小惑星「Miyazawakenji」はどこ?
   

小惑星「Miyazawakenji」はどこ?


小惑星「Miyazawakenji」
 小惑星「Miyazawakenji」は、昨年、賢治生誕100年を迎えた年に誕生しました。 ここでは、その軌道要素データをからの位置推算した結果により太陽系と天球上の位置を説明しましょう。 彗星や小惑星は、太陽のまわりをまわる微小な天体です。 それらは楕円軌道を描き、多数の観測結果を集約することで、軌道要素とよばれる数値により位置予報を出すことができます。 下の表は、小惑星「Miyazawakenji」の軌道要素です。

minor planet Miyazawa kenji(5008)
近日点通過
(T)perihelion passage
19971124.91972
天体の近日点通過時刻を世界時(Universal Time)で示します。日以下は少数で表記します。
近日点距離
(q)perihelion distance
2.0792013AU
近日点の太陽と天体の間の距離を、天文単位(Astronomical Unit)で示します。
離心率
(e)eccentricity
0.0612960
軌道の離心率を示します。この値が0であれば円軌道、0より大きく1より小さい場合は楕円軌道、1であれば放物線軌道を示します。
近日点引数
(ω)argument of perihelion
41.40320
黄道面と天体の軌道との交点のうちで、昇交点から天体の軌道沿いに測った近日点までの角度を示します。
昇交点黄経
(Ω)longitude of ascending node
142.59526
春分点から黄道面に沿って昇交点までの角度を示します。
軌道傾斜角
(i)inclination
5.26727
黄道面とその天体の軌道面との傾きを角度で示します。

今年 1997(平成9)年9月21日における太陽系上のMiyazawakenji(5008)の位置

小惑星の命名について
 小惑星(asteroid , minor planet)は、現在およそ7000個以上が発見されています。 小惑星として正式に認められるためには、まず数日の観測をした後、仮符号を取得します。 その後、継続して観測し、 最低でも1公転周期(概ね3〜4年)の継続的な位置観測が必要となります。 さらに、既知の天体であるかどうか、あるいは少数の観測の後、行方不明になった天体の可能性などが調べられ、はじめて正式に認定となります。 小惑星の新発見の認定及び命名は国際天文連合(IAU)の運営する小惑星センター(MPC : Minor Planet Center)が発行する「小惑星回報」(MPC : Minor Planets and Comets Circular)により世界中の観測者に通知されます。 最近では、電子メール形式の回報として「小惑星電子回報」(MPEC : The Minor Planets Electric Circulars)が利用されています。

小惑星「Miyazawakenji」の発見について
 小惑星「Miyazawakenji」は、まず滋賀県にある「ダイニックアストロパーク天究館」の杉江純氏により1991年2月20日に発見され、仮符号「1991DV」(西暦+発見の時期を示す符号)が与えられました。 その後、1996年4月のMPCにより、(5008)「Miyazawakenji」として正式に認定通知が世界中の観測者に通知されました。

小惑星「Miyazawakenji」の最近の位置
 発見時は、おとめ座のυ星の近くにありました。その後、約3.3年の公転周期で、黄道帯のなかを移動し、現在(1997年8月)は、しし座に位置しています。

今年 1997(平成9)年8月下旬〜9月下旬のMiyazawakenji(5008)の位置

 この時期、小惑星Miyazawakenjiは、しし座のα星レグルスから、σ星に向かって順行を続けています。

1997,8,27

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