マイク・ブルームフィールド ライブ アット サンフランシスコ  1978

 小さいお店ですが、とりあえずMCがありました。「お待たせしました。マイク・ブルームフィー
ルド!」拍手と歓声の中1曲目が始まりました。
マイクは椅子に座ってプレーしています。使っているギターはアルバムのジャケットにも使われた
こともあるアコースティックギターにピックアップをガムテープで付けてボトルで弾き始めます。
エイトビートの軽快な曲で2コーラス目からマイクのソロが始まります。鋭い!突き刺さるようなソ
ロ、軽々とボトルをあやつっていきます。エルモア・ジェイムスもこんな感じだっのかなあーなん
て想像させられるような強烈なボトルネック奏法です。上手い、上手い、こんなスゴイギタープレ
イを10メートル以内の距離で見たのはもちろん初めてのこと。もう興奮の連続!
マイクものっけから4コーラスか5コーラス弾きまくりです。いけいけもっとやれー!思わず立ち上
りそうになります。いつも冷静な私も我を忘れそうになってしまいました。ギターソロの後は例の
独特の声でボーカル。拍手が起こります。曲目は・・さっぱり分かりません。わたしも60年代か
ら70年代初期までのマイクしか聞き込んでいなかったのでソロ活動のことはほとんど知らない状
態でライブに臨んだことはちょっと残念でした。やがて1曲目が終わります。あたたかい拍手と歓
声に溢れます。マイクもニコニコしてご機嫌そうです。気難しく、デリケートなところもある人だ
と想像もしていましたけど、今夜のマイクはリラックスしてとても楽しそうです。
当日、マイクは3本のギターを用意していました。先のアコギ、黒のストラト、クリーム色のテレ
キャスターでした。レスポールは残念ながら使いませんでした。あのサンバーストのレスポールを
持つマイクの勇姿も見たかったですが残念!バックのメンバーはテクがあるわけではありませんが
的確にマイクをサポートしていきます。最後までメンバー紹介はなかったのでそれぞれの名前は分
りませんでした。多分、当時のレコーディングメンバーでしょう。ただ、キーボードの人はどうも
マーク・ナフタリンのような気が今でもしています。途中でマイクが「マーク・ナフタリンがなん
とかかんとか」と言ったところ他のメンバーがギャハハハっと大笑いしているのにそのキーボード
の人だけ下を向いてうつむいていました。よけいな事を言いやがってという雰囲気が感じられまし
たね。でもメンバーの関係はとても良い関係だと思います。曲によってはバックコーラスをつけた
りして一体感があります。やがて、スローブルースが始まります。曲目は分かりません。スタンダ
ードの曲ではなかったです。少なくても私の知る限りでは・・・マイクはブルースに関しては深く
研究していたので元ネタはいくらでもあるのでしょう。スローブルースでは黒のストラトを使いま
した。ほどよいリバーブの効き具合、これがあのマイクのトーンだと感激!目をつぶってソロに集
中するマイクの姿、クラプトンなんかおよびもつかない本物のブルースです。しかし、本当にマイ
クはウマイ。しつこいようですがこんな上手い人を目のあたりにしたのは初めてでした。
他の曲でマイクはテレキャスターを手にしました。おやおや、膝の上にギターを置きましたよ。
この弾き方を生で見るのは初めて。興味津々です。マイクのギタースクールのようになってきまし
た。ボトルでスチールギターのように弾き始めました。カントリーともハワイアンともつかない
面白いインストでした。その後、アコギで一人でラグをやったりしました。何でも出来るんです、
マイクという人は。第一部の最後は「シェイク・ラトル・ロール」を軽快に飛ばします。踊りだす
人もいます。踊りたい人は他の人の邪魔にならないように席をたって壁際へ移動して踊っていまし
た。コンサートを見る上でのマナーをしっかりみんな守っています。そして、第一部終了。
約30分ほど休憩がありました。マイクはステージ前にいたお客さんの席でグビグビ飲んでいまし
た。おそらく関係者の席だったのでしょう。あんなに飲んで第二部だいじょうぶかなと少し心配で
した。
やがて、第二部が始まりました。私の記憶では第二部は第一部より短かったと記憶しています。
わりと踊りやすいナンバーが多かったと思います。憶えているのは「フィール・ソ−・バッド」を
リトル・ミルトンスタイルでやったこと、踊っている女の子が滅茶滅茶カッコ良かったこと。
近くで若い奴が女の子を一生懸命ナンパしていたこと等です。もう時間も日付変更線を越えそ
うになっていましたしどうやって帰ろうかと考えはじめていました。
アンコールは2回。2回目のアンコールの時、始めようとした時ストラトの弦が切れてしまいまし
た。「ゴメン、切れちゃったからもうお終いにしよう」とマイクが言ったところ「エーッ」と不満
の声が上がります。仕方ないなっという顔をしてマイクはテレキャスターを膝に置いてインストを
やってお終い。素晴らしいライブでした。時計を見ると午前0時を過ぎています。もうフィルモア
ストリートは懲り懲りでしたので、遠回りしてホテルまで帰りました。帰り着いたのは午前1時を
とっくに過ぎていました。どっと疲れが出てそのまま寝てしまったと思います。


それから3年後の81年2月、新聞を見た私は愕然とするに記事に出会いました。
「マイク・ブルームフィールド氏 死亡」・・・・・
ああーマイク、君はまだやり残したことが沢山あったよね。日本にだって来て君の素晴らしいギタ
ープレイを披露してほしかったよ。いいアルバムももっと作ってほしかった。どうしてドラッグな
んかで素晴らしい才能を終わらせてしまったんだ。なんてことだ・・・マイク・・・残念だよ。
でも、ぼくは君の残した音楽を一生大切にしていくよ、そして君がギターをプレイしている姿も
忘れないからね。

マイクに関する詳細はこのサイトへお越し下さい。
http://www.pluto.dti.ne.jp/~bluesboy/bloomfield/mikebloomfield.html
このサイトは最高のマイクのサイトです。全てのアルバムをアップしてあります。
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