コンサート回顧
LED ZEPPELIN
1971年9月、巨大な飛行船が来日した。当時16歳だったおれは幸運にも
東京公演の初日を武道館で体験することが出来た。それは本物のロックとの
衝撃的な出会いだった・・・・
なんて、カッコヨク続けたいのですが、柄に合わないのでいつもの感じて゛
いきたいと思います。ジョン・メイオール、フリー、BST、シカゴ、GFR
等海外の大物が相次いで来日した71年でした。そこへ真打ちZEPの登場!
後楽園でGFRを雨の中、体験したのですが、コンサートというよりは完全な
バカ騒ぎの感が強く、本物のロックという意味ではZEPのライブに勝るもの
は後にも先にもありません。ただし、わたしはZEPの大ファンというわけで
はありません。彼等のアルバムも3枚目までしかキチンと聴いていません。
それなのに、翌年の来日コンサートも含め彼等のライブは3回体験しました。
再来日のコンサートは歴史に残るサイテ−の出来でした。まっそれなりに
面白かったですけど。
前置きはさておき初日の武道館へタイムスリップしてみましょう。
開演30分前だっていうのに長蛇の列。列の間からは期待に胸を膨らませる
声があちこちから聴こえてきます。1曲目は何だろうとかバイオリンの弓は
使うか等など。ビデオなんてない時代ですから、みなMLの写真でしか姿を
見ていない・・そんな時代でしたよね。
わたしには確信がありました。数カ月前に入手した海賊盤「ブルーベリー
ヒル」を下地としてコンサートは進んでいくに違いない。ということは
1曲目は「移民の歌」だと。
さて、どうにか武道館内に入り、席につきじっと開演を待ちます。
ちなみに、わたしの席は3階の一番後ろ。背中は壁でした。トホホ・・
突然、会場の照明が落ちました。さあ始まるぞ 高鳴る胸 心臓ドキドキ
と現れたのはステージ向かって左から故糸井五郎氏、コレ以上ないという
くらいの拍手と声援でした。会場の雰囲気はさらに高まり、糸井氏がまだ
しゃべっている途中にステージ右からロバート・プラントを先頭にZEPが
登場してしまいました。もう、糸井氏が何を言っているのか全く聞こえませ
ん。場内大騒ぎです。
「GOOD EVENING!」とロバートが叫んで、ジョン・ボーナムが試しに
スネアを一発叩いて、ジミ−・ペイジが右足を軽く上げて、「移民の歌」が
始まりました。すごい!すごい! 本物だ 本気で演奏している。強烈なパワー
が場内を包み込みます。想像以上にかっこよくアクションを決めるジミ−
のカッコイイこと。こんな足の長い人みたの初めてでした。70年代初期の
日本人の体型はまだまだだったのです。
バンドをコントロールしてるのはやはりジミ−でした。ロバートも頑張って
いますが、ジミ−とくらべるとどことなくイモニイちゃん風でしたね。
やはり、ロンドンポップの中を第一線でくぐり抜けて、ヤードバーズの
3大ギタ−リストに数えられるジミ−は他のメンバーと格が違います。
LED ZEPPELIN それはあまりにも巨大な飛行船でした。まだ、ロック未開
の日本来るには大きすぎたのかもしれません。小学生がいきなりウイスキー
を一気飲みしたような衝撃を与えたような気がします。世界とのレベルの差
を痛感させたバンド。わたしはそう記憶しています。