10代の頃

中学生の頃、渋谷のヤマハまでレコードを見に行った。
当時の輸入盤は2,500円から3,000円の高嶺の花、中学生の
小遣いではなかなか手に入れることはできなかった。
「CREAM」や「JIMI・HENDRIX」のアルバムを
手に取っては、飽きもせずに眺めていた。
高校生の時、かわいい女の子と新宿でデートをした。
ふと、入ったレコード店でアメリカから届いた直後の
「LIVE CREAM VOLUME II」に出会ってしまった。
2,800円だった。手持ちの金では足りなかった。
迷わず、「悪いけど、金貸してくれ」
「えっ?」
「このレコードが欲しいんだ、金貸してくれ」
レコードを手に入れた後、「じゃっ俺帰る・・」
唖然とした顔をした彼女・・ぼくは1枚のレコードを
入手するかわりにかわいい彼女を失った。
ジャケットの擦り切れたその「レコード」は今でも
部屋のレコードボックスでぼくと生活を共にしている。


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