文について」、最後に東直子「エッセイ・賢治を愉しむために 賢治の短歌からみえてくるもの」が収められています。 次回配本は『宮沢賢治コレクション8 春と修羅 第三集・口語詩稿ほか 詩III』です。 (筑摩書房の宮沢賢治コレクションのページはこちら

 帯のことば「いちにち/いっぱい/よもぎの/なかに/はたらいて」は、詩「馬」の冒頭部分ですね。 よく、「宮沢賢治の作品で何が好きですか?」と聞かれるのですが、一つあげるのは難しいということで、この「春と修羅第二集」と答えています。


 ちょうど9月も末の頃(1911(明治44)年9月30日)、当時15歳の宮沢賢治は、盛岡中学の発火演習(銃を使った演習)に参加していました。 それは、岩手山の東側山麓で野営を含む軍事演習でした。

 そのときの様子を記した短歌が残されています。

 臥してありし 丘にちらばる白き花 黎明のそらのひかりに見出でし

 ひがしぞら かゞやきませど丘はなほ うめばちさうの夢をたもちつ
 

 「黎明のそら」という言葉から、夜が明けようとしている時刻であることがわかります。 鉄砲を抱えて、野原に臥していると、まわりがだんだんと明るくなってきて、あちこちに白い花を見つけたときの小さな感動が作品になっています。

 その白い花の正体は、二首目の短歌にあるとおり「ウメバチソウ」なのですが、小さくて白い花で、高山の草原などで良く見つけることができます。 (ウメバチソウはこちら(wikipedia))

 演習の行われた一本木附近の当時の夜明けを調べると、天文薄明開始が3:59です。 日の出時刻は5:26です。 この間の出来事と思いますが、薄明開始後およそ30分ほど経過した東空のシミュレーションをアップしておきます。 もう春の星座、しし座がすっかりのぼる時刻です。

 当時の夜空には、姫神山の三角形の上に、金星と水星が並んで見えていました。


(1911年9月30日4時35分 岩手山山麓の夜明け)

9月29日(金)
 晴れ。

 久々の晴れ間。 西空へと傾く。 欠け具合も含めて安定感のある月。

 今夜はメールの日。

 好評だった童話村の夕景写真、まだアップしていない写真から、雲が一番鮮やかになった頃に撮影したものを1枚アップします。


(童話村の夕景 2017年8月26日撮影)

 建築が好きなので、「窓学」とは面白そう。 賢治の「銀河鉄道の夜」と窓の展示も。 (「スパイラルで「窓」テーマの展覧会 研究者・アーティストら12人参加」はこちら(シブヤ経済新聞2017年9月29日))

9月30日(土)
 晴れ。

 朝から暑くなってきました。 今日は近所の筑波宇宙センターの一般公開日で行ってみることにしました。

 駅近くのお店で買い物をしていたら、宇宙飛行士さんと遭遇。 その勢いで、会場へ。 つくば駅からは臨時バスが約10分毎に運行されていました。 (「9月30日(土)筑波宇宙センター特別公開開催! !(入場無料)」はこちら(JAXA))


(ロケット広場にて 2017年9月30日撮影)


(広報棟視聴覚室前にて 2017年9月30日撮影)

 とにかく、どこへ行っても人が多くて、以前来たときのゆったり感がなくてびっくりです。 プログラムを見ると、イベント、講演会も相当数用意されているのですが、おもしろそうな企画は締め切りになっていたり、1〜2時間待ちといった感じでした。 普通に見学してもそれなりに楽しいですが・・・。

 筑波宇宙センターには、通常でも見学できるスペースドームなどの展示施設がありますが、特別公開時には、他の研究施設、宇宙飛行士の訓練施設なども見学することができます。


(宇宙日本食 2017年9月30日撮影)


(宇宙飛行士養成棟にて 2017年9月30日撮影)

 もちろん、スペースドームも混雑中。 国産人工衛星も、おもちゃのような「きく1号」から「だいち」まで。 「だいち」はちょっとした2階建ての建物サイズ。


(国産人工衛星 2017年9月30日撮影)


(ISS模型 2017年9月30日撮影)


(きぼう実験棟 2017年9月30日撮影)


(歴代ロケット模型 2017年9月30日撮影)

 見学できたものとしては、月探査の衛星が魅力的でした。 これもかなり大型の衛星です。 重量3,000kgとか。


(月周回衛星かぐや 2017年9月30日撮影)

 見学を終えて、すっかり遅くなってしまった昼食。 食後、連絡バスを利用して会場を後にしました。


(つくば駅へのバスから 2017年9月30日撮影)

 海外赴任中の友人が一時帰国中で久々の再会。 会食は日本料理のお店でした。 天文関係のお話で盛り上がる。



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