マイク・ブルームフィールド ライブ アット サンフランシスコ  1978

1978年の2月から3月にかけて3週間ほどサンフランシスコを中心に初の海外旅行を試みました。
いくつかのコンサートを見ることができましたが、今回は大好きなマイクのライブをアップしたいと思います。
サンフランシスコに着いて2−3日すると少し緊張感も薄れ、ここまで一体何しにきたんだ。
フィルモアのお膝元だぞ。
さあー行くぞという感じになり、情報誌を買いコンサートのチェックを始めました。
なになにジャーニー、リック・ダンコ、あっマイクのライブがあるぞ!
この3つは要チェックやで。
情報誌片手にポークストリートにあるレコード屋兼チケット売場へ向いました。
ポークストリートは有名なゲイストリートです。店員さんも皆さんそっちの人でした。
情報誌を見せ、これとこれをお願いしまーすと言うと、ウフ−ンという態度で調べてくれます。
「車持ってンの?」と聞かれ「ないです」と答えるとジャーニーは無理、リック・ダンコも難しいとのこと。
えー残念・・・  マイクは「これはOK!歩いても行けるよ」とのうれしいお答え。
よし! 前金で支払い、チケットの受取りは明日の午後2時以降ならいいよとのことでした。
さっそく会場の下調べを開始。友人のジョン・ヘンリ−君のお店を訪れ場所を調べてもらいます。
ジョン・ヘンリ−君のお店もポークストリートにあるゲイレストランです。
ここではっきりさせておきますが、私も一緒にいた小原氏もゲイではありません。
たまたま(洒落ではありません)友人から紹介された人がタマタマゲイであっただけです。
マイクのライブ会場はなんとフィルモアストリート沿いにある「SHADY GROOVE」というクラブでした。
ジョン君はナイトクラブという表現をしていました。
サンフランシスコは碁盤の目のような街なのでアドレスが分かればわりと迷わず目的地に着くことが出来ます。
地図を見ながら小原氏と期待を膨らませていました。
さて、当日夕食を済ませ我々は安ホテルを後にします。
ちょっと距離がありますが歩いていくことにしました。街を歩けば夜の女たちが日本語で声をかけてきます。
だれが教えるのでしょうか。
目がクラクラするような街の灯の中をひたすら歩いて「SHADY GROOVE」へ向います。
やがて、フィルモアストリートへ辿り着きゆるやかな坂道を歩き続けます。
ここがフィルモアかあと感慨に耽りましたよ。
しばらくして・・・様子が変だぞ 周りの雰囲気が変わってきました。
歩いている人、佇んでいる人、スレ違う人すべてがALL BLACKになっていました。
店て買物している人、売っている人ぜーんぶです。
みんな変な奴等が来たなという顔をして我々を見ます。
何か声をかけてくるのもいれば、トウセンボをする悪い人もいます。
わたしも決して人種差別主義者ではありませんが、正直言って「恐かった−」小原氏はいつでもホールドアップ出来るようにポケットの中のドル札を握り締めていたと後日言っていました。
どれくらいの時間、距離か分かりませんがずいぶんと長く感じました。
やがてチラホラと白人の姿が見えるようになりました。安堵感が沸いてきます。
後日、ジョン君に話したところ彼は「BLACK SECTION」という表現をしていました。
ニューヨークみたいに恐くはないけどあまり夜遅く行ってはいけないよとのことです。
バティ・ガイの曲で「ハローサンフランシスコ」というかっこいいブルースがありますが、この地域のことを題材にしているのでしょう。
人通りが多少減ったところで、右側に目指す「SHADY GROOVE」が見えてきましたやっと着きました。
入口の女の子にチケットを渡すと手を出せと言います。
わたしはマヌケなことに手のひらを出してしまい、反対だよと言われてしまいました。
手の甲にスタンプをベタと押され出入り自由だよと教えてくれました。
な−るほど これは初めての経験でした。
店の雰囲気は当時の日本のライブハウス例えば「屋根裏」とか「ロフト」のような感じでした。
60人から70人くらいの入りだったと思います。客は全員白人。
日本人は2人だけ。席に着きビールを注文してしばらくすると前座バンドが始まりました。
キーボード、ドラムそしてベースの3人編成で俗に言う偽ソウルぽい演奏をしていました。
はっきり言って退屈でしたね。
30分ぐらいした時、ふとわたしの横に人の気配がしてチラッと見上げるとレコードのジャケット、雑誌の写真でしか見たことのなかった「彼」がわたしの横30cmのところにいました。
マイクだ!前座のバンドへ指を3本だして「あと3曲だよ」と合図していました。
おもわず立ち上がって「マイク・ブルームフィールドさん!日本から来ました。
あなたを見にきたんですよ」と言って握手をしてもらいました。大きな手でした。
ジーンズの上下を着て飾りッ気のないマイクは本当にカッコイイ男でした。
やがて前座がおわりしばらくすると何やら店の入口附近がざわざわしています。
この店はどうやら楽器搬入口が無いらしく、バンドの器材を客席側から搬入するしかないみたいです。
マイクも自分の使うツインリバーブをごろごろと自分ですみませーんという感じてころがしながら入ってきます。
他のメンバーもマイクスタンドやらシンバルやらを手にして客の間を歩いています。
お客さんもニコニコして見ています。ステージのセッティングもマイクが仕切っていました。
やがてセッティング完了。
ステージ右からマイク、ドラム、ベース、キィ−ボードの4人編成のマイク・ブルームフィールド&ヒズバンドのライブがいよいよ始まります。 

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当時のチケット。これはマイクのチケットではありません。 OLD WALDORFというお店でハワイのカラパナというバンドを見た時のものです。昨年、ここOLD WALDORFで録音されたマイクのライブが発表されました。

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