事務局だより 第63号
   

The Miyazawa kenji Association Iihatobu Center

事務局だより 第63号
2002,09,01
Office Kenji

宮沢賢治学会
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事務局だより
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事務局だより 第63号
 *第13回定期大会プログラムについて


 来る9月22日23日の二日間にわたって第13回定期大会が開催されます。 土・日開催という、絶好の日程となりました。 会員外のかたも参加できますので、どうぞお誘いあわせの上、おいでください。

 9月22日(日)
会場 NAHAN(ナハン)プラザ
       (東北線花巻駅前)
▼第12回宮沢賢治賞、イーハトーブ賞贈呈式
 主催 花巻市     10:00〜12:00
 選考経過報告、主催者あいさつ、受賞者あいさつ、本賞受賞者記念講演
▼定期総会       13:30〜14:15
 議事 (1)規約の改正について
    (2)二〇〇一年度事業報告及び収支決算の承認について
    (3)二〇〇二年度事業計画及び収支予算について
    (4)役員の改選について
▼賢治研究リレー講演  14:30〜15:30
 (1)小林俊也(東京都)「画(え)本の原画から幻灯を作ってみましたが…」
 (2)北川宏廸(東京都)「賢治の時空認識−時空恒等式にもとづく時空観−」
 (3)黄 育紅(千葉県)「宮沢賢治の「雨ニモマケズ」の中国訳について」
 (4)プラット・アブラハム・ジョージ(岩手県)「ビジテリアン大祭に見られる東洋思想をめぐって」
 (5)佐藤孝(花巻市)「出羽沢の宮沢賢治」
▼イーハトーブサロン  15:45〜16:45
 −私と賢治−
 「私と賢治」というテーマで参会者が、5分間の中にそれぞれの思いを気軽に述べ合うコーナー。 ただし、「宣伝」や「行事案内」だけの内容のものは、ご遠慮いただくことといたしましたので、了解願います。 なお、発表者への記念品として、ちょっと気になる「イーハトーブ館図書券」(5百円券2枚)を用意いたしますので、どうぞ皆様ふるってご参加ください。 当日会場にて申し込みを受け付けます。
▼参加者交流・懇親会  17:00〜18:30
 1日目の行事終了後、同会場にて、参加者交流・懇親会を開催いたします。 会費千円、当日会場にて受付いたします。
 なお、この会を連続企画第3回「宮沢賢治をたべる会」として、現在イーハトーブ館で開催中の企画展「ごちそう博覧会」のアンケートより、リクエストの多かったイーハトーブに関する料理を味わう予定ですので、お楽しみに。

 9月23日(月・祝日)
会場 宮沢賢治イーハトーブ館
▼研究発表       10:00〜12:30
1亀井茂「宮澤賢治らの『盛岡附近地質調査報文』の特徴と以後の地質・土性調査への影響」
 第九回研究発表会等で、大正5年夏期実習として賢治らのクラスが実施した盛岡附近地質調査に関し、その調査の動機に、賢治の大きな係わりが推定されることを指摘した。
 今回はその賢治らの調査報告『盛岡附近地質調査報告文』について、先ず、地質調査という名目でなされているが、実はかなり土壌にも重点を置いた農林業の立場で記載されており、調査はもちろん、報文作成にも関先生の関与の大きかったことが推定され、また賢治ならではの記載部分があることなど、六つの特徴を挙げ考察する。
 更にこの調査が土壌にも重点を置いている点で、翌大正6年の江刺郡、対象7年からの稗貫郡地質・土性調査へと連続し、賢治もそれらに重要な役割を果たしている。 従って盛岡附近地質調査は、それらの前段階となる重要な意義あることを、関先生の土性調査法研究発展と、賢治の盛岡附近地質調査での活躍を裏付ける立場より考察した。

2斎藤文一「宮沢賢治画「日輪と山」の謎」
 あまりにも有名な賢治の画「日輪と山」であるが、多くの不思議に満ちている。 この画には魅力があり、真実らしいところも感じられるが、見ているうちに「眼まい」がしてくることも確かだ。 その理由はこの画には実の部分と虚の部分とが点在していることにある。 本発表では次の三点を主に解明したい。 (1)画かれた「日輪」はどのように実在のものを変形しているか(構造)、 (2)こういう現象はどういう時に現れるか(条件)、 (3)太陽と山と観測者の位置関係はどうなっているのか(観測者の視点)である。 結論の一つをいえば、実在の現象は微粒子や水滴を含む大気による太陽光の回折現象であって、中央の明るい円盤(光冠という)とそれを取り巻く光の輪(光輪という)とから成るというものである。 いっぽう画かれた図は、それを部分的に表現しているが、実在のものに比べると色彩が全く違うのである。 このような点について考察する。
育時期を比較することで、「テクストに登場する植物」の生育時期の特徴と、そこから読み取れる事柄を明らかにする。

3相原啓寿「「セロ弾きのゴーシュ」にみられる宮澤賢治の音楽性について」
 動物との交流は、宮沢賢治が意図したゴーシュの欠点を捕える適切な練習となっているのであろうか。 自身チェロをたしなむ賢治の示唆する言葉は音楽的に留意しなければならない点が多く秘められているように思う。
 そこで私は、ゴーシュの欠如している音楽的技術とそれに対応する各動物が指摘する内容を明らかにし、また賢治のチェロ技術修得に関わりのある〈藤原嘉藤治との練習〉〈大津三郎のレッスン〉そして〈筆写した西洋音楽講座〉の三項目を参照して、「セロ弾きのゴーシュ」に底流する賢治の音楽的素養に触れてみたいと思う。

4藤田清子「成人教育者としての宮沢賢治−1920年代の成人教育・社会運動・農民運動の動向からの影響−」
 賢治が農学校で教え、「羅須地人協会」の活動を行っていた1920年代は、日本でも那須皓が翻訳したホルマンの著書『国民高等学校と農民文明』の影響を受けて、成人教育が活発化した時代であった。 その代表的なものが、土田杏村が先導した自由大学運動であり、加藤完治の日本高等国民学校であるが、これまでの社会教育史研究や先行研究では、賢治の「羅須地人協会」は他に200から300あったと言われている塾風教育の中に含まれている。 そこで、これまでの先行研究を踏まえて、具体的に1920年代の成人教育が賢治に与えた影響について、検討する。
 さらに、1920年の社会運動と農民運動の動向に基づいて、賢治が目ざした農村共同体とはどのような共同体だったのか検討する。
 最後に社会教育と生涯学習の観点から、賢治の「羅須地人協会」での活動が、現代の生涯教育論に何かを示唆するのかについて分析を行う。

5杉山諭「賢治求道の道」
 岩手県東和町の安俵、安俵城跡に顕本法華宗実成寺がある。 当時、この実成寺を管掌していたのは、国柱会会員でもあった小原道勝師であった。 賢治の求道の行動はこの小原道勝師から教えを受けることから始まったと考えられる。 また国柱会の実践的な宗教活動の情報を知る窓口にもなったと思われる。
 この小原道勝師への訪問は朝駆けと言える突飛なものであった。 花巻の自宅からはおよそ10キロメートルの行程で、その3分の2は樹木に覆われるような山道であった。 何かに憑かれたように夜道を辿る賢治の姿に、強靭な求道の精神を感じないではいられない。

▼ポランの広場      13:30〜15:00
 岩手県北上市立「鬼の館」力丸館長と、本会鹿川理事をコーディネーターに、舞台発表。 「鬼」との遭遇−賢治と鬼のものがたり−
 出演 岩崎鬼剣舞

▼宿泊のご案内
 花巻観光センターをご利用下さい。 市内すべての宿泊施設をご案内いたします。
      電話 0198-31-2244


 *賢治祭関連行事のご案内


 …9月19日(木)
 ◆花巻農業高校「賢治先生を偲ぶ会」
  ○松田司郎さんの講演、林洋子さんの公演
   花巻農学校生による合唱、演劇、鹿踊りほか
   午前9時から 会場・花巻農業高校

 …9月21日(土)
 ◆賢治祭
  ○午後5時 献花
   午後5時30分 鹿踊り、詩の朗読、合唱、
   野外劇、座談会など
   会場 桜町雨ニモマケズ詩碑前(雨天の場合、南城小学校体育館)

 ◆宮沢賢治記念館開館二十周年記念行事
  ○「心象スケッチ『春と修羅』初版本 実筆原稿」展開催中(10月31日〜)
  会場・宮沢賢治記念館ホール
  ○9月21日(土)宮沢賢治記念館無料開館
  また、9月20日の2日、花巻市内の中学校・イーハトーブ館にて、風のセミナー後期9講座が開催されます。   日程のチラシを同封いたしましたので、ごらんください。
  (日程はこちら(花巻市のホームページ)にあります。)


 *会費納入のお願い


 本会の会費は、毎年4月から翌年3月までが年会費となっております。 今年度の会費未納の方には、今回事務局だよりとともに郵便振替の用紙を同封いたしました。 同時に、会費の受納は随時受け付けておりますので、イーハトーブ館への来館のおり、郵便局、銀行へお立ち寄りの際納めてくださっても結構です。
 なお、すでに納入されているにもかかわらず振込用紙が同封されている場合は、お手数ですがご一方いただければ幸いです。 また、このお知らせと行き違いにお支払い済みの場合は、何卒ご容赦願います。

郵便振替口座02330=7=26637
岩手銀行花巻支店普通口座0480908
名義 宮沢賢治学会イーハトーブセンター
会費年額 一般・3,000円 学生・1,500円
     賛助会員・30,000円

 なお、昨年度会費未納の方で、本年9月末日までにお納めいただけない場合は、やむなく退会扱いとさせていただいておりますので、どうかお早めにご納付ください。


 *図書・資料受入れ報告(2002年3月4日〜4月27日)


【寄贈図書】
〔配列は受入れ日順で、記載項目は、寄贈者(出版社)・書名・発行所(寄贈者・寄贈出版社が同じ場合は略)の順〕
・筑摩書房『ちくま』372・373号
・大島丈志 持田恵三「『近代日本の知識人と農民』を読む」(『千葉大学社会文化科学研究6号』抜刷)
・くまがや賢治の会『ミミズク通信』19号
・真世界社『真世界』6155・6156号
・栃木・宮沢賢治の会『通信』49・50号
・田口昭典『あるびれお通信』621〜628号
・日本女子大学『年表日本女子大学の100年』『日本女子大学学園事典』
・新見南吉記念館『記念館だより』92・93号
・佐藤竜一『町もりおかコピー「田鎖綱紀と宮沢賢治」』
・八戸・賢治を語る会『イーハトーブ海岸』11号
・金城学院大学国文学会『金城国文』78号
・江古田文学会『江古田文学』49号
・日本近代文学館『日本近代文学館』186号
・花巻農業高校『第36回「賢治先生を偲ぶ会」 記念読書感想文・作文集 イーハトーヴの仲間たち』
・日本大学大学院芸術研究科『キリツボ』7号、文芸学専攻『藝文攷』7号
・梅花女子大学大学院『梅花白文論集』10号
・釧路宮沢賢治を語る会『マグノリア』92号
・田口昭典『風土56号宮沢賢治の学生時代(二)』コピー
・上智大学国文学会『国文学論集』35号、国文学科『国文学科紀要』19号
・佐久賢治を読む会『ひきざくら第二集』
・歴程社『歴程』490・491号
・貞光威「岐阜聖徳学園大学国語国文学会『国語国文学』21号&抜刷」
・当会学園大学日本文化学会『言語・文学・文化』1号
・中野新治「大坪冨美子『わたしのイーハトーヴ』」「梅光学園生涯学習センター『アルス梅光公開セミナー「宮沢賢治を読む」論集』」
・國学院大学栃木短期大学国文学会『野州国文学』68号
・ぶりメタ舎『ぶりきのメタル』4号
・梅光女学院大学日本文学会『日本文学研究』37号(濱田有紀子抜刷寄贈もあり)
・鎌倉・賢治の会『かま猫通信』60号
・天沢退二郎『投壜通信』59号(矢立出版・刊)
・長沼士朗『風船』5号
・新見南吉記念館『研究紀要』8号
・文京大学女子短期大学部現代文化学科『文藝論叢』38号
・国立国会図書館国際子ども図書館『国際子ども図書館の窓』2号
・実践国文学会『実践國文学』61号
・跡見学園女子大学国文学会『国文学科報』30号
・佐藤成『ふるさとケセン』65・66短期・67号(ふるさとケセン社・刊)
・佐藤昭孝『第二編花巻の文化を高めた先人百七十人』
・濱田有紀子『梅光学園大学・女子短期大学部論集』35号&抜刷)
・岩手郷土文学研究会『岩手郷土文学の研究』3号
・安井猛『現在のための人間論』(トプコ・刊)
・東京女子大学学会日本文学部会『日本文学』97号
・高知大学宮沢賢治研究会『注文の多い料理店』5号
・岩手マルチメディア環境教育研究会『セミナー資料』
・黒澤勉『医事学研究』16号(岩手医科大学医事学研究会・刊)、『文苑』9号
・甲南大学『紀要文学編122』
・ダ・ダ・スコ編集室『ダ・ダ・スコ』59号




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