「宮沢賢治学会地方セミナー in 雫石・小岩井農場」
   

「宮沢賢治学会地方セミナー in 雫石・小岩井農場」


Kenji & Event

2001年11月10日〜11日 岩手県雫石・小岩井農場にて


「宮沢賢治学会地方セミナー in 雫石・小岩井農場」

平成13年11月10日(土)〜11日(日)
於 岩手県雫石町 中央公民館・小岩井農場ほか

主催
宮沢賢治学会イーハトーブセンター
主管
牧場の風と光と星のまつり実行委員会

宮沢賢治学会 地方セミナー in 雫石・小岩井農場行事日程
11月10日(土)
受付   8時50分〜
開会行事 主催者あいさつ萩原昌好(宮沢賢治学会代表理事)
実行委員長あいさつ目時裕行
歓迎の言葉川口善彌(雫石町長)
日程説明
9時30分〜9時55分
研究発表(1) テーマ「賢治の自然観・災害観化物丁場≠中心に」
発表者米地文夫(岩手県立大学教授)
10時00分〜10時30分
研究発表(2) テーマ「『春と修羅』第二集に描かれた岩手山麓」
「三三〇〔うとうとするとひやりとくる〕をめぐって」

発表者榊昌子(秋田県立秋田東高等学校教授)
10時35分〜11時05分
記念講演 テーマ「宮沢賢治と岩手山麓」
発表者天沢退二郎(明治学院大学教授)
11時15分〜12時15分
昼  食 事前申込者 【食堂・2階大会議室】
ホールでは「グスコーブドリの伝記」16mm映画上映
12時15分〜13時05分
アトラクション「星のまつりファンタジー」 「星めぐりの歌」ほか合唱…しずくいし少年少女合唱団
読書感想文の入選作朗読
「上駒木野参差踊」…雫石高校郷土芸能委員会
銀河鉄道の夜…出演・雫石中生徒
13時05分〜13時45分
パネルディスカッション テーマ「グスコーブドリの伝記」を中心とした火山との共生
コーディネーター吉見正信
パネリスト宮城一男
パネリスト岡澤敏男
パネリスト斎藤徳美
パネリスト阿部彌之
13時50分時〜15時10分
牧場でティータイム 小岩井農場まきば園「彩林館」及び「山麓館」
弦楽四重奏「バディヌリ」演奏
芝居「雨ニモマケズ・朗読コンテスト(出演・IBCアナウンサー)
ティータイム(コーヒーとクッキーで全国交流会)
15時45分〜17時30分
銀河の交流会 (宿泊者のみ)
バスで宿舎入り〜夕食 コメンテーターとの賢治談義
まきばの天文館での星空観察会
17時45分〜21時30分
11月10日(日)
賢治碑除幕式 小岩井農場上丸地内、展示資料館近くの農機具展示場向かい
開式(精神歌斉唱)
除幕(宮沢家の方々ほか)
〔代表献花・碑文朗読・感謝状贈呈・祝辞等〕
(星めぐりの歌斉唱)閉式
09時15分〜09時45分
エクスカーション 文学散歩Aコース
小岩井・盛岡を訪ねて
小岩井農場展示資料館〜岩手大学農業教育資料館・自啓寮跡碑見学〜盛岡一高白堊記念館・賢治碑見学〜材木町・光原社見学〜盛岡駅着
10時00分〜15時00分
エクスカーション 文学散歩Bコース
小岩井・滝沢を訪ねて
繋温泉病院前農道より七つ森遠望〜バスより狼森・笊森見学〜相ノ沢牧野駐車場より鞍掛山と賢治碑見学春子谷地より岩手山・鞍掛山と賢治碑見学馬返し駐車場より岩手山と賢治碑見学〜バス内より柳沢・岩手山神社・姥屋敷など見学〜バス内より鬼越山(鬼古里山)など見学〜盛岡駅着
10時00分〜15時00分


秋は賢治学会の地方セミナーのシーズンです。 10月の仙台、そして今月11月は、岩手県雫石町での地方セミナーです。 秋の色でいっぱいの雫石、小岩井農場、そして岩手山麓を満喫してきました。 一泊二日のハードスケジュールでしたが、とても楽しいものでした。 地元スタッフの皆様、学会事務局の皆様ご苦労さまでした。

上の写真は、小岩井農場まきば園の夕暮れです。 夕方のイベント「牧場でティタイム」で、彩林館から山麓館への移動中に撮影しました。 快晴の空、夕焼け色の空がきれいでした。

☆岩手県雫石町(小岩井農場)・滝沢村より☆
   

研究発表
10日(土)は、早朝から開始です。 こちら(関東)から出かけた都合で、到着したときには、研究発表(2)の時間でした。 秋田の榊昌子先生のお話です。 賢治の「春と修羅第二集」の作品「〔うとうとするとひやりとくる〕」について、作品研究に関連したエピソードを、当時の新聞記事などを引用しつつ解説されました。 作品の中に潜む事実を探る試み、興味深いものでした。


合唱
午後は、最初に「星まつりファンタジー」として、ジョバンニ、カムパネルラの進行で、合唱が披露されました。 写真はしずくいし少年少女合唱団の皆さんです。 演奏は「星めぐりの歌」「つめくさの咲く晩に」「こんぺいとうの歌」です。 ほかに、「第7回宮沢賢治作品読書感想文コンクール最優秀作品朗読」として、小中学生による朗読会、また地元の郷土芸能などが行われました。


パネルディスカッション
「パネルディスカッション」は、「「グスコーブドリの伝記」を中心とした火山との共生」をテーマに行われました。 司会進行を賢治研究家の吉見正信さん、パネリストとして、岩手県立花巻農業高校教頭の阿部彌之先生、岩手大学工学部で火山予知が専門の斎藤徳美教授、元小岩井農場資料館長の岡澤敏男さん、賢治と地学の研究で著名な秋田桂城短期大学長の宮城一男教授の皆さんです。 地元の岩手山の噴火予知に始まり、賢治の童話「グスコーブドリの伝記」に関連しつつ、火山との共生をテーマに1時間20分のお話がありました。


まきばの天文館
パネルディスカッションのあと、会場を小岩井農場に移して、「牧場でティータイム」のプログラムです。 最初はバディヌリの皆さんによる演奏。 そしてIBC岩手放送のアナウンサーの方々による演劇「雨ニモマケズ・朗読コンテスト」が行われ、全員でティタイムとなりました。 そして夕食後、小岩井農場内にあるまきばの天文館で、星空観察会が行われました。 写真は、天文館の展示スペースで開催されている企画展「宮澤賢治の星世界〜大正時代の観望用具と『銀河鉄道の夜』」の様子です。 大正期の貴重な天文資料が陳列されています。 賢治&天文ファンにはぜひとも見てもらいたい展示です。(〜11月25日まで) 観察会は、天文館のスタッフに加え、地元盛岡天文同好会の協力もあり、有意義な時間を過ごすことができました。


SLホテル寝台車
写真は、SLホテル、の車両内部です。 壁には、古星図が展示されていました。 フランスのパルディの天球図に似ていますが、ちょっと違うようですが、多分6枚組のうちの2枚と思われます。 (もっとちゃんと見ておけばよかった・・。) 右側が廊下で、寝室が並んでいます。


SLホテル外観
こちらは、翌朝撮影した、SLホテルの全景です。 朝はいちめん霜で真っ白でした。 車両の東側の広場には霜柱もできていました。 やはりここ岩手は寒いようです。


有明の月
食事を終えて、部屋(車両)に戻ろうとしたら、ちょうど乗車口の上に月の姿を見つけることができました。 昼間の月ですから、有明の月です。 月齢は、25.1です。 賢治の作品でいえば、おおまかに詩「東岩手火山」に相当する月齢です。 深夜1時すぎに昇った月が、空の高い位置に見えていました。 写真は、小さな月を拡大してわかりやすくしたものです。


賢治詩碑除幕式
朝食を済ませ、紅葉の牧場から、資料館裏手の賢治詩碑除幕式会場へと向かいます。 会場の受け付けでは、プログラムや詩碑に使われた石のかけらが記念に配布されていました。 写真は、宮沢家の方々が除幕したところです。(詩碑の詳しい内容については、「緑いろの通信11月11日号」を参照下さい) 青空で、日差しの強い日でした。


鞍掛山
除幕式のあと、10時からはAコースとBコースの二手に別れて、バスツアーです。 盛岡方面は何度か出かけているので、今回は滝沢村方面も含めたBコースに参加しました。 最初、七つ森全てが一望できる場所、ということで、繋温泉病院近くの農道に出かけました。 岩手山の左に、七つほどの小山(丘のような)姿を見つけることができました。 その後、再び小岩井農場を北へと進み、相ノ沢牧野駐車場へと移動しました。 そこには賢治の詩碑「くらかけの雪」もあり、鞍掛山を遠望することができました。

▼「七つ森」について
▼賢治の詩碑「くらかけ山」を見る

岩手山
車内でお弁当のおにぎりを食べていると、すぐに春子谷地湿原入り口へと到着です。 少し歩くと、賢治の詩碑「きみにならびて野にたてば」(「文語詩稿 五十篇」より)があります。 ここから見る岩手山の姿がみごとです。 手前には鞍掛山が見えます。

▼賢治の詩碑「きみにならびて野にたてば」を見る

春子谷地湿原
岩手山麓にある春子谷地湿原です。 以前は、沼地ですが、乾燥化が進んでいます。 賢治作品に直接の引用がありませんが、いくつかの作品にその場所を指す言葉が出てきます。 また、付近の私有地にも詩碑「林と思想」が隠れるように建てられていました。

▼賢治の詩碑「林と思想」を見る

柳沢登山口
岩手山の滝沢村側からの登山口です。 賢治もこのルートを利用して何度か足を運んでいます。 この時期には、もう入山期間を過ぎていました。 ここにも、賢治の詩碑「岩手山」があります。 入山口の広場でしばらくゆっくりした後、「石ヶ森」「沼森」「茄子焼山」「姥屋敷」「鬼越山」などをバスの車窓から眺めながら、盛岡駅へと向かい解散となりました。

▼賢治の詩碑「岩手山」を見る
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