イーハトーブの春旅(2)
   

イーハトーブの春旅(2)


Kenji & Event

2003年5月24日〜27日 春の花巻・小岩井・青森へ【第2日目・5月25日】

土沢駅(しろつめ草の駅風景)


春のイーハトーブ旅行です。 今回はイラストレーターで友人の加賀谷さんご一行の案内役(?)で訪問してきました。 緑が一番美しい季節で、温泉など、それからとんだハプニングもあり、印象的な旅となりました。

☆春の花巻・小岩井・青森へ☆
   

自炊部
 翌朝、温泉の施設を見学。 大沢温泉は山水閣菊水館自炊部と三種類あり、それぞれ違った趣を楽しむことができます。 上の写真は、自炊部の廊下です。 木造で、食堂や懐かしい感じたっぷりの売店などもあり、長期滞在も可能です。 自炊部の奥には豊沢川に面した男女混浴の露天風呂があります。 川面を流れる空気が気持ちよさそうです。 菊水館は茅葺屋根の宿で、豊沢川を渡った対岸にあります。 そこに行くには、小さな橋がかけられていて、賢治もこの場所で記念撮影などをしています。 (橋は架け替えがされていて、当時のものとは違うと思いますが)
大沢温泉のホームページはこちら

部屋にて
 翌朝、部屋からの眺めに感激。 大きな窓の外には、新緑が一面に拡がり、絵画のようです。 ちょうどいい季節にきたようです。 広葉樹が多いので、紅葉の季節も格別でしょう。 朝食後のひととき。

身照寺
 第2日目最初の訪問場所は、身照寺です。 宮沢賢治さんのお墓のある場所で、賢治が花巻農学校教師として活躍した時代に農学校のあった場所(現在のぎんどろ公園花巻市文化会館)のすぐ近くです。 ぎんどろ公園には、有名な 「風の又三郎」の石の像群があります。 公園の駐車場に車を停め、徒歩で身照寺に行きます。
花巻市文化会館周辺案内(花巻市)のホームページはこちら
賢治さん、このとおり。
お墓参り
 お寺の正面を入り、回り込むように奥へと進むと賢治さんのお墓があります。 加賀谷さんは、賢治さんに直接ご挨拶と、しっかりお願いです。 賢治ファンの方がいつ訪れてもいいように、お線香が用意されていました。 供養塔は五輪塔がイメージされたものです。

軽便花巻駅跡
 岩手軽便鉄道始発駅となった岩手軽便鉄道花巻駅跡の石碑とプレートです。 在来線花巻駅を出て右手、ホテルグランシェール花巻、タケダスポーツ、なはんプラザ一帯に駅と鉄道施設などがありました。 プレートには、 「岩手軽便鉄道花巻駅跡 「婚約指輪をあげますよ、そらねあすこの四つならんだ青い星ね」「えヽ」童話(シグナルとシグナレス」) 岩手軽便鉄道は明治44年(1911)賢治15才の時設立された。 花巻から仙人峠まで開通したのは大正4年(1915)。 現在のホテルグランシェールの西側から、なはんプラザにかけてが駅構内であった。 童話は東北本線シグナルと軽鉄のシグナル(シグナレス)の恋物語である。」 とあります。 岩手軽便鉄道はここから「さいわい橋」を渡り、「鳥谷ヶ崎(とやがさき)駅」を経て、瀬川の橋を渡り、イギリス海岸方面へと向かっていました。 現在の似内(にたない)駅付近で釜石線のルートと合流し仙人峠駅まで続いていました。
東北旅ガイド《廃線紀行・岩手軽便鉄道》(無明舎出版)のホームページはこちら

なはんプラザ
 なはんプラザの北側壁面には、賢治の童話「銀河鉄道の夜」をイメージしたからくり時計があります。 正式名称は「銀河ポッポ」です。 プレートには、 「宮沢賢治の作品「銀河鉄道の夜」を題材にしたからくり時計です。 「星めぐりの歌」のメロディーが時刻を告げるとジョバンニとカンパネルラが登場し、ワルツに合わせて不思議な仲間たちと楽しそうに踊ります。 かわいい蒸気機関車も汽笛を鳴らして一緒に演奏します。 演奏時間午前10時〜午後10時 毎正時 強風などの場合には演奏を中止することもありますのでご了承ください。 1992 7.29 花巻市」 とあります。 「ぜひ見たい」というメンバーの希望でからくり時計を見学。 見学後の加賀谷氏談「インディアンのがなぜあれほどの大抜擢で登場しているのか・・・???」 そういえば、他のキャスティングはもっともですが・・。

土沢駅
 花巻駅から、岩手軽便鉄道の路線跡に沿い、遠野方面へと向かいます。 天気もすっかり良くなって、もう初夏の雰囲気です。 土沢駅のまわりで、駅風景の写真を撮影しました。 線路のまわり一帯にしろつめ草が咲いて、賢治の童話世界の雰囲気が出ています。 この駅は賢治の詩「冬と銀河ステーシヨン」にも出てきます。
JR東日本盛岡支社・鉄道からの沿線ガイド紹介(JR東日本)のホームページはこちら

岩根橋
 岩根橋(達曽部川橋梁)です。 昔、この付近に水力発電所が建設され、豊富な電力資源を活用しカーバイトの工場も作られました。 賢治の詩「カーバイト倉庫」などもこの付近が舞台と思われます。 橋の傍にある駐車場に車を置き、川まで降りて下から撮影しました。 藤の花があちこちに咲いて見事でした。
ふるさと再発見の旅が今はじまる(宮守村)のホームページはこちら

廃線跡
 以前、天文誌星ナビ(2001年9月号)の取材で花巻に来た時、立ち寄った廃線跡を見学しました。 軽便時代に作られたトンネルで、ナローゲージから広軌化された時に使われなくなってしまったもので、目立たない場所に隠れています。 草むらの岩陰を進むと、緑の奥に昔のトンネル入口があります。 もちろんレールはありませんし、物好きな見学者もいないようで、一面荒れ放題。 鉄道遺跡と化しています。 しかし、賢治も確かにこのトンネルを軽便に乗りながら通り抜けているわけで、そう思うと不思議でなりません。
近代化遺構を歩く(岩手日報社)のホームページはこちら
星ナビ2001年9月号(AstroArts)のホームページはこちら

トンネルにて
 トンネルの煉瓦造りが見事です。 狭軌用なので、かなり小さく、そして狭く感じられます。 蒸気機関車が走っていたからでしょう、内壁に煤がついて、黒くなっています。 入口まで来ると、反対側の明かりが遠く彼方に見ることができました。 旅のメンバーとここで記念撮影。 写真は喜びの荻手井さんです。

宮守橋
 宮守橋(めがね橋)です。 花巻から遠野方面へと向かうと、道はこの橋の下をくぐります。 「銀河鉄道の夜」の風景イメージの写真として、この橋を渡る鉄道のイメージがたびたび紹介されてきました。 写真中、橋の手前に見える二つの煉瓦構造物が軽便鉄道時代の橋脚です。 旅のメンバーとしばらくここで休みました。
遠野は十の?(ミノルタ・ローカル線ぶらり旅)のホームページはこちら

▼KAGAYA-「今日のひとコマ」メイキング

イギリス海岸
 宮守橋を後にして、再び花巻市内へと戻ります。 途中、北上川のイギリス海岸に立ち寄りました。 この場所は、「銀河鉄道の夜」のプリオシン海岸との関連も指摘される場所です。 理屈はさておいて、風の心地よさは最高です。 川の水音と河岸に寄せる波音・・。 短時間ながらイーハトーブの原風景を楽しみました。
【北上川】宮沢賢治が名づけた「イギリス海岸」(いわての川とくらし)のホームページはこちら

イギリス海岸
 イギリス海岸から、真南の朝日橋の方向を眺めました。 夜になって、この川の先に見える天の川や星ぼしも眺めたいところですが、これから有名なやぶ屋さんに蕎麦を食べに行くことになりました。 やぶ屋といえば、賢治ゆかりの蕎麦屋さんです。 昨年12月に来た時はわんこそばも挑戦していましたねえ。
やぶ屋のホームページはこちら

小岩井駅
 花巻で昼食(てんぷらそば&サイダー)を済ませ、高速道路を北へと進みます。 盛岡で西へと進み、小岩井へと向かいます。 小岩井駅も賢治とかかわりの深い場所ということで、立ち寄りました。 賢治の長編詩「小岩井農場」のルートをトレースするためです。 駅舎を眺め、車で網張街道へ、狭い道を旧本部の建物前まで進み、車内から詩の内容に沿った場面を見学しました。 車は小岩井農場まきば園へ向かいます。

小岩井農場まきば園
 まきば園の入口です。 ここですぐソフトクリームを購入。 食べながら、売店へ。 そこで乳製品のおみやげを購入しました。 加賀谷氏はチーズケーキを物色中。 今夜のデザート調達です。
小岩井農場のホームページはこちら

空気望遠鏡
 まきば園のまきばの天文館を訪問すると、ちょうど空気望遠鏡が設置されていて、運良く見学することができました。 大きな柱から吊るした形で、光軸を出すのが大変そうでした。 天文台の菊池さんにいろいろ説明していただきました。
まきばの天文館10周年記念企画「きつねの望遠鏡まつり」のホームページはこちら

蒸気機関車
 閉園間際のまきば園をおお急ぎでまわり、SLホテルの先頭部の蒸気機関車を見学しました。 星ナビの「銀河鉄道の夜」特集号で「「銀河鉄道」の天の鉄路を巡る」の表紙となった車両です。 夕陽を浴びて光る機関車がいい感じを出していました。 これから、今夜の宿泊先のペンションへと向かいます。 今夜は晴れるのでしょうか・・。

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