「宮沢賢治学会冬季セミナー」
   

「宮沢賢治学会冬季セミナー」


Kenji & Event

2003年11月29日〜30日 岩手県花巻市にて


「宮沢賢治学会冬季セミナー」

平成15年11月29日(土)〜30日(日)
於 岩手県花巻市 宮沢賢治イーハトーブ館

主催
宮沢賢治学会イーハトーブセンター
宮沢賢治イーハトーブ館

宮沢賢治学会 冬季セミナー日程
11月29日(土)
受付    
講演 浦田敬三(岩手近代文庫主宰) 「森荘已池.賢治との出会い前後」
イーハトーブの
郷土芸能(1)
心象スケッチ「原体剣舞連」解説と朗読
栗原敦(解説)
牛崎敏哉(朗読)
演舞「原体剣舞」(岩手県江刺市田原)
原田剣舞保存会(代表 及川忠之)
 
交流会・懇親会  山猫軒にて  
11月30日(日)
講演 奥田弘(『新校本宮澤賢治全集』編纂委員) 「森さんをしのんで」
対談と蓄音機コンサート 賢治さんのこと、父のこと
宮沢潤子(父 宮沢清六)
森三紗(父 森荘已池)
「賢治が荘已池に贈ったレコード」コンサート
 


この冬も冬季セミナーです。 例年より暖かく、過ごしやすい陽気でした。 今年度の冬季セミナーは、賢治研究史(受容)に関連したシリーズで、イーハトーブ館の企画展示に連動し、森荘已池氏の業績を取り上げました。 また、郷土芸能「原体剣舞」も今回セミナーの目玉となりました。

☆岩手県花巻市より☆
   

宮沢賢治イーハトーブ館
会場は、花巻市宮沢賢治イーハトーブ館です。 時折小雨の天気でした。


講演
1日目の講演は、岩手近代文庫を主宰される浦田敬三さんです。 演題は「森荘已池.賢治との出会い前後」。 森荘已池の業績について、岩手日報の新聞記事を用いながらお話がありました。

朗読
続いて、栗原敦さんの作品解説のあと、イーハトーブ館の牛崎さん(写真 劇団「らあす」)の朗読がありました。 淡々と詩を読むものではなく、かつて宮沢清六さんが行っていたように、節回しや抑揚のある独特のものでした。

原体剣舞
朗読のあとは、江刺からおいでいただいた原体剣舞保存会の剣舞です。 最初、代表の及川さんから原体剣舞の説明がありました。 江刺市岩谷堂の増沢剣舞から伝えられた稚児剣舞で、藤原清衡の怨霊供養のために行われた伝えられているとのこと。 今日の演目は、卯平剣舞(うへいけんばい)と太刀入剣舞(たちいりけんばい)です。 最初太鼓が登場し、そのまわりで子ども達の剣舞が行われます。


原体剣舞
原体剣舞の特徴は、踊り手が子ども達であるということです。 以前、賢治祭で、何度か剣舞を見ていますが、その雰囲気は大きく異なるものでした。 思ったよりもリズムがスローでした。 一口に剣舞と言っても実にさまざまの流派があるようです。 剣舞のあと、山猫軒で行われた交流会に参加。 駅前のホテルでは「陸羽132号」のお酒も登場。

霧の花巻
朝起きると、市内は一面霧に包まれていました。 昨夜の雨もひと段落です。 少し寝過ごしたので、朝食を取らずに駅前付近を散歩。 在来線花巻駅のクレープ屋さんがパン屋になっていたり、駅待合室の長椅子が丸テーブルに変わっていてちょっと違和感を感じました。 イーハトーブ館で10時から講演が始まるので、タクシーで移動。

奥田弘さん
セミナー2日目。 最初は賢治研究の大家、奥田弘さんの講演です。 奥田弘さんの書いた文章はいろいろ読んでいましたが、講演会は初めてでした。 森荘已池さんの思い出話から、賢治全集編纂、三原三部(伊藤チエさん)のこと、三陸海岸の調査のこと、そして天沢退二郎さんからの質問「森さんの持っていた細長いパン」の話題がユニークでした。

森三紗さん
2番目のプログラムは少々変更があり、森荘巳池さんの娘さんの森三紗さんのお話でした。 父である森荘巳池さんの思い出話を中心に、宮沢家に奉公したこと、父の食事や着物、直木賞受賞の時こと、そして賢治の母イチさんが英語を話したことなどが紹介されました。 レコードコンサートでは、賢治が森荘巳池に贈ったものから、アベマリアなどが会場に流されました。 今回の企画展示の図録には「賢治から贈られたレコード目録」が掲載されていて、賢治の聴いていた音楽の志向を垣間見ることができます。 午前中のプログラムは充実で、あっという間に終ってしまいました。 しばらくイーハトーブ館にいたあと、バスで新花巻駅に出て新幹線で帰宅しました。

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