松五郎の玉手箱
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【保管ファイルNo.6】 衆議院予算委員会第7分科(運輸省・郵政省所管)会議より

山口那津男衆議院議員の質問(平成7年2月20日) (cf.06020604追録)

『東京東部交通体系と大量輸送機関の耐震基準』

 

次に、山口那津男君

〇山口(那)分科員 大臣には、長時間の質疑で大変お疲れであると思いますけれども、本日の質問は私が最後でありますから、いましばらくお願いしたいと思います。

 さてそこで、私は帝都高速度交通営団につきましてまずお伺いしたいと思います。

 昭和60年の運輸政策審議会の答申におきまして、地下鉄のネットワークというものが示されました。既存の計画線というのが、幾つかまだ残っているわけですね。7号、8号、11号、13号、こういう路線になるわけでありますけれども、本来の予定線を今までのようなぺースで仕上げるとしましたら、これが概成をするのにおよそどれくらいの期間がかかるか、そのめどというものをお示しいただきたいと思います。

〇戸矢政府委員(運輸省鉄道局長) 営団の地下鉄ネットワークの概成の問題でございますが、現在営団は鋭意7号線、11号線を着工しております。これがあと5年ぐらいかかる予定でございますが、先生がおっしゃいました8号線、11号線の延長、それから13号線、渋谷−池袋間を含めまして全体でございますけれども、必要な助成措置の確保等を前提といたしまして、工事が順調に進めばおおむね10年後ぐらいには完成するのではないか、こういうふうに考えております。

〇山口(那)分科委員 そこで、11号線ですが、現在押上までつくる予定で予算化もされつつある、こう思いますけれども、今5年ぐらいで11号線は完成するというお話でした。これは念のため伺いますけれども、5年で完成するというのは押上までの間を言うのでしょうか、それともそこから先のことを含むのでしょうか。

〇戸矢政府委員 失礼いたしました。水天宮―押上間でございます。

〇山口(那)分科員 そこで、今回の行政改革の素案によりますと、この7号、11号が、計画中のものが完成したときに特殊会社に移行する、こういうわけでありますから、11号線について言えば、押上まで完成したところで特殊会社に移る、こういうことになるわけですね。

 さてそこで、この特殊会社化したことによって、その後の概成までの路線が、場合によっては縮小したりあるいは廃止になるというようなこともあり得るというふうなお考えなのでしょうか。それともこれは、財政措置を鋭意確保して必ず完成する、こういう御決意をお持ちなのでしょうか。

〇亀井国務大臣 私どもは、8号線も13号線も、さらに11号の延長、これも必ずやらなければならない、このように考えております。またそれだけで都内の交通事情、10年後十分賄い切れるのか、また首都圏との関係で十分ということになると、私のこれは予測ですけれども、それでもまだ私は十分ということにはならない、このように思います。

○山ロ(那)分科員 大臣の力強い御決意を伺ってひとまず安心したわけでありますけれども、しかし、5年後に特殊会社化しますと、今営団のシステムによっては、投資財源というのはほかの会社のシステムと比べれば確保しやすいという状況だろうと思うのですね、これが特殊会社化する、あるいは概成後完全に民営化されるということになりますと、現状ではこの投資財源の確保にいろいろな制約が出てくる可能性があるのではないか、なかなかこの投資財源の確保が容易ではないというふうに常識的には予想されるわけですね。これをどのように、特殊会社化後確保していかれるおつもりか、大臣のお考えを伺いたいと思います.

〇亀井国務大臣 特殊会社にすることによって、そうした委員御指摘のような8号線、13号線を含めて整備がおくれる、マイナスになるということであれば、逆に私はやるべきじゃないと思う。経営形態を変えることが、行政改革でもなければ特殊法人整理の目的に合っておることでもない。要は、都民の方々に今まで以上のサービスができ、また首都圏を含めてこの関東地方のやはり交通体系の整備に営団地下鉄を民営化した方がこれがプラスになる、そういう判断で決断をしたわけでございまして、行革審の今までの答申等も、恐らくそういうことでなされたのだろうと私は推測をするわけでございます。

 特殊会社にし、民営化した場合のメリットは何かということでありますけれども、デメリットもあるのじゃないかという御批判も私はあろうかと思いますけれども、現在のJRを見ておりましても、交通機関の相当部分というのはやはり競争原理をいろいろな意味で導入をして自由な発想のもとで、そうして株主の監視といいますか、そういうもとで経営をしていくことがやはりあるべき姿だし、その方がこの今後の投備投資等を含めて私はメリットが出てくると思います。

 ただ、問題は、委員御承知のように、今のような無利子融資等を含めて、現在のような、いわば手厚い、国が責任を持って、都が責任を持って、行政が責任を持って推進をしていくという方が都民の方々にとっても安心だ、簡単に言いますと安心だという一つの面もあろうかと思いますけれども、しかし、先ほど申し上げましたような観点から、特殊会社にして、できれば早期に私は完全民営化したい。

 ただそのときに、証券市場の状況等がございますから、直ちに株を処分できるかどうかはあれでありますけれども、恐らく5年後が今と同じような日本経済の低迷であるとは私は思いませんし、そうなれば日本は大変なことでありますから、そうなってまいりますと、そうした持ち株を処分をすることによってどの程度、これはこの間のたばこ会社のようなことでやってはしょうがございませんが、そうでなければ相当の財政上の寄与が生まれるわけでありますから、しかしもっと言えば、それは営団地下鉄の財産をそういう形で処分をしたということにもなるわけでありますから、営団地下鉄のその後の、いわば8号線、13号線への設備投資等に関して、逆に国が得た利益といいますかそのものを、いろいろな形で工夫をしなければいけませんけれども、民営化した営団地下鉄に対して還元をしていくということも私はやるべきだと思いますし、それがまた一つの筋の通った方法だ、それは全部を還元するかどうかは別といたしまして、そういう方法で逆に設備投資への新たな財源を確保していける道も開かれると思うし、また増資等もやって資金調達もできるわけでもございます。

 また一方では、これは東京の地下鉄の建設だけ特別視して、福岡だとか京都とかそのあたりは別だというわけにいきませんから、そのあたりとの横並びの検討もしなければなりませんけれども、極めて公共性の高いそうした建設については、現在も、委員御承知のように鉄道整備基金等を使っての、あるいは運賃に設備投資分を前倒しをしてというようなそんな工夫もしている。これは事実上の減税措置でもございますから、国が補助していると言ってもいいと思うわけでこざいますが、現在の施設に対しても公共性があるゆえにそうした国としての、自主性を損なわないそういう範囲内での支援もやっておるわけでありますから、営団地下鉄を民営化した後も、民間会社としてのそうしたよさを生かしながら、国が公共交通機関として支援はしていける道はきちっとある、このように私は考えております。

○山口(那)分科員 今の大臣のお話は、主として民営化した後の資金の調達、とりわけ株の市場においての調達ということを中心にお話しいただいたように聞こえたわけです。

 しかし、特殊会社化されてから民営化まで約5年ぐらいを予定するということになりますか、概成が今のペースでいけば10年とおっしゃいました。5年後に特殊会社化すると言いましたね。ですから、まあ単純に言えば、特殊会社化の期間は5年というふうに考えていいのかどうかわかりませんけれども、その特殊会社化したその間にやはりこの概成ということをなし遂げなきゃいけないというわけであります。

 期間が厳密に何年になるかは別にして、完全民営化とその特殊会社時代と、この間の財源の調達についてもやはり確固たる見通し、計画、こういうものが明らかにされていなければ、そのときの財政状況でその都度考えますというのでは、これはまことに心もとないし、そういうことで大幅な組織改革というのはかえって本末転倒だろうと思うのですね。ですから、この辺についてどうお考えか、お答えいただきたいと思います。

〇亀井国務大臣 私先ほど申し上げましたように、5年後特殊会社、5年後完全民営化というスケジュールは申し上げていないわけでございまして、特殊会社にした後、証券市場の状況等から環境が整えば直ちに完全民営化すれば私はいいと思うわけであります。

 しかし、その間、委員御指摘のように、それができない場合もあるわけでありますから、そのときに新たな設備投資への資金調達ができないということであれば、これは大変な話でありますから、特殊会社にいたします場合も、現在とやはり同様な、あるいは場合によってはそれ以上のことになるかもしれませんけれども、きちっとした国の直接間接の支援が受けられることは、もし立法措置が必要とあればそういうことも当然視野に入れてやらなければならない、このように考えております。

〇山口(那)分科員 さてそこで、8号線、11号線というのは、計画によりますと荒川を渡って葛飾区あるいは千葉県松戸の方面へ行くことになっておるわけですね。私はこの地域、かねてから東京メソポタミアと、こういうふうに呼んでおりまして、メソポタミア、これは原義は川の間の地方、こういう意味でありますから、大河川に挟まれた、隅田川も含みます荒川あるいは江戸川という大河川に挟まれた地域の特殊性ということを常々念頭に置いて活動しておるわけでございます。

 そして、このたびの阪神の大震災を教訓といたしますと、この地域、かなり人口が稠密な地域でありますけれども、ここへの大きな輸送インフラというものがすべて地上を通っている。一本だけ千代田線というのが地下を通っているわけでありますが、すべて鉄橋その他道路で結ばれているわけですね。そうすると、これが万が一にも破壊されたりしますと、たちまち孤立してしまう。そういう脆弱性を持った地域柄であるということであります。今回の震災の中で、道路、鉄道等に比べて地下鉄は、一部被害に遇ったものの比較的損傷が軽かった、こういう観察もあるわけでありますから、私はこの輸送インフラというものを分散した形態で持っておく必要があるのではないかと思うわけであります。

 千代田線一本に頼るというのではなくて、この8号、11号、結果的にはというか、専門の設計のサイドから見て当然都内においては地下鉄の形態でやるということは常識なんだろうと思いますが、私が申し上げたいのは、地上か地下鉄かの選択ではなくて、地下鉄としての輸送ラインを確保するという意味でこれを早くこの地域に設置する必要があるのではないか。これは墨田区、江東区、荒川区といったところも同様の条件にあるわけですね。そうした意味で、この8号、11号の延伸については、地下鉄で早期に着工する、完成させる必要があるというふうに思うわけであります。この点についての大臣のお考えはいかがでしょうか。

〇亀井国務大臣 私は委員の選挙区がそこであるからということでリップサービスするわけじゃございませんで、委員がそちらに住まれ、活動されておられる実感を含めて今その重要性を指摘されたわけでございますけれども、私どもはそのことを強く受けとめまして、8号線、また13号線につきましても、民営化していくという経営形態とは別に、これについてはとにかく一応10年というあれを持っておるわけでありますから、これがおくれることがないように、しかも川の底の問題もございますし、そのあたりについては耐震能力、このあたりも御承知のように、今度の神戸におきまして、私現場も見ましたけれども、技術陣が予想もしなかったようなそうした破損が起きておるということもございますから、そういう面では耐震性を考慮をしたそうした地震に強い地下鉄を計画どおりこれを建設をしたい、このように考えておりますので、委員からも今後いろいろとアドバイスもいただき、また御支援を賜ればありがたいと思っております。

〇山口(那)分科員 ぜひ公共投資の配分の中でこの地下鉄の重要性ということに思いをいたしていただきたい、こう思います。

 さてそこで、今大臣のお話にも出ましたけれども、地下鉄の耐震性について今回いろいろな反省点がおありになっただろうと思います。従来建物についてはある程度明確な耐震基準というものがあったわけであります。しかし、地下鉄についてそのような耐震基準というものがはっきりと明示されていたのかどうか、これは私自身が勉強不足でよく知らないところでもありますけれども、改めてこの点を確認したいと思います。

〇戸矢政府委員 現在地下鉄につきましても、他の鉄道と同様に地震に対します技術上の基準の細目を定める運輸大臣の告示がございます。その中で、水平方向、鉛直方向の基準というのが示されております。

〇山口(那)分科員 これが余り世間には周知されてなくて、新聞やテレビ等の報道で、基準があいまいである、あるいはなきに等しいかのような報道ぶりがなされておりますので、ぜひこの際これを国民にわかるような形で周知させる手段を考えていただきたいと思うのです。 さてそこで、今回の地震で専門家の調査がなされただろうと思います。それを生かして、特にこの今回の揺れは上下動の、上下の振動による被災というものが予想を超えたものであったというような指摘もあるやに聞いておりますので、この点の調査を踏まえた上での耐震基準の見直し、新たな設定というものについてどのようなお考えをお持ちか、伺いたいと思います。

〇戸矢政府委員 今回の地震で地下鉄も、大開駅のあたりは大きな被害を受けております。鉄道全体の問題でございますが、鉄道施設耐震構造検討委員会、松本委員会を既に設置して検討しておりまして、新幹線初め在来線と同時に地下鉄につきましても、この中で現在の基準につきまして、実際の被害状況を分析していただきましてどこがどう問題があるのかというのを御検討いただいております。その結論を踏まえて、既存の鉄道の補強も含めまして対応していきたい、こんなふうに考えております。

〇山口(那)分科員 今回被災した神戸市内の地下鉄というのは、それほど古い路線ではございません。ところが、東京の場合は、これは戦前につくられたような路線も含めましてかなり時代の隔たりがありまして、それぞれこの建築の耐震性の考慮の仕方というものは大分差があるのではないかと思うわけですね。そうした意味で、既存の地下鉄路線について、耐震性の観点から補強なり総点検なりが必要だと私は思うわけです。この点の考え方をまず伺いたいと思います。

〇亀井国務大臣 運輸省といたしましては、これは新幹線のみならず、一般の私鉄、それから地下鉄、すべてについて総点検を今指示をいたしておるところでございます。

 なお、現在松本委見会が、はっきり申し上げまして、いろいろな仕事を持っておられる方々でございますが、その分も犠牲にしていただきまして、できるだけ早期に結論を出していただきたいということでお願いしておるわけでありますが、しかし、何月何日までというようなことですべきことではない。やはり十分な、徹底的な調査に基づいて、今までの構造物について、これに補強あるいはやり直す必要があれば思い切ってそれをやらさなければなりませんし、今後、新線の建設についてもそれの基準をやり、神戸の場合は、復興についてもそれ以上のところで、現在余裕を持って鉄板を巻いたりしてやっておるわけでございますが、今後の本格復興についても、それに耐え得るものでなければならぬということでおるわけでございます。

 今我々がやっておりますのは、そうした検討委員会の結論を待ってというだけじゃなくて、それぞれ技術員がおりますから、それぞれの技術陣がそれぞれの構造物を今自主点検をしておるという最中でございます。その結果、もし思い切った補修なり改造が必要だということであれば膨大な資金がかかる場合もあろうかと思いますが、これについて、自分たちの自主調達等について、経営を極端に圧迫するというようなことが出てくるとすれば、これは震災地神戸の交通機関と同様に、低利融資を含めてこれは国が積極的に支援をしていかなければならない、このように考えております。

○山口(那)分科員 大分先の見通しまで語っていただいてありがたいと思うわけでありますけれども、調査の結果がいつ出るか、そしてそれに基づく対策はどういうものが可能か、さらにまたそのためのお金がどれくらいかかるか、これはにわかに判断し切れないとは思います。しかし、およそのめど、例えばことしの上半期に出せるとか、そういうめどをできるだけお示しいただきたいと思うのですね。それで、この結果によって、例えば来年の予算に対して概算要求に盛り込めるとか、あるいは今年度の予算、まだ成立しておりませんが、これの補正に組み込むとか、ある程度のそういう見通しをお示しいただければありがたいと思います。

〇亀井国務大臣 先ほど申し上げましたように、本当に集中して御検討いただいておるわけでありますが、4月ぐらいまでにはおおよその検討結果が出てくるのではないかなというふうに期待を申し上げておるわけであります。

〇山口(那)分科員 ぜひ御努力に期待をしたいと思います。 さて次に、この東京、これは言うまでもなく大都市で、都心を中心に放射線状に鉄道路線あるいはその他輸送インフラが整えられてきているが、環状型のものが割合少ないわけですね。放射路線を整備すれば、必ずそれぞれの地域に商業あるいはその他の拠点というものはできてまいります。しかし、こうした拠点を環状型でつなぐ路線というのが余りにも不足しているわけですね。

 私の地域を申し上げて恐縮ですが、かの東京メソポタミアも、一度都心に出ないとその周辺の拠点に行けない。バス路線も必ずしも整備されておりません。鉄道もありません。船も十分ではありません。道路も数が限られ、しかも常に慢性的な渋滞である。こういう状況の中で、やはり鉄道を待望する声というのは強いわけですね.最近、この環状路線の一つとして、例えば道路の環状8号線あるいは環状7号線、こういった路線を利用しながら鉄道を整備していこう、これは地上か地下かと、いろいろな議論があるわけですが、これをエイトライナーとかメトロセブンとか称して地元の待望というものがあるわけですね。このメトロセブン、エイトライナーといったような、二十三区のいわば外縁部に計画、予定されそうなこの鉄道路線についての現状、そしてまた、これからどういう見通しを持ってこれらの整備について検討を加えていくか、これらについてまとめてお示しをいただきたいと思います。

〇戸矢政府委員 環状方向の交通機関、私どもは大変大事であるというふうに認識しております。

 先生おっしゃいました環状8号なり7号なり、あるいはそういうところに沿いまして新しい大量の輸送機関を敷設するという構想につきましては、現在、東京都におきまして、具体的なルートあるいは導入の機種、これはリニアメトロのような小型の地下鉄あるいは新交通システムといったようなものが考えられるわけでございますけれども、一体どういう機種が適当なのかどうか、そしてまた、需要がどうあり、あるいは事業の採算性がどうかといったようなことを調査研究中であるというふうに承知しております。

 この東京都の御検討を踏まえまして、かなり前から、3年度ぐらいから調査を始めておられるようでありますが、私どもとしても、取り組んでまいりたい、こんなふうに考えております。

〇山口(那)分科員 今の運輸政策審議会は、昭和60年に答申が出たものですが、この答申というのは、およそ15年ぐらいの期間を考慮してそれぞれの計画を組むということになっているんだろうと思うのですね。そうしますと、西暦2000年が今の計画の終期ということになるわけですから、次の運輸政策審議会の中に、これらエイトライナーあるいはメトロセブンといった計画が答申の中に盛り込まれるかどうか、ここが一つの具体的な焦点になるわけですね。これらに具体的に盛り込まれるとすれば、これからどういうことを個々に、具体的に検討していかなければならないのか、この点についてもう少しポイントをお示しいただければありがたいと思います。

〇戸矢政府委員 先ほど申し上げましたように、一般論としては、都内の場合、環状鉄道の整備というのは、都市機能の多様化あるいはネットワークの形成、お客様のために非常に便利になるといったようなメリットがあるわけでございます。

 ただ、基本的には、先ほどから先生もおっしゃいましたように、今の非常に厳しい都市空間の制約の中で建設を進めていくということになりますので、大変お金がかかることになると思います。したがいまして、やはり需要の動向なり事業採算性がどうかといったようなことも十分検討した上で進めていく、こういうことが必要だろうと思っております。

〇山口(那)分科員 東京は、都心から見て西の方、東の方と大別しますと、どちらかというと、西側に人口が集中しており、また交通手段もそちらに集中している傾向があります。西高東低という配置になっているわけですね。

 そこで、エイトライナー、メトロセブンなどというものを考えますときに、放射状の路線との結節点がどうしても西側の方、つまりエイトライナーの側の方が多いわけですね。ですから、採算の面でもこちらの方が、所与の条件を考えますと、いわば採算性が高い、こういう結論が出がちであります。

 しかし一方で、東側の方は、これはまた広大な後背地を抱えておりまして、そこの宅地開発その他を当て込んだ鉄道整備、例えば常磐新線のようなものもあるわけですね。そうすると、こちらの地域というものは、鉄道路線の敷設によってまた需要を飛躍的に喚起する、こういう可能性の非常に高い地域であります。そして、先ほど申し上げました8号、11号その他が整備されれば、この環状ラインとの結節点というものもふえてきて、相乗効果を生むということが十分考えられるわけですね。そうした視点も含めまして、この首都圏の環状鉄道の整備についての国全体の公共投資の配分の中で、大臣はどのような所見をお持ちか伺いたいと思います。

〇亀井国務大臣 私が自分の直観みたいなことを申し上げて誤解があってはいかぬと思いますが、私も実は委員と同じような感じを持っておるわけでありまして、この東京を中心とする首都圏、どちらかというと西の方があらゆる面で熟度が高くなってきちゃっている。それに対して東側が、どちらかというと熟度が若いというようなこともありますが、言葉はちょっと悪いですが、スプロール現象みたいな形で、そうした社会資本の整備がきちっとされないうちにどんどんと工場が建ち、住宅化がしていっているという嫌いが、私は東側についてはあるのではないかなというような印象を持っておるわけでありまして、やはり日本にとっても大事な東京都、首都圏が、今後そういう意味では今からさらに発展をしていく地域を控えた、先生の地元等含めて、そのあたりの交通体系をどう整備をしていくかということが私は非常に重要な点であろうと思います。

 また、これは東京だけじゃなくて、埼玉、千葉、茨城につきまして、今度常磐新線建設いたしますけれども、まだまだ、今から21世紀を展望した場合、首都圏と東京都の関係を見ましても、東側というのは極めて手薄な状況ではないか、非常におくれている、このように私は思っておるわけでございますので、運輸省としても、自治体と協力協議をしながらそういうものについて整備に努力をしたいと思っています。東京都も今度知事がかわるようでありますが、ぜひ公明党も協力いただきまして、いい知事をつくるようにもしていかなければならぬ、このように思っております。

○山口(那)分科員 最後に公明党とおっしゃいましたけれども、現在公明党は存在いたしませんけれども、趣旨は踏まえて御期待に沿いたいと思います。

 きょうの予算委員は、いずれも東京の東側の御出身でありまして、私と同感の議員の先生方だろうと思います。ぜひ大臣の御活躍を期待したいと思います。

 ありがとうございました.

〇深谷主査 これにて山口那津男君の質疑は終了いたしました。

 次回は、明21日午前10時より開会し、運輸省及び郵政省所管について審査を行うこととし、本日は、これにて散会いたします。

午後5時2分散会

*******

追録 00.4.27 山口那津男さんからの情報提供

運輸大臣 二階 俊博 殿

平成12年1月18日

公明党衆議院小選挙区東京第17総支部
総支部代表前衆議院議員 山口那津男

 要 望 書

(鉄道整備事業について)

 東京都葛飾区は23区で唯一、地下鉄のない地域であります。常磐線・千代田線の混雑緩和及び都心部・湾岸部への鉄道確保、さらに、一級河川で分断された地域の防災上の観点からも営団地下鉄の延伸が急務であります。また、区部周辺において、都心から郊外へ放射状に延びる各鉄道路線を結節する環状鉄道の整備も望まれます。
 現在、運輸政策審議会で種々ご審議されているとは存じますが、次の事項について、特段のご配慮を賜りますよう要望いたします。
@営団地下鉄8号線(有楽町線)の延伸(押上―四つ木―亀有―野田)
A営団地下鉄11号線(半蔵門線)の延伸(押上―四つ木―金町―松戸)
Bメトロセブン(区部周辺部環状公共交通)の運輸政策審議会答申への位置づけ

「東京圏における高速鉄道を中心とする交通網の整備に関する基本計画について」
「諮問第18号」に対する運輸政策審議会答申(葛飾区関連部分の抜粋)

路線の新設・複々線化等の整備計画(答申路線の表示に係る凡例)
○目標年次までに整備を推進すべき路線(A)
・目標年次までに開業することが適当である路線(A1)
・目標年次までに整備着手することが適当である路線(A2)
○ 今後整備について検討すべき路線(B)

[要望@]<12>東京8号線の延伸及び複々線化(A2) (―)は新設(=)は複々線化
                      新木場
                       │
 所沢―石神井公園(=)練馬―池袋―有楽町―豊洲(―)東陽町(―)住吉
 (―)押上(―)四ツ木(―)亀有(一)野田市     
  (練馬〜石神井公園間は工事中)
・住吉〜四ツ木間は東京11号線を共用する。
・今後開業する常磐新線の投資効果が減殺しないよう留意して、着工区間、時期等を決定する。

[要望A]<15>東京11号線の延伸(A2)
  二子玉川園―水天宮前(―)住吉(―)押上(―)四ツ木(―)松戸
  (水天宮前〜押上間は工事中)
・押上駅において東武鉄道伊勢崎線と相互直通運転を行う。
・必要に応じ、松戸から千葉県北西部方面への延伸の可能性を検討する。

[要望B]<21>区部周辺部環状公共交通(仮称)の新設(B)
  葛西臨海公園…赤羽…田園調布…羽田空港方面
・羽田空港方面の扱いについては京浜急行電鉄空港線と東京急行電鉄目蒲線を短絡する路線の整備状況等を踏まえて検討する。
・長大路線であり、今後の輸送需要等を踏まえて、早期に優先着工区間を決定する。

<25>常磐新線の建設及び延伸    (東京…秋葉原については(B))
  東京…秋葉原(―)北千住(―)守谷(―)つくば
  (秋葉原〜つくば間は工事中)

<26>北総開発鉄道北総・公団線を延伸し新東京国際空港へ至る路線の新設(A1)
  京成高砂―印西牧の原(―)印旛日本医大(―)土屋(―)新東京国際空港
  (土屋〜新東京国際空港間は改良工事、印西牧の原〜印旛日本医大間は工事中)
・関係者が多岐にわたることから、千葉県等が中心となり整備手法等につき、関係者間で早急に調整する。

○ 今後、関係地方公共団体等においては、公共交通機関を活用した街づくり等の観点からLRT(Light Rail Transit)の導入の可能性等につき検討を進める。        (cf.0603)

○ 上記路線整備に際し、他の路線と相互直通運転化を行わない場合は、乗継ぎ円滑化に向け最大限の努力を払うものとする。(cf.0606)


【保管ファイルNo.7】

「NEWS LETTER いのしし」というのは団塊の世代で政治を考えようとする『プロジェクト猪』の会報である。私自身も設立以来の会員である。

NEWS LETTER いのしし 投書&反論

【投書】   福祉というバリアを解体する介護保険

池田省三(会員・龍谷大学助教授)

 介護保険は往々にして「誤解保険」である。この誤解の多くは「弱者救済型福祉」の延長上で制度をとらえ、理解しようとするところから始まっている。

 これまでの高齢者福祉は、市町村が「誰に、どのようなサービスを、どの程度」提供するかを、行政の裁量によって決定する行政処分であった。利用者にはサービスの請求権もないというのが判例であり、行政解釈である。サービスの財源は公費であり、予算の枠内で提供されることとなる。つまり、限られた資源を特定の対象者に配分する仕組みであり、サービスの配給制度である。優先順序は基本的に所得と扶養関係を勘案して決定され、「身寄りのない低所得者」から優先的にサービスが提供されてきた。その結果、介護サービスを受けるものは「社会的弱者」であるという意識が醸成された。中間所得階層の市民にとって、「お上のお世話にはならない」「福祉のやっかいにはならない」というプライドから、福祉は他人事となった。あらゆる選挙で候補者たちが呪文のごとく「福祉優先」を唱え、すべての世論調査で福祉が優先されるべき政策の上位に上げられるにも関わらず、わが国の高齢者福祉が世界三流の域を超えなかったのは、そうした背景によっている。いわば「福祉は心のバリア」であったといってよい。介護保険は、このバリアを打ち砕く。保険料を拠出し、保険事故(要介護状態となること)に遭えば、給付を受けることができるという仕組みは、サービス受給が当然の権利であることを明確にし、誰もが引け目なく利用できる。

 福祉関係者の多くは、介護保険に批判的である。彼ら、彼女らは、低所得者は保険料が払えない、利用料が負担できないからサービスが受けられない、と声高に語る。介護保険は、低所得者を対象にした制度ではなく、すべての市民を対象にした制度であり、保険料負担も利用料負担も、絶対的多数者である中間所得階層を前提に設計されている。低所得者問題は普遍的な問題ではなく、第二次的な問題であり、特例的に解決されるべきものである。福祉関係者の多くはこのことがまったく分かっていない。制度的には、利用料が負担できないものについては、生活保護法に介護扶助制度が設けられているほか、低所得者の負担を軽減する高額介護制度も予定されている。初期資本主義ではあるまいに、所得がないからサービスを受けられないという状態が放置されるはずもない。高齢者の保険料は月額3000円程度と予想されるが、低所得者の負担はその半分、つまり1500円程度のものとなろう。これを市町村が独自に減免しても財源的には知れたものである。つまり、低所得者問題は容易に解決できる問題である。それ以上に福祉関係者が忘れている問題を指摘しなければなるまい。それは、そもそも月額1500円の保険料が払えない高齢者が、現代日本になお存在しているという事態への怒りである。低所得者の保険料を減免することは簡単なことであるが、それは、言い替えれば、無所得に近い高齢者の存在に目を閉じるということではないか。本来、高齢者への所得保証制度の見直しから問題解決が求められなければならないのだ。要介護高齢者への障害基礎年金適用、リバースモゲージによる資産の活用、高齢者への生活保護適用の弾力化等々、高齢者への所得保証制度の在り方を変えていく努力が必要なのである。たとえば、橋本高知県知事は、すでにリバースモゲージの実施を打ち出している。

 行政の「お仕着せ福祉」、市民の「おまかせ福祉」の時代は終わらなければならない。21世紀は、自己決定、自己責任、自己負担という市民社会の論理がようやく日本にも登場する。登場せざるを得ない時代である。そこでは、低所得者対策よりも利用者の権利擁護制度が重視され、不正な契約や詐欺、契約不履行や劣悪なサービスから、高齢者を守る社会システム作りが求められるのである。

 日本は久しくパターナリズム(家父長的温情主義)が支配する国であり、常に国の責任があげつらわれ、市民も行政に依存する一方、他方で告発と責任追及が繰り返されてきた。この二つの性格はメダルの裏表の関係であり、甘えと反抗の「箱庭文化」につかりきっていたのである。その先鋒は、日本共産党と公明党であり、旧社会党もその傾向が強かった。70年前後の学生反乱も同様の傾向がなかったとはいえまい。そして、「福祉」は、戦後一貫して、典型的な依存と反発の世界であった。

 減税、臨時福祉給付金、果ては地域振興券と続く政治は何なのか。国政は市民を乞食と見ているのだろうか。我々は市民社会における自立した構成員としてのプライドを持っていないのか。そもそも国家は今後も全面依存できるシステムなのか。この間の選挙に見られる有権者の動向を無党派と呼んでいいのか、単なる「政治アパシー」にすぎないのではないか。このような愚かしい現象がパターナリズムの末路である。われわれ戦後世代に求められている任務は、このパターナリズムの最終的解体に他ならない。

 介護保険はパターナリズム解体の始まりとしての可能性を秘めている。なぜなら、介護保険は、まず「福祉」を解体するからである。介護保険は「福祉というバリア」を「契約による社会サービスというバリアフリー」への転換のチャンスを提供する。対案もないケチつけ批判、負担は何でも反対、貧乏人をどうしてくれる型議論は、そろそろ退場する時間となった。介護保険は、我々市民が育て上げ、創り上げていく制度である。そして、それは市町村という基礎自治体を舞台として展開されていく。個人も地域も、自立型市民社会への転換が求められているのである。

【(*)WORDS】
リバースモゲージ (Reverse Mortgage)
 住宅などの資産を担保に、老後の生活に必要な資金融資を受け、死後にその資産(住宅)を売却してその返済に充てること。 (cf.1029)

アパシー (apacy)
 冷淡、無関心。とくに政治、思想的問題に関するものをいう。

【反論】 介護保険はそんなに素晴らしいか?

島田文直(運営委員・立川市在宅福祉課)

 ニュースレターいのしし第22号に龍谷大学の池田省三氏が「福祉というバリアを解体する介護保険」を寄稿された。福祉現場にいるものとしては氏の論理は余りに一面過ぎないかという疑問が生じた。すぐにでも批判の一矢を報いねばと思った。しかし、時を同じうして「実施延期論」「保険料の一部税負担」等のシステムの根幹に係る議論が安易に提起され、さらに、連立協議の中で自由党の小沢一郎が徹底した小さな政府(福祉)を志向する「税負担による介護制度」を持ち出し、一定のリアリティを持ちかねない状況であった。そのため、暫時休憩していたが、やはり気になるので投稿させていただくことにした。氏は介護保険を「誤解保険」であると言うが、私は「悔悟保険」と言いたい。

 日本の福祉制度は税負担では限られた人々にしかサービスを提供できなかった。分権化・市民参加が具体化できなかったし、今後もその見通しはない。その事実を率直に反省しその限界を認め、やむなく社会保険制度を導入する。しかし、財源の2分の1は税負担が導入され、その代わりに、福祉制度としての高齢者介護は原則として解消される。「弱者救済型福祉」の延長でとらえることができないとしても、従来の介護制度に依拠して暮してきた人々のことを忘れて良いわけがない。

 介護保険に対する不満や不安は氏の懸念している制度に対する無理解から生じているわけではない。氏のいう「第二次的問題であり、特例的に解決」できるはずの低所得者(従来の制度利用者)問題が解決される見通しが立たないことに原因があるのだ。その意味でも「悔悟保険」と言いたい。結論を先に言うが、私は介護保険の導入には賛成である。

 しかし、制度の功罪を検証せずに、問題点を問題点として指摘することにすら批判するが如き姿勢はおかしいと言わざるを得ない。それでは「介護保険ファシズム」である。少し言い過ぎた。「労働組合の社会的機能の重視」をはじめ、多くのことを教えて頂いた池田氏に、私は今でも敬意を抱いている。(それ故、批判すると理解して欲しい)

 第一に負担軽減問題である。利用料負担について、生活保護の介護扶助制度をとりあげているが、生活保護には厳格な資産調査があり、特に、金銭によるストックは全くと言って良い程認められていない。医療扶助だけを受けている人が、極く少数なのと同様に、介護だけを目的として生活保護を受けるというのは例外と考えるべきである。また、高額介護制度も、高額療養費制度と大差はつけられないことから、それなりの金額設定になり、要介護度の低い世帯への軽減機能が果たせないことは明らかである(月に6,400円〜17,000円であっても重い世帯には重いのである)。

 保険料負担についても、氏は年金の専門家である。1500円の負担ですむ人の年金額は月額3万数千円である。これが重いか、軽いかはそれぞれの判断である。しかし、「そもそも月額1500円の保険料を払えない高齢者が現代日本になお存在していると言う事態への怒り」についてはそのこと自体には同意するが、年金改革の見通しが、福祉制度改革以上に困難になっている事態を前提として議論を構築すべきではないか。介護保険制度は正確に言えば21世紀を待たずして、発足する。「21世紀の年金改革ビジョン」は、おそらく介護保険の抜本的見直しが行われる2000年度においても実現していないのではないか。低所得層への負担転嫁は社会保険制度の「罪」の面として、正直に認め、市町村の一般財源での軽減措置を求めることが正しい議論ではないかと考える。

 第二に「要介護認定システム」の矛盾の問題である。従来の措置制度においてはサービス提供基準も設けられないまま、予算の枠内で一方的に決められていた。これに比べれば要介護認定による客観的な基準の設定は大きな進歩ではある。しかし、要介護認定は心身の状態だけを勘案する全国一律の仕組みとされている(しかも、基本システムの調査・研究にあたっては施設生活をしている人を対象とした「手のかかり度」を基礎として統計的に処理し、システム化した)。そのため、それぞれの高齢者の生活環境、置かれている状態については介護保険の給付額には反映されない。これは家族介護に押しつけてきた現状から「介護の社会化」の実現のために当然と見倣されている。

 しかし、本当にそうなのであろうか。日本の介護保険は、正確に言えば「家事・介護保険」である。家事の必要は世帯構成で大きく異なる。「置かれている環境」に着目してホームヘルプサービス等を提供してきた従来の地域環境が介護保険制度の導入によって変わるわけではない。本来、認定審査会の中でこのような要素が検討され、介護保険制度内の給付として保障できる仕組みが検討されるべきであった。「国の責任追及と市民の行政依存が政治アパシーを生じさせた」「福祉というバリアが介護保険によりバリアフリーとなる」等の言説は飛躍していると思うが、現状では沈黙しておこう。介護保険制度が「絶対多数者である中間所得層を前提に設計されている」ことは自明であるのだからこそ、未だ地域で生活している決して少なくない「低所得層」への視点と課題も忘れて欲しくないだけであるのだから。


【保管ファイルNo.8】  1999.11.21 質問メール

『他国の国歌の歌詞は?』……調べて見ました。

(1) 日本国歌(英訳君が代)

A thousand years of happy life be thine!

Live on, Our lord, till what are pebbles now,

By age united, to great rocks shall grow,

Whose venerable sides the moss doth line.

            Trans. by B. H. Chamberlain.

 

(2)イギリス国歌

(1)

  God save our gracious Queen,   神,護りませ恵み深きわが大君を,

Long live our noble Queen,      千代に八千代にとおとき君を,

  God save the Queen!        神,護りませわが大君を!

Send her victorious,         君に勝利と,

Happy and glorious,          幸福と光栄とを下し,

Long to reign over us,        とこしえにわれらを知ろしめさせたまえ,

  God save the Queen!        神,護りませわが大君を!

(2)

One realm of races four,       四つの民より成れる国ぶり,

Blest more and ever more,       いや栄えにぞ栄ゆなる,

  God save our land!        神,護りませわれらが国を!

Home of the brave and free,      勇気と自由のふるさと,

Set in the silver sea,        しろ金の海に浮かべる,

True nurse of chivalry,        武道のまことの養い場

  God save our land!        神,護りませわれらが国を.

(3)

Kinsfolk in love and birth,      愛と生を分かてる同胞,

From utmost ends of earth,      地球のすみずみよりの,

  God save us all!         神,護りませわれらの総てを!

Bid strife and hatred cease,     争いと憎しみを絶えしめ,

Bid hope and joy increase,      望みと喜びを増さしめ,

Spread universal peace,        世界にあまねく平和をみなぎらしめよ,

  God save us all!         神,護りませわれらの総てを!

 

(3)アメリカ国歌

(1)

Hail, Columbia, happy land!      祝え,コロンビア,幸ある国よ!

Hail, ye heroes, Heav'n born band!  なんじ勇者らよ,天の授けし隊伍よ!

Who fought and bled in Freedom's cause, 自由のために血を流して戦い,

And when the storm of war was gone,  戦雲一度おさまらば,

Enjoyed the peace your valor won,   汝らの勇武が得たる平和を楽しめり,

Let independence be our boast,    願わくば独立をしてわれらが誇りたらしめよ,

Ever mindful what it cost;      しかも何をぎせいにし独立を得しかを心にとどめ

Ever grateful for the prize,     かくしてかち得たるこの独立を常に感謝し,

Let its altar reach the skies.    その祭壇をして天を摩さしめよ.

(2)

Immortal patriots, rise once more!  不朽の愛国者よ!ふたたびたて!

Defend your rights, defend your shore; なんじらの権利を守れ,なんじらの岸を守れ.

Let no rude foe,with impious hand,  暴慢なる敵をして,そが毒手もて,

Invade the shrine where sacred lies, 神聖なるものの祀りを侵さしめざれ,

Of toil and blood the well-earned prize. そは努力と血とによりて正しく得たるものを

While off'ring peace, sincere and just, 誠実と公正なる平和をささげつつ,

In Heav'n we place a manly trust   われらは雄々しく天に信頼す,

That truth and justice shall prevail, 真理と正義は世に栄え

And ev'ry scheme of bondage fall.   束縛の諸策はことごとく滅ぶべし.

     Chorus           折返し

Firm, united let us be,        われらは堅く一致せん,

Rallying round our liberty !     われらの自由を取りかこみて!

As a band of brothers joined,     結合せる兄弟として,

Peace and safety we shall find.    平和と安穏とをわれら見い出さん.

 

(長井編・萩原恭平改定『英語ニューハンドブック』研究社、1978より)


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