ズ−ト・シムズ

酒飲みだった。特にジンのストレートには目がなかった。
豪快な人生を全うした人だった。
でも繊細で人間味溢れる演奏で聴く人を魅了した。駄作の少ない人だった。
この「ソプラノ・サックス」はジャズを聴いてみたいと思っている人には
最適なアルバムだ。歌心溢れるズ−トのプレイに感激するはずだ。
通の人はもっといいアルバムがあるよと言うだろう。
そうだと思う。でも、ぼくはこのアルバムでジャズの楽しみ方を教わった。
音楽は理屈じゃないよ。喜びなんだよ。スランプの時はこのアルバムを
聴いて自分に活を入れるんだ。ズ−トはこう言っている。
「人生って奴はそんなに悪いもんじゃないって!」

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