☆北海道苫小牧市より☆ |
大煙突 |
22日20時04分、すっかり暗くなった苫小牧駅に降り立ちました。
賢治が1924年5月21日に降り立って以来、ちょうど80年プラス1日後のことです。
写真は駅に降り立ち、ホームから見えた風景です。
ライトに赤く浮かぶ大煙突と煙です。
風向きのせいでしょうかちょっと変な匂いです。
(詩の中で「パルプ工場のの火照りが/夜なかの雲を焦がしてゐるし」と呼んだ工場のものです。)
工場とは、駅前近くの王子製紙工場です。 |
夜道 |
ホテルにチェックインを済ませ。
賢治と同じように暗い夜道を海へと向かいます。
人通りもないし、空気も冷たくて少し不気味です。
賢治の訪れた頃に比べればなんでもないかも知れませんが・・・。
駅から約1.5キロ歩くと前浜の海岸です。
海に近くなると本当に真っ暗で、波さえもよく見えません。
ただ、賢治が詩「牛」の下書稿に書いた「海鳴り」を肌で味わうことができました。
「海鳴り」というより「地鳴り」に近い感じです。
沖合いには釣船でしょうか、船が灯りを灯しながら何艘か停泊しています。
月でもあれば良かったのに・・・、などど思いながら早々にひきあげてきました。
帰り道には小雨・・・。 |
高砂町 |
翌朝、早起きしてもう一度浜へと向かいました。
写真は汐見大通から浜へと向かう道です。
少しなだらかな坂道で、坂の向こう側に海があります。
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浜辺 |
昨夜とは違って浜の様子がよくわかります。
今朝も肌寒く、近所の人が犬を連れて散歩をしたりランニングをしていました。
この道の右手奥に、当時あった中村牧場のサイロが一部(上の部分だけ)残されています。 |
苫小牧市博物館 |
浜でゆっくりしたあと、苫小牧市博物館を訪れました。
苫小牧の自然や文化、歴史などを紹介した総合博物館です。
スケートが盛んなようで、オリンピックに参加した有名選手の品物がされていました。
博物館のロビーでは、「賢治の見た苫小牧展」として大正当時の町並みの写真が展示されていました。
賢治が宿泊した旅館「富士館」や、浜の牧場「中村牧場」の写真を見ることができました。
館の方に撮影許可をいただいて何枚か撮影しました。 |
展示写真パネル |
この写真が詩「牛」の舞台となったとされる「中村牧場」です。
(ちょっとわかりにくいですね)
町名でいえば、高砂町〜汐見町あたりにあったそうで、賢治が詩に書いたとおり、駅前の工場の煙も写真に写されていました。
屯田兵であった故中村拙郎さんが、付近で乳牛を飼っていたそうです。
今、前浜は「ふるさと海岸」として整備されています。
このあと、博物館の隣にある中央図書館で「佐藤国男蔵書票展」を見学。 |
宮沢賢治資料展 |
苫小牧市文化交流センター(通称アイビー・プラザ)では「宮沢賢治資料展」が開催されていました。
主な展示品(雨ニモマケズ手帳(複製品)、「牛」原稿(複製品)、「海鳴り」原稿(複製品)など)
また、詩碑の建立も計画されているようで、詩碑の模型も展示されていました。
(なんと足型模型つき)
どうせなら、賢治の見た星の風景が刻まれた詩碑なんていかがでしょうか? |
煉瓦の塀 |
散歩しながら駅前に戻ります。 途中、旅館「富士館」のあった場所を経由し、王子アカシア公園付近で王子製紙軽便鉄道の車両を見学しました。 1922年、昭和天皇が皇太子のときに乗ったという 貴賓車両と併せて保存展示されていました。 近くの広場を歩くと、歴史を感じる煉瓦の塀がひっそりと残されていました。 |
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